時空の彼方へ
Title:Further
Musician:The Chemical Brothers
邦題「時空の彼方へ」。今回のアルバム、このタイトルがやけにすんなり来るなぁ~。
約3年ぶりとなるThe Chemical Brothersの新作。今回のアルバムは、いままでのようなゲストボーカルは原則無し。基本的にトム・ローランズ、エド・シモンズの2人によって作成されたアルバムになっています。
アルバムとしては、強烈なビートで踊らせる、というよりも、夢のような雰囲気のノイズと、甘いポップなメロディーで、邦題の通り、「時空の彼方へ」トリップさせるようなアルバムだなぁ、と感じました。
特に冒頭、「Snow」から「Escape Velocity」への流れは、リスナーを、夢幻の世界にトリップさせるよう。スペーシーな空間が広がる音の世界に、耳を奪われます。
途中、「Dissolve」や「Horse Power」は、それこそ、強いビートでリスナーを踊らせる、思わず身体が動いてしまうようなリズムが魅力的な曲もあります。また、その他の曲も、基本的にテンポのよいリズムが根底に流れていて、ダンスフロアで聴いても存分に踊れることは間違いありません。
ただ、その後の「Swoon」や「K+D+B」、そして最後の「Wonders Of The Deep」にしても、サイケな雰囲気の音が、リスナーをトリップさせるような楽曲。ダンスフロアで、というよりも、CDを聴きながら、ヘッドフォンを通じた音で、まさに「時空の彼方へ」旅立てるような楽曲が並んでいるように思いました。
正直、個人的に、強いビートが印象的な、これぞダンスミュージックという曲が好きなだけに、最初はちょっと違和感があって、物足りなさを感じたのも事実。実際、今でも、このアルバムが彼らの最高傑作か、といわれると、3番目か4番目くらいに好きなアルバム・・・かなぁ?と言わざるを得ません。
それでもやはり、このファンタジックでノイジーな音の世界とポップなメロディーラインはとても魅力的。めくるめく音の世界に、CDを聴くだけで「時空の彼方」をさまようことが出来る、素敵なアルバムだと思います。
評価:★★★★★
The Chemical Brothers 過去のアルバム
Brotherhood
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