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2010年6月

2010年6月30日 (水)

ソロでも強いけど。

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週の1位は、B'zのボーカリスト、稲葉浩志のシングル「Okay」が見事1位を獲得です。

Okay

ソロとしては約6年ぶりの新曲。分厚いアレンジが心地よく、ポップなメロディーが、ちょっと90年代を彷彿とさせるナンバーになっています。ただ、初動売上は10万枚。6年前の前作が、初動15万5千枚だったので、ちょっと厳しい結果になりました・・・というべきか、CD売上が落ちている現状からすると、健闘しているというべきか・・・。

2位はflumpool「reboot~あきらめない詩~」がランクイン。日テレ系のサッカーワールドカップテーマソングですが、初動3万5千枚は、前作の3万1千枚からは微増といった感じで、タイアップの影響は不明。

3位に初登場してきたのが、w-indsのニューシングル「Addicted to love」でした。約半年ぶりのニューシングル。最近は、ジャニーズ系や韓流アイドル勢に押されて、少々影の薄い彼らですが、まだまだベスト3入りできるだけの人気は立派なところ。新曲は、今風のエレクトロなR&B風のナンバーになっています。

さらに4位初登場がスピッツ「つぐみ」!約10ヶ月ぶりとなるニューシングルです。相変わらずスピッツらしい、ハートウォーミングなメロディーとアレンジが心に残るポップソング。そろそろ、久しぶりのアルバムも聴きたいなぁ~。

以下、今週は初登場がズラリの新譜ラッシュになっています。

5位 a:FANTASIA/ナイトメア
6位 無敵!夏休み/腐男塾
7位 ラヴ/DEATH DEVIL
9位 Hysteric Barbie/平野綾

がそれぞれランクインしています。5位はヴィジュアル系、6位はアイドル系、7位はアニメのキャラクターソングに9位は声優アイドルと、最近のヒットチャートらしいシングルが並んでいます。

ちなみに腐男塾はオタクアイドルユニット「中野腐女子シスターズ」のメンバーが男装した別ユニット。DEATH DEVILはアニメ「けいおん!!」の桜高軽音部顧問の山中さわ子がかつて組んでいたバンドという、劇中バンドです。

初動売上も、ナイトメアが前作1万9千枚から1万6千枚、腐男塾が前作1万2千枚で横バイ。DEATH DEVILも前作1万2千枚からほぼ横バイの1万1千枚と、どちらも固定ファン層を獲得している模様。

唯一、苦戦したのが平野綾で、前作の2万1千枚から大幅減の初動9千枚。前作が、テレビアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」のタイアップ効果により、大きく売上を伸ばした影響でしょうか?軽快なガールズロックといった作品で、タイプ的には売れそうな感じの曲なのですが・・・。

シングルチャートは以上。着うた&アルバムチャートは金曜日に!

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2010年6月29日 (火)

スケール感あるサウンド

Title:TO THE LOVELESS
Musician:BOOM BOOM SATELLITES

TO THE LOVELESS(通常盤)

アルバム毎に、デジタルロックを機軸にしながらも、異なった音の世界を提示してきた彼ら。約2年半ぶりとなる今回の作品では、アルバム全体に一種のスケール感を覚えました。例えるならば、狭いライブハウスで、熱狂の渦の中で聴くよりも、広い野外のライブ会場でしっかり聴くのに映えそうな、そんな曲が多かったイメージがありました。

それは、例えば「VAPOUR」のようにストリングスを用いていたり、「FRAGMENT OF SANITY」のようにスペーシーな雰囲気があったりというのも大きな理由なのかもしれません。

ただ、それ以上に、例えば「BACK ON MY FEET」のように、リズミカルな作風ながらも、どこか楽曲の中に静寂を感じたり、「CAUGHT IN THE SUN」のように、テンポのよいドラムスにリズムを刻ませながらも、ゆっくりなテンポのシンセの音を入れてきたり、楽曲の中に、一種の「静」の要素を上手く取り込んできたからかなぁ・・・なんてことを感じました。

その一方、「DRAIN」みたいに、疾走感が心地よい作品もあったものの、一種わかりやすくガツンと来るような作品はなかったかなぁ?前作「EXPOSED」は、ポップである種のわかりやすさを持った作品で、実は個人的に、そんな作品の方が好みなだけに(^^;;ちょっと個人的には今回の作品は、物足りない部分も感じました。

彼らの実力を感じさせるアルバムだとは思うのですが・・・いいアルバムだとは思うのですが、ちょっと自分の好きなタイプではなかったなぁ・・・と感じるアルバムでした。

評価:★★★★

BOOM BOOM SATELLITES 過去の作品
EXPOSED


ほかに聴いたアルバム

Best Collection-Complete Best-/MY LITTLE LOVER

Best Collection ~Complete Best~

最近、デジカメのCMで、マイラバの「Hello,Again」が流れていますよね。本人歌唱の曲ではなく、JUJUのカバーなのですが、やはり名曲だなぁ・・・と改めて実感しました。マイラバの「Hello,Again」が着うたチャートで上位にあがってきたりして、そう感じる人は多いみたいですね。

今回15周年を迎えたマイラバによる、オールタイムのベスト盤。Disc1は2006年以降の、Disc2はデビューから2004年までの曲が収録されています。Disc1も決して悪くはないのですが、やはりDisc2収録の曲は一種神がかっているなぁ、と感じます。小林武史は、最近どうもプロデュースワークでもいまひとつに感じられるのですが、この時期の彼は、本当に脂がのりまくっていたんですね。

ちょっと懐かしく感じる方も多いかもしれません。でも、今なお歌い継がれるべき名曲が揃っています。久しぶりに、マイラバのヒット曲を聴いてみませんか?

評価:★★★★★

MY LITTLE LOVER 過去の作品
アイデンティティー
そらのしるし

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2010年6月28日 (月)

いろんな、くるり。

Title:僕の住んでいた街
Musician:くるり

僕の住んでいた街(通常盤)

シングルのカップリング・・・というと、普段、シングルとしてもアルバムの1曲としても発表できないような、ちょっと異質な楽曲、実験的な曲が収録されていたりします。まあ、ミュージシャンによってそのスタンスはいろいろなので、一概にそうとも言い切れない場合も多いのですが・・・。

今回発売された、くるりのカップリング曲集。しかし、くるりほど、様々なタイプの曲をカップリング曲として発表しているミュージシャンは少ないのではないでしょうか?このアルバム、実に多種多用なタイプの曲が収録されていて、くるり、といよりも岸田繁の、音楽的な興味の幅広さを感じさせます。

唯一の新曲「東京レレレのレ」は、日本の民謡風。フォーキーな「りんご飴」「さよなら春の日」に、「踊りませんか次の駅まで」はカントリー。サイケなギターが入る「青写真」なんて曲もあれば、「イメージファイト」はヘヴィーロックからの影響も感じられます。

他にも、ジャズやメタル、サーフロックやらエレクトロやら、様々な曲の要素をおいしくちょうだいした曲がズラリと並んでいます。

もっともくるりは、カップリングに限らずアルバムでも、リリースするたびにロックの色が濃かったり、エレクトロサウンドを入れたり、管弦楽を取り入れたりと、アルバム毎にバラバラ。そういう意味では、カップリングにおさめられた曲がこれだけバラエティー豊かでも不思議ではないのですが、それにしても、このバリエーションの多さには驚かされます。

どのジャンルでも、決して深く入り込むといった感じではないのですが、それでもどんなジャンルも、それなりに自分のものとしてくるりの曲に取り込んでいるのは、やはり岸田繁の才能でしょうか?

