ついに第4弾
Title:VOCALIST 4
Musician:徳永英明
徳永英明が、女性ボーカルの曲をカバーする企画盤の第4弾。
って、確かにこのシリーズ、かなり売れていますよ。だからといって4匹目のどじょう??
と思って、最初は、かなりいぶかしげにこのアルバムを聴き始めたのですが、聴いてみたら、すっかり曲の良さにはまりこんでしまいました(笑)。
このアルバムの良さは、もちろん選曲の良さもあると思うんですよね。「赤いスイートピー」のようあアイドル歌謡曲から「時の流れに身をまかせ」みたいな王道の歌謡曲を歌ったかと思えば、「未来予想図」のようなJ-POPナンバーに、「First Love」みたいな今時の(といってももう10年以上の前の曲ですが)R&Bまで、女性ボーカルという共通項で、あくまでもいい曲をジャンルレスにカバーしていて、まさに名曲がズラリと並んでいます。
そして、もうひとつの魅力が、やはり徳永英明のボーカル、それ自身でしょう。
決して声量があるわけじゃないし、表現力豊かで抜群の上手さ・・・という訳ではありません。ただ、かすれた、どことなくセクシーな声がとても印象的。いつも思うのですが、やはりボーカリストとしての魅力って、声量だとかではなく、なによりその声自体が持つ個性なんですよね。徳永英明の声も、彼が歌えばどんな曲でも徳永英明の曲になるような、そんな個性がとても魅力的です。
彼は、このアルバムに収録された名曲たちを、淡々と歌い上げています。そのため、メロディー自体や歌詞自体が、より鮮明に耳に届くカバーになっています。
また、「月光」や「あの鐘を鳴らすのはあなた」のような、原曲ではボーカルがその豊富な声量で歌い上げるような作品では、原曲とかなり雰囲気が異なるカバーに仕上がっていました。
正直、淡々としたカバーばかりだったので、「名カバー」という感じの曲はなかったのですが・・・「翳りゆく部屋」が比較的よかったかなぁ?淡々とした中でも一種の迫力を感じるカバーに仕上がっていました。
いままでの「VOCALIST」シリーズを楽しんできた方は近作も文句なしに楽しめるかと思います。ただ、さすがにちょっとこのシリーズ、長く続けすぎな気がする・・・そのため、評価は★ひとつマイナスで。
評価:★★★★
徳永英明 過去の作品
SINGLES BEST
SINGLES B-Side BEST
WE ALL
ほかに聴いた作品
Poems like the Gun/DAD MOM GOD
怪我の療養のため、スカパラを脱退した冷牟田竜之によるソロプロジェクト。かなりヘヴィーで、ハード、そしてロッキンなスカのナンバーが展開されています。あえていえば、一昔前のスカパラのイメージ。彼が抜けたからスカパラはポップな方向に展開していったのか、怪我の療養は名目で、ポップな方向をスカパラが目指したから彼が抜けたのか・・・。個人的には最近のスカパラの路線も嫌いではないのですが、最近のポップ路線はどうも・・・というスカパラファンには、かなりうれしい1枚かも。
評価:★★★★★
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