昭和の匂い漂うホテル
Title:マリアンヌの憂鬱
Musician:キノコホテル
最近、音楽ファンの間で話題になっているガールズバンド、キノコホテル。先日、SAKAE SP-RINGでもそのステージを見たのですが、入場制限がかかるなど、高い注目を集めていました。
そのSAKAE SP-RINGのライブレポでもチラッと書いたのですが、彼女たちの楽曲のイメージを一言で言うならば
自覚的になったGO!GO!7188
昭和歌謡曲やグループサウンズ風の楽曲を、ヘヴィーなバンドサウンドで演奏する、女の子(メイン)のバンドという点では、両者、共通するものを感じます。
しかし、GO!GO!7188は、昭和歌謡曲やGSからの影響を否定していますし、あまり昭和風という点を(最初期はともかく)あまり前面に押し出していません。
一方でキノコホテルは、ボーカルのマリアンヌ東雲が「支配人」で、他のメンバーが「従業員」のホテル、というスタイルからして、まず演劇的。そして、その衣装といい、ヘアスタイルといい、ストレートに昭和歌謡曲を意識しています。
要するに、非常につくりこまれたバンド、という印象を受けました。ボーカルのハスキーで色っぽい声色も、昔のキャバレー歌謡の雰囲気を漂わせていますし(先日のライブで、MCもそのまんまだったのはちょっとビックリしました)、「夕焼けがしっている」のように、語りから入るあたりも、昭和歌謡曲の薫りがプンプンします。
また、バンドサウンドは、力強いなガレージパンク。「静かな森で」や「あたしのスナイパー」では、そんなグルーヴィーなバンドサウンドと、歌謡曲のメロを見事融合させていましたし、「ネオンの泪」みたいなインストナンバーを入れてくるあたり、バンドとしての自信のあらわれでしょうか?
ただ、あまりにも昭和歌謡風に作りこみすぎていて、逆に、「じゃあ、昔の曲を聴いていればいいかも・・・」という方向にもリスナーを行かせかねない部分も感じてしまいました。
もっとも、そこらへんを差し引いても、今後、注目したいおもしろいバンドだと思います。本当に、最近、おもしろいバンドが続々とデビューしていますね。これからも楽しみです。
評価:★★★★
ほかに聴いたアルバム
ROAD TO FUNK-A-LISMO!/Scoobie Do
スクービードゥーも、個人的に、もっともっと売れてもいいのに・・・と思うバンドの一組。ファンキーなリズムが心地よい一方、メロディーはとことんポップでメロディアス。十分、ヒットポテンシャルのあるバンドだと思うんだけどなぁ。このベスト盤で、一度、是非、彼らの楽曲を体験してみてください!RHYMESTERと組んだ「やっぱ音楽は素晴らしい」は、タイトル通り、音楽ファン必聴の名曲。
評価:★★★★★
amp-reflection/school food punishment
ここ最近、ソニーからこの手のガールズバンドが次々出ていますよね・・・。アレンジは、エレクトロやポストロックの影響も垣間見れ、おもしろい部分はあるものの、いかにもメロディーは平坦で、ボーカルも、歌い方が淡白・・・2007年から2008年にかけて、メンバーが2人も脱退しているところも、ソニーからのデビューでいろいろあったんだろうなぁ・・・と邪推してしまいました。
評価:★★★
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