くるりの曲はアルバムについてはすべて聴いているものの、シングルについてはカップリングを含めてすべて聴いているわけではないので、はじめて聴く曲もチラホラ。そのジャンルレスな曲だけに、アルバムとしての一体感みたいなものはありませんが・・・逆に次はどんな曲なんだろう?とワクワクしながら最後まで楽しむことが出来ました。

しかし、次はくるりはどんな曲に挑戦するんだろうなぁ~。また、楽しい曲、たくさん聴けそうです。

評価:★★★★★

くるり 過去のアルバム
Philharmonic or die
魂のゆくえ


ほかに聴いたアルバム

きみのためにつよくなりたい/サンボマスター

きみのためにつよくなりたい

「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」がなまじヒットしてしまったがために、「一発屋」みたいな文脈で語られることもあり、さらにシングル曲は妙にポップになってしまったのですが、やはりアルバムを聴くと、このバンドは、その鬱屈した心の叫びをそのまま音にぶつけているバンドなんだなぁ、ということを、あらためて実感できます。

その力強いバンドサウンドや、ボーカルの叫びがリアルに感じられる楽曲が並んでいます。歌詞も「傘にさせてくれ」みたいな切ないラブソングがあったり、「I love you&I hate the world」みたいに情熱的な作品があったりと、心に響きます。

2年ぶりの新作なのですが、また勢いが出てきたような気もするなぁ。そろそろまた一発、大きなヒットを期待したいところです。

評価:★★★★★

サンボマスター 過去の作品
音楽の子供はみな歌う

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2010年6月27日 (日)

ポップなクラムボン

Title:2010
Musician:クラムボン

2010

前作から、オリジナルとしてはなんと3年ぶりとなるクラムボンの新作。途中、リアレンジアルバムのリリースなどはありましたが、待ちに待った新作といったところです。で、その新作の出来は・・・もう、待ったかいがありました!といいたくなる、傑作に仕上がっていました。

ここ最近のクラムボンは、ポストロック路線の作品が続いていました。勝手な憶測なのですが、きっかけになったのが、シングル「サラウンド」だったような気がします。「サラウンド」は、突き抜けるような爽やかなメロディーが心地よい傑作なのですが、思ったほどのヒットは記録できませんでした。その後、デビュー当初のような、爽やかなポップチューンは少なくなり、それ以降は、凝ったアレンジを追及する、ちょっとマニアックなミュージシャンへと、その舵を切った・・・まあ、彼女たちの活動を追っていくと、そういう見方が出来るわけです。

その後ももちろん、ポップな楽曲は数多くリリースしています。アルバム単位でも十分楽しめる良作はコンスタントにリリースしています。しかし、もろ手をあげて傑作と言えるアルバムは、久しぶりかもしれません。

このアルバム、一言で言うと、とてもわかりやすい。・・・というと、ネガティブな印象を持たれてしまうかもしれませんね(^^;;つまり、「サラウンド」とまではいかないものの、小難しくなく、素直にメロディーを楽しめるポップな作品が並んでいました。

例えば先行シングルとなった「JAPANESE MANNER」。歌詞もとてもユーモラスですし、メロディーも妙に耳に残ります。アレンジがどうこういう以前に、ポップなメロディーが印象に残る、そんなナンバーでした。

アレンジにしても、例えば「SUPER☆STAR」は、一歩間違えれば大味になりかねないような、リズミカルなエレクトロのサウンドがとても心地よいですし、「Ka-Ka-KaLMa!」のロッキンなサウンドも、リズムが直感的で、ストレートに楽しめる曲。全体的に、小難しい理屈抜きに、幅広いリスナーが楽しめるような、ポップアルバムに仕上がっていました。

また、全体的に、とても明るさを感じられるのも特徴的。インストの「serendipity」は、まるで光の世界に飛び込んだようなキラキラした雰囲気のナンバーですし、続く「KANADE Dance」も、美しいピアノの音色と、荘厳なコーラスが、光が差し込んでくるような明るさを、アルバムに与えているように感じました。

もちろん、ここ最近の作品のような、凝ったアレンジももちろん健在で、そういう意味で、ここ数作で、彼らが進んでいた方向が、ポップという形で結実した、そんな作品といえるかもしれません。

クラムボンの最高傑作。是非是非チェックしてみてください!

評価:★★★★★

で、このアルバム発売直前に、配信限定でリリースされたミニアルバムがこちら。

JAPANESE MANNER ep/クラムボン

1曲目は、「2010」にも収録された「JAPANESE MANNER」。聴き所はやはり2曲目以降。特にライブ音源は、ちょっと音が荒い部分もあったのですが、その分、ライブの臨場感が伝わってくるようで、ライブバンドとしての実力も垣間見れるよう。「Re-雨」は、静かな雨の中で聴いているような、ちょっと幻想的なアレンジが印象的なナンバーでした。「2010」を買った人も、別途聴いておきたいミニアルバムだと思います。

評価:★★★★★

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2010年6月26日 (土)

月9ドラマ主題歌が、こちらでは1位

すいません。昨日は、帰りがおそくなってしまい、ヒットチャートの更新が出来ませんでした・・・。

今週の着うたチャート

2010年6月16日~2010年6月22日付チャート

今週の1位は、ヒットの定番、月9ドラマ主題歌が1位獲得です。

LOVE RAIN~恋の雨~

今週の1位は、久保田利伸「LOVE RAIN~恋の雨~」が、先週の7位から一気にランクアップし、チャートイン2週目にして1位獲得です。この曲、先週も紹介したとおり、キムタク主演のフジテレビ月9ドラマ主題歌という、かつてのヒットの定番タイアップ。シングルチャートでは3位に終わりましたが、着うたチャートでは見事1位獲得となりました。

2位は、先週1位だった木村カエラ「Ring a Ding Dong」がワンランクダウン。正直、しばらく1位を独走するかな、と思っていたのですが・・・。ただ、今後のロングヒットが期待されます。

3位は西野カナ「会いたくて 会いたくて」が5位から再度ランクアップしてきました。ちなみに5位も、6月23日に発売されたアルバム「to LOVE」収録曲の「love&smile」がランクイン。2曲同時のランクインとなっています。

今週の初登場は、この西野カナのアルバム曲とあと1曲のみ。4位にSuperfly「タマシイレボリューション」がランクインしています。W杯のNHK中継のテーマソング。決勝トーナメント進出も決まり、盛り上がりが最高潮に達してきているワールドカップですが、その影響もあり、この曲も大ヒットしそう。特にこの曲は、これだけのタイアップにも関わらず、配信限定でのリリースなだけに、着うたチャートの今後の行方も気にかかります。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週のアルバムチャート1位は、シングルチャート同様、ジャニーズ系がランクインしてきました。

1位初登場はKAT-TUN「NO MORE RAIN」。しかし、初動売上はわずか15万枚。アルバムの初動は、ここ最近、27万→24万→20万枚とジリ貧気味。シングルも、デビューシングル「Real Face」が初動で75万枚売り上げていたのに、5月にリリースした最新シングル「Going!」が23万枚と、もちろん、このCD不況の中では十分すぎる売上なのですが、嵐と比べると、かなり厳しい状況になっています。

続く2位はEXILE「FANTASY」、3位oasis「TIME FLIES...1994-2009」と、先週の順位がそのままスライドされて2位3位を占めています。

4位5位はともに初登場。4位にはmihimaruGTのバラードベスト「mihimaballads」、5位は福原美穂「Music is My Life」がそれぞれランクインです。福原美穂は、デビュー当初は大きな話題となり、前作「RAINBOW」も大ヒットしたのですが、その後は以前ほど話題にのぼらなくなりました。初動売上こそ、前作の4万4千枚から1万2千枚と大きく落としてしまったのですが、それでもしっかりベスト10入り。きちんと固定ファンを確保してきた模様です。

そして8位、9位にはどちらもパンク系ミュージシャンがランクイン。8位にlocofrank「STANDARD」、9位にFLOW「MICROCOSM」がそれぞれランクインしています。

着うた&アルバムチャートは以上。それでは、ランキングはまた来週の水曜日に~。

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すいません。

今日もちょっと遅くなってしまって・・・ヒットチャートは明日アップします。

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2010年6月25日 (金)

珠玉のポップスアルバム

Title:All Kinds of People~Love Burt Bacharach
Musician:Jim O'Rourke

オール・カインズ・オブ・ピープル~ラヴ・バート・バカラック~プロデュースド・バイ・ジム・オルーク

ジム・オルークによるバート・バカラックのカバーアルバム。バート・バカラックは、アメリカを代表する作曲家で、名前は知らなくても、その楽曲は、おそらく誰もが一度は聴いたことあるのではないでしょうか?「Close To You」「Raindrops Keep Falling On My Head」「Say A Little Prayer For Me」あたりは、音楽をあまり聴かなくても、耳なじみのある曲なのでは?

