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2010年8月

2010年8月31日 (火)

不気味なリズムに独特な魅力

Title:move of ten
Musician:Autechre

Move Of Ten [日本先行発売!!・ボーナストラック付き国内盤] (BRE-31)

前作からわずか4ヶ月というインターバルを置いてのリリースとなるAutechreの新作です。

前作「Oversteps」から、すぐにリリースされた新作。ということで、前作とはある意味対照的な作品になっています。前作が、彼らにとってはどちらかというとポップでメロディアスな作品になっていたのに対して、今回の作品は、彼ららしい、無機質で不条理的なリズムを前面に押し出した作品になっていました。

次から次へと繰り広げられる、無機質な電子音の連続に、リズムは、実にAutechreらしいといえる作品かもしれません。メロディアスだった前作に比べると、直感的に「ああ、Autechreだなぁ」という感想を抱く作品になっていました。

加えて独特なのは、アルバムの、特に前半に顕著な不気味な空気感。「pce freeze 2.8i」「nth Dafuseder.b」などといった雰囲気の曲が、リスナーを、ある種の不気味で不思議な空間に迷い込ませるような、独特な魅力を感じさせてくれます。

そして終盤。丸みを帯びた音が優しい雰囲気を感じる「M62」が、そんな不気味の世界から抜け出したようなほっとした気分を味あわせてくれたかと思えば、「Cep puiqMX」は一種壮大な世界観を感じられ、いわばクライマックスのよう。最後の「ClnChr」はミニマルなナンバーながらも、こちらも音に不気味さを感じられる・・・ある種最後の最後まで、彼らがつくりだす世界から抜け出せないような、そんなアルバムでした。

そんな魅力的なアルバムなのですが、斬新さという点では、以前の彼らに比べると、やはり弱い部分も否定できません。上にも書いた「ああ、Autechreだなぁ」という感想も、一種のマンネリズムの表れ、ともいえるかもしれません。ファンにとっては魅力的で楽しめるアルバムだとは思うのですが・・・。

評価:★★★★

Autechre 過去の作品
Quaristice
Oversteps

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2010年8月30日 (月)

ポップス職人の傑作

Title:ファンタジスタ
Musician:岡本定義

ファンタジスタ

福耳への参加・楽曲提供でもおなじみの、COILの岡本定義によるソロ2作目。

個人的に、COILはデビュー当初から応援しているのですが、そのメロディーラインの良さと反して、なかなか売れません(苦笑)。福耳への提供曲でヒットを出しているので、十分なヒットポテンシャルは持っているとは思うのですが・・・。

まあ、応援していてこんなこと言ってしまうのも何なのですが、おそらく、なかなかヒットをしないのは、曲が地味だからゆえ、ではないでしょうか?正直言って、このアルバムに関しても、パッと聴いて、幅広いリスナーをつかめるような強烈なインパクトはなく、「地味」というイメージがつきまといます。

しかし、だからといって曲が悪いわけではなく、むしろその逆。メロディーに関しては、地味ながらも、聴けば聴くほど良さがにじみ出てくるような名曲。何度か聴くと、知らず知らずにそのメロディーを口づさむようなポピュラリティーを持っています。

そして今回のアルバムは、やはりソロだからでしょうか、アルバムに収録されている曲のバリエーションは豊富。かなり自由度の高いアルバムになっています。

ちょっとフランス音楽風のこじゃれた「ウサギちゃん」からスタート。「シングルス」はムーディーなSaxのイントロが、とても印象的な作品になっています。かわいらしいポップチューンの「魔法を信じるなら」や、フィーキーな「モーニングコール」、漢語調の歌詞とロックなサウンドのバランスがユーモラスな「He Said He Said~論語学而第一~」に、ヘヴィーロック風の「MUSIC MAGIC~音楽の魔法~」は、タイトル通り、音楽への愛情を歌い上げ居ます。ラストの「ぼさのばぶる~す」はタイトル通り、ボサノヴァとブルースを融合させたようなユニークな作品で締めくくっています。

ポップス職人による珠玉のポップスの連続。最初の感触は地味に感じるかもしれませんが、聴き始めれば、きっと岡本定義の世界にはまってしまう、そんな作品です。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

It's Here/カヒミ・カリィ

It’s Here

全編、アコースティックなサウンドに、彼女の美しいボイスがのる、ポップソングの連続。静かな雰囲気の曲が多いのも特徴的。アレンジもメロディーも、彼女のボーカルの良さをとても生かした作品が並んでいました。

評価:★★★★

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2010年8月29日 (日)

歌謡曲とJ-POPの狭間で その2

昨日の続きで「ザ・ベストテン」コンピレーションの感想を。今回は、個々のアルバムの感想です。

ザ・ベストテン 1986-87

Title:1986-87

渡辺美里(作曲 小室哲哉)やTUBEなど、90年代のヒットシーンにつながるミュージシャンが出てきているのが時代を感じます。また、石井明美「CHA-CHA-CHA」森川由加里「SHOW ME」は、バブル期の象徴といったイメージで、これまた時代を感じます。

個人的に、収録曲の中でダントツで気に入ったのが、小泉今日子「木枯らしに抱かれて」。切ないメロディーラインがたまりません。誰が曲を書いたのかなぁ、と思ったら、THE ALFEEの高見沢なんですね。たしかに、THE ALFEEは、あの仰々しいアレンジに隠れがちだけど、メロディーがいい曲は多いですからね。もっとアレンジを抑え目にすればいいのに・・・と思うのですが、ファンにとっては、あのダイナミックなアレンジがいいんでしょうね、多分。

評価:★★★★★

ザ・ベストテン 1988-89

Title:1988-89

TM NETWORKにプリプリに爆風スランプに。80年代最後の1年ですが、明確に90年代への道筋が見え、時代の変化を感じるアルバム。一方で、田原俊彦や工藤静香などのアイドル勢の勢いもまだまだ目立ちます。

個人的には、ここらへんの年代から、リアルタイムで聴いた記憶のある曲や、中高生の頃、カラオケで歌った曲などが多くなるだけに、ノスタルジーを感じる曲もたくさんあって、そういう意味でも、聴きこたえのある1枚でした。

評価:★★★★★

 

ザ・ベストテン 歌謡曲編 2

Title:歌謡曲編2

この時期の歌謡曲って、日本人の琴線に触れる、哀愁たっぷりの名曲から、完全に様式化してしまった演歌まで、差がありますね。

中盤「夏をあきらめて」「そんなヒロシに騙されて」と、サザン桑田佳祐の曲が並んでいますが、どちらも名曲。本当に、メロディーセンスに天才的なものを感じますね、彼は。

なにげに個人的に吉幾三の「雪国」なども名曲だと思うんですけどね。逆に、五木ひろしとか小林幸子あたりは、いかにも演歌といった感じで・・・。とんねるずの「歌謡曲」は、そんな様式化していく歌謡曲シーンを象徴するようなパロディーソングでした。

あと、このアルバムの中で強烈なインパクトを放っていたのが「時には娼婦のように」。強烈なエロ歌詞が印象的。お茶の間で流れたら、気まずい空気が流れることうけあい。ここ最近のJ-POPって、歌詞が無難にまとめられていて、こういうインパクト満載の歌詞の曲って、ほとんど聴かなくなっちゃいましたよね・・・。

評価:★★★★

ザ・ベストテン スポットライト編 2

Title:スポットライト編2

他に比べると、ちょっと取り上げられている曲が地味な感じもするのですが、テレサ・テンの「つぐない」は、やはり名曲だなぁ。「歌謡曲の良さ」って、この曲を聴いて感じることを言うんだろうなぁ。今回のシリーズには入っていませんが、「時の流れに身をまかせ」も何気に好きだったりします。

インパクトという面では杉田二郎の「ANAK(息子)」の歌詞も強烈に印象に残ります。もともとはフィリピンの曲をカバーしたものだそうです。子供に対する思いと、親に反発する子供の姿というのは、万国共通ということでしょうか。

評価:★★★★

 

ザ・ベストテン リクエスト編

Title:リクエスト編

村下孝蔵の「初恋」とか、小林麻美の「雨音はショパンの調べ」とか、なにげに名曲も多い1枚。大沢誉志幸の「そして僕は途方に暮れる」とか・・・大沢誉志幸って、最近、名前聞かなくなっちゃったなぁ。

さらにはチューリップの「虹とスニーカーの頃」も名曲。90年代にリバイバルヒットし、個人的にはそちらの思い出の方が強いのですが、やはり時代を超えた名曲ということでしょう。

一方では、「ビー・バップ・パラダイス」みたいに時代を感じさせるような「迷曲」も。このコンピレーションの最後の最後を締めくくるのが宮沢りえの「ドリーム・ラッシュ」で、小室哲哉が作曲+プロデュースというのが、まさに80年代から90年代への橋渡しといった感じがします。ちなみに「ザ・ベストテン」の最終回でも7位にランクインしていたとか。締めくくりの曲としては、とても象徴的な曲のように感じました。

評価:★★★★

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2010年8月28日 (土)

歌謡曲とJ-POPの狭間で

Title:ザ・ベストテン

ザ・ベストテン 1986-87

昨年の4月に発売され、好評を博した「ザ・ベストテン」のコンピレーションアルバムの第2弾がリリースされました。

今回発売されたのは、第1弾コンピレーションの範囲からはずれた「1986-87」「1988-89」の2枚と、前回のコンピレーションでも収録された「歌謡曲編」の第2弾「歌謡曲編2」、「スポットライト編」の第2弾「スポットライト編2」、そしてベスト10にランクインされたものの、1度も歌われなかった曲を集めた「リクエスト編」の5枚が発売されています。

「ザ・ベストテン」はご存知TBS系で1978年から1989年にかけて放送されていた歌番組。最高視聴率が40%を超えるなど、今から考えるととんでもない人気を博したお化け番組でした。

今回のアルバムに収録された曲を見ると、おそらく気がつくであろうこと、それは、90年代に「J-POP」と称されるような曲が多くを締めているという点でしょう。

「1986-87」に収録されているTUBEは、90年代に一世を風靡するビーイング系のさきがけですし、渡辺美里や「1988-89」に収録されているTM NETWORKはまさに小室系のさきがけ的存在です。

他にも徳永英明やプリプリ、爆風スランプ、ZIGGYなど、80年代にテレビの音楽番組を彩ったアイドルや歌謡曲のミュージシャンたちにかわり、90年代のヒットシーンの中心的存在になるバンドやシンガーソングライターの曲が多く収録されています。

歌謡曲からJ-POPへ時代が移り変わる端境期ともいえるこの時期。今回のコンピレーションの範囲になる1986年から89年は、「ザ・ベストテン」の最晩期にあたるのですが、歌謡曲の歌い手達がヒットシーンからフェイドアウトしていくのと同時に、「ザ・ベストテン」も終わりを迎えた・・・ということが、コンピレーションからもはっきりと感じられます。

個人的に、学校などで「ヒット曲」が話題になるころにヒットしていた曲も多く、同世代とカラオケなどに行くと、よく歌われるレパートリーも多いこの時代。それだけに、第1弾以上に懐かしさを感じるコンピレーションでした。

ただ・・・これだけの大型の企画なのですが、コンピレーションとしての魅力は、「ザ・ベストテン」という名前がなかったら、ひまひとつ、といわざるを得ません。

前作ではコラムや関係者へのインタビューが歌詞カードについていたのですが、今回はそれもなし。歌詞カードについているのは名前どおり「歌詞」のみで、リアルタイムに聴いていた世代が懐かしく感じられるような情報や、興味を持った若い世代が、他の曲も聴いてみようと思わせるような情報もありません。

正直、こんな内容のCDをつくっていたら、ネット配信に太刀打ちできないと思いますよ。

関係者だからこそ入手できる、GoogleやWikipediaでは得られないような情報を、歌詞カードに織り込めば、それを目当てにCDを手に取るようなリスナーも多くなると思うんですけどね。こういうところに手を抜いてしまうのは、本当に残念です。

とはいえ、収録されている曲は、今でも歌い継がれるような名曲がたくさん。とても懐かしさを感じるコンピレーションアルバムでした。

で、その5枚個々の感想は、また明日に。

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2010年8月27日 (金)

なんと着うたチャートでも

今週の着うたチャート

2010年8月18日~2010年8月24日付チャート

今週の着うたチャート。シングルチャートでも1位だったあの曲が1位獲得です。

【特典生写真無し】ヘビーローテーション<Type-A>

AKB48「ヘビーローテーション」が先週の5位から4ランクアップし、1位を獲得しました。前作「ポニーテールとシュシュ」が最高位4位だったので、おそらく着うたチャートでの1位獲得は初だと思われます。

2位は先週まで1位だった西野カナ「if」がワンランクダウン。3位はFUNKY MONKY BABYS「あとひとつ」が先週から同順位をキープ。こちらは着うたチャートの常連組ですね。

以下、5位から8位までは初登場。今週も、着うたチャートでは珍しい新譜ラッシュになっています。

このうち既にシングルチャートにランクイン済みなのが6位のPerfume「VOICE」と8位のSMAP「This is love」。どちらもシングルでは2位、1位を獲得していますが、着うたではそこまで伸びませんでした。

5位のLGMonkees「Greatful Days feat.Noa」は、配信限定でのリリースだそうです。ちなみにタイトルから想像できるように、あのDragon AshやZEEBRAとSugar SoulACO(すいません。カンチガイしていました・・・)と組んだ「Greatful Days」のカバー・・・とはいえ、歌詞も変えているので、元曲をイメージして聴くと、ちょっと肩透かしをくらうかも。

7位初登場が九州男「Brand New Days」。公式サイトによると「先行配信」となっていますが、シングルなどでの具体的な発売予定はない模様。友達の結婚式に贈ったピアノバラードの友情ソングです。

そして、今週9位には、一青窈「ハナミズキ」が先週の49位からランクアップし、一気にベスト10入りです。いきなりどうしたの?と思ったのですが、この曲をモチーフにした映画「ハナミズキ」が興行成績1位になるなどヒットしている影響でしょう。昨年末に東京フィルハーモニー交響楽団を迎えたライブの模様の着うた配信が開始されたので、それに伴い、一気にランクアップ、といったところでしょうか?懐かしい曲の突然のランクインにちょっとビックリしました。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週は、初登場の新譜が4枚と、新譜はちょっと少なめのチャートとなりました。

