カバーは一聴の価値あり!
Title:TOKYO GROOVE
Musician:HALCALI
今回のHALCALIのニューアルバムは、2枚組。1枚はオリジナル曲を収録し、もう1枚は、いままでに発表したカバー曲などを集めた企画盤になっています。
オリジナルアルバムの方は、豪華なミュージシャンたちが曲を提供しています。「tears of love」はまんまBIKKEでわかりやすすぎ(笑)。ラップ(?)の部分で、一発で誰の曲かわかりました。タイトルからしてそのまんまな「ZIG ZAG SATURDAY NIGHT」はNONA REEVES西寺郷太によるディスコチューンに、オリジナル最後の「ENDLESS NIGHT」は、RAM RIDERによるテクノポップ・・・と、それぞれのミュージシャンの特徴がダイレクトに曲に反映されていました。
ただ・・・どの曲も悪くはないのですが、言ってはなんですが無難・・・。HALCALIってこの程度だっけ??と思いながらアルバムを聴いていきました。
でも、「その程度ではない」ということがはっきりわかったのが、オリジナルラストの「HALCALI TOKYO GROOVE TWO TURNTABLE MIZ」・・・って、単なる過去の代表曲のメドレーなんですけどね。
遊び心もポップスセンスも、それまでの曲に比べて段違い。曲を作った側もHALCALIを利用して遊んでいるなぁ、ということが伝わってきますし、HALCALI自身も、それを楽しんでいるなぁ、というのが伝わってきます。
正直、今回の新曲に関しては、そういう遊び心が欠けているように感じました。
逆に、とてもよかったのが、2枚目のカバー曲たち。
ベスト10ヒットを記録した「今夜はブギー・バック」のカバー。原曲の良さに助けられている部分もあるのですが、このカバーを聴くだけでも、このアルバムを聴く価値、ありです。
他にも、赤塚不二夫トリビュートに収録された「すきすきソング」(「ひみつのアッコちゃん」の曲です)だとか、原曲とは雰囲気の違うジュディマリの「ラッキープール」だとか、こちらは、デビュー当初のような遊び心がつまったカバーがいっぱい。どれも既発表曲なのですが、HALCALIの魅力満載のこれらのカバー、お勧めです!
ただ・・・約2年8ヶ月ぶりという久しぶりのアルバムなのに、実質上の新曲が、わずか7曲というミニアルバム並みかぁ・・・。個人的にはもっともっとがんばってほしいミュージシャンなんだけどなぁ。久しぶりの新譜はうれしかったのですが。
評価:★★★★
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