このアルバムは、そんなバート・バカラックの名曲を、細野晴臣、カヒミ・カリィ、小坂忠、坂田明・・・などといった日本のミュージシャンたちを中心に、ジム・オルークプロデュースのもと、カバーしています。他にもアメリカからも、SONIC YOUTHのサーストン・ムーアやWILCOのグレン・コッチェも参加しています。

基本的にはアレンジは、ピアノをひとつの軸に、ジャジーなリズムが心地よいグルーヴを産み出している、シンプルなアレンジ。「Raindrops Keep Falling On My Head」では、不定期なリズムを刻む雨音のような、ちょっと変わったリズムを入れてきたり、「After The Fox」での坂田明と中原昌也が一種のかけあい漫才みたいだったり、やくしまるえつこと、カヒミ・カリィのウィスパーボイスが不思議な雰囲気を作り出していたりと、ユニークなひとひねりを感じる部分もありました。

とはいえ、アルバム全体としては、心地よく、つい口ずさんでしまいそうな、まさに文字通り、珠玉のポップソングを楽しめるアルバム。バカラックをあまり詳しく知らなくても(それは私も、ですが・・・)、このアルバムに流れる名曲の数々に、酔いしれてしまいそう。

そんなバカラックの名曲を楽しめるのは、やはりジム・オルークの、しっかりとメロディーの良さを生かしたプロデュースワークがよかったということでしょうか?癖のあるミュージシャンばかりを集めているので、カバーによって好き嫌いはあるかもしれませんが、時代を超えたメロディーを楽しめるアルバムだと思います。

個人的には、ちょっと渋さを感じる、小坂忠の「Don't Make Me Over」のカバーが良かったかなぁ?

評価:★★★★★

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2010年6月24日 (木)

鳥肌の立つ歌声

Title:ONE OF PILLARS~BEST OF CHIHIRO ONITSUKA 2000-2010
Musician:鬼束ちひろ

鬼束ちひろのデビュー10周年を記念してリリースされたベストアルバム。ベスト盤は、彼女にとって3枚目になるのですが、自身が発売に関与したベスト盤としてはこれがはじめてということで、初の公式ベストアルバム、ということになるそうです。

ベスト盤なので当たり前なのですが、ここに収録されている曲は、新曲を除いて、ほとんど以前に聴いたことある曲ばかり。しかし、彼女の作品を通して聴いてみると、鬼束ちひろの実力を、あらためて感じることが出来ました。

大ヒットした「月光」にしろ「Sign」にしろ、彼女の代表曲のほとんどは、バラード。それもアレンジはピアノなどをメインとしたシンプルなものにおさえられていて、彼女の歌い上げるボーカルが前面に押し出されている曲がほとんどです。

このベスト盤も、当然、そういうバラードナンバーが並んでいます。普通、これだけバラードを並べられたら、聴いていて飽きてしまうのですが・・・しかし、このベスト盤、最後まで聴いていて全く飽きないのです。

気がつけば、彼女の力強いボーカルにひきつけられ、じっくりと彼女の歌声に聴き惚れている自分がいました。静かに歌い上げる彼女のボーカルは、もちろん表現力があり、声量もあるのですが、それ以前に、ボーカルそれ自体に力があり、説得力があります。彼女の声には、それだけで聴く者をひきつける何かを感じられます。

個人的に一番好きなのが「私とワルツを」かなぁ?ただ歌い上げているだけではなく、歌詞にあわせて悲しげに歌い上げるそのボーカルは、聴く者の心をうちます。デビュー以来のバラード路線の、集大成ともいえる楽曲かもしれません。

「X」みたいにヘヴィーなバンドサウンドを取り入れた曲もあるのですが、やはり少々マンネリ気味でも、彼女にはバラードが似合うなぁ・・・と実感したベスト盤でした。最新シングル「陽炎」もバラードナンバーだっただけに、この路線は続きそう。これからの彼女の活躍も楽しみです。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

花蓮街/一青窈

花蓮街

決して悪いわけじゃないけれど・・・打ち込みをメインとしたサウンドが、ちょっと薄っぺらい印象。「Final Call」みたいに、サビにストリングスを入れて盛り上がる手法も、小林武史らしいけど、安直だよなぁ、と思ってしまいます。小林武史って、ミスチルやサザンみたいに強烈な個性を既に持っているミュージシャンとは相性がいいかもしれないけれど、彼女とか、レミオロメンみたいに、そこまで強烈な個性をまだ確立できていないミュージシャンとの相性は悪いような気がする・・・ちょっと物足りなさを感じるアルバムでした。

評価:★★★

テキーラ!テキーラ!the BEST/HiGE

テキーラ!テキーラ!the BEST(新曲入り2枚組ベストアルバム)

最近、徐々に人気を集めてきているHiGE初のベストアルバム。ギターリフを中心とした、オールドスタイルのロックンロールの影響を強く感じる一方で、ポップな曲調にダンサナブルな楽曲は、ブリットポップあたりの影響も?一癖二癖あるサウンドがどこかユーモラスで、聴いていて癖になりそう。終わった後、そのフレーズが妙に頭にこびりつきます。中毒性がある楽曲なだけに、まだまだ今後、彼らの楽曲の中毒にかかる音楽ファンは増えそう??

評価:★★★★★

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2010年6月23日 (水)

月9ドラマの主題歌が・・・。

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週の1位は、TOKIO「-遥か-」がランクイン。2年7ヶ月ぶりの1位獲得となりました。

-遥か-

かなり爽やかなジャケット写真ですが、今回、作詞作曲は、TUBEの前田&春畑コンビによるもの。どこかTUBEっぽい、夏らしいミディアムテンポのナンバーです。初動4万8千枚は、前作の初動2万6千枚から大きくアップしています。

2位に続いたのは、Sound Horizon「イドへ至る森へ至るイド」。同人音楽出身で、絶大な支持を得ているミュージシャンで、ファンタジックな世界観と、物語性のある歌詞が特徴的。このアルバムは、次にリリースされるアルバムの、「Prologue Maxi」と位置づけられているそうです。初動4万7千枚と、惜しくも2位ながら、前作が初動2万3千枚なので、大幅なアップとなりました。

そして3位に入ってきたのが、久保田利伸「LOVE RAIN~恋の雨~」でした。先週、着うたチャートで7位に入ってきましたが、シングルでは3位にランクインです。

このシングルは、木村拓哉主演のフジテレビ系月9ドラマ主題歌。かつて大ヒットを記録した「LA・LA・LA LOVE SONG」と同じタイアップ。ただ、「ロングバケーション」の主題歌となった「LA・LA・LA LOVE SONG」は、初動売上で52万枚という、圧倒的な売上を記録したのですが、今回の作品は、わずか初動2万1千枚・・・。ドラマの方も、思ったほどの視聴率を獲得していないみたいで、90年代は遠くなりにけり・・・と思ってしまいます。ま、もっとも、90年代と同じ手法で、いまだにドラマやCDが売れてしまうほうが、問題なんでしょうが。

もっとも、楽曲の方は、メロウでポップな作品で、純粋に今後のヒットは期待できそう。さて、この後、どれだけ売上を伸ばすことが出来るでしょうか?

