中毒的なビート
Title:COSMOGRAMMA
Musician:FLYING LOTUS
今回、はじめて聴いたFLYING LOTUSの作品。聴いて、まず感じたのは、そのビートの気持ちよさでした。
様々な音をからませて、複雑につくられたビートは、曲によってその見せる顔が異なり、一種の中毒性があります。アルバム全体で、わずか50分程度の作品であることもあるのですが、最後まで耳が離せない内容になっています。
1曲1曲が短いという点も、最後まで飽きずに楽しめる大きな要素でしょうか?1曲が2、3分程度という作品は、ある種のポップのマナーに従っているともいえるでしょう。
特に後半。「Galaxy In Janaki」のように、メロウな雰囲気のポップな作品も増え、アルバム全体として、聴きやすいという印象を強く受けました。
また、ジャンル的には、エレクトロニカにカテゴライズされそうな彼の音ですが、その中に、様々な楽曲からの影響を感じられるのが特徴的。ポップやソウル的な要素、さらにはワールドミュージックのような要素も感じられるのですが、一番顕著だったのは、ジャズからの影響でした。
特に彼は、かのジャズ・ジャイアント、ジョン・コルトレーンの甥にあたるらしく(!)、ジョン・コルトレーンの息子もサックスで参加。そのため「Arkestry」や「German Haircut」あたりでは、とてもジャジーなサックスを楽しむことが出来ます。
他には「..And The World Laughs With You」では、かのトム・ヨークがボーカルで参加し、こちらも大きな話題となっています。こちらも、RADIOHEADのファンなら、チェックしておきたいところでしょう。
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
Together Through Life/Bob Dylan
全編アコースティックな雰囲気の作品で、ブルースやフォーク、カントリーなど、ルーツミュージックを積極的に取り上げた作風。ただ、単純にルーツミュージックを歌ったというだけではなく、力強い歌声は現役感があり、古き良き音楽を、今に蘇らせています。ここ最近のボブ・ディランの作品はどれも評価が高いみたいですが、その理由も納得の、ともすれば勢いすら感じさせる作品でした。評価:★★★★★
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