邦楽上半期ベスト5
昨日の洋楽編に続き、邦楽編。こちらは、上半期ベスト5です。
5位 カンチガイもハナハダしい私の人生/KAN
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今、日本でもっとも「カンチガイ」されているミュージシャンによる最新アルバム。以前からこのサイトでは、彼の素晴らしさを、アルバムをリリースするたびに主張してきましたが、最新アルバムは文句なしの傑作でした。いつものKANらしい王道路線のポップスから、ASKAとのコラボレート作、さらにはPerfumeからインスパイアされた楽曲まで。KANを「カンチガイ」している人にこそ聴いて欲しい傑作です。
4位 THERE'S NO TURNING BACK/THE BAWDIES
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昨年にリリースされた「THIS IS MY STORY」に続く傑作。60年代のロックンロールをそのまま体現化したようなサウンドは、「そのままじゃん」と言われながらもある種のわかりやすさがありますし、聴いていてウキウキするようなポピュラリティーがあります。そして、それこそが、本来ロックンロールという音楽が持っていた魅力なんじゃない?前作よりも音楽性の幅も広がり、成長を感じられます。次は、日本語でこのグルーヴを。
3位 マニフェスト/RHYMESTER
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ロックやエレクトロなどの要素を入れた彼らのHIP HOPは、ロックリスナーが聴いても楽しめ、かつ、そのライムにもインパクトが。「マニフェスト」と名づけられた久しぶりの新作は、そのタイトルの通り、社会派な歌詞も多く、彼らの主張がはっきりと感じられます。ただし、その主張はあくまでもユーモアたっぷり。決して押し付けがましくない点も大きなポイントでしょう。全体としては、これがはじめて、というような真新しさはないものの、HIP HOP黎明期から走り続ける彼らの実力を感じられる傑作アルバムでした。
2位 友だちを殺してまで/神聖かまってちゃん
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好き嫌いは別としても、2010年という時代を語るのに、重要な1枚・・・だと思います。音源としての評価はさほど高くなく(悪くもないのですが)、実際、私も最初聴いた時は、よくありがちなギターロック、程度にしか感じませんでした。ただ、聴けば聴くほど、「実は、すごいアルバムなんじゃない?」という感覚に。この社会の中で、「非モテ」のようなレッテルを貼られ、社会の中で鬱屈している若者たち。そんな若者たちの叫びを、ダイレクトに曲にのせている彼らには、現代の若者たちのリアルを感じます。・・・や、ひょっとしたら過大評価かもしれないですけどね(^^;;でも、ひょっとしたら、時代を変える重要な1枚かも。
そして・・・
1位 2010/クラムボン
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メジャーデビューから11年。いままでのアルバムも名作揃いだったのですが、このアルバム、彼女たちの最高傑作だと思います。ここ数年のクラムボンは、「ポストロック」という表現が適切かどうかわかりませんが、実験的というか、アレンジに凝った内容が続いており、ポピュラリティーという面が、ちょっと後ろに下がってしまった感がありました。しかし、この作品は、奥深いアレンジはそのままに、デビュー当初のようなポップで、いい意味で聴きやすい作品を作り上げています。ある意味、クラムボンの完成形ともいえる作品かもしれません。文句なし、今年上半期を代表する傑作だと思います。
以上、5枚。あらためて並べてみると・・・
1位 2010/クラムボン
2位 友達を殺してまで/神聖かまってちゃん
3位 マニフェスト/RHYMESTER
4位 THERE'S NO TURNING BACK/THE BAWDIES
5位 カンチガイもハナダハしい私の人生/KAN
今年の邦楽ベスト5は、どの作品を選ぶか、かなり迷わされました。昨年の上半期ベスト5も充実していましたが、その昨年度を上回る充実さ。ここ最近、CD不況が叫ばれていますが、それと反比例するかのように、音楽シーンはかなり充実しているのではないでしょうか?特にベスト5に入れた神聖かまってちゃんやTHE BAWDIESのような、力のある新人バンドが次々と出てきています。
他にベスト5入りを迷ったのは・・・
ブルーロンド/小島麻由美
PLAYER/capsule
在日ファンク/在日ファンク
グッバイ、ガールフレンド/踊ってばかりの国
BABY/aiko
凪/キセル
どの作品も、普段なら余裕でベスト5入りできたような内容の作品ばかり。他にもandymoriや毛皮のマリーズなど、注目のバンドが続々と傑作をリリースしています。まじで2010年という年は、音楽シーンにとっておもしろい1年になりそうです。
ちなみに過去の邦楽ベストアルバムは・・・
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