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2010年8月24日 (火)

象とアリ

Title:生渋栗
Musician:川口義之with栗コーダーカルテット&渋さ知らズオーケストラ

生渋栗

舞台に入りきらないような大人数で、大音量のステージを繰り広げる大所帯バンド渋さ知ラズオーケストラ。4人だけのメンバーが、基本的にリコーダーやウクレレなどのシンプルな楽器とアレンジで演奏する栗コーダーカルテット。

ある意味、この2組、いわば「象とアリ」ともいえる対極的なユニット。栗コーダーの川口義之が、渋さのメンバーでもあったり、いろいろと接点のある両者ですが、「じゃあ、お互いの曲をお互いにカバーしたらどうなるの?」というとてもユニークな視点から、昨年5月に「渋栗」というアルバムがリリースされました。

これは、その「渋栗」リリースにあわせて行われたライブを収録したライブ盤。今回は、自分の曲を演奏する原曲と、相手の曲のカバーを並べて収録しているため、両者の違いが、より鮮明になっています。

そのため、原曲の良さが生かしきれず、いまひとつなカバーもはっきりしたような感じがします。具体的には「ペジエ」の渋さヴァージョン、「火男」の栗コーダーヴァージョンはいまひとつだったように感じました。

しかし一方では、お互いのカバーが見事マッチした曲もありました。あまりのはまり具合に、「あれ、彼らのオリジナルだったっけ?」と思ったほど。具体的には「マヨネーズ第二番」「Up On A Moon Hill~桂林を下って月の丘に昇る~」の渋さヴァージョンは、渋さの大所帯編成にピッタリと曲がマッチ。「あれ?これ、渋さの曲だっけ?」と思うくらいのはまりようでした。

ちょっとファン向けという要素もあるものの、渋さか栗コーダーのアルバムを1枚でも聴いたことある方には、ユーモアさとあわせて十二分に楽しめるアルバムだと思います。これ、ライブも楽しかったんだろうなぁ。

評価:★★★★★

で、同時に発売されたアウトテイク集がこちら。

Title:割れ渋栗
Musician:川口義之with渋さ知らズオーケストラ

割れ渋栗

もともと、「生渋栗」からして、ファンズアイテム要素が強いだけに、そのアウトテイクをあつめたこのアルバムは完全にファン向けといった感じでしょうか?

ただ、アウトテイクとはいっても、そこは実力派の彼ら。なんで本編に収録されなかったの?という名演もたくさん。個人的には、ビックバンド風でどこかユーモラスな「ホテルラサール1986(take5)」はとても気に入りました。

でも、全体的には、少々大味な印象も。ライブで聴けば印象は変わるかもしれませんが・・・。「渋栗」「生渋栗」を聴いた後、楽しむのがいいのかも。

評価:★★★★

栗コーダーカルテット 過去の作品
15周年ベスト
夏から秋へ渡る橋
渋栗(川口義之with栗コーダーカルテット&渋さ知らズオーケストラ)

遠くの友達

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