Hadou

そんな中、1位はB'zのボーカリスト稲葉浩志のソロアルバム「Hadou」が獲得しました。ソロとしては「Peace Of Mind」から約6年ぶりとなる新譜です。相方の松本は、先日、ラリー・カールトンとのコラボアルバムをリリースしていますが、それに続く新譜リリースとなりました。

初動売上は12万2千枚。その6年前の前作が22万枚。まあ、この6年で、CD全体の売上が落ちているので、単純比較は出来ないかもしれませんが、少々厳しい結果になりました。ちなみに、昨年リリースしたB'zの現時点での最新アルバム「MAGIC」は初動34万枚を売り上げています。

2位は、先週まで1位を獲得していた「僕の見ている風景」がワンランクダウン。3位はRIP SLYMEのベスト盤「GOOD TIMES」がこちらもワンランクダウン。嵐も強いのですが、何気にRIP SLYMEのベスト盤が、好セールスを記録しています。

続く初登場の新譜は、5位にイギリスのヘビメタバンドIRON MAIDEN「The Final Frontier」がランクインです。約4年ぶりの新譜。前作は初動1万5千枚に対して、本作は初動1万3千枚とほぼ横バイ。ただ、順位は前作の11位から大きくアップしているあたり、CD不況を思わせます。

7位には「家庭教師ヒットマンREBORN!キャラクターアルバム SONG“BLUE”~rivale~」がランクイン。タイトル通り、テレビ東京系アニメ「家庭教師ヒットマンREBORN!」キャラクターソングです。ちなみに7月にも同じくキャラクターアルバムをリリースしており、こちらは初動8千枚。今回は初動1万枚と、若干アップしています。

新譜はもう1枚。10位に奥華子「うたかた」が入ってきました。シングルだと「初恋」でベスト10ヒットを記録しているのですが、アルバムでは初のベスト10ヒットとなりました。

そして、今週は、徐々に人気を集め、ロングヒットの末、ベスト10入りしたアルバムが1枚。

6位にCHARICE「CHARICE」が先週の13位からランクアップし、ベスト10入りしています。フィリピンの女性R&Bシンガーで、You Tubeへのファンからの投稿をきっかけに火がつき、このアルバムはビルボードのアルバムチャートで8位にランクイン。アジア人としては、アルバムで初のビルボードベスト10入りという快挙を達成したそうです。

ちなみに、シングルの方は、ご存知の通り、坂本九が「SUKIYAKI(上を向いて歩こう)」で1位を記録していますね。アルバムでも「Sukiyaki and Other Japanese Hits」というアルバムで14位を記録しているそうです。なにげにアルバムもそれなりに売れていたんですね。

日本でも、テレビ番組に紹介されるなど、徐々に注目を集めて、ついにベスト10入りしてきました。8月12日には、フジテレビ系「奇跡体験!アンビリバボー」で大きく取り上げられたそうなので、今回のベスト10入りもその影響でしょうか?話題性もあり、まだまだロングヒットしそうです。

着うた&アルバムチャートは以上!また来週の水曜日に~。

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2010年8月26日 (木)

リアルな世界感

Title:World end Happy end
Musician:ウラニーノ

World end Happy end

ウラニーノ、メジャー初となるフルアルバム。

このアルバムの魅力を一言で言えば、とにかく、歌詞が素晴らしい!

ウラニーノの大きな魅力といえば、その歌詞。ボーカル山岸賢介の書く歌詞は、ひとつの曲ごとに、ひとつの私小説のような、しっかりとした世界があり、物語と、その主人公がいる、そんな歌詞を書いてきます。

そのため、1曲1曲、聴きこんでしまいたくなる曲ばかり。メジャーデビューミニアルバムとなった「ランドリーとワールド」でそんな歌詞の世界にはまってしまったのですが、このアルバムも、魅力的な歌詞をたくさん聴かせてくれます。

個人的に特に気に入ったのが、先行シングルにもなった「ダンボールに囲まれて」「少年とぼく」、そして「海からの手紙」でした。

「ダンボールに囲まれて」は以前ライブで聴いて気に入ったのですが、ダンボールを共通点にして描かれる男女3人の物語。「幸せって何だろうな」というテーマが、ダンボールという無機質な材料を機軸に語られる物語です。

「少年とぼく」は、過去の自分に会いに行く物語。ノスタルジーあふれる内容なのですが、どこか誰にも思い当たるような点のある物語がとても魅力的でした。

そして「海からの手紙」は、ある種の叙述トリック的な展開が見事な作品。その展開に、聴いていて涙腺がゆるんでしまう内容です。

歌詞が素晴らしいミュージシャンって、やはり歌詞カードを読みながら味わいたいところなのですが、彼らの場合、歌詞の展開も素晴らしいので、最初は歌詞カードを見ずに、音楽をしっかり聴き入って、その世界を味わってほしいなぁ。

この手の物語性を押し出して、小説風な歌詞を書くミュージシャンって、一歩間違えると、奇抜な内容に重点を置いてしまい、歌詞はおもしろいけど、リアリティーがない、というケースが間々あります。

しかし、彼らの場合、物語の舞台はあくまでも日常。その主人公も、あくまでもよくいる一般人に過ぎません。そのため、その歌詞からはリアリティーが感じられ、ストレートに自分の体験と重ならなくても、どこか共感できる、そんな世界に仕上げている点は、実に見事です。

メロディーは、そんな歌詞の世界をしっかりと支えるメロディアスな展開。ポップスセンスが光る・・・という感じではないのですが、十分なヒットポテンシャルもあり、歌詞とあわせて、ヒットを望むのも十分すぎる内容だと思います。

アレンジは普通のギターロックといった感じ。特に特色はないものの、歌詞の世界を壊さない引いたアレンジになっていて、曲の魅力を影ながらに支えています。

本当に素晴らしいアルバムに素晴らしいミュージシャンです。最初、このサイトに遊びに来てくださる方に勧めていただいたのですが、その世界にすっかりはまってしまいました。お勧めです!

評価:★★★★★

ウラニーノ 過去の作品
ランドリーとワールド

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2010年8月25日 (水)

"A"が強い!

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週の1位は、今、何かと話題のあのアイドルグループの曲です。

【特典生写真無し】ヘビーローテーション<Type-A>

AKB48「ヘビーローテーション」が1位を獲得。初動52万7千枚は、前作の51万3千枚から若干アップしています。嵐と並んで、初動売上でとんでもない数字をたたき出していますが、ここ数作の推移が9万→17万8千枚→31万8千枚→51万3千枚とほぼ倍々ゲームで伸びていたので、ここで頭打ちの模様。今後はこの数字をどれだけ維持できるか、にかかっていそうです。

続く2位にはAcid Black Cherry「リバース」がランクイン。初動4万7千枚は、前作の4万枚から若干のアップ。そして3位にはAAA「負けない心」が入っています。こちらは、前作に続く小室哲哉プロデュース+作曲による作品。初動4万6千枚は、前作も4万6千枚だったのでほぼ横バイ。今回の作品は、あんまり小室先生っぽくない感じがする・・・確かに、サビの部分とか、ほのかに小室哲哉っぽさはにじんでいるのですが・・・。

ちなみに今週、偶然なのですが、1位から3位まで、頭に"A"がつくミュージシャンが3組並びました。最初の文字が「B」のミュージシャンに、有名なミュージシャンが多い、という話は聞いたことあるのですが(笑)。ちょっとおもしろい偶然ですね。

以下、初登場が8位から10位まで並んでいます。

8位 フライングフューマノイド/中川翔子
9位 愛言葉/超新星
10位 HIGHSCHOOL OF THE DEAD/岸田教団とTHE明星ロケッツ

8位中川翔子はテレビ東京系アニメ「世紀末オカルト学院」オープニングテーマ。アップテンポなポップスロックは、J-POPの王道といった感じの曲です。9位は韓国のアイドルユニット。10位は変わった名前なのですが、いわゆる同人系のバンド。アニメ「学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD」のオープニングテーマになっています。ボーカルは、ちょっとアニメ声優っぽい声なのですが、楽曲はちょっとハードコア的な要素も入った、オーソドックスなオルタナ系ギターロックです。

今週のシングルチャートは以上。着うた&アルバムチャートは金曜日に~。

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2010年8月24日 (火)

象とアリ

Title:生渋栗
Musician:川口義之with栗コーダーカルテット&渋さ知らズオーケストラ

生渋栗

舞台に入りきらないような大人数で、大音量のステージを繰り広げる大所帯バンド渋さ知ラズオーケストラ。4人だけのメンバーが、基本的にリコーダーやウクレレなどのシンプルな楽器とアレンジで演奏する栗コーダーカルテット。

ある意味、この2組、いわば「象とアリ」ともいえる対極的なユニット。栗コーダーの川口義之が、渋さのメンバーでもあったり、いろいろと接点のある両者ですが、「じゃあ、お互いの曲をお互いにカバーしたらどうなるの?」というとてもユニークな視点から、昨年5月に「渋栗」というアルバムがリリースされました。

これは、その「渋栗」リリースにあわせて行われたライブを収録したライブ盤。今回は、自分の曲を演奏する原曲と、相手の曲のカバーを並べて収録しているため、両者の違いが、より鮮明になっています。

そのため、原曲の良さが生かしきれず、いまひとつなカバーもはっきりしたような感じがします。具体的には「ペジエ」の渋さヴァージョン、「火男」の栗コーダーヴァージョンはいまひとつだったように感じました。

しかし一方では、お互いのカバーが見事マッチした曲もありました。あまりのはまり具合に、「あれ、彼らのオリジナルだったっけ?」と思ったほど。具体的には「マヨネーズ第二番」「Up On A Moon Hill~桂林を下って月の丘に昇る~」の渋さヴァージョンは、渋さの大所帯編成にピッタリと曲がマッチ。「あれ?これ、渋さの曲だっけ?」と思うくらいのはまりようでした。

ちょっとファン向けという要素もあるものの、渋さか栗コーダーのアルバムを1枚でも聴いたことある方には、ユーモアさとあわせて十二分に楽しめるアルバムだと思います。これ、ライブも楽しかったんだろうなぁ。

評価:★★★★★

で、同時に発売されたアウトテイク集がこちら。

Title:割れ渋栗
Musician:川口義之with渋さ知らズオーケストラ

割れ渋栗

もともと、「生渋栗」からして、ファンズアイテム要素が強いだけに、そのアウトテイクをあつめたこのアルバムは完全にファン向けといった感じでしょうか?

ただ、アウトテイクとはいっても、そこは実力派の彼ら。なんで本編に収録されなかったの?という名演もたくさん。個人的には、ビックバンド風でどこかユーモラスな「ホテルラサール1986(take5)」はとても気に入りました。

でも、全体的には、少々大味な印象も。ライブで聴けば印象は変わるかもしれませんが・・・。「渋栗」「生渋栗」を聴いた後、楽しむのがいいのかも。

評価:★★★★

栗コーダーカルテット 過去の作品
15周年ベスト
夏から秋へ渡る橋
渋栗(川口義之with栗コーダーカルテット&渋さ知らズオーケストラ)

遠くの友達

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2010年8月23日 (月)

Buffalo Daughter的HIP HOP?

Title:The Weapons Of Math Destruction
Musician:Buffalo Daugter

The Weapons Of Math Destruction

曰く

「『物理』をテーマとして作成されたアルバム」

曰く

「『ヒップホップのアルバムが作りたい』と 山本ムーグが言い出したこともあり、Buffalo Daughter的ヒップホップ考という伏線も持つ。」

ごめんなさい。そう言われて曲を聴きながら、インタビュー記事なども読んでみたのですが、「物理」をテーマ、とか言われても、いまひとつピンと来ませんでした(^^;;

HIP HOP・・・という意味では、「Rock'n'roll Anthem」「The Battle Field In My Head」あたりは、Buffalo Daughter流のHIP HOP、といった感じなのかなぁ?

ただ、HIP HOPの一言だけではなく、今回の作品、いつも以上に様々な要素が、その音楽の間から垣間見れた感じがします。

いままでの作風と同じく、エレクトロやポストロック的なアプローチも強かった一方、「Gravity」「All Power To The Immagination」のリズムには、ちょっとファンキーなものを感じましたし、「Five Thousand Years For D.E.A.T.H.」にはキュートなポップス要素も感じられます。「Run」「New World:It Day」はオルタナ系のギターロック。他にもパンキッシュな作風や、テクノポップ的な作品などもあり、バリエーションはいままで以上に広がっているように感じました。

もっとも基本、どの曲に関しても、ミニマル的な、シンプルなフレーズのくり返し。それが、曲が進むにつれて少しずつ変化していくというスタイル。これがまた、すごい中毒性があるんですよね。彼らの曲って、決して派手さはないのですが、この中毒性がゆえに、気がつけば曲にはまってしまう、そんな魅力があります。

そう考えると、そんなに難しいことを考えないで、彼らの、この中毒性のある音の世界にはまっていけばいいのかなぁ、なんてことも思いました。前作以前の魅力はそのままに、中身は彼ら流に新たな世界を模索している、そんなアルバムでした。

ちなみにタイトルの「The Weapons Of Math Destruction」は「The Weapons Of Mass Destruction(=大量破壊兵器)」のもじり。同じ発音の言葉(厳密には違うけど)を入れ替えただけで、「数学的破壊兵器」というユーモラスなタイトルになっています。他に、バリバリのHIP HOP風の曲に「Rock'n'roll Anthem」と名づけたり、随所にユーモアセンスも感じられるアルバムでした。

評価:★★★★★

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2010年8月22日 (日)

わずか5曲だけれども

Title:ことの は
Musician:小谷美紗子

ことのは

小谷美紗子名義としては約3年ぶり。Odani Misako Trio名義からも約1年9ヶ月ぶりという、久しぶりとなるニューアルバム。そんな久々の新譜ながらも、うち2曲は結構以前からあった曲だったそうなので、勝手な憶測ではあるのですが、少々制作が行き詰まり気味なのかなぁ~なんてことを思ったりします。

ただ、そんな状況の中、彼女が世に送り出した5曲。わずか5曲とはいえ、その内容は、とても濃いものとなっていました。

このうち、比較的以前につくったという「青さ」「手紙」は、ある意味彼女の王道ともいうべきピアノバラード。不器用な中にも確固たる意思を感じる愛情表現が心をうつ歌詞も、実に小谷美紗子らしい楽曲と言えるのではないでしょうか。

逆に「日めくり」「空の待ち人」あたりは、バンドとしての活動を経て、音楽的にも幅を広げた今の彼女らしい作品と言えるかもしれません。どちらもバンドサウンドが耳を惹かれる作風になっています。