他に今週は・・・

8位にDragon Ash「AMBITIOUS」がランクイン。スパカー!のワールドカップ中継テーマ曲です。ただ、初動は9千枚と、前作の8千枚からほぼ横バイ。オランダ戦にも善戦して、最高潮に盛り上がっているワールドカップの効果はあまりなかった模様です。

9位初登場はGIRL NEXT DOOR「FREEDOM」。初動売上が、ここ最近、3万枚→2万2千枚→1万6千枚と来て、8千枚と顕著に下がってきています。デビュー当初、avexが社運をかけて売り出していましたが、最新シングルのタイアップは深夜ドラマという、決して強いタイアップ効果が見込めるものではないし、徐々に厳しい状況になっている感が・・・。

そして最後、10位にはビジュアル系バンド彩冷える-ayabie-「ドラマティック」がランクインしています。

そんな訳で、今週のシングルチャートは以上。着うた&アルバムチャートは金曜日に~。

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2010年6月22日 (火)

日本的ロック?

Title:Revolutionary
Musician:9mm Parabellum Bullet

Revolutionary

デビュー以来、高い注目を集め、多くのファンを獲得した9mm Parabellum Bullet。この作品で、はやくもフルアルバムはメジャー3作目となります。

3作目となり、彼らの世界観もほぼ固まってきたかなぁ・・・というのが、このアルバムを聴いての、まず最初の感想。アルバムを聴いて、ある種の安定感を覚えました。

ただ、今回の作品でも、ダイナミックなロックサウンドは健在で、衰えることのない勢いを感じます。

そしていままでの彼らの作品で、ひとつ物足りないなぁ、と思っていたのは、その楽曲のバリエーションでした。ヘヴィーなバンドサウンド+歌謡曲風の歌詞というスタイルの楽曲は、印象的ではあるものの、少々一本調子な部分もありました。その物足りなさを勢いでおぎなっていた点があったのは否めません。

それに比べると今回の作品は、楽曲のバリエーションが増えたような印象を受けます。「命ノゼンマイ」は3拍子のワルツが、アルバムにひとつのインパクトを与えていましたし、「キャンドルの灯を」では、テンポのよいギターに、どことなくジャジーな薫りを感じました。

しかし、それでもまだ、全体的には似たようなベクトルを向いた作品が多く、それを勢いでおぎなっている部分を感じました。もっとも、そういう物足りなさを十分おぎなえるだけの勢いが、今の彼らにはあるのは事実なのですが・・・。

で、あらためて思うのですが、本当に彼らは、日本的なバンドだなぁ、ということを感じました。

メロディーは思いっきり歌謡曲風だし、さらに「命ノゼンマイ」「Black Market Blues」あたりのバンドサウンドには、ちょっとヴィジュアル系の雰囲気が・・・。耽美的というか、ちょっとナルシスティックというか、独特の雰囲気が楽曲から感じられます。

それにダイナミックなヘヴィーロックのサウンドをコーティングしていますが、その中身は、ある種日本の音楽文化から生まれた、J-ROCK。もちろんそれは彼らの大きな魅力であると同時に、彼らが注目を集めてヒットする大きな要因なのかなぁ、とも思いました。

とりあえず、まだまだ勢いを感じられる彼ら。今後の活躍も楽しみです。

評価:★★★★★

9mm Parabellum Bullet 過去の作品
Termination
VAMPIRE

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2010年6月21日 (月)

ついに第4弾

Title:VOCALIST 4
Musician:徳永英明

VOCALIST4(通常盤)(CD13曲収録)

徳永英明が、女性ボーカルの曲をカバーする企画盤の第4弾。

って、確かにこのシリーズ、かなり売れていますよ。だからといって4匹目のどじょう??

と思って、最初は、かなりいぶかしげにこのアルバムを聴き始めたのですが、聴いてみたら、すっかり曲の良さにはまりこんでしまいました(笑)。

このアルバムの良さは、もちろん選曲の良さもあると思うんですよね。「赤いスイートピー」のようあアイドル歌謡曲から「時の流れに身をまかせ」みたいな王道の歌謡曲を歌ったかと思えば、「未来予想図」のようなJ-POPナンバーに、「First Love」みたいな今時の(といってももう10年以上の前の曲ですが)R&Bまで、女性ボーカルという共通項で、あくまでもいい曲をジャンルレスにカバーしていて、まさに名曲がズラリと並んでいます。

そして、もうひとつの魅力が、やはり徳永英明のボーカル、それ自身でしょう。

決して声量があるわけじゃないし、表現力豊かで抜群の上手さ・・・という訳ではありません。ただ、かすれた、どことなくセクシーな声がとても印象的。いつも思うのですが、やはりボーカリストとしての魅力って、声量だとかではなく、なによりその声自体が持つ個性なんですよね。徳永英明の声も、彼が歌えばどんな曲でも徳永英明の曲になるような、そんな個性がとても魅力的です。

彼は、このアルバムに収録された名曲たちを、淡々と歌い上げています。そのため、メロディー自体や歌詞自体が、より鮮明に耳に届くカバーになっています。

また、「月光」「あの鐘を鳴らすのはあなた」のような、原曲ではボーカルがその豊富な声量で歌い上げるような作品では、原曲とかなり雰囲気が異なるカバーに仕上がっていました。

正直、淡々としたカバーばかりだったので、「名カバー」という感じの曲はなかったのですが・・・「翳りゆく部屋」が比較的よかったかなぁ?淡々とした中でも一種の迫力を感じるカバーに仕上がっていました。

いままでの「VOCALIST」シリーズを楽しんできた方は近作も文句なしに楽しめるかと思います。ただ、さすがにちょっとこのシリーズ、長く続けすぎな気がする・・・そのため、評価はひとつマイナスで。

評価:★★★★

徳永英明 過去の作品
SINGLES BEST
SINGLES B-Side BEST

WE ALL


ほかに聴いた作品

Poems like the Gun/DAD MOM GOD

Poems like the Gun

怪我の療養のため、スカパラを脱退した冷牟田竜之によるソロプロジェクト。かなりヘヴィーで、ハード、そしてロッキンなスカのナンバーが展開されています。あえていえば、一昔前のスカパラのイメージ。彼が抜けたからスカパラはポップな方向に展開していったのか、怪我の療養は名目で、ポップな方向をスカパラが目指したから彼が抜けたのか・・・。個人的には最近のスカパラの路線も嫌いではないのですが、最近のポップ路線はどうも・・・というスカパラファンには、かなりうれしい1枚かも。

評価:★★★★★

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2010年6月20日 (日)

中毒的なビート

Title:COSMOGRAMMA
Musician:FLYING LOTUS

Cosmogramma [ボーナストラック付き国内盤]

今回、はじめて聴いたFLYING LOTUSの作品。聴いて、まず感じたのは、そのビートの気持ちよさでした。

様々な音をからませて、複雑につくられたビートは、曲によってその見せる顔が異なり、一種の中毒性があります。アルバム全体で、わずか50分程度の作品であることもあるのですが、最後まで耳が離せない内容になっています。

1曲1曲が短いという点も、最後まで飽きずに楽しめる大きな要素でしょうか?1曲が2、3分程度という作品は、ある種のポップのマナーに従っているともいえるでしょう。

特に後半。「Galaxy In Janaki」のように、メロウな雰囲気のポップな作品も増え、アルバム全体として、聴きやすいという印象を強く受けました。

また、ジャンル的には、エレクトロニカにカテゴライズされそうな彼の音ですが、その中に、様々な楽曲からの影響を感じられるのが特徴的。ポップやソウル的な要素、さらにはワールドミュージックのような要素も感じられるのですが、一番顕著だったのは、ジャズからの影響でした。

