どこまでも行けるさ
Title:どこまでも行けるさ
Musician:tobaccojuice
このサイトでは、個人的に、あるミュージシャンを紹介する時に、「もっと売れてもいいのに」「もっと評価されてもいいのに」といった紹介の仕方をすることがあります。そして、今回紹介する彼らtobaccojuiceも、そんなミュージシャンの一組です。
前作「ゆめのうた」がカバーアルバムだったので、オリジナルアルバムとしては、約1年9ヶ月ぶりとなる新作。彼らの音楽の特徴は、そのオーガニックなサウンドです。スカや、ブルースなどの要素を取り入れて、アコースティックなサウンドを奏でる彼らの楽曲は、澄み切った青空がとても似合いそうなさわやかな音楽。いうなれば、野外で聴くと、ビールが上手そう・・・(笑)。そんなミュージシャンです。
残念ながら、前作「ゆめのうた」でメジャー契約が切れたみたいで、今回のアルバムは、自主レーベルからのリリースとなったみたいです。それにも関わらず、今回のアルバムは、とてもポップで、十分ヒットポテンシャルもあるのでは?と思う出来に仕上がっていました。
特にインパクトがあったのが、アルバムのタイトルチューンにもなっている「どこまでも行けるさ」。軽快なスカのリズムが心地よいダンサナブルなナンバーなのですが、大海原に飛び出して夢を奏でる・・・という歌詞の内容と、飛びぬけて明るいポップなメロディーが、例えばアニメ「ワンピース」あたりの主題歌になってもピッタリ来るのでは?なんて思ってしまいました。
また、この曲もそうなのですが、今回のアルバムは、とにかく前向きな曲が多いということが印象に残りました。
自主レーベルを立ち上げ、タイトル通り、「どこまでも行けるさ」という彼らの意気込みを感じられる今回の作品。その中でも印象的だったのは、「僕のヒーロー」で、「あこがれていたヒーローは僕をすくってくれない。僕自身が僕のヒーローになって、自分自身を救うんだ」という歌詞は、前向きながらも、とても力強い意志を感じました。
これだけのアルバムを作れるのなら、本当にもっともっと売れてもいいと思うんだけどな~。是非、一度、チェックしてみてください。
評価:★★★★★
tobaccojuice 過去の作品
ゆめのうた
ほかに聴いたアルバム
The Very Best of PIZZA OF DEATH II
もともと、Hi-STANDARDのレーベルとしてスタート。現在、数多くの人気パンクバンドを抱えるPIZZA OF DEATHレコードのレーベルコンピ第2弾。メロコア、メロパンクなどの王道路線から、ヘヴィーメタル色の強い作品や軽快で爽やかなギターロックチューンまで、パンク系メインながらも、バリエーションはなかなか豊富。勢いのある一本調子のパンクが多く、若者向けなのは否めませんが、誰でも1組くらい、いいな、と思えるミュージシャンに出会える、かも。
評価:★★★★
THE FIRST RAYS OF THE NEW RISING SUN/KING BROTHERS
約6年ぶり。久々となる新作。昔、「東のミッシェル、西のキンブラ」なんて宣伝文句をつくっていたよなぁ・・・なんてことを思い出したりして。作品は、これぞロックンロール、といった感じの、勢いあるガレージロック。昔はベースレスの編成だったなごりか、サウンドはギター中心の、比較的軽快なギターロックを奏でています。そんな音の軽さが、疾走するバンドサウンドの手助けをしているよう。前半、ミディアムテンポのナンバーを並べたりして、ベテランバンドとしての余裕も感じられます。
ミッシェルなき後、数少ない、これぞガレージロックという、心地よいロックンロールサウンドを奏でてくれるバンドです。「東の~」は、単なる宣伝文句ですが、そんな煽り文句に素直にしたがって、そのロックンロールを楽しむのもいいんじゃない?
評価:★★★★★
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コメント
先日、あるバンドのライブに行ったら対バンがtobaccojuiceだったのですが、とにかく陽気でダンサブルな楽しいライブでした。実はちょっと苦手意識のあるバンドだったのですが、あっというまに気に入ってしまいました。アルバムもチェックしなければと思っています。
そして、「どこまでも行けるさ」はやっぱり「ワンピースっぽいなぁ」と思いながら聴いていました(笑
投稿: ブラックシープ | 2010年7月 5日 (月) 17時28分
>ブラックシープさん
やはり「どこまでも行けるさ」はワンピースっぽいですよね(笑)。
いやいや、彼らの曲はとても陽気で楽しいです。ライブは、彼らの良さがより映えそうですね。昔に一度見たっきりなので、また久し振りにライブを見てみたいな~。
このアルバムは、最初の1枚としてもお勧めできる内容なので、是非是非、聴いてみてください!とてもポップで楽しい作品ですよ~。
投稿: ゆういち | 2010年7月10日 (土) 00時28分