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2010年6月27日 (日)

ポップなクラムボン

Title:2010
Musician:クラムボン

2010

前作から、オリジナルとしてはなんと3年ぶりとなるクラムボンの新作。途中、リアレンジアルバムのリリースなどはありましたが、待ちに待った新作といったところです。で、その新作の出来は・・・もう、待ったかいがありました!といいたくなる、傑作に仕上がっていました。

ここ最近のクラムボンは、ポストロック路線の作品が続いていました。勝手な憶測なのですが、きっかけになったのが、シングル「サラウンド」だったような気がします。「サラウンド」は、突き抜けるような爽やかなメロディーが心地よい傑作なのですが、思ったほどのヒットは記録できませんでした。その後、デビュー当初のような、爽やかなポップチューンは少なくなり、それ以降は、凝ったアレンジを追及する、ちょっとマニアックなミュージシャンへと、その舵を切った・・・まあ、彼女たちの活動を追っていくと、そういう見方が出来るわけです。

その後ももちろん、ポップな楽曲は数多くリリースしています。アルバム単位でも十分楽しめる良作はコンスタントにリリースしています。しかし、もろ手をあげて傑作と言えるアルバムは、久しぶりかもしれません。

このアルバム、一言で言うと、とてもわかりやすい。・・・というと、ネガティブな印象を持たれてしまうかもしれませんね(^^;;つまり、「サラウンド」とまではいかないものの、小難しくなく、素直にメロディーを楽しめるポップな作品が並んでいました。

例えば先行シングルとなった「JAPANESE MANNER」。歌詞もとてもユーモラスですし、メロディーも妙に耳に残ります。アレンジがどうこういう以前に、ポップなメロディーが印象に残る、そんなナンバーでした。

アレンジにしても、例えば「SUPER☆STAR」は、一歩間違えれば大味になりかねないような、リズミカルなエレクトロのサウンドがとても心地よいですし、「Ka-Ka-KaLMa!」のロッキンなサウンドも、リズムが直感的で、ストレートに楽しめる曲。全体的に、小難しい理屈抜きに、幅広いリスナーが楽しめるような、ポップアルバムに仕上がっていました。

また、全体的に、とても明るさを感じられるのも特徴的。インストの「serendipity」は、まるで光の世界に飛び込んだようなキラキラした雰囲気のナンバーですし、続く「KANADE Dance」も、美しいピアノの音色と、荘厳なコーラスが、光が差し込んでくるような明るさを、アルバムに与えているように感じました。

もちろん、ここ最近の作品のような、凝ったアレンジももちろん健在で、そういう意味で、ここ数作で、彼らが進んでいた方向が、ポップという形で結実した、そんな作品といえるかもしれません。

クラムボンの最高傑作。是非是非チェックしてみてください!

評価:★★★★★

で、このアルバム発売直前に、配信限定でリリースされたミニアルバムがこちら。

JAPANESE MANNER ep/クラムボン

1曲目は、「2010」にも収録された「JAPANESE MANNER」。聴き所はやはり2曲目以降。特にライブ音源は、ちょっと音が荒い部分もあったのですが、その分、ライブの臨場感が伝わってくるようで、ライブバンドとしての実力も垣間見れるよう。「Re-雨」は、静かな雨の中で聴いているような、ちょっと幻想的なアレンジが印象的なナンバーでした。「2010」を買った人も、別途聴いておきたいミニアルバムだと思います。

評価:★★★★★

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アルバムレビュー(邦楽)2010年」カテゴリの記事

コメント

新譜出てたのですね~

こんなにポップで可愛いバンドも
他にいないのに
いつのまにか凄くコアな層向けに
なっちゃった気がして寂しかったのですが

わかりやすいと聴いて一安心です

投稿: ヒノキオ | 2010年7月 2日 (金) 13時55分

>ヒノキオさん
そうそう。僕も彼らがコアユーザー層向けのミュージシャンになってしまって残念な気持ちもあったのですが、今回の新作は、ポップで、コア層以外にもPRできる作品になっているのでいいですよ~。
安心して聴けるので是非。お勧めです!

投稿: ゆういち | 2010年7月10日 (土) 00時26分

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