特に彼は、かのジャズ・ジャイアント、ジョン・コルトレーンの甥にあたるらしく(!)、ジョン・コルトレーンの息子もサックスで参加。そのため「Arkestry」「German Haircut」あたりでは、とてもジャジーなサックスを楽しむことが出来ます。

他には「..And The World Laughs With You」では、かのトム・ヨークがボーカルで参加し、こちらも大きな話題となっています。こちらも、RADIOHEADのファンなら、チェックしておきたいところでしょう。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Together Through Life/Bob Dylan

Together Through Life

全編アコースティックな雰囲気の作品で、ブルースやフォーク、カントリーなど、ルーツミュージックを積極的に取り上げた作風。ただ、単純にルーツミュージックを歌ったというだけではなく、力強い歌声は現役感があり、古き良き音楽を、今に蘇らせています。ここ最近のボブ・ディランの作品はどれも評価が高いみたいですが、その理由も納得の、ともすれば勢いすら感じさせる作品でした。

評価:★★★★★

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2010年6月19日 (土)

昭和の匂い漂うホテル

Title:マリアンヌの憂鬱
Musician:キノコホテル

マリアンヌの憂鬱

最近、音楽ファンの間で話題になっているガールズバンド、キノコホテル。先日、SAKAE SP-RINGでもそのステージを見たのですが、入場制限がかかるなど、高い注目を集めていました。

そのSAKAE SP-RINGのライブレポでもチラッと書いたのですが、彼女たちの楽曲のイメージを一言で言うならば

自覚的になったGO!GO!7188

昭和歌謡曲やグループサウンズ風の楽曲を、ヘヴィーなバンドサウンドで演奏する、女の子(メイン)のバンドという点では、両者、共通するものを感じます。

しかし、GO!GO!7188は、昭和歌謡曲やGSからの影響を否定していますし、あまり昭和風という点を(最初期はともかく)あまり前面に押し出していません。

一方でキノコホテルは、ボーカルのマリアンヌ東雲が「支配人」で、他のメンバーが「従業員」のホテル、というスタイルからして、まず演劇的。そして、その衣装といい、ヘアスタイルといい、ストレートに昭和歌謡曲を意識しています。

要するに、非常につくりこまれたバンド、という印象を受けました。ボーカルのハスキーで色っぽい声色も、昔のキャバレー歌謡の雰囲気を漂わせていますし(先日のライブで、MCもそのまんまだったのはちょっとビックリしました)、「夕焼けがしっている」のように、語りから入るあたりも、昭和歌謡曲の薫りがプンプンします。

また、バンドサウンドは、力強いなガレージパンク。「静かな森で」「あたしのスナイパー」では、そんなグルーヴィーなバンドサウンドと、歌謡曲のメロを見事融合させていましたし、「ネオンの泪」みたいなインストナンバーを入れてくるあたり、バンドとしての自信のあらわれでしょうか?

ただ、あまりにも昭和歌謡風に作りこみすぎていて、逆に、「じゃあ、昔の曲を聴いていればいいかも・・・」という方向にもリスナーを行かせかねない部分も感じてしまいました。

もっとも、そこらへんを差し引いても、今後、注目したいおもしろいバンドだと思います。本当に、最近、おもしろいバンドが続々とデビューしていますね。これからも楽しみです。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

ROAD TO FUNK-A-LISMO!/Scoobie Do

Road to Funk-a-lismo! -BEST OF SPEEDSTAR YEARS-

スクービードゥーも、個人的に、もっともっと売れてもいいのに・・・と思うバンドの一組。ファンキーなリズムが心地よい一方、メロディーはとことんポップでメロディアス。十分、ヒットポテンシャルのあるバンドだと思うんだけどなぁ。このベスト盤で、一度、是非、彼らの楽曲を体験してみてください!RHYMESTERと組んだ「やっぱ音楽は素晴らしい」は、タイトル通り、音楽ファン必聴の名曲。

評価:★★★★★

amp-reflection/school food punishment

amp-reflection

ここ最近、ソニーからこの手のガールズバンドが次々出ていますよね・・・。アレンジは、エレクトロやポストロックの影響も垣間見れ、おもしろい部分はあるものの、いかにもメロディーは平坦で、ボーカルも、歌い方が淡白・・・2007年から2008年にかけて、メンバーが2人も脱退しているところも、ソニーからのデビューでいろいろあったんだろうなぁ・・・と邪推してしまいました。

評価:★★★

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2010年6月18日 (金)

リンガディンドン~♪その2

今週の着うたチャート

2010年6月9日~2010年6月15日付チャート

今週の着うたチャート1位は、予想通りのあの曲!

Ring a Ding Dong

木村カエラ「Ring a Ding Dong」がシングルチャート同様、着うたチャートでも1位を獲得しました。まあ、露骨に着うたを意識したような曲だからなぁ・・・(^^;;ちなみに木村カエラといえば「Butterfly」も着うたでロングヒットを記録していますが、今週も12位にランクインしています。

2位は、加藤ミリヤ「Last Love」がランクインしています。聴かせるバラードシングルで、シングルでは残念ながら初登場は13位に終わりましたが、着うたでは見事ベスト3入りです。

3位には、Dreams Come True「ねぇ」がランクイン。6月30日リリース予定のシングルの先行配信。哀愁たっぷりに聴かせるドリらしいバラードナンバーで、映画「FLOWERS」主題歌に、資生堂のCMソングという大型タイアップ付き。シングルチャートでもヒットが期待でいます。

初登場はもう1曲。7位に久保田利伸「LOVE RAIN~恋の雨~」がランクインしています。6月16日発売予定のシングルからの先行配信。フジテレビのいわゆる月9ドラマ「月の恋人 Moon Lovers」の主題歌だそうです。久保田で月9といえば、あの大ヒットドラマ「ロングバケーション」の主題歌となり大ヒットした「LA LA LA LOVESONG」を思い出しますが、それ以来の月9主題歌。さらに主演は「ロンバケ」同様、木村拓哉・・・なのですが、残念ながら、着うたではダントツの大ヒットとはならず。シングルチャートでは大ヒットを記録できるか?

他に、返り咲き組では、9位にEXILE「VICTORY」が、先週の14位からランクアップし、再度のベスト10入りです。この曲が収録したアルバム(?)が今週のアルバムチャートで1位を記録していますね。W杯サッカー日本代表の公式応援ソングで、やはりW杯がはじまり、カメルーン戦での勝利もあって、着うたが伸びてきたということでしょうか?今後も、日本の勝敗次第ではロングヒットするかも。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

アルバムチャートはなんと10枚中8枚が新譜。そして久しぶりに強力盤がランクインです。

FANTASY

今週の1位はEXILE「FANTASY」が獲得しました。公式サイトでは、8曲入りのマキシシングルと紹介されているのですが、オリコンではアルバムとしてチャートインしています。初動30万枚は、シングルとしては、前作「THE GENERATION~ふたつの唇~」の初動18万枚を大きく上回る成績。ただし、アルバム前作の「愛すべき未来へ」の初動73万枚は大きく下回りました。

ただ、この作品、着うたチャートでも書いた通り、W杯サッカー日本代表の公式応援ソング「VICTORY」が収録されています。着うたチャート同様、日本の勝敗次第ではロングヒットが期待できるかも。

2位には、事実上の解散となってしまったイギリスの人気バンドoasisの、シングルコレクション「Time Flies...1994-2009」が入ってきています。初動5万9千枚は、以前発売されたベスト盤「STOP THE CLOCKS」の初動8万7千枚は下回ったものの、CD3枚組+DVDという、どちらかというとファンズアイテム的な内容ながらもこの好セールスというのは、根強い人気が伺えます。

また、このoasisを筆頭に、洋楽勢も多くランクインした今週のアルバムチャート。他にも6位にChristina Aguilera「Bionic」が、8位にTHE CHEMICAL BROTHERS「FURTHER」(邦題「時空のかなた」)がそれぞれランクインしています。

3位には矢沢永吉「TWIST」がランクイン。昨年には紅白へ出場したり、今年に入って東大の学園祭に出演したり、また、サマーソニックへの出演が決まったりと、最近、若い世代へのアピールも含めた積極的な活動が目立つ永ちゃん。初動も5万5千枚と、前作の5万3千枚を若干ながら上回る結果を見せています。

ベテラン勢といえば、もう一人。7位になんとさだまさし「予感」が入ってきています。前作「美しい朝」も、4年ぶりとなるベスト10入りを果たしましたが、それに続くベスト10入り。こちらもベテランらしい根強い人気を見せています。

他には、4位にONE OK ROCK「Nicheシンドローム」が、5位に平原綾香「my Classics2」がそれぞれランクイン。平原綾香は、前作に続くクラッシックのカバーアルバム第2弾。もう、この路線でしか売れないのでしょうか・・・ある意味、開き直ったのかなぁ?セールス的にも比較的好調なだけに、第3弾、第4弾と続きそうな予感が。

着うた&アルバムチャートは以上!それではまた、来週の水曜日に!

