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2010年7月31日 (土)

エミネム復活の作品

Title:RECOVERY
Musician:EMINEM

リカヴァリー

前作「Relapse」からわずか1年のインターバルでリリースされたニューアルバム。薬物依存だった「ENCORE」の頃から、薬が抜けてきたものの、再発(=Relapse)の症状が出ていた前作。そして、そんな薬物依存から回復(=Recovery)した、という流れとなっているそうです。

そんな自身の薬物依存の話すら、「物語」としてエンターテイメント化してしまう点、さすが稀代のエンターテイナーだなぁ、として感心してしまいます。今回は、そんな「Recovery」した彼が、本格的に再活動するにあたっての決意を語ったリリックが多かったような印象を受けます。特に、先行シングルでもある「Not Afraid」では、そんな決意をストレートに語る、前向きで力強いナンバーになっていて、とても印象的でした。

一方では、やはり薬物から「Recovery」したからでしょうか?比較的、ポップで聴きやすい曲が並んでいた印象を受けます。LIL WAYNEやP!NKなどといった大物ミュージシャンとのコラボレートも目立ちますが、そんな中で印象的だったのがRIHANNAを迎えた「LOVE THE WAY YOU LIE」。RIHANNAが歌うメロディーもとても美しいのですが、楽曲全体としてメロウな雰囲気にまとまっている、心に残るナンバーでした。

他にこのアルバムで印象に残ったのが、彼らしい私小説的なリリックが特徴的な「GOING THROUGH CHANGES」や、ストーカー殺人を犯す男性の心理を描いたリリックが、ゾクゾクと怖さを感じさせる「SPACE BOUND」あたりでしょうか?

今回の彼のリリックからは、本格的な活動再開の意気込みがヒシヒシと伝わってきます。ただ、その意気込みゆえでしょうか、肩の力が抜けたような、日本人の私がリリックを「読んでも」(正直、英語のラップの意味で聴いていてもわらかないので・・・)クスっと笑えるような、ユーモラスなリリックはちょっと少なかったかな?

とはいえ、上で書いた通り、要所要所で彼の魅力を存分に感じられるアルバムだったと思います。完全(?)に「Recovery」した彼。新たな物語はここからスタートしそうです。

評価:★★★★★

EMINEM 過去の作品
RELAPSE


ほかに聴いたアルバム

Secret,Profane&Sugarcane/Elvis Costello

Secret Profane & Sugarcane (Dig)

今回のアルバムは、アコースティックなカントリーアルバム。そのため、ギターロック路線を期待しているファンにはちょっと物足りなさも感じたかも。ただ、その卓越したメロディーセンスはもちろん相変わらずで、最初はとっつきにくくても、聴けば聴くほど徐々にそのメロディーの良さにはまっていってしまうのは、彼の大きな魅力でしょうか。

評価:★★★★

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