チープさが魅力的
Title:THE DRUMS
Musician:THE DRUMS
ニューヨークはブルックリン出身の4人組バンド、THE DRUMS。現在、世界中で注目を集める、期待の新人バンドの一組らしいです。もっとも、この手の「期待の新人バンド」は雨後の竹の子のように、次々と出てくるのですが。
このバンドで、まず耳をひくのが、一体いつの時代の音だよ!と思うような、チープな打ち込みサウンド。10年くらい前の市販のソフトでも出せそうなチープな音を、それもスカスカな状態で鳴り響かせています。
聴いているうちに飽きてしまいそうな音なのですが、なぜかこれが妙に耳触りがよく、ついついはまってしまうから不思議。80年代のニューウェーヴのテイストをプンプンと匂わせながらも、ちょっとミニマルテイストを感じさせるリズムが、意外と今風な部分をちらつかせて、懐かしくも新しい音が魅力的、といった感じでしょうか?
ニューオーダーあたりと比較する声も多いみたいですし、また、最近のバンドでは、同じくスカスカな音にテンポのよいリズムという点で、VAMPIRE WEEKENDとも共通する部分を感じます(どちらもアメリカのインディーバンドですし)。また、個人的には、スカスカながらパッショナブルなサウンドが、ちょっとPIXIESあたりを思い出したりもして・・・。
その一方で、例えば「BOOK OF STORIES」のように、メロディーは、意外としっかりとした骨格を持っていて、ポップでメロディアス。メロディーがしっかりしているからこそ、逆に、こういうスカスカでチープな音でも、最後まで飽きることなく楽しめるのでしょう。
テンポのよいリズムといい、ミニマルなサウンドといい、なんか、中毒性のあるバンドなんですよね。聴いていて、知らず知らずにはまっているような、そんな感じ。ただ、メディアによって次々と生み出される「期待の新人バンド」なだけに、次回作が勝負かな?次回作も、これだけの作品を出したら、今後、おもしろいバンドになると思うのですが。
評価:★★★★★
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