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2010年6月17日 (木)

期待のミュージシャンたち

Title:4AD SUMMER SAMPLER

今回紹介するのは、イギリスのインディーレーベル4AD所属のミュージシャンたちの楽曲を集めたサンプラー版。PIXIESなども所属していたことで知られるこのレーベルは、以前から定期的にサンプラーをフリーダウンロードでリリースしているらしく、今回のフリーサンプラーも、5月はじめにリリースされたもの。以前のサンプラーをダウンロードする際に入会したメーリングリストによって知り、ダウンロードして聴いてみました。

Round And Round/Ariel Pink's Haunted Graffiti

メロディーはどこか切ない風景を思い出させる、ちょっとフォーキーで、60年代の香りも漂うポップスソング。どこかボーカルがぎこちない雰囲気を醸し出しているのが、インディーポップならでは、といった感じ。女性と男性ボーカルのからみもなかなかおもしろく、印象に残りました。

Bloodbuzz Ohio/The National

低音を聴かせる男性ボーカルが、なかなか渋い感じ。テンポのよいリズムに、軽く流れるピアノの音が心地よい感じです。清涼感ある作風で、ポップなメロディーも印象に残ります。今回のサンプラーでは一番楽しめた作品かも。

On The Rocks/Stormoway

静かに、しかし力強く歌い上げるボーカルが、伸びやかに曲を聴かせます。どこか神妙な雰囲気を感じさせる楽曲でした。

Crushing Limbs/Anni Rossi

シンプルなエレクトロのアレンジに、下手ウマな女性ボーカルが印象的。チープな雰囲気の楽曲なのですが、そんな雰囲気が逆に楽曲にポピュラリティーを与えています。ちょっと少年ナイフか、PUFFYあたりを思い出させるような雰囲気の楽曲でした。

Tonight(Coyote Clean Up Dirty Dub)/The Big Pink

唯一、アルバムも聴いたことあるミュージシャンですね。エレポップなリミックスに仕上がっていて、The Big Pinkのイメージとはちょっと違った雰囲気かも。

Modern Drift/Efterklang

後ろで流れる、ミニマルなピアノの音色と、クリアなボーカル、さらにボーカルのテンポにあわせたアレンジがとても美しい作品。後半に響くストリングスの音色も、とても美しくて印象的。さわやかな高原にいるような雰囲気になるポップソングでした。

 

今回のサンプラーで、アルバムレベルも聴いてみたい、と思わせるような、ずば抜けてよかった作品は残念ながらなかったかも・・・。ただし、一方でどの曲も一定水準以上なのは、さすがといった感じかな?

残念ながら、公式サイトでは4AD SUMMER SAMPLERを探せなかったのですが・・・。いまからでもメーリングリストに入ればゲット・・・できるかなぁ?

評価:★★★★

4AD SAMPLER 過去の作品
4AD 2009


ほかに聴いたアルバム

Only By The Night/Kings Of Leon

Only by the Night

アメリカで、このアルバムが大きな話題となったロックバンド。古き良きアメリカンロックのような、泥臭さとポップスセンス、そしてスケール感を持ったバンド。日本では注目度も低いけど、いろいろなミュージシャンからの評価も高いみたいだし、今後、もっとビックな存在になっていくかも。

評価:★★★★

Sound Of The Universe/Depeche Mode

サウンズ・オブ・ザ・ユニバース

ベテランバンドの作品ながらもどこか新鮮さを感じさせる作品。ニューウェーヴな作風が、一回りして、逆に新鮮に感じさせるのもあるけど、バンド自体が、また若さと現役感を取り戻してきたような、そんな感覚のする1枚です。

評価:★★★★

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2010年6月16日 (水)

リンガディンドン~♪

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週は、1位から8位まで初登場がズラリと並ぶ、新譜ラッシュとなりました。

Ring a Ding Dong

その中で1位を獲得したのが、木村カエラ「Ring a Ding Dong」。堀北真希との共演も話題となったNTT DoCoMoのCMソングですね。印象的なサビが頭にこびりつくナンバー。突然の妊娠&結婚というニュースも、彼女のキャラクター的にはプラスに働いた模様。初動4万6千枚は、前作の初動2万枚を大きく上回り、自身初となる1位となりました。

2位初登場は、TBS系アニメ「Angel Bests!」の劇中ユニットGirls Dead Monster「Little Braver」がランクイン。初動3万8千枚は、前作2万8千枚からアップ。雰囲気としては、アニソンというよりも、90年代の王道J-POPという雰囲気。6月のアルバムからの先行シングルでも初動売上を伸ばしたところは、人気上昇中の勢いもあるでしょうが、やはり根強い固定ファンを抱えるアニソンならでは?

3位はモーニング娘。「青春コレクション」がランクインしています。最近、いろいろと話題のAKB48と比べると、ちょっと寂しい最近のモー娘。ですが・・・それでも、今週は他にアイドル勢として5位にBIG BANG「Tell Me Goodbye」、6位アイドリング!!!「目には青葉 山ホトトギス 初恋」がランクインしており、アイドル勢では今週トップ。一応、一時代を築いたアイドルとしての面目は保たれた??

他には、4位にVAMPS「ANGEL TRIP」、8位ムック「約束」というヴィジュアル系勢もランクインしています(VAMPSをヴィジュアル系扱いすると、ファンに怒られるかな?)。ムックは、テレビ東京系アニメ「閃光のナイトレイド」オープニングという好タイアップにも恵まれて、初動は前作の7千枚から1万9千枚に大幅アップ。ただ・・・なんかちょっと「普通」のポップソングといった感じで、ムックとしては印象薄かも・・・。

ベスト10入りはもう1曲。7位にUNICORN「裸の太陽」がランクイン。こちらはゴリゴリのバンドサウンドは相変わらず。「アクエリアス」のCMソングだそうですが、さほど爽やかさを感じないのは気のせい?(笑)

それでは、着うた&アルバムは金曜日に~♪

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2010年6月15日 (火)

アニソン+ゲームミュージックmeetsラップ

Title:RAP GIFT EP
Musician:らっぷびと

RAP GIFT EP

ネット発で大きな話題となったラッパー、らっぷびとの、ミニアルバム。もともと彼は、アニソンやゲーム音楽などをラップアレンジをした楽曲を動画サイトに投稿し、大きな話題となったそうです。ただ、前作「RAP MUSIC」では、メジャーデビューということでより一般層を意識したのでしょうか、そういうアニソンやゲーム音楽を、直接題材にしたような曲はありませんでした。

逆に今回のアルバムは、意識的に、アニソンやゲーム音楽の要素を、より多くミニアルバムに入れてきています。例えば「トルネード」は、影山ヒロノブをフューチャーした王道のアニソンといった雰囲気のサビが印象的ですし、「ボンバーマンらっぷ」はタイトル通り、あのゲーム「ボンバーマン」のテーマとした楽曲。また、「Like!Like!Like!」でも、人気声優の桃井はるこをフューチャーしています。