「日めくり」は、サビをすべてファルセットで歌い上げていて、爽やかな雰囲気のある作品。「空の待ち人」は、ドラムスが印象的な、リズムを前に出してきた作品。どちらの作品も、歌詞は、あくまでも曲のリズムを生かした歌詞になっています。

このアルバム、わずか5曲なれど、いままでの小谷美紗子の音楽がグッと凝縮されたアルバムに感じました。そのため、5曲が5曲とも、強烈な個性をはなっていて、アルバム全体としてのまとまりにはちょっと欠ける部分があるかもしれません。ただ、アルバムとしてのまとまりよりも、小谷美紗子の今の思いをとにかくつめこんだ、そんな作品なのかもしれません。

ミニアルバムなれど、フルアルバム並みに濃いアルバムです。次のフルアルバムはさらなる傑作になるのでは?そうとも感じさせてくれる作品でした。

評価:★★★★★

小谷美紗子 過去の作品
Odani Misako Trio


ほかに聴いたアルバム

FLASH/Crystal Kay

FLASH

最初のイントロと最後のアウトロを除いて、事実上、5曲入りとなるミニアルバム。前半は今風のエレクトロサウンド、後半は力強いバラードナンバーを聴かせてくれます。どちらもポップに仕上がっており、勢いも感じられます。わずか5曲ながらもCrystal Kayの魅力をしっかりと伝えてくれるアルバムでした。

評価:★★★★★

Crystal Kay 過去の作品
Shining
Color Change!
BEST of CRYSTAL KAY
THE BEST REMIXES of CK

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HMV渋谷店閉店

「20年の殿堂」HMV渋谷がきょう閉店 深夜までライブ

渋谷系のメッカ、HMV渋谷店が本日付で閉店になります。

正直、タワレコ派なので、渋谷のHMVではあまり買い物したことないんです。特に、ここ数年のHMV渋谷って、品数も少なくなって、いまひとつ買い物に行っても楽しめないので、渋谷へ行っても、タワレコやらレコファンやらTSUTAYAやらには行っても、HMVはスルー・・・ということがよくあったので・・・。

それでも、やはり寂しいですね・・・ここ最近、HMVで買い物していない自分がこんなことを言うのは無責任かもしれませんが。ひとつの時代の終わりを感じます。

そして、もうひとつ、同じような時代の流れを感じるニュースが飛び込んできて、話題となっています。

CCC、音楽CD売り場を全国で4割縮小

店頭でCDを売るというスタイルがなくなりつつある・・・それ以前に、CDというメディアがダウンロードというスタイルに取って代わられつつある象徴的なニュースですね。

ただ、大型のCD屋がなくなったり、そもそもCDがなくなりつつあるのは寂しいなぁ、と思いつつも、個人的にはあまり悲観はしていません。

前にも書いたと思うのですが、そもそも音楽を聴くメディアも、SP→LP→CDと時代とともに変化してきています。さらにもっと時代が上れば、楽譜を販売することにより収入を得ていた、という時代もある訳です。

大型CD屋の消滅にしても、「CD屋にいって、いろいろと試聴して、良さげなCDを見つける」というスタイルも、ここ20年程度のことと聴いています。リアルタイムで知らないので、知識として得た情報なのですが、それ以前は、FMなどにより、お気に入りの音楽を見つけていた、ということ、ですよね?

そう考えると、音楽に関する情報をあつめるスタイルも時代と共に変化していくもの。You Tubeなどでお気に入りの音楽を見つけ、ダウンロード or amazonで購入というスタイルも、そんな流れのひとつに過ぎない、と思います。

音楽は、それを入手するスタイルは変わっても、これからもなくなることはないし、私たちをずっと楽しませていってくれることは間違いないと思います。そういう意味では、(音楽業界でメシを食っている人は別として)単なるリスナーの私たちが別に悲観的にこういうニュースを捉えることはないのかなぁ~なんて思ったりします。

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2010年8月21日 (土)

濃ゆい90年代

THE GROOVY 90'S~90年代日本のロック/ポップ名盤ガイド

久しぶりに、最近読んだ音楽関係の本の感想をば。

先日、ミュージック・マガジンの増刊として発売された、90年代の邦楽の名盤ガイド「THE GROOVY 90'S」。最初はパラパラと立ち読みしていたのですが、自分がリアルタイムに聴いてきた年代なだけに、読んでいて懐かしくなり、ついつい購入してしまいました。

この本で、90年代の邦楽シーンをふりかえると、90年代って、本当に濃い時代だったなぁ、ということを感じます。

バンドブームがまだ続き、イカ天がまだ放送されていた1990年からスタートし、トレンディードラマの主題歌がメガヒットを記録した91年から92 年。さらにビーイング系ブーム全盛期が93年。94年くらいから小室系のブームがはじまり、95年には小林武史もマイラバをブレイクさせました。

ビジュアル系がブームになり、さらには宇多田ヒカルのブレイク、モーニング娘。が「LOVEマシーン」をヒットさせた99年。ここまででたった10年なんですよね。他にも、渋谷系が話題になったり、ハイスタがブレイクし、メロコア、メロパンク系バンドがブレイクしたり。

それと比べ、2000年代の10年って、何があったんだろうなぁ?今、ヒットチャートを席巻しているのは、アイドル系にビジュ アル系、さらにはアニメ系なのですが、このうちアイドル系は、モーニング娘。のブレイクは90年代からスタートしていますし、ビジュアル系も同じく。アニ メ系も、「エヴァンゲリオン」が97年近辺には既に社会現象を起こしていますし、林原めぐみや椎名へきるなどの人気声優が、既に音楽チャートでも大ヒット を記録しています。

そう考えると、2000年代で新たにはじまった音楽のムーブメントとしては、中田ヤスタカとPerfumeのブレイクくらいでしょうか。他に、ヒッ トチャートの常連で、90年代にはみかけなかった流れとしてあげられるのが、韓流アイドルというのでは、ちょっと邦楽シーンとしては情けない感じもします。

逆に2000年代にはじまった大きな潮流としては、2001年に発売されたipodでしょう。インターネットのブロードバンド化の急速な進行で、音楽の聴き方や流通形態が一気に変化した10年だった、と言えるかもしれません。そのため、2000年代という10年間は、音楽メディアのあまりにも早い変化に追いつくだけが手一杯で、レコード会社側に新たな音楽ジャンルやムーブメントを発掘するような余裕がなかった・・・のかもしれません。

もっとも一方で90年代は、これだけたくさんのジャンルが大量に生産され、急激に消費されていく、音楽の大量生産・大量消費の時代。だからこそ逆に、表面的なブームに終わってしまい、社会に根付くことが出来ず、現在に至る音楽不況の原因になった、のかも、なんてことも考えてしまいました。


ミュージックマガジン誌の編纂のため、取り上げられている作品は、いわばミュージックマガジン系と言われる作品がメイン・・・のようですが、正直、この時期、ミューマガは読んでいなかったのでよくわかりません(^^;;

ただ、いわばサブカル系のミュージシャンをメインにしながらも、槇原敬之やドリカム、ミスチルのようなメインストリームの他、小室系やモーニング娘。、SPEEDもフォロー。コラムで90年代のシーンにおいてもざっくりと押さえられていました。一方で、ビーイング系はB'z、TUBEも含めて完全にスルーされていましたが。

90年代は、特に前半に関しては、まだ中学生で、いわゆるヒット曲の王道系しか聴いていなかっただけに、聴いていない「名盤」もたくさん。それだけに、このガイドを片手に、興味のあるところから、ちょっとずつ聴いてみようかなぁ。

自分の音楽ライフを振り返るにも、今後の音楽ライフの羅針盤にするにも、とても重宝する、読み応えのある名盤ガイドでした。

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2010年8月20日 (金)

上位は変わらず

今週の着うたチャート

2010年8月4日~2010年8月17日付チャート

今週の着うたチャートは、お盆休みの都合上、2週まとめてのチャートとなります。

その影響か、先々週に引き続き、着うたチャートにしては珍しく、新譜ラッシュとなった今週のチャート。しかし、その中でも上位3曲は初登場ではない、という点が着うたチャートらしいところです。

if

で、1位は西野カナ「if」が連続ランクイン。アニメ主題歌というタイアップの良さから、シングルヒットも期待されたのですが、思ったより伸びませんでした。ただ、着うたでは事実上、3週連続の1位獲得で、その強さを見せ付けています。

2位は福山雅治「蛍」が3位からランクアップ。こちらは今週のシングルチャートでも見事1位を獲得しています。また、3位は、FUNKY MONKEY BABYS「あとひとつ」が4位からランクアップしています。

そして以下、4位から7位及び9位、10位の全6曲が初登場。うち、シングルチャートでランクイン済みなのが、先週のシングルチャートで2位3位を獲得したTBS系アニメ「けいおん!」のテーマ曲、放課後ティータイム「Utauyo!!MIRACLE」が4位に、「NO, Thank You!」が6位にランクイン。シングルとは順位が逆なのですが、なにか理由があるのでしょうか?また同じく先週のシングルチャートで4位だったいきものがかり「キミがいる」も7位にランクインです。

先行配信組では、まず5位にAKB48「ヘビーローテーション」がランクインです。8月18日発売予定のシングルです。上の放課後ティータイムといい、彼女たちAKB48といい、最近、アニメ系やアイドル系も着うたの上位にランクインしてきたような印象があります。これって、理由として考えられるのは(1)ファン層が拡大してきた(2)シングルを買う固定ファンが着うたも買うようになった(3)シングルを買うまでもないけど、売れているみたいだから聴いてみよう、というライトリスナー層が買っている のどれか、あるいは3つともあわせて、といったところ、なのかなぁ??

中島美嘉の8月25日発売予定の新曲「一番綺麗な私を」も10位にランクインしてきています。しんみりと聴かせるバラードナンバー。ただ、10位ギリギリというのはちょっと厳しい順位か?シングルでの売れ行きも注目されます。

そして初登場はもう1曲。9位にSMAP「オレンジ」が入ってきました。これは、SMAPの「夏のコンサートで聴きたい曲」をアンケートでとり、そのベスト10が、着うたフル解禁になったのに伴いランクインしたもの。1位を獲得した「オレンジ」は、2000年にリリースしたシングル「らいおんハート」のカップリングながらも、ファンに根強い人気があり、SMAPの隠れた名曲となっているそうです。ちなみに2位は、あの大ヒットした「世界に一つだけの花」なのですが、こちらは今週37位。いかにファンの間で高い人気を誇っているかがわかります。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週のアルバムチャートは、1位2位が先週と同じ、という、ここ最近ではちょっと珍しいチャートになっています。

1位は2週連続で「僕の見ている風景」が獲得。今週も12万5千枚を売上げ、累計で85万枚を突破。ミリオンセールスが目前に迫っています。また、2位も、先週と変わらずRIP SLYMEのベスト盤「GOOD TIMES」がランクインしています。

3位は、4人組ガールズバンドSCANDAL「TEMPTATION BOX」が初登場でランクイン。3位はシングルも含め、自身最高位。また、初動3万4千枚も、前作の初動2万8千枚を上回る好セールスを記録しています。

5位には、Coccoの3年ぶりとなるアルバム「エメラルド」が入ってきました。初動2万1千枚は、3年前の前作の初動4万7千枚から大幅にダウンしてしまっています。最近、いまひとつシングルで大きなヒットを出していないことが要因かなぁ・・・。「沖縄出身」であることを機軸にした活動が最近目立つ彼女。このアルバムも、沖縄色が強い作品になっています。

で、おなじく沖縄出身といえば10位に沖縄出身のバンドHY「ACHI SOUND~HY LOVE SUMMER~」がランクインしています。こちらは7月3日(土)に沖縄で行われた、「ピースフルラブ・ロックフェスティバル」の模様を収録したライブアルバム。未発表曲2曲も収録されています。

初登場もう1枚は、9位にクレイジーケンバンド「MINT CONDITION」がランクインしてきました。初動1万4千枚は、前作の初動2万1千枚からダウンしてしまいました。ここ最近、安定した人気を保っていたのですが・・・この新作、あまり宣伝活動が目立たなかったような印象を受けたのですが、その影響か??(←「目立たなかった」というのは、個人的な主観に過ぎないのですが・・・)

着うた&アルバムチャートは以上!それではまた、来週の水曜日に~。

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2010年8月19日 (木)

童話の世界の音楽

Title:Port Entropy
Musician:トクマルシューゴ

ポート・エントロピー

「2004年にニューヨークのインディーズレーベル・Music Relatedよりファーストアルバム『Night Piece』をリリース。本アルバムは日本語歌詞であるにも関わらずWIRE誌、ローリング・ストーン誌などに採り上げられる。

2005年にセカンドアルバム『L.S.T.』をリリース。翌には、ヨーロッパやニュージーランドでも相次いでリリースされ、フランスとスペインと北欧を回る初のヨーロッパ・ツアーを行った。

2007年にサードアルバム『EXIT』をリリース。ティーンエイジ・ファンクラブのノーマン・ブレイクなど海外のミュージシャンが賞賛した。」

(以上 Wikipediaより)

Wikipediaの記述のそのまんまの引用、ごめんなさい(^^;;要するに、トクマルシューゴというミュージシャンはデビュー作より日本以上に海外で大きな評判を集めているそうです。

おくればせながら、4枚目となるこの作品で、はじめてトクマルシューゴのアルバムを聴いてみました。

彼の作品の特徴としては、ポップで楽しい音が繰り広げられるという点でしょうか。ギターやピアノ、金管やリコーダー、テルミンなど、様々な楽器や、あるいは楽器ではない道具なども用いて繰り広げられる色彩豊かな音の世界。重厚さはありません。とてもチープな雰囲気なのですが、そのとても凝った音の世界は、聴けば聴くほどはまってしまいものがあります。

このアルバムを聴いてひとつ感じたのは、まるで童話の世界みたいだなぁ・・・という点でした。例えば「Lahaha」みたいな、底抜けに楽しいポップソングがあるかと思えば、「River Low」みたいに、楽しげなのですが、どこか怪しげな雰囲気をあわせもった曲もあったりと。表面的には楽しい世界なのですが、その奥に、毒気を併せ持った世界観が、童話の世界と共通するものがあるのかなぁ、と思いました。

楽しい雰囲気ながらも、よくよく見ると、ちょっと不気味なジャケット写真にも共通するものがあるかもしれませんね。

また、「Tracking Elevator」「Laminate」の音には、ちょっと和風な要素も感じたのですが、ここらへんは、まず海外で評価された彼だからこそ、逆に日本人ミュージシャンとして意識した、というところもあるのでしょうか?

