Buffalo Daughter的HIP HOP?
Title:The Weapons Of Math Destruction
Musician:Buffalo Daugter
曰く
「『物理』をテーマとして作成されたアルバム」
曰く
「『ヒップホップのアルバムが作りたい』と 山本ムーグが言い出したこともあり、Buffalo Daughter的ヒップホップ考という伏線も持つ。」
ごめんなさい。そう言われて曲を聴きながら、インタビュー記事なども読んでみたのですが、「物理」をテーマ、とか言われても、いまひとつピンと来ませんでした(^^;;
HIP HOP・・・という意味では、「Rock'n'roll Anthem」や「The Battle Field In My Head」あたりは、Buffalo Daughter流のHIP HOP、といった感じなのかなぁ?
ただ、HIP HOPの一言だけではなく、今回の作品、いつも以上に様々な要素が、その音楽の間から垣間見れた感じがします。
いままでの作風と同じく、エレクトロやポストロック的なアプローチも強かった一方、「Gravity」や「All Power To The Immagination」のリズムには、ちょっとファンキーなものを感じましたし、「Five Thousand Years For D.E.A.T.H.」にはキュートなポップス要素も感じられます。「Run」や「New World:It Day」はオルタナ系のギターロック。他にもパンキッシュな作風や、テクノポップ的な作品などもあり、バリエーションはいままで以上に広がっているように感じました。
もっとも基本、どの曲に関しても、ミニマル的な、シンプルなフレーズのくり返し。それが、曲が進むにつれて少しずつ変化していくというスタイル。これがまた、すごい中毒性があるんですよね。彼らの曲って、決して派手さはないのですが、この中毒性がゆえに、気がつけば曲にはまってしまう、そんな魅力があります。
そう考えると、そんなに難しいことを考えないで、彼らの、この中毒性のある音の世界にはまっていけばいいのかなぁ、なんてことも思いました。前作以前の魅力はそのままに、中身は彼ら流に新たな世界を模索している、そんなアルバムでした。
ちなみにタイトルの「The Weapons Of Math Destruction」は「The Weapons Of Mass Destruction(=大量破壊兵器)」のもじり。同じ発音の言葉(厳密には違うけど)を入れ替えただけで、「数学的破壊兵器」というユーモラスなタイトルになっています。他に、バリバリのHIP HOP風の曲に「Rock'n'roll Anthem」と名づけたり、随所にユーモアセンスも感じられるアルバムでした。
評価:★★★★★
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