そんなアニソンやゲーム音楽の要素を多く取り入れていながらも、一部のいわゆるおたく層のみにアピールするものではなく、あくまでも(いい意味で)万人受けを目指す、ポップな内容に仕上げているのが、彼の大きな魅力だと思います。

前にも書いたと思うのですが、例えば初音ミクのような、ネット発のヒットって、流れとしてはとてもおもしろいと思うし、今後の音楽シーンの起爆剤とも十分なりうると思っている一方で、ちょっと内輪受け的な部分というか、ネットコミュニティーの中にのみ向けられたような曲が少なくない点が、気になっていました。

しかしそんな中、彼はあくまでもネットコミュニティーの文化的要素を取り込みつつも、決してネットコミュニティーだけではなく、ネットの外にもアピールできる楽曲を作り上げています。

「Just Be Friends」は、エレクトロなサウンドが心地よいダンスチューンに仕上がっていますし、アップテンポなパーティーチューンの「オーディエンスを湧かす程度の能力」はタイトル通り、オーディエンスを湧かすには十分すぎる楽曲になっています。

まあ、その結果、いまはやりの泣きメロ系のような楽曲があったり、ちょっと売れ線狙いの曲もあったりと、うーん・・・と思ってしまう曲もあったり、他のミュージシャンに似たような雰囲気の曲もあったりと、ちょっと残念な部分もありました。

ただ、ネットカルチャー発で、十分ネットコミュニティー以外のリスナーを惹きつけてヒットを狙えるアルバムだと思います。今後がまだまだ楽しみなミュージシャンです。

評価:★★★★

らっぷびと 過去の作品
RAP MUSIC


ほかに聴いたアルバム

素生/松本素生

素生

GOING UNDERGROUNDのボーカル松本素生によるソロ。SxOxU名義のソロの時は、90年代オルタナロックの影響を前面に押し出した曲がメインだったのですが、本名名義の本作は、アコースティックなテイストのメロディーと歌詞を聴かせる曲がメイン。また、歌詞も、生活感のあふれるラブソングが多く、「バトってハニー」などは、結婚から十数年くらい経ったような夫婦がテーマというユニークな題材。ラストは、桑田佳祐の「悲しい気持ち(JUST A MAN IN LOVE)」をカバーしており、SxOxUとは違う、松本素生の、邦楽からの影響が垣間見れる作品になっていました。

評価:★★★★

ATTRACTIONS! KONISHI YASUHARU Remixes 1996-2010/小西康陽

ATTRACTIONS! KONISHI YASUHARU Remixes 1996-2010

小西康陽のリミックス作品を集めたリミックスベスト。2枚組で、Disc1は洋楽や、洋楽の影響を強く受けた邦楽がメイン。Disc2は、ベタベタの歌謡曲がメインの選曲になっています。Disc1の、軽快なポップソングの数々も楽しいのですが、Disc2の歌謡曲もまた、日本的な泥臭いメロディーを、小西康陽が上手く調理していて、おいしい部分だけを取り出しているといった感じで、Disc1の楽曲と同じ流れで楽しめるようなアルバムに仕上がっていました。

評価:★★★★★

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2010年6月14日 (月)

フォーキーなメロが特徴的

Title:風と凪
Musician:熊木杏里

風と凪

私が、熊木杏里の曲をはじめて聴いたのは、3rdシングル「今は昔」でした。四畳半フォーク風のマイナーなメロディーから入るものの、サビでは一気に転調し、明るいメロディーに。しかし、どこか切なさを感じるメロディーが特徴的で、一気に、気になるミュージシャンになりました。

ただ、その後聴いたアルバムは、「今は昔」で感じた期待を上回るものではなく、正直なところ、いまひとつ。その後も、要所要所で、名曲と感じられる曲は出すものの、アルバム単位になるといまひとつ、と感じるアルバムが続いています(最新作「はなよりほかに」は良かったとは思いますが)。

ある種の典型的なシングル・ミュージシャンなのでしょうか?シングル単位では、名曲が多いのですが・・・。

今回リリースされた彼女はじめてのベスト盤。そんな彼女だけに、過去の作品の中から選抜された曲は名曲ぞろい。ベスト盤、だから当たり前ですが、文句なしの内容になっています。

私が、最初に彼女のことを知った「今は昔」は残念ながら収録されていないのですが、特にメロディーがよかったのは、デビュー曲の「窓絵」かなぁ。ちょっと2000年代の、それも20代の若い女性が歌ったとは思えないメロディーが印象的です。もちろん、いい意味でね。

また、「戦いの矛盾」は、今、豊かな国で生活している中で歌うことの意味を激しく問いかけている歌詞。「長い話」も、彼女の人生を振り返り、生きていく意味を問いかけた作品。どちらも、その内容は心に響いてきます。

フォークソングからダイレクトに影響を受けたメロディーも、ちょっと達観したような部分もある歌詞も、老成したような部分も感じられます。ただ、そういう部分も含めて、彼女の世界観であり、そして大きな魅力なのでしょう。

このベスト盤に収録された楽曲レベルの曲を、アルバム単位でも多く聴かせてくれれば、一気にブレイクするとは思うのですが・・・。最新作「はなよりほかに」は、よく出来た傑作だっただけに、ブレイクも近いかもしれませんが。とりあえず、彼女の入門盤としては最適な作品。お勧めです。

評価:★★★★★

熊木杏里 過去の作品
ひとヒナタ
はなよりほかに


ほかに聴いた作品

Ballad Collection Mellow/DOUBLE

DOUBLE Ballad Collection Mellow

DOUBLEといえば、日本のR&Bシーンの中でも数少ない、色気を感じさせてくれる大人のミュージシャン。それだけに、バラードも名曲が多い・・・・・・はずなのですが、さすがに、バラードだけ続くと、ちょっとだれるかも。やはり、アップテンポのノリのいい曲がバラードの中に入ってくるからこそ、バラード曲が生きる、ということかなぁ。

評価:★★★★

DOUBLE 過去の作品
10 Years Best WE R&B
THE BEST COLLABORATION

≠/cali≠gari

≠(良心盤)

正式には、cali≠gariの真ん中と同じく、≠を90度回転させたタイトルで、読み方は「ジュウイチジャナイ」らしいです。昨年から、消費期限付で復活している彼らの、ラストとなるオリジナルアルバム。3種類同時発売なのですが、CDだけのを「良心盤」と名づけ、DVD付の2種類を、それぞれ「姑息盤」「卑劣盤」と名づけているあたりが、彼ららしい皮肉精神満載といった感じです(笑)。

楽曲は、比較的シンプル・・・というか、普通の感じの作品が並んでいました。ヘヴィーロックをメインに、曲によってはエレクトロの要素も取り入れたり、もっとポップな路線を目指していたり。「普通」とはいっても、曲によってその色合いが変わるのが、最後まで彼ららしいところでしょう。

これで最後、というのはちょっと残念な反面、思ったよりも「普通」な曲が集まっていたこのアルバムを聴くと、cali≠gariとしてやりたいことはやりつくしたのかなぁ、とも思います。メンバーそれぞれのこれからの活躍に期待したいところです。

評価:★★★★

cali≠gari 過去の作品
10
cali≠gariの世界

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2010年6月13日 (日)

淡々としたメロディー

Title:Oversteps
Musician:Autechre

Oversteps

Autechreの約2年ぶりとなる新作は、一言でいえば、かなりポップで取っ付きやすい作品になっていました。

いままでのAutechreも、斬新で、不条理和音的なサウンドが特徴的だったのですが、今回の作品は、メロディーをかなり前面に押し出した作品になっています。

例えば「Known(1)」のような物悲しいメロディーや、「D-Sho Qub」みたいな、楽しくなるようなポップなメロディーなど、誰が聴いても受け入れられるのでは?というメロディーが、今回の彼らの作品では散見されます。