抑揚のありポピュラリティーのあるメロディーもとても魅力的で、素直なポップスアルバムとして楽しめた作品でした。ただ一方、聴き終わった後に、「これがトクマルシューゴの音だ」という印象がいまひとつ薄く・・・また、あくまでも「音」がメインで、メロディーが後ろに下がっているような構成が、インパクトを若干弱めているのでしょうか?ここらへん、海外や、音楽専門誌の評価が高くても、いまひとつ、ブレイクしていない理由なのかなぁ?なんてことも思ったりしました。

ただ、一度聴けばその世界を素直に楽しめ、2度聴けば、さらにその世界にはまってしまう、そんなアルバムだったと思います。とても楽しい作品でした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Letters/Soulja

Letters(初回限定低価格盤)

彼のメジャーデビュー作「spirits」は、本当に日本のHIP HOP史に残るレベルの傑作だと思います。続く「COLORZ」も文句なしの傑作でした。なのに・・・このアルバムは・・・(T T)。確かに、青山テルマをフューチャーした「ここにいるよ」が大ヒットしたものの、その後、全くヒットに恵まれなかったのは事実だけども・・・。

あまりに「ここにいるよ」の3匹目、4匹目のどじょうを狙おうとする姿勢が露骨すぎます。10曲中6曲が女性ボーカリストとのフューチャーで、どれも「ここにいるよ」と似た路線の「聴かせるポップなメロ+薄いラップ」という、着うた系の売り線スタイル。

その中でも特に鬼束ちひろをフューチャーした「月光~GOD'S CHILD~」は、鬼束ちひろの名曲「月光」に薄くラップをかぶせただけの、完全に原曲におんぶにだっこの状況というもの(苦笑)。

唯一、センスが光ったかなぁ、と思ったのが「tsubasa」あたりでしょうか?それ以外は、前2作の傑作ぶりから考えると、あまりのセルアウトさに悲しくなってくるような内容でした。

評価:★★

Soulja 過去の作品
spirits
COLORZ

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2010年8月18日 (水)

日韓のアイドルユニットが

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週は、日韓のアイドルユニットがヒットチャート上位に食い込んできました。

蛍/少年(通常盤)

そんな中で1位を獲得したのが、福山雅治「蛍」。日テレ系ドラマ「美丘-君がいた日々-」の主題歌で、8月3日付の着うたチャートでは、既に3位にランクインしています。両A面の「少年」も、東芝「REGZA」CMソングとしておなじみのナンバー。こちらも、既に7月6日付の着うたチャートで2位にランクインしています。

どちらも好タイアップに恵まれたシングルなのですが、その影響か、初動は15万8千枚と、前作の15万1千枚を上回る、好調なすべりだしを見せています。

さて、表題の日韓のアイドルユニットなのですが、まずは2位に、Perfume「VOICE」がランクイン。本人出演(??)の日産自動車のCMソング。初動8万4千枚は、前作の8万1千枚を上回る好セールスを記録しています。

一方、韓国勢として話題なのが、人気女性アイドルユニットKARA「ミスター」が5位にランクイン。いままで、韓国勢というと、男性アイドルユニットばかりだったのですが、女性アイドルユニットも韓流が食い込んできました。

ただ、ジャニーズ系一辺倒で、入り込む余地が大きかった男性アイドルユニットに比べて、女性アイドルユニットは、AKB48やらハロプロ系やら、また、もっとプロっぽさを嗜好するならPerfumeとか、いろいろグループは揃っていて、かつ、男性って女性に比べて保守的な部分が強いので、韓流はなかなか食い込めないと思っていたのですが・・・いきなりのヒットはちょっと意外。この人気をどこまで持続できるのか、今後に注目です。

で、日本からアイドルユニットがもう一組。6位にTOKIO「NaNa(太陽なんていらねぇ)」がランクインです。長瀬智也主演のTBS系ドラマ「うぬぼれ刑事」の主題歌。作詞作曲は、玉置浩二が手がけています。タイアップには恵まれているのですが、初動は2万7千枚と、前作の4万9千枚から大きくダウンしてしまいました。

他に・・・

3位にはT.M.Revolution「Naked arms」がランクイン。T.M.Revolution名義では2年ぶりとなるニューシングル。バリバリに音を詰め込んだアレンジのデジタルロック路線が浅倉大介らしい楽曲になっています。初動6万6千枚は、前作の5万8千枚よりアップ。abingdon boys schoolとしての前作「From Dusk Till Dawn」の初動は2万3千枚だったので、西川貴教には、T.M.としての活動を望んでいるファンが多いということ??

最後。10位に長渕剛「俺たちのニライカナイ」がランクイン。沖縄をテーマとした曲だそうで、「ニライカナイ」とは、沖縄や奄美で信じられてきた、海の向うにある聖地のことだそうです。Coccoも6月にシングルで「ニライカナイ」という曲をリリースしていますね・・・ちょうど同日発売のアルバムにも収録されています。

シングルチャートは以上。着うた&アルバムチャートは金曜日に~。

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2010年8月17日 (火)

未発表曲も収録の来日記念盤

Title:Why Waste Time?
Musician:TORTOISE

WHY WASTE TIME?

TORTOISEの今回のミニアルバムは、5月の来日にあわせてリリースされた、日本限定の来日記念盤です。

このうち、1曲目「Ruba'iyat」と2曲目「Passerine」は、今回初収録の未発表曲。「Ruba'iyat」は、テンポのよいリズムにからみつくようなノイズが、妙なポップスさを醸し出していて、ついつい聴きこんでしまうような作品。続く「Passerine」は、静かなノイズが不気味な雰囲気を作り出している、ちょっと聴く人を選びそうな作風になっています。

続く「Gigantes」は、ミニマル・テクノの代表的なユニット、Basic Channelの創始者の一人であるマーク・エルネストゥスによるリミックス。昨年12月にリリースされた12インチシングル「Beacons of Ancestorship Remixes」収録のリミックス音源です。ミニマルなリズムがとても心地よいリミックスになっています。

ラストの「Ice Ice Gravy」は、海外限定でダウンロード販売された曲。12分に及ぶ楽曲ですが、途中で曲の雰囲気が変わり、メドレーみたいな楽曲になっています。後半の浮遊感あるギターインストが印象的なのですが・・・良くも悪くも「普通」といった感じかな?

これにライブ音源やPVもついていて、1,500円なので内容的にはお得な感じ。いろいろな曲の寄せ集めなので、内容的にはいまひとつ統一感はないものの、あえていえば、エレクトロな色合いが強かったかな?一定水準は軽々とクリアしているのはさすがといった感じながらも、もろ手を挙げて絶賛するにはちょっと物足りなさも感じる内容かも。ファンズアイテムといった感じかな。ファンなら、うれしい1枚といったところでしょうか。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

Primary Colours/THE HORRORS

Primary Colours

リリースされた段階で、絶賛されていたのですが、スルーしていていままで聴かなかったのですが・・・もっと早く聴いておけばよかったなぁ~。シューゲイザーの影響をもろに受けたようなノイジーなギターサウンドが楽曲全体にちりばめられています。ポップなメロディーとあわせて、どこか80年代的な懐かしさも感じられる作風。破壊力あるサウンドが、とても魅力的なバンドでした。

評価:★★★★★

Troubadour/K'naan

Troubadour

先日、サマソニで見てきたばかりなのですが・・・。「Wavin' Flag」が、コカ・コーラのW杯応援ソングに決まり、一躍注目を集めたHIP HOPミュージシャン。もともとソマリア出身で、アメリカに亡命した、という異色の経歴を持つ彼。アフリカ音楽の影響を強く感じるリズムは独特。HIP HOPという枠組みとはちょっと異なる、個性を感じられる作品でした。

評価:★★★★★

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2010年8月16日 (月)

ボーカルの力があればこそ

Title:Music Is My Life
Musician:福原美穂

Music is My Life

福原美穂といえば、デビュー当初、メディアでは大絶賛を受け、大きな話題となった女性ボーカリスト。ただ、デビューアルバム「RAINBOW」はヒットしたものの、その後はあまりメディアでも話題にのぼらなくなり、今に至っています。

とはいえ、このアルバムも、「RAINBOW」の売上を大きく下回っているとはいえ、ベスト10ヒットは記録しているんですけどね。

しかし、アルバムの内容としては、前作をはるかに上回る傑作になっていたと思います。

耳をひくのは1曲目。「RISING LIKE A FLAME」。かなり本格的なソウルナンバー。「RAINBOW」でもみせてくれた、彼女天性のリズム感により、パッと聴いただけだと、日本人だと気がつかないかも?また、同じく「Baby Baby」も、本場そのままの、ミディアムテンポのソウルナンバー。デビュー当初、ただ歌い上げるだけだった彼女から一変、声量はおさえながらも、表現力豊かなボーカルは、彼女のボーカリストとしての実力をしっかりと感じられるナンバーです。

そして、今回のアルバムの聴きどころは、そんな「本格的なソウルナンバー」だけではありません。

今回のアルバムは、実にバリエーション豊か。必ずしもひとつのジャンルで括れないのが、大きな特徴となっています。

「RISING LIKE A FLAME」に続く「HANABI SKY」は、カラッとしたロックナンバー。ただ、本格的だった「RISING~」に比べると、日本語詞で、邦楽色の強いナンバーになっています。

「Apologies」は、おなじく北海道出身のバンドsleepy.abを迎えたギターポップチューン。sleepy.abといえば、独特の浮遊感と幻想感のあるサウンドが評判のバンドなのですが、この曲も、どこか幻想的なアレンジが、アルバムの中では異色な作品となっています。

他にも、しっとり聴かせるソウルバラード「Cry No More」、80年代風のソウルチューンに仕上げている「なんで泣きたくなっちゃうんだろう」、ファンクナンバーの「TOUCH&LOVE」など、実にバリエーション豊富。

そしてラストの「あいのうた」は、アコギ一本で歌をしっかりと聴かせるバラードナンバー。ラストはしんみりと締めくくります。

基本的にブラックミュージックを機軸にしながらも、ロック、ポップスまで幅広く手を広げ、さらには本格的な洋楽風のナンバーから、典型的なJ-POPチューンまで、はっきりいってしまえば、かなりバラバラの作風のアルバムになっています。

ただ、それでもアルバムの流れが破綻していないのは、彼女のボーカリストとしての実力、包容力があってのことでしょう。前作は、いかにも日本的な、ボーカルの声量を聴かせるだけの作風が気になったのですが、今回は決してはりあげるだけのボーカルではなく、表現力も豊か。ボーカリストとして一回りも二回りもおおきくなった彼女がいました。

「RAINBOW」を上回っただけではなく、今年を代表する傑作の1枚だと思います。ようやく、デビュー当初の評判の高さが納得できる作品になりました。これからの彼女が本当に楽しみです。

評価:★★★★★

福原美穂 過去の作品
RAINBOW


ほかに聴いたアルバム

理想的なボクの世界/plenty

理想的なボクの世界

前作同様、歌詞にいまひとつピンと来ないのは、若者のどこか醒めて社会を見ている視点が、オーバーサーティーのおじさんになってしまった私にとっては、いまひとつ共感できないからでしょうか?

もうひとつ気になったのは、歌詞を売りにしているバンドの割りには、ちょっとその歌詞が聴き取りにくい点。インパクトのあるワンフレーズも少なく、さらっと聴けば、「よく出来たギターロックバンド」で終わってしまいそう。リスナーを意識した一工夫があるとおもしろいと思うのですが・・・。

評価:★★★★

plenty 過去の作品
拝啓。皆さま

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2010年8月15日 (日)

SUMMER SONIC 10 その3

すいません。サマソニライブレポ、その2で終わる予定だったのですが、書いていて、興が乗ってしまい、その3に突入です(^^;;

STEVIE WONDER @OCEAN STAGE

そして、JONSIのステージを途中で抜けて、STEVIE WONDERへ!この日のお目当てです。予定の7時半になってもなかなかスタートせず、ファンがまちかねる中、約10分くらいして、いきなりSTEVIEがひとりで登場!!それも、肩にかけるタイプのキーボードをかかえて演奏しながらの登場に、会場のテンションは一気にあがりました。

STEVIEのステージ、一言で言うと、格が違ったわぁ。一瞬にして、その会場の空気をつかんだ感じ。本人から伝わるカリスマ性というか貫禄というか。彼が登場した瞬間、とても楽しいライブになるなぁ、そんな予感がしました。

セットリストにはおなじみの有名曲もたくさん。序盤に聴かせてくれたTHE BEATLESの「We Can Work It Out」も完全にSTEVIEのものになっていましたし。他にも「Overjoyed」などを聴かせてくれた後、途中、なんとSTEVIEの息子も登場し、2人でのデゥエットも聴かせてくれました。彼の息子も、STEVIEに似て、美声の持ち主で、おもわず聴きほれてしまいます。

後半も「Higher Ground」や「Don't You Worry 'bout a Thing」など。「Sir Duke」は、やはりCMソングとしても馴染み深いだけに、「ちょっと聴いてみようか」みたいなノリの観客も含め、盛り上がっていました。

途中、「上を向いてあるこう」や「さくら」などをちらっと演奏するサービスを見せてくれたり、終始楽しそうに歌を歌っていたのが印象的。後半、「My Cherie Amour」のほとんどを観客に歌わせていたのは、さすがにちょっと厳しかったけど(^^;;

ラストは「Another Star」。バックに聖歌隊なども登場。聖歌隊の中には日本人も多く入っていたので、こちらでメンバーを集めたのかな?最高潮に盛り上がる中、メンバー紹介をはさみ、ライブは終了しました。

・・・といっても、最後のあいさつの中、ちょっと早めに会場をはなれPIXIESに向かったのですが。「アンコールあるかなぁ」と思ったのですが、後日、他のブログなどのライブレポを読ませていただくと、アンコールはなかったみたい。ちょっと安心しました(笑)。

とにかくSTEVIEのライブは、最初の予感どおり、エンターテイメント要素もたくさん。なによりノリのよいリズムとポップなメロがとても心地よい、最高に楽しいステージでした。

