淡々としたメロディー
Title:Oversteps
Musician:Autechre
Autechreの約2年ぶりとなる新作は、一言でいえば、かなりポップで取っ付きやすい作品になっていました。
いままでのAutechreも、斬新で、不条理和音的なサウンドが特徴的だったのですが、今回の作品は、メロディーをかなり前面に押し出した作品になっています。
例えば「Known(1)」のような物悲しいメロディーや、「D-Sho Qub」みたいな、楽しくなるようなポップなメロディーなど、誰が聴いても受け入れられるのでは?というメロディーが、今回の彼らの作品では散見されます。
それをつむぐアレンジも、無機質な電子音がメインになりながらも、時には明るく、時には物悲しく。いままでの作品よりも、わかりやすく、ある意味雄弁にその世界を物語っているように感じました。
「斬新さ」という観点で言えば、前作同様、それ以前のAutechreと比べると物足りなさを感じるのも事実です。ただ一方で、今回の作品には、肩の力が抜けたようなものを感じました。比較的、素直なサウンドと、素直なメロディーライン。純粋に彼らの世界を楽しめる、そんなアルバムだったと思います。
評価:★★★★★
Autechre 過去の作品
Quaristice
ほかに聴いた作品
Give Me Fire/Mando Diao
基本的に、ガレージパンクを軸としながらも、どこか哀愁を感じるポップなメロディーラインは、歌謡曲的なものを感じ、日本人にも壺かも。一方で、モータウン風のリズムを入れていたり、ちょっと不気味な雰囲気を加えてみたりと、バリエーション豊富。最後まで楽しめる作品でした。
評価:★★★★★
Mando Diao 過去の作品
Never Seen The Light Of Day
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