それをつむぐアレンジも、無機質な電子音がメインになりながらも、時には明るく、時には物悲しく。いままでの作品よりも、わかりやすく、ある意味雄弁にその世界を物語っているように感じました。

「斬新さ」という観点で言えば、前作同様、それ以前のAutechreと比べると物足りなさを感じるのも事実です。ただ一方で、今回の作品には、肩の力が抜けたようなものを感じました。比較的、素直なサウンドと、素直なメロディーライン。純粋に彼らの世界を楽しめる、そんなアルバムだったと思います。

評価:★★★★★

Autechre 過去の作品
Quaristice


ほかに聴いた作品

Give Me Fire/Mando Diao

ギヴ・ミー・ファイア

基本的に、ガレージパンクを軸としながらも、どこか哀愁を感じるポップなメロディーラインは、歌謡曲的なものを感じ、日本人にも壺かも。一方で、モータウン風のリズムを入れていたり、ちょっと不気味な雰囲気を加えてみたりと、バリエーション豊富。最後まで楽しめる作品でした。

評価:★★★★★

Mando Diao 過去の作品
Never Seen The Light Of Day

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2010年6月12日 (土)

わかりやすくなった気が・・・。

Title:シンクロニシティーン
Musician:相対性理論

シンクロニシティーン

昨年、大傑作「ハイファイ新書」で大きな注目を集めた相対性理論のニューアルバム。今回のアルバムを聴いて、まず感じたのは、わかりやすくなったなぁ、ということでした。

前作までは、メロディーとマッチするインパクトのある言葉を記号のように並べた独特の世界観が特徴的でしたが、今回の作品は、最初から最後まで、言葉の意味がつらなり、ひとつの物語のようになっている曲が多くなったような印象を受けます。

また、前々作の「LOVEずっきゅん」のような、一度聴いたら忘れられなくなるようなインパクトのあるフレーズや、前作の「地獄先生」「さわやか会社員」のような、思わず「何これ?」と思ってしまうようなタイトルも少なく、そういう意味ではインパクトが薄くなってしまったような感じがします。

音数を絞りながらも、しっかりと壺をついてくるサウンドもそのままですし、「ミス・パラレルワールド」のような、忘れられないような「パラレルパラレルパラレル」というリフレインや、「小学館」のような、いわゆる「セカイ系」に通じるような、独特の世界観も本作でも健在。そういう意味では、傑作か否か、といわれると、十分「傑作」と言えるだけの内容なのは間違いないでしょう。

ただ、前作の「ハイファイ新書」は、私のような、彼らが実力のあるバンドであるこということはわかるけども、今時の若者のような世界観には、ちょっと違和感がある・・・というリスナーにも、有無を言わさないような勢いがありました。それに対して、本作は、そこまでの勢いは、残念ながら感じられませんでした。

ある意味、インパクトのあるフレーズも、歌詞の世界も、ある意味「予想の範疇」。うーん、大傑作をリリースした後の3作目ということで、期待度が高すぎたのかもしれませんが。ちょっと残念に感じてしまった作品でした。

とはいえ十分の傑作だと思うので↓
評価:★★★★★

相対性理論 過去の作品
ハイファイ新書

それで、最近、いろいろとひっぱりだこの、相対性理論ボーカルやくしまるえつこによる別ユニットの作品。

Title:Blu-Day
Musician:やくしまるえつことd.v.d

Blu-Day(DVD付)

やくしまるえつこの声は、いわゆる「萌え系」なかわいらしい声で、それがまた一種の人気を博しているわけですが、そのかわいらしい声を存分に生かした曲が多かったです。特に「時計ちっく」など、そんな「かわいらしさ」を前面に押し出したような、時報を模したユニークなナンバー。ファンにはたまらないかも(笑)。

アレンジは、チップチューンが目立ちます。メロディーもシンプルな曲が多く、一方では、童謡風な楽曲も。楽曲も含めて、アルバム全体に、一種の「かわいらしさ」を感じられる作品だったと思います。

評価:★★★★

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2010年6月11日 (金)

着うたの人気モノたち。

今週の着うたチャート

2010年6月2日~2010年6月8日付チャート

今週は、1位から3位、着うたチャートの常連たちが並びました。

ルーズリーフ

今週1位は、先週から引き続き、ヒルクライム「ルーズリーフ」がランクイン。シングルチャートでも今週7位にランクインしています。また、2位は、西野カナ「会いたくて 会いたくて」が先週から引き続き2位をキープしています。

また、3位には、同じく西野カナ「LOVE IS BLIND」がランクイン。こちら、シングルでは「会いたくて 会いたくて」のカップリングで、見事2位3位とシングルの曲順のように並びました。西野カナの着うたシーンでの強さを感じます。

さらに続く4位には今週のシングルチャートで1位となったYUI「to Mother」がランクインしています。

以下、初登場では7位にLGYankees presents DJ No.2「素直になれなくて...feat.Noa」がランクイン。6月9日にリリースされたアルバム「2番の美学」の収録曲です。

そして10位には、RADWIMPS「携帯電話」が23位からランクアップし、ベスト10入りしてきました。6月30日発売予定のシングルの先行配信。いかにも着うたにピッタリのタイトルですが(笑)、内容的にはRADWIMPSらしい、携帯電話というアイテムをユニークな視点から切り取った歌詞に、カントリー風の軽快なメロが特徴の曲となっています。

さらに、9位には、なんと木村カエラ「Butterfly」が先週の20位から再ランクアップ。再度ベスト10入りです。まあ、言うまでもないと思いますが、例の結婚・妊娠報道の影響でしょうね。着うたチャートでかなりのロングヒットを記録した楽曲ですが、このニュースを機に、再び火がついた模様です。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

アルバムチャートは10枚中5枚が新譜・・・ながらも、相変わらず売上水準の低い、大物不在のチャートが続いています。

Lovebox

そんな中で1位は、なんとBENI「Lovebox」が獲得しました。初動は2万2千枚。前作の初動が2万9千枚で5位だったので、売上的には前作よりもダウンながらも、見事1位獲得となりました。

2位は、Larry Carlton&Tak Matsumoto「TAKE YOUR PICK」がランクイン。アメリカの著名なフュージョン系ギタリスト、ラリー・カールトンと、B'zの松本によるコラボレートアルバムが2位獲得です。有名ギタリストとのコラボ作の割りには、いまひとつ、話題になっていないような気がするのは、B'zのリスナー層と、ラリー・カールトンのリスナー層があまりかぶらないから、かなぁ??

3位はKE$HA「Animal」が、先週の11位からランクアップし、ベスト10返り咲きです。5月下旬に来日し、テレビ番組などにも出演したみたいですが、その効果でしょうか?

返り咲きはもう1枚。5位にTHE BLUE HEARTS「ALL TIME SINGLES~SUPER PREMIUM BEST~」が入ってきました。2月に完全生産限定で販売された、ブルーハーツのシングルベストですが、好評につき、再生産。その再生産盤も、見事ベスト10入りを果たしました。

他に、8位に人気ゲーム「アイドルマスター」収録曲を集めたベスト盤「THE IDOLM@STER BEST OF 765+876=!! VOL.2」が、9位にGO!GO!7188「Go!GO!GO!Go!」がランクインしています。GO!GO!7188は、前作「アンテナ」が初動1万枚だったのに対して、初動7千枚とダウン。ただ、ベスト10のアルバム売上水準が低下している影響で、順位は前作の10位からランクアップしています。

着うた&アルバムチャートは以上。それではまた、来週の水曜日に~。

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2010年6月10日 (木)

やはり声優ミュージシャンといえば

Title:everywhere
Musician:坂本真綾

坂本真綾 15周年記念ベストアルバム everywhere(初