PIXIES @SONIC STAGE

いやぁね、やはりレジェンドをこの目で見たかったというのと、PIXIESは以前に見たことがある、ということからSTEVIE WONDERを選んだのですが、やはりPIXIESもみたい!!ということで、STEVIE WONDERが終わると、SONIC STAGEにそのままかけつけました。

結果、ラスト30分彼らのステージを見れたのですが、こちらも素晴らしかった!見た目は、完全にはげおやじ3人+おばちゃん1人なのですが(失礼!(笑))、いまだにそのバンドサウンドには一種の若々しさを感じます。それと同時に、ベテランの安定感もあり、いい意味で安心して見られるステージ。途中、ジョーイのギターソロなど、激しく迫力たっぷりに聴かせてくれました。

後半にか見れなかったのですが、「Debester」「Where Is My Mind?」、さらには「Here Comes Your Man」などが聴けて、すごく満足のステージ。PIXIESもしっかりと見れて、満足しながら会場を後にしました。

 

久しぶりのサマソニ+初の大阪会場でした。客の入りはあまりよくなかったみたいで、さかんに翌日の前売りの宣伝を流していましたが、屋台などでもほとんど待たず、トイレ待ちもほとんどなし。帰りのバスもすごくこむかなぁ・・・と思ったら、30分くらいであっさりとのれて、ほとんどストレスがなく、快適に楽しむことが出来ました。

不満だったのは、OCEAN STAGEとPARK STAGEがあまりにも近すぎて、音が完全にかぶっていたこと。これは結構厳しいかも。少しステージの向きを変えるだけでも、全然違うと思うのですが・・・ちょっと残念。

それ以外は、当日、曇りがちの天気に気温もちょうどよく、本当に楽しく、久しぶりのフェスを楽しむことが出来ました。ステージは、サカナクション、the pillows、JONSI、STEVIE WONDER、PIXIESが素晴らしかったです。来年もまた是非参加したいなぁ~。

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2010年8月14日 (土)

SUMMER SONIC 10 その2

先日の続き。サマソニレポ第2弾です。

A TRIBE CALLED QUEST @OCEAN STAGE

彼らについては、実は事前まで、名前くらいしか知らなかったんですけどね。今回、サマソニに先駆けて、彼らの代表的なアルバム「THE LOW END THEORY」を聴いたのですが・・・カッコいい!ちょっとジャジーでクールなトラックと、リズミカルなラップがとても心地よい!という訳で、一発ではまり、当日も楽しみにして彼らのステージを見に来ました。

彼らのステージは、とにかく観客を盛り上げる盛り上げる。ステージを縦横無尽に行き来したり、ちょっとしたダンスパフォーマンスを見せてくれたり。マイクパフォーマンスも見事だったのですが、観客とのやり取りは、言葉の問題(+次のTaylor SwiftやStevie待ちのファンが多かった影響?)でチグハグだったような(というか、自分の英語力がないだけかもしれないけど、なまってて、すごく聴き取りにくかったような・・・)。もちろん、クールなトラックと、ラップはCDで聴いたまま(当たり前?)。SONIC STAGEでゆっくりと休んできた(笑)後だったので、思いっきり踊りまくりました。

ただ、中盤は、ちょっとだれてきた感じも。途中、なんとオリジナルメンバーのJarobi Whiteも登場し、会場も沸いたのですが、盛り上がりの少なさに、Q-TipもちょっとイライラしたMCをしていたみたいだし。

しかし、後半、なんとQ-Tipがステージから下に降りてきて、観客をかきわけて、中央の音響ブースに!ちょうど私はその横で聴いていたので、すぐ間近でQ-Tipを見ることが出来ました。もちろん、会場は一気に盛り上がりました。そんな後半は、中盤の中だるみを一気に払拭するハイテンションなステージに。すごく楽しいステージでした。

KAM @PARK STAGE

で、次はSONIC STAGEでJONSIを見る前に、せっかくだし、ちょっとだけTAYLOR SWIFTを。と思ったら、お隣のPARK STAGEでKAMがはじまったみたいだったので、ちょっとだけのぞいてみました。

KAMはSugar Soulがこのたびスタートさせた新バンド。朝本浩文がシンセをいじって、ラッパーが1人ついて、プラスドラムとベースという編成。重低音が響く中、Sugar Soulの伸びやかなボーカルを聴かせるバンドで、民俗音楽的な要素も強く感じます。

ラッパーを取り入れたのは賛否わかれそうだけど・・・ちょっとしたアクセントとしてはいいのかなぁ、と思いました。2曲程度見ただけなので、なんともいえない部分が大きいのですが、Sugar Soulの歌声をしっかりと楽しめたステージでした。

TAYLOR SWIFT @OCEAN STAGE

で、次のJONSIまで時間があったので、話題の歌姫をちょっとでも見ようかなぁ、と再びOCEAN STAGEへ。彼女、グラミー賞でのステージパフォーマンスは評判が悪かったみたいで、正直、ライブはどうなのかなぁ、と思ったのですが、ステージがはじまると、そんな不安は完全にぶっとびました。

しっかりとしたボーカルに卒のないパフォーマンス。まだまだハタチそこそこの彼女なのですが、すでにある種の貫禄さえ感じられました。そして、思った以上にかわいい(笑)。全く期待していなかったのですが、なにげにひきこまれる楽しいステージ。ロックバンドみたいな、ライブならではの迫力みたいなものはなかったのですが、完成されたステージングは、エンターテイメントとしてとてもクオリティーの高さを感じました。

余談ですが、もうひとつ印象的だったのが、バックをつとめるバンドメンバーがすべて白人だったこと。ここらへん、カントリー=白人という、アメリカ社会の人種の壁が、まだまだ根強いってことなのかなぁ。

Summersonic2

このあたりで夕陽が沈みます。この日は、曇りがちな中、太陽が少しのぞく感じの天気。気温はちょうどいい感じで、海に近いこともあって、風もさわやか。そして、左の写真のように、とてもきれいな夕焼けをながめることが出来ました。

ちょっと早かったけど、JONSIへ行く前にOASISエリアで夕食を取りました。エジプト料理と称されたカレーとタンドリーチキン・・・って、むしろインド料理っぽかったのですが(^^;;でも、なかなかおいしくいただきました。ごちそうさま。

JONSI @SONIC STAGE

夕食を食べてSONIC STAGEに入ると、既にJONSIのステージがはじまっていました。いままでのライブと異なり、静かに鳴り響く音の中、彼のファルセットボイスを美しく聴かせるステージなのですが、これがまた、夢の中にいるのではないか、という幻想的な空間。まず会場に一歩入ると、一気にその空気がかわる、そんな雰囲気のステージでした。

以前、シガーロスのワンマンライブを見たことがあるのですが、やはりその時のことを思い出すようなステージ。終始、似たような雰囲気でステージはすすんでいくのですが、そのあまりにも美しい音に聴きほれ、全く「飽きる」ということはありませんでした。

STEVIE WONDERを見たかったので、途中で会場を離れたのですが、正直、最後まであの夢のような空間に浸っていたかったなぁ~。そう思わせる、とても素晴らしいステージでした。

その3に続く。

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2010年8月13日 (金)

嵐が吹きぬけたアルバムチャート

今週の着うたチャートはお休み。今週は、アルバムチャートのみとなります。

今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週のアルバムチャート1位はのニューアルバム「僕の見ている風景」が、2位以下を圧倒し、1位を獲得しています。

初動売上は73万枚。この数字は、オリジナルとしては前作の「Dream "A" Live」の22万枚をはるかに上回り、昨年リリースしたベスト盤75万3千枚に迫る勢い。オリジナルアルバムとしては過去最高の初動売上だそうです。

ちょっと異常なほどの人気になっている感じがします。確かに、お茶の間レベルでもその人気のほどはわかるのですが・・・少々極端な感じがしますけどね。まあ、これでも、一時期の、初動でミリオン突破が当たり前だった90年代後半に比べると、おとなしいセールスと言えるのでしょうが。

2位は初登場RIP SLYME「GOOD TIMES」がランクイン。彼ら2枚目となるベスト盤です。初動8万6千枚はオリジナルとしての前作「JOURNEY」の4万8千枚から大きくアップ。ただし、ベスト盤としては前作の「グッジョブ!」の初動35万枚からは大きくダウンしてしまいました。

3位は加藤ミリヤ「HEAVEN」が、先週から2ランクダウン。ベスト3をキープしました。

4位には奥田民生「OTRL」がランクイン。一瞬、ネットスラングの「OTL」に見えてしまったのですが(笑)。このアルバム、今年の3月から5月に行われたツアー「ひとりカンタビレ」で録音された作品を収録したもの。この「ひとりカンタビレ」は、レコーディングする過程を、そのまま「ライブ」としてみせる試みで、1会場で1曲をその場で仕上げ、その場でレコーディングしたそうです。彼らしいユニークな試みだなぁ。

そんな奥田民生、先日、アメリカのバンドThe Verbsに突如正式加入!というニュースでファンを驚かせました。これ、「正式加入」ってことは、日本でのツアー限定ではなく、アメリカでも活動するってこと??もしそうだとしたら、ソロにユニコーンにそしてこのThe Verbsに、と大車輪の活躍ですね。

5位は湘南乃風「湘南乃風~湘南爆音BREAKS!~ mixed by The BK Sound」。彼らの過去のヒット曲をノンストップにまとめたMIXアルバム。初動2万2千枚は、オリジナルとしては前作の「湘南乃風~JOKER~」の初動8万4千枚を大きく下回りました。ただ、「MIXアルバム」ということで、熱心なファン以外はスルーした、ということでしょうか。

ベスト10最後。6位初登場はcosMo@暴走P「初音ミクの消失」。タイトル通り、動画サイト発の初音ミクを用いたミュージシャン。おそらく初音ミクがらみでミュージシャン個人のアルバムがベスト10入りするのはlivetune、supercellに続いて3組目のはず。初動1万9千枚でsupercellのアルバム「supercell」の初動5万6千枚は大きく下回りましたが・・・まあ、別のミュージシャンなんで単純比較は出来ないなぁ。ただ、一時期に比べると、初音ミクがらみの人気は、一段落ついた印象も。もっとも、これからが本当の勝負といった感じでしょう。

今週のアルバムは以上!また、来週の水曜日に~。

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思ったこといろいろ

宇多田ヒカル、活動休止宣言

だそうです。まあ、才能あるミュージシャンなんで、マイペースに活動を続けていけばいいのではないでしょうか?数年に1枚のペースでしかアルバムを出さないようなシンガーなんて、いくらでもいるわけで、ちょっとマスコミはさわぎすぎ。宇多田ヒカルのレベルだと、ちょっと休むだけでも大変な騒ぎだなぁ~。

スポーツニッポンの記事ブログで反論したことも大きな話題に。「生きてりゃ得るもんばっかりだ!」。うん。確かにその通り!いいこと言うね!!

でも、そんな中でちょっと「なんだかなぁ~」と思った記事が・・・。

 

音楽評論家の富澤一誠氏はズバリ、「ネタ枯れでしょう」と指摘。こう続ける。
 
 「デビューして12年間、第一線で頑張って曲を出すたびに売れた。でも、シンガー・ソングライターは一般にアルバム3枚でネタが尽きる、といわれる。自分の青春時代を根掘り葉掘り書いても、3枚分にしかならない。さらに友達や親、周りのことで1枚、2~3年の充電期間で1枚…。尾崎豊がそうだった。彼女の場合、15歳でデビューしているから、青春時代がなかったと言ってもいい」

 

産経ニュース より

いや、確かに尾崎豊みたいに、自分を切り売りして歌詞を書くタイプのミュージシャンはそうかもしれませんが、少なくとも、ミュージシャンが曲で表現したいのは「歌詞」だけじゃないですし・・・。

実際、ユーミンにしても山下達郎にしても、今でこそ数年に1枚ペースになりましたが、デビュー当初から長い間は、毎年のペースでアルバムをリリースしていたみたいですし、海外ですが、PRINCEみたいに、デビュー以来30年近く、毎年1枚のペースでリリースしているミュージシャンもいますし。

そもそも、数年かけてアルバムをリリースするミュージシャンも少なくないけど、それを「ネタ枯れ」の一言で表現するのは、ちょっとあまりにも失礼なんじゃないかなぁ。

富澤一誠氏は、昔、彼の番組、ラジオ番組「JAPANESE DREAM」を愛聴していたのですが、最近、なんかおやじ系メディアの御用達評論家になっちゃっているなぁ(苦笑)。

もう1ネタ。

ともさかりえとスネオヘアーが結婚

「結婚」という正式発表はないみたいですけどね。最近、女性タレントと、サブカル系ミュージシャンの恋愛ネタが多いような印象が・・・。

緒川たまき×ケラリーノ・サンドロヴィッチ

須藤理彩×川島道行(Boom Boom Satellites)

蛯原友里×ILMARI(RIP SLYME)

とか・・・って3組だけか(^^;;

でも、こんなところにスネオヘアーの名前が登場してきてちょっとビックリ。もし結婚したら、お互い再婚同士みたいなのですが、今度こそ、末永くお幸せに!

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2010年8月12日 (木)

SUMMER SONIC 10 その1

SUMMER SONIC 10

会場:舞洲サマーソニック大阪特設会場 日時:8月7日(土)

久しぶりにサマーソニックに参戦しました!!

前回参加したのが2006年。約4年ぶりとなる、久しぶりのフェス参戦です。そして、今回は初となる大阪での参加。8月7日の1日だけの参戦だったのですが、久しぶりにあのフェスの雰囲気を味わえる・・・と意気込んで出かけてきました。

大阪の会場は、JRの桜島駅からシャトルバス。かなり混むかなぁ・・・と予想したのですが、思った以上にスムーズに、15分程度の待ちでバスに乗車。リストバンド交換所でもほとんど待たず、ほとんどストレスなしに会場入りできました。

サカナクション @SONIC STAGE

SONIC STAGEに急ぐと、ちょうどサカナクションがはじまったところでした。正直、特に熱心なファンでもなかったし、間に合わなかったら間に合わなかったでいいかなぁ、程度に予定していたバンドだったので、最初は2階席で座りながら、まったりと見て、体力を温存する・・・

・・・つもりだったのですが・・・

テンポのよいエレクトロのダンスチューン、ちょっと切ないメロディー。最初は椅子席でのっていたのですが、いてもたってもいられなくなり、1階のアリーナに駆け下りていきました。

はじめてサカナクションのステージを見たのですが、いやぁ、よかったわぁ。ちょっと音は悪いなぁ、と思ったのですが、リズムがとにかくのりやすく踊りやすく、すっごく楽しいステージでした。

MCでは、「サカナクション・・・じゃなくて、オオサカナクションです」なんて冗談で会場を盛り上げたのが、妙に印象に残っていたりして(笑)。

聴きたかった「アルクアラウンド」とかも聴くことが出来て、とても満足なステージ。壺をついたようなリズムパターンと、ほどよいバンドサウンドのバランスが絶妙。会場はさながらディスコステージのような雰囲気に。ロックとダンスミュージックのいい部分をあわせもったようなステージで、ちょっと歌謡曲風のなじみやすいメロディーともマッチし、理屈抜きの楽しいステージでした。

先日のSAKAE SP-RINGでは、そんなに熱心なファンじゃなかったこともあって、彼らのステージはパスしたのですが、これだけいいステージだったら、SAKAE SP-RINGでも見ておくべきだったなぁ。また、彼らのステージは是非見てみたいです!!

Summersonic1

K'NAAN @OCEAN STAGE

サカナクションが終わったらOCEAN STAGEに向かうと、ちょうどK'NAANのステージがはじまったところでした。ちょっと客の入りは寂しい感じでしたが・・・。

ソマリア出身という異色の経歴を持つ彼。ジャンル的にはHIP HOPながらも、ちょっとアフリカ音楽ちっくなリズムがまじった感じ。独特のリズムで会場を盛り上げて、なかなか楽しいステージでした。

MCで「ブラックミュージックも好きだし、ロックも好き」といっていたように、ロックの要素なども取り入れつつ。純粋なHIP HOPとは異なるミクスチャー感覚がまたユニーク。ラストは、コカコーラのキャンペーンソング「Wavin' Flag」を一緒に歌った、A.I.がゲストとして登場し、その「Wavin' Flag」を一緒に熱唱。会場はかなり盛り上がりました。洋楽ミュージシャンのステージのはずなのに、日本語で盛り上がる雰囲気はちょっと変な感じでしたが(^^;;

 

その後はPARK STAGEの後ろのフードエリアで昼食。佐世保バーガーを食べたのですが・・・うーん、ボリュームはあったのですが、普通のハンバーガーといった感じで、いまひとつ。少なくとも、1,000円は高い・・・。

the pillows @PARK STAGE

で、続いては、すごく久しぶりのthe pillowsのステージ。もっとすごい人が・・・と思ったら、それほどでもなく、そこそこステージに近い位置をキープすることが出来ました。

ステージに出てきた山中さわおの一言目が、「おぅ、いぇい!」!あー、やはりthe pillowsだなぁ(?)なんて思いながら、一気にハイテンションに。思いっきり盛り上がりました。

序盤にいきなりギターのワイヤレスアンテナがはずれて、山中さわおのギターの音が出なくなったり、中盤のMCで「次の曲をやったら死ぬ」なんてMCが飛び出したり、妙なハイテンションのステージ。ただ、しっかりとした安定感のあるステージで、ちゃんとファンを盛り上げるあたり、ベテランバンドとしての力量を見せてくれました。

「I think I can」や「Ride On Shooting Star」などで盛り上げつつ、やはり終盤は「ハイブリッドレインボウ」が一番盛り上がったような。卒のないパフォーマンスといった感じなのですが、力強いバンドサウンドで会場を盛り上げ、私もこぶしをふりあげながらも、「ハイブリッドレインボウ」では思わず大合唱。とても熱いステージでした。

途中、「ピクシーズ、楽しみですね」というMCはちょっとうれしく感じつつ、ただ、ファンの反応がいまひとつだったのは、ちょっと寂しい・・・・・・。

 

次のTHE DRUMSまでちょっと時間があったので、OASISで休憩。マンゴーがのったカキ氷を食べました。これは甘くておいしかったです。

THE DRUMS @SONIC STAGE

次のTHE DRUMSは、2階席で座りながら、まったりとしながら観戦。開始前に会場入りして、ちょっとうつらうつら寝てしまいました(^^;;そのため、THE DRUMSも、正直、半分くらい寝ぼけながらの観戦になってしまいました(苦笑)。

CDで聴くと、音がスカスカ。ライブも、確かにシンプルな、ちょっとチープな音だったのはCDと同じなのですが、CDで聴いたようなスカスカといったイメージはなく、意外と力強く、パンキッシュだったなぁ、という印象を受けました。

2階席から見ると、アリーナ席はかなりの人の入りで、注目の高さを物語っています。アリーナ席で盛り上がろうかなぁ、とも思ったのですが、そのまま2階席でステージを見ていました。次に見る機会があれば、スタンディングで、あの独特なチープ感満載なリズムで、盛り上がりたいなぁ、やはり。

BAND OF HORSES @SONIC STAGE

そのまままったり2階席で観戦。このバンドは、名前だけは知っていたのですが、音は完全にはじめて聴いたバンドです。

典型的なアメリカンロックバンドといった感じで、泥臭い感じの骨太のロックサウンドが特徴的。バックに、アメリカの田舎の風景などを流しながらのステージで、まったりと座りながら見るには、ちょうどいい空気を出していました。

うーん、悪いステージだとは思わなかったのですが、正直、あまり好みのタイプではないかな?次のOCEAN STAGE、A TRIBE CALLED QUESTは是非とも見てみたかっただけに、途中、終わるより一足先にSONIC STAGEを後にして、OCEAN STAGEに向かいました。

その2に続く。

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2010年8月11日 (水)

20年連続

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週も、先週に続き、1曲をのぞいてすべて初登場という、新譜ラッシュとなっています。

そんな中で1位を獲得したのは、SMAP「This Is Love」でした。先日、アルバムがチャート1位を獲得しましたが、それに続くシングルでの1位獲得。初動も27万6千枚と、前作の10万5千枚から大幅に増加。これでSMAPは、デビュー以来20年連続のベスト10入りだそうです。

ちなみに今回の作品は、作詞作曲LOVE PSYCHEDELICO。タイトルからして、なんとなく大ヒットしたマイケル・ジャクソンの映画を彷彿させますが、Aメロのギターのリフが、マイケル・ジャクソンの「Black Or White」っぽいのは、やはり意識したのでしょうか?

続く2位3位は、大人気のアニメ「けいおん!」のオープニングとエンディング。エンディングテーマ、放課後ティータイムの「No,Thank You!」が2位に、オープニングの「Utauyo!!MIRACLE」が3位にそれぞれランクインしています。ちなみに初動はそれぞれ8万7千枚と8万5千枚。以前のオープニング「GO!GO!MANIAC」の初動8万3千枚を上回っており、人気のほどを感じさせます。

以下も初登場が続いて行きます。

4位にいきものがかり「キミがいる」がランクイン。日テレ系ドラマ「ホタルノヒカリ2」主題歌の、軽快なポップチューン。ちなみに前作「ありがとう」は、NHK「ゲゲゲの女房」主題歌としてまだ流れているので、これで現時点でいきものがかりは2本のドラマ主題歌を同時に放送している、ということになるそうです。ただ、初動はその「ありがとう」の4万5千枚から若干ダウンの3万6千枚に留まりました。

5位は西野カナ「if」。先週の着うたチャートでは1位を獲得しましたね。「劇場版NARUTO-ナルト-疾風伝 ザ・ロストタワー」主題歌で、アニメタイアップの効果は・・・初動3万5千枚は、前作の初動3万9千枚から若干のダウン。やはり、ファン層が重ならなかっただけに、タイアップ効果は限定的、ということでしょうか?

6位7位はアイドル系が並んでいます。6位はAKB48からのユニット、ノースリーブス「君しか」、7位は同じくアイドルユニットアイドリング!!!「プールサイド大作戦」が並んでランクインしています。アイドル系はもう1曲。10位に新選組リアン 「愛の唄」がランクインしています。

8位はFUNKY MONKEY BABYS「あとひとつ」。先週の着うたチャートでは4位を獲得しています。ランク的には前作の6位からランクダウンしているのですが、初動は2万6千枚と前作の1万8千枚からアップしています。

今週のシングルチャートは以上!着うた&アルバムチャートは金曜日に~。

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2010年8月10日 (火)

美メロを堪能できる充実作

Title:不安の中に手を突っ込んで
Musician:槇原敬之

不安の中に手を突っ込んで

ここ最近、一時期のような大きなシングルヒットに恵まれていない彼。しかし、今回のアルバム、メロディーラインという点においては、全盛期に匹敵するような充実期を迎えているのではないでしょうか?

アルバムの「顔」とも言うべき1曲目「夜空にピース」のサビなど、メロディアスで勢いがあり、かつどこか切なさも併せ持っているという、マッキーらしい本領の発揮された美メロ。表題曲の「不安の中に手を突っ込んで」も、ファンキーでダンサナブルなリズムとメロディーがとても心地よい作品になっています。

(ただ、この曲の「先行き不安なこの国では/子供がもてないというのなら/人類は平成までで終わり/地球はまさに野生の王国」(作詞 槇原敬之)という歌詞に関しては、「お前が言うなよ・・・(^^;;」と思ってしまったのですが(笑))

先行シングルの「ムゲンノカナタヘ~To infinity and beyond~」も、ロッキンなギターをベースに奏でられるポップなメロディーが楽しめますし、さらにラストの「おさらばだ」ではスカパラがゲストで参加!軽快なスカなリズムとポップなメロがピッタリとマッチした名曲になっています。

歌詞の面では相変わらず彼言うところの「ライフソング」が多く、ちょっと説教臭い部分も目立つのですが、ある種、そんな不満を補って余りあるような美メロが楽しめる充実作になっています。

また、夏川りみに提供した曲のセルフカバー「フルサト」は、どこか名曲「遠く遠く」を彷彿されますし、なにより素晴らしかったのが、このアルバムに収録されているラブソングでした。

「冬のコインランドリー」は、タイトル通り、コインランドリーでの恋人同士の日常を描いた作品。冬のコインランドリーを舞台に、恋人を思う男性の心理を上手く描いたこの作品は、実にマッキーらしい暖かさあふれる素敵なラブソングになっています。

そしてユニークだったのが「In love again?」。「40歳のおっさんの恋」がテーマになったそうですが、そこで描かれるのはあまりに純粋な、マッキーらしい片思いソング。つーか、普通、40歳男の恋愛をテーマにしたら、もっと「余裕のある大人の恋愛」を描きそうなところを、こんな中高生みたいな青臭い片思いを書いちゃうところがマッキーらしいなぁ(笑)。

さすがに既婚者であるので、高校生の時に聴いたマッキーの曲のようなリアリティーはないのですが、男って、恋愛感情に関して何歳になっても中高生みたいな青臭い面を持っていたりするので、なんとなく気持ちはわかるような気もしちゃいます。

ここらへんのラブソングは、マッキーの代表曲になりそうなほどの名曲・・・というか、このレベルの曲をさらっと書いてくるあたり、まだまだ彼は全く衰えていないなぁ~なんてことを考えてしまいます。

特にメロディーの面では、勢いを感じさせる傑作でした。そろそろ、また大きなヒットが生まれそうな予感も・・・。

評価:★★★★★

槇原敬之 過去の作品
悲しみなんて何の役に立たないと思っていた
Personal Soundtracks
Best LOVE
Best LIFE


ほかに聴いたアルバム

#2/AA=

#2

マドカプの上田剛士によるソロプロジェクト2枚目。基本的にマドカプ路線を継承したデジタルロックなのですが、「GREED...」のように、前作よりもハードコア路線により傾いた感じ。一方では「F」のようにポップな作風な曲もあったり、マドカプファンなら文句なく楽しめる作風。ただ、マドカプに比べると、どうしてもインパクトの薄さを感じるのは、ボーカルがあまり前面に出ていないから?

評価:★★★★

AA= 過去の作品
#1

I WANT YOU/PE'Z

I WANT YOU

ベートーベンの「運命」からはじまり、ポップチューンのタイトル曲「I WANT YOU」にファンキーな「ヘイ!ロボ・ダンシン」。ディープパープルの名曲をもじったような「ハイウエスター」はスピード感あふれるナンバーに、ラストの「灼熱のLAバンピー~愛と平和のSAMBA~」はタイトル通りのサンバと、バラエティー豊かな内容ながらも、全体的には軽い感じ。聴いていて、すんなり楽しめて、ライブも盛り上がりそうだなぁ、と思う反面、もうちょっと毒があった方がおもしろいのでは?とも感じました。

評価:★★★

PE'Z 過去の作品
1・2・MAX
ギャロップ(pe'zmoku)
ペズモク大作戦(pe'zmoku)

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2010年8月 9日 (月)

もっともっとブレイクの予感が。

Title:Nicheシンドローム
Musician:ONE OK ROCK

Nicheシンドローム

ボーカルは、元ジャニーズ系アイドルNEWSのメンバーで、森進一、昌子の子供。他のメンバーもダンスグループHEADSのメンバーで、さらに元メンバーでファッションモデルだったAlexは痴漢で逮捕されてニュースに・・・

と、どう考えても、バリバリの「作られた歌謡曲『ロック』バンド」という感じで、「良心的な」ロックリスナーは眉をひそめそうなバンドなのですが(^^;;

今回、はじめてアルバムを聴いたのですが、これが本格的なロックアルバムで、めちゃくちゃカッコいい!

特に序盤「Never Let This Go」は英語詞で、洋楽風の爽快なパワーポップチューンがとても耳を惹きますし、続く先行シングルにもなりヒットを記録した「完全感覚Dreamer」も、おなじく洋楽テイストの強いパワーポップナンバーながらも、どこか邦楽的なメロディーが耳に馴染むナンバーになっています。

個人的に思ったのが、このバンド、もっともっと売れるんじゃないかなぁ、ということでした。

適度にヘヴィーなバンドサウンドは、ロックバンドの持つダイナミックさを楽しむことが出来ます。音がしっかりと鳴ってバックを支えているだけに、ライブで暴れて楽しむ、ということも出来そう。

一方のメロディーラインは、とことんポップ。どこか洋楽テイストを感じる垢抜けた部分もあれば、J-POP的な、適度に泥臭い部分もあわせもっていて、広いリスナー層にアピールできそう。

ボーカルで作詞作曲を担当するTakaが、元ジャニーズ系のアイドルで、人気歌手の息子として育っただけに、何が売れるか、ということに敏感なのかなぁ?少なくとも、本格的なギターロックを志しながらも、売れる壺をしっかりと押さえているような印象を受けました。

ただ、最初の印象はそれだけよかったのですが、このアルバム、中盤から後半に進むに連れて、ちょっと飽きてきてしまいました。

正直なところ、楽曲のバリエーションも多くないし、メロディーも、その序盤の2曲を超えるような曲はなく、全体的に平坦。序盤のインパクトは大きかっただけに、その後も、それなりの曲はあるものの、インパクトの薄さは否めず、ちょっと印象の薄い内容になってしまいました。

そういう意味では惜しいアルバムだなぁ~という感じはします。ただ、今後はもっとおもしろくなる要素を持ったバンドだと思います。上にも書いた通り、このアルバムは大ヒットを記録したものの、もっともっと売れるかも・・・。今後の彼らの動向は、ちょっとおもしろいかも。

評価:★★★


ほかに聴いたアルバム

My Favorites/岡本真夜

「My Favorites」 ALL ALBUM SELECTION BEST

岡本真夜のオールタイムベスト。かの「そのままの君でいて」を、上海万博の公式PRソングがパクッたことから話題になり、その後、正式に「公式PRソング」に採用。急遽、このベスト盤にも収録を決めたそうです・・・って、「そのままの君でいて」は当初収録の予定がなかったってことですか!代表曲だと思っていたのですが・・・。

後半、「Crystal SceneryIIVersion」の曲が続き、ちょっと仰々しいアレンジに、元曲の方がよかったのに・・・と思ってしまいました。彼女の曲をあらためて聴くと、いい曲は多いのですが、全体的に卒がないというか、いい意味でも悪い意味でもちょっと癖がない感じが。そこらへんが、幅広い層から人気を確保できた要員でしょうか?

評価:★★★★

岡本真夜 過去のアルバム
seasons
Crystal Scenery II

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2010年8月 8日 (日)

邦楽上半期ベスト5

昨日の洋楽編に続き、邦楽編。こちらは、上半期ベスト5です。

5位 カンチガイもハナハダしい私の人生/KAN

カンチガイもハナハダしい私の人生(DVD付)

聴いた当時の感想はこちら

今、日本でもっとも「カンチガイ」されているミュージシャンによる最新アルバム。以前からこのサイトでは、彼の素晴らしさを、アルバムをリリースするたびに主張してきましたが、最新アルバムは文句なしの傑作でした。いつものKANらしい王道路線のポップスから、ASKAとのコラボレート作、さらにはPerfumeからインスパイアされた楽曲まで。KANを「カンチガイ」している人にこそ聴いて欲しい傑作です。

4位 THERE'S NO TURNING BACK/THE BAWDIES

THERE’S NO TURNING BACK

聴いた当時の感想はこちら

昨年にリリースされた「THIS IS MY STORY」に続く傑作。60年代のロックンロールをそのまま体現化したようなサウンドは、「そのままじゃん」と言われながらもある種のわかりやすさがありますし、聴いていてウキウキするようなポピュラリティーがあります。そして、それこそが、本来ロックンロールという音楽が持っていた魅力なんじゃない?前作よりも音楽性の幅も広がり、成長を感じられます。次は、日本語でこのグルーヴを。

3位 マニフェスト/RHYMESTER

マニフェスト

聴いた当時の感想はこちら

ロックやエレクトロなどの要素を入れた彼らのHIP HOPは、ロックリスナーが聴いても楽しめ、かつ、そのライムにもインパクトが。「マニフェスト」と名づけられた久しぶりの新作は、そのタイトルの通り、社会派な歌詞も多く、彼らの主張がはっきりと感じられます。ただし、その主張はあくまでもユーモアたっぷり。決して押し付けがましくない点も大きなポイントでしょう。全体としては、これがはじめて、というような真新しさはないものの、HIP HOP黎明期から走り続ける彼らの実力を感じられる傑作アルバムでした。

2位 友だちを殺してまで/神聖かまってちゃん

友だちを殺してまで。

聴いた当時の感想はこちら

好き嫌いは別としても、2010年という時代を語るのに、重要な1枚・・・だと思います。音源としての評価はさほど高くなく(悪くもないのですが)、実際、私も最初聴いた時は、よくありがちなギターロック、程度にしか感じませんでした。ただ、聴けば聴くほど、「実は、すごいアルバムなんじゃない?」という感覚に。この社会の中で、「非モテ」のようなレッテルを貼られ、社会の中で鬱屈している若者たち。そんな若者たちの叫びを、ダイレクトに曲にのせている彼らには、現代の若者たちのリアルを感じます。・・・や、ひょっとしたら過大評価かもしれないですけどね(^^;;でも、ひょっとしたら、時代を変える重要な1枚かも。

そして・・・

1位 2010/クラムボン

2010

聴いた当時の感想はこちら

メジャーデビューから11年。いままでのアルバムも名作揃いだったのですが、このアルバム、彼女たちの最高傑作だと思います。ここ数年のクラムボンは、「ポストロック」という表現が適切かどうかわかりませんが、実験的というか、アレンジに凝った内容が続いており、ポピュラリティーという面が、ちょっと後ろに下がってしまった感がありました。しかし、この作品は、奥深いアレンジはそのままに、デビュー当初のようなポップで、いい意味で聴きやすい作品を作り上げています。ある意味、クラムボンの完成形ともいえる作品かもしれません。文句なし、今年上半期を代表する傑作だと思います。

以上、5枚。あらためて並べてみると・・・

1位 2010/クラムボン
2位 友達を殺してまで/神聖かまってちゃん
3位 マニフェスト/RHYMESTER
4位 THERE'S NO TURNING BACK/THE BAWDIES
5位 カンチガイもハナダハしい私の人生/KAN

今年の邦楽ベスト5は、どの作品を選ぶか、かなり迷わされました。昨年の上半期ベスト5も充実していましたが、その昨年度を上回る充実さ。ここ最近、CD不況が叫ばれていますが、それと反比例するかのように、音楽シーンはかなり充実しているのではないでしょうか?特にベスト5に入れた神聖かまってちゃんやTHE BAWDIESのような、力のある新人バンドが次々と出てきています。

他にベスト5入りを迷ったのは・・・

ブルーロンド/小島麻由美
PLAYER/capsule
在日ファンク/在日ファンク
グッバイ、ガールフレンド/踊ってばかりの国
BABY/aiko
凪/キセル

どの作品も、普段なら余裕でベスト5入りできたような内容の作品ばかり。他にもandymoriや毛皮のマリーズなど、注目のバンドが続々と傑作をリリースしています。まじで2010年という年は、音楽シーンにとっておもしろい1年になりそうです。

ちなみに過去の邦楽ベストアルバムは・・・

2007年 年間1 
2008年 年間1  上半期
2009年 年間1  上半期

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サマソニに行って来ました!!

前回行ったのが2006年だったので・・・約4年ぶりにサマソニに参戦しました!

今回参戦したのは、8月7日(土)の大阪会場1日。天気もほどよく、海の近くということで風も吹いていて心地よく、人の入りもちょうどよく、とても快適でした。

今回、見たステージは・・・

サカナクション→K'NAAN→the pillows→THE DRUMS→BAND OF HORSES→A TRIBE CALLED QUEST→KAM(少しだけ)→TAYLOR SWIFT(1曲だけ)→JONSI→STEVIE WONDER→PIXIES(ラスト30分)

やはりスティーヴィー・ワンダーは素晴らしかった!!でも、スティーヴィーが終わった後にかけつけたPIXIESも最高でした!

詳しいレポは近日中に。とても楽しかったです~♪

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2010年8月 7日 (土)

洋楽上半期ベスト3

もう8月に突入し・・・ちょっと遅くなってしまいましたが、恒例の上半期ベストアルバム。まず、本日は洋楽編です。

3位 Shadows/TEENAGE FANCLUB

シャドウズ

聴いた当時の感想はこちら

5年ぶりに届いた新作で聴かせてくれたのは、まさに普遍的な、珠玉のメロディーライン。なに?マンネリ??確かに、このメロディーはいつものTEENAGE FANCLUBかもしれません。でも、聴いていて最後まで全く飽きないのが、そのメロディーラインの妙。ポップなメロディーの中に、微妙にひねくれた要素を入れてくるあたり、ちょっと一癖を感じられるのも大きな魅力です。

2位 Plastic Beach/GORILLAZ

Plastic Beach

聴いた当時の感想はこちら

デーモン・アルバーンの趣味性がもろに反映された作品。ロックを機軸に、HIP HOPやエレクトロ、ソウルなど、多用な音楽に興味を示すあたりが彼らしいところ。そして、それをあくまでもポップにまとめあげているのもまた、彼らしさといった感じでしょうか?「Plastic Beach」という、いかにもな文明批判なタイトルながらも、ユーモアさを感じられる部分も大きな魅力でした。

そして・・・

1位 CONTRA/VAMPIRE WEEKEND

Contra (Ocrd)

聴いた当時の感想はこちら

2008年では、年間ベストアルバムの2位に選んだVAMPIRE WEEKENDの新作。この手のインディーバンドの新作って、得てして1枚目を超えられないのですが、彼らは軽々超えてしまいました。前作の路線をそのままに、さらなる音楽性を広げたこの作品は、インディーバンドとしての魅力を残しながらも、バンドの成長を感じます。そんなバンドを世間がほっておくわけもなく、なんと、イギリスでは3位、そしてアメリカビルボードチャートではなんと1位を獲得!!!かなりの「ビック」な存在になりそう・・・。

以上3枚、いかがでしょうか?今年の上半期、正直、洋楽シーンはちょっと停滞気味に感じました。3枚選ぶのもギリギリで・・・。他に、ベスト3候補だったのは

RECOVERY/EMINEM
NOTHING'S IMPOSSIBLE/SOLOMON BURKE

あたりでしょうか?ちょっと物足りなさを感じたのですが・・・下期は、もっと素晴らしいアルバムに出会えるよう、期待したいところです!

あらためてベスト3をまとめると

1位 CONTRA/VAMPIRE WEEKEND
2位 Plastic Beach/GORILLAZ
3位 Shadows/TEENAGE FANCLUB

でした。明日は邦楽ベスト5を発表します~。

ちなみに過去の洋楽ベストアルバムは・・・

2007年 年間
2008年 年間 上半期
2009年 年間 上半期

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2010年8月 6日 (金)

着うたにしては珍しい新譜ラッシュ

今週の着うたチャート

2010年7月28日~2010年8月3日付チャート

今週の着うたチャートは1位から5位までが初登場!という、珍しい新譜ラッシュとなりました。

if

そんな中で1位獲得したのは、着うたの女王西野カナ「if」でした。8月4日リリース予定のシングルの先行配信で「劇場版NARUTO-ナルト-疾風伝 ザ・ロストタワー」主題歌になっています。

西野カナとアニメの取り合わせってちょっと意外で、お互いのファン層がかぶらなさそう・・・。これを機に、ファン層をさらに広げようという試みでしょうか?ただ、初のアニメ主題歌ではないみたいで、ブレイク前にはアニメ主題歌も歌っていたみたいです。

以下4位まで初登場がズラリと並んでいますが、その中で今週のシングルチャートとかぶったのはわずか2曲。2位に遊助「ミツバチ」、5位に安室奈美恵「Get Myself Back」(「Break It」のカップリング)がそれぞれランクインです。なお、安室奈美恵の「Break It」は8月4日に着うたフルの配信開始だそうなので、来週、ランクインしてきそうです。

他には・・・まず3位に福山雅治「蛍」が入ってきました。8月11日リリースシングルの先行配信。日テレ系ドラマ「美丘」主題歌で、しんみりと聴かせるアコースティックなバラード。心のこもった思いを伝えるラブソングで、歌詞もしっかりと聴かせる内容。ドラマ主題歌というタイアップの良さをあわせて、大ヒットも期待できそうなナンバーです。

4位にはFUNKY MONKEY BABYS「あとひとつ」がランクイン。テレビ朝日系の「夏の甲子園応援歌」に決定したこのシングル。FUNKY MONKEY BABYSといえば、いつも有名人の顔をドアップにしたジャケ写が印象的なのですが、今回は楽天のマーくんこと田中将大投手の顔をジャケット写真に起用しています。

初登場は以上5曲。他には先週の11位から今週7位にmoumoon「Sunshine Girl」がランクアップし、再度ベスト10入りを記録しています。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週のアルバムチャートは、シングルチャート同様の新譜ラッシュとなっています。

HEAVEN

そんな中で1位は、加藤ミリヤの1年ぶりとなるアルバム「HEAVEN」が獲得。ベスト盤では1位の経験はあるのですが、オリジナルでは初の1位となりました。初動15万枚は、前作の15万1千枚からほぼ横バイです。

2位は、「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST FINAL BEST」がランクイン。TBS系アニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」に関連する曲を集めたコンピレーションで、YUIやスキマスイッチ、福原美穂など豪華なミュージシャンの曲が収録されています。

3位にはVAMPS「BEAST」が入ってきました。ご存知、ラルクのhydeとOblivion DustのK.A.Z.によるユニットの2枚目となるアルバム。初動5万2千枚は、前作の初動6万2千枚からちょっとダウンしてしまいました。

続く4位も初登場。lecca「パワーバタフライ」がランクインです。女性レゲエシンガーで、4位は自己最高位。初動も、初のベスト10ヒットとなった前作「BIG POPPER」の初動2万5千枚を大きく上回る4万1千枚を記録しています。次はシングルヒットか?

7位にはフジファブリック「MUSIC」が入ってきました。昨年12月、ボーカルでバンドの多くの曲の作詞作曲を手がけてきた志村正彦が急逝。音楽ファンに大きな衝撃が走りました。バンドは、その後も活動の継続を発表。そして、彼が残した曲を中心につくりあげた新作が本作です。ベスト10入りは、初のベスト10ヒットとなった前のアルバム「CHRONICLE」に続く2作目で、7位は自己最高位。初動売上も、前作の1万2千枚から大きく上回る2万3千枚を記録し、志村の死後なお高まる人気のほどを見せつけています。

9位初登場がANANT-GARDE EYES「『Angel Beats!』オリジナルサウンドトラック」でした。TBS系アニメ「Angel Beats!」のサントラ盤。劇中バンドGirls Dead Monster名義のシングルは、チャートの常連となるほどのヒットとなりました。サントラ盤も、見事ベスト10ヒットを記録しています。

初登場最後は10位ランクインの後藤真希「ONE」。母親の事故死や、弟の逮捕など、彼女を取り巻く家族の、辛いニュースばかりが続いていたかつての人気アイドル。その復活ともとれそうは、約6年半ぶりのベスト10入りだそうです。本作の初動は1万1千枚。昨年9月にリリースされたミニアルバム「SWEET BLACK」は初動5千枚から考えると、約倍増なのですが、この作品、SWEET BLACK feat. MAKI GOTO名義で、雰囲気も大きくかわっただけに、厳しい売上だった模様。2007年にリリースした後藤真希名義の前作「How to use SEXY」も初動1万1千枚だったので、新たにファンを獲得した、というよりも、かつてのファンが戻ってきてくれた、といった感じでしょうか?

今週の着うた&アルバムチャートは以上。また、来週の水曜日に~。

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2010年8月 5日 (木)

ポストシガーロス?

Title:Dead Waves
Musician:KYTE

Dead Waves

2007年にリリースされたデビューアルバムで、「ポストシガーロス」あるいは「ポストレディオヘッド」と称され、イギリスのメディアから大きな注目を集めた5人組バンドの3枚目。シガーロスだのRADIOHEADだの、個人的におもいっきり壺のはずなのですが、この3枚目で、はじめて彼らのアルバムを聴いてみました。

まず1曲目「The Smoke Saves Lives」からして素晴らしかった!分厚いアレンジと、ポップなメロディーは、シガーロスやRADIOHEADよりも、むしろPET SOUNDSあたりのTHE BEACH BOYSを思い出したくらいなのですが、その甘いサウンドの波に、心地よくひたることが出来ました。

続く「Ihnfsa」も同じような心地よいポップソング。これはかなり傑作かも・・・と思い、その後も聴いていったのですが・・・

はっきりいって、中盤以降はちょっとだれてしまいました。

全16曲70分はちょっと長すぎ。打ち込みメインとなるアレンジに、ポップなメロディーラインは、シガーロスやレディへ、というよりもむしろ80年代のニューウェーヴを彷彿とさせるような楽曲もあったのですが、全体的にはダウナーな感じの曲が多く(ここらへん、シガーロスやレディへと比較される理由か?)、ちょっとだれてしまいました。

似たようなタイプの曲も多かったのも、中盤以降飽きてしまった理由かもしれません。

後半になると、エレクトロ路線の楽曲が増えてきました。また、「The Strangest Words And Pictures」のような、サウンドとコーラスラインが美しい名曲も顔をのぞかせたり、音数をしぼった緩急あるアレンジも魅力的には感じたのですが、やはりいかんせん、70分もテンションをキープするのはちょっと辛かったかも。曲数を絞って60分弱くらいにおさめれば傑作だったと思うのですが・・・。

そういう意味では、とても惜しいアルバムだったかもしれません。特に序盤に関しては、かなり惹きつけられる美しい音を出していただけにちょっと残念。ただ、次回作も、チェックしてみたいかも、と思わせるだけの力はある作品でした。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

OCTAHEDRON/THE MARS VOLTA

Octahedron

邦題「八面体」。ヘヴィーロックやメタルからの影響も感じるヘヴィーなギターサウンドを、聴き込めば聴き込むほど癖になりそうな複雑なアレンジで絶妙に奏でながらも、アルバム全体としてはポップさも感じる・・・という点は前作同様ですね。プログレ好きにはもちろん、ぱっと聴いた感じだと頭でっかちさを感じないあたり、広いリスナー層にアピールできそう、かも。

評価:★★★★★

THE MARS VOLTA 過去の作品
The Bedlam In Goliath(ゴリアテの混乱)

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2010年8月 4日 (水)

お盆突入前の新譜ラッシュ!

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週のシングルチャートはわずか1曲をのぞきすべて初登場。新譜ラッシュとなっています。

その中で1位を獲得したのは山下智久のソロシングル「One in a million」がランクインです。ソロでは3枚目。はやりのロボ声なども用いた、今風のR&Bチューンになっています。初動は16万1千枚。前作の初動19万4千枚からはダウンしてしまいました。

2位は遊助こと上地雄輔の5枚目となるシングル「ミツバチ」が入ってきました。なんか、奇抜な歌詞とメロディーが話題となり、amazonで酷評の嵐、ということがニュースにもなった話題(?)の曲です。奇抜というか・・・歌詞はちょっと奇抜なのですが、レゲエっぽいリズム(Wikipediaによると「ソカ」になるらしい)を積極的に取り入れた意欲的な曲って感じがします。初動7万1千枚は前作の初動9万2千枚より大幅ダウン。売上的にはちょっと苦戦気味ですが。

3位には安室奈美恵「Break It」がランクイン。約1年4ヶ月ぶりのシングルで、ここ2作、1位を続けていたのですが、今回は、残念ながら初登場3位。初動売上も、前作の7万5千枚から5万8千枚にダウンしてしまいました。前作と同様、カッコいい曲だと思うんですけどね~。

さて、以下初登場が続くのですが、今回は見事にジャンルがバラバラ。

まず4位から6位ですが・・・

4位 EVER/GACKT
5位 太陽のメロディー/今井美樹×小渕健太郎 with 布袋寅泰+黒田俊介
6位 ○○ がんばらなくてもええねんで!!/スマイレージ

ビジュアル系、企画ユニット、アイドル系と並んでいます。6位スマイレージは、ハロプロ系のアイドルユニットですね。

5位は・・・有名人夫婦とコブクロが組んだ企画ユニットですが、口蹄疫で苦しむ宮崎県への応援ソング。売上に係る収益は、すべて宮崎県口蹄疫被害義援金に寄付されるそうです。アコースティックなバラードナンバーが心に染みるナンバーなのですが、間奏では布袋が、おもいっきりエレキでギターソロを聴かせてくれます。

以下、10位までの新譜は・・・

7位 君が僕にKissをした/WaT
9位 Now loading...SKY!!/スフィア
10位 Higher Than Dark Sky/access

がそれぞれランクインしています。WaTはちょっと久しぶり。約2年3ヶ月ぶりの新譜で、アイドル系でこれだけのインターバルは珍しいような。初動1万8千枚は、前作の初動3万3千枚から大幅減です。

9位は、女性声優4人組によるユニット。10位accessは、懐かしい名前だなぁ。作詞が小室みつ子というのもちょっとうれしいところ。ベスト10入りは、2002年の「EDGE」より8年ぶりになります。

シングルチャートは以上!着うた&アルバムチャートは金曜日に~。

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2010年8月 3日 (火)

カバーは一聴の価値あり!

Title:TOKYO GROOVE
Musician:HALCALI

TOKYO GROOVE

今回のHALCALIのニューアルバムは、2枚組。1枚はオリジナル曲を収録し、もう1枚は、いままでに発表したカバー曲などを集めた企画盤になっています。

オリジナルアルバムの方は、豪華なミュージシャンたちが曲を提供しています。「tears of love」はまんまBIKKEでわかりやすすぎ(笑)。ラップ(?)の部分で、一発で誰の曲かわかりました。タイトルからしてそのまんまな「ZIG ZAG SATURDAY NIGHT」はNONA REEVES西寺郷太によるディスコチューンに、オリジナル最後の「ENDLESS NIGHT」は、RAM RIDERによるテクノポップ・・・と、それぞれのミュージシャンの特徴がダイレクトに曲に反映されていました。

ただ・・・どの曲も悪くはないのですが、言ってはなんですが無難・・・。HALCALIってこの程度だっけ??と思いながらアルバムを聴いていきました。

でも、「その程度ではない」ということがはっきりわかったのが、オリジナルラストの「HALCALI TOKYO GROOVE TWO TURNTABLE MIZ」・・・って、単なる過去の代表曲のメドレーなんですけどね。

遊び心もポップスセンスも、それまでの曲に比べて段違い。曲を作った側もHALCALIを利用して遊んでいるなぁ、ということが伝わってきますし、HALCALI自身も、それを楽しんでいるなぁ、というのが伝わってきます。

正直、今回の新曲に関しては、そういう遊び心が欠けているように感じました。

逆に、とてもよかったのが、2枚目のカバー曲たち。

ベスト10ヒットを記録した「今夜はブギー・バック」のカバー。原曲の良さに助けられている部分もあるのですが、このカバーを聴くだけでも、このアルバムを聴く価値、ありです。

他にも、赤塚不二夫トリビュートに収録された「すきすきソング」(「ひみつのアッコちゃん」の曲です)だとか、原曲とは雰囲気の違うジュディマリの「ラッキープール」だとか、こちらは、デビュー当初のような遊び心がつまったカバーがいっぱい。どれも既発表曲なのですが、HALCALIの魅力満載のこれらのカバー、お勧めです!

ただ・・・約2年8ヶ月ぶりという久しぶりのアルバムなのに、実質上の新曲が、わずか7曲というミニアルバム並みかぁ・・・。個人的にはもっともっとがんばってほしいミュージシャンなんだけどなぁ。久しぶりの新譜はうれしかったのですが。

評価:★★★★

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2010年8月 2日 (月)

リズムが心地よい

Title:旧ベルギー領コンゴ地方の伝統音楽

旧ベルギー領コンゴ地方の伝統音楽

今回紹介するアルバムは、タイトル通り、アフリカの、現在のコンゴ民主共和国で、1935年~36年にかけて録音された、現地の民俗音楽を録音したアルバム。もともとは、77年に「アフリカ音楽のルーツを訪ねて」というシリーズでリリースしたそうです。

「ポピュラーミュージック」というよりは、「学術的な音楽」の色合いの濃いようなアルバムで、音楽も、曲としてまとまっているわけではなく、現地の太鼓や合唱、踊りなどの模様をそのまま録音したもの。そのため、1トラックに「1曲」という構成ではなく、民俗音楽の一部一部を切り取って、1トラックに何曲かおさめられているような構成になっています。

もともと、ここ最近、ワールドミュージックというのにも興味を持ち始めて、いろいろと聴きはじめたりしているのですが、今回のアルバムは、もともと「ミュージックマガジン誌」に高評価で紹介されていたのがこのアルバムを知ったきっかけ。なんとな~く、おもしろそうに感じて聴きはじめました。

正直言うと、最初のうち、あまりにも商業ベースからかけはなれた、現地の民俗音楽そのままの内容に、ちょっと抵抗を感じたのも事実。ちょっと呪術的なものをかじる、彼らの合唱に関しては、神秘的な魅力を感じつつも、音楽として聴き入るには抵抗を感じてしまいました。

ただ、そんな音楽を徐々に魅力的に感じたのが中盤からの「バベレ族の踊りとカルミ首長の踊り」「ルベーロ地方の木琴」などといった、リズムを前面に押し出した音楽の数々でした。

いまでいえばミニマル的に、似たようなフレーズを繰り返しながら、抑揚のつけたリズムを繰り出す音楽は、いまでいえばトランスミュージックの要素を感じるような部分もありました。かつ、単調な四つ打ちではなく、微妙にテンポをずらすような独特のリズム感は、やはりブラックミュージックのルーツ、でもあり、アフリカ人独特のリズム感覚なのでしょうか?ある種の「ファンキー」ともいえる要素も感じ、聴いているうちに、はまっていってしまう魅力がありました。

そのため、アルバム全体としては決して小難しくなく、今の耳でも十分楽しめるような、普遍性もある魅力的な「ポップな」アルバムになっていたと思います。普段のポップスとはちょっと違った世界の音楽を聴きたいなぁ~なんて思っている方、いかがでしょうか?お勧めです。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

THE E・N・D/THE BLACK EYED PEAS

The E.N.D.

いままでのアルバムと異なり、エレクトロサウンドを多く取り入れたサウンドが、ファンの間でも賛否両論・・・みたいですね。最新の音を取り入れ「今」を感じさせる音作りをしながら、あくまでもポップにまとめあげている点、ジャンル的にはちょっと異なるけども、m-floあたりと似たスタンスを感じました。ただ、インパクトという点は、以前の方があったような気が・・・?

評価:★★★★

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2010年8月 1日 (日)

パッションはいつも通りだけど

Title:shinsekai
Musician:ミドリ

shinsekai

正直言ってしまうと、ミドリみたいな初期衝動を音楽にダイレクトにぶち込むようなタイプのバンドにとって、同じテンションで何枚もアルバムをリリースするというのは至難の業だったりします。

最初に受けた衝撃は、枚数を重ねるごとに薄れていってしまいますし、そもそも、楽曲がワンパターンになりがちですしね。

私にとっても、彼女たちのアルバムで一番衝撃を受けたのは、やはり一番最初に聴いた「セカンド」でした。

その後にリリースされた「清水」も「あらためて、はじめまして、ミドリです。」も、いずれも傑作であったとは思うのですが、「セカンド」をはじめて聴いた時の衝撃に比べると・・・と思ってしまいました。

で、メジャー3枚目となる本作。彼女たちも、同じテンションを保つのは難しいというからでしょうか、「スピードビート」では、ちょっとジャジーなピアノやベースラインが耳に残りますし、「春メロ」では、ハジメが初めてボーカルを取る切ないポップソングを聴かせてくれるなど、パンキッシュ一本やりではない、ということを主張するような曲もチラホラ。

そもそも、いままでひたすら顔を隠していたボーカルの後藤まりこの顔を、おもいっきりアップでのせたジャケット写真も、いままでと大きく異なりますしね。

それでもやはり、「セカンド」で感じた衝撃は、徐々に薄れてきているなぁ・・・。

もともとメジャーデビューして以降の曲は、ポップで聴きやすい雰囲気にまとまっているし、エロチックでドギツイ歌詞は、少なくなってきているし・・・ここらへんは、メジャーでのリリースゆえの宿命でしょうか??

ただ、衝撃が薄れている、とはいっても、アルバム全体の出来としては決して落ちていないとは思うんですよね。

実際、このアルバムでも「あたし、ギターになっちゃった!!!!!」などはミドリらしい傑作。パンキッシュなバンドサウンドながらも、どこかリズムは祭囃子を取り入れたようなリズムですし、ピアノとベースはどこかジャジーだし。ついつい聴きほれてしまいます。

多分、一番最初に聴くアルバムがこのアルバムならば、十分衝撃を受けた傑作だったと思うんですよ。そういう意味では、彼女たちみたいなタイプのバンドは、なかなか難しいですよね。徐々に、新たな音楽性を開拓していくのか、パンキッシュな路線をさらに追及していくのか・・・これからが正念場かも?

評価:★★★★

ミドリ 過去の作品
清水
あらためて、はじめまして、ミドリです。
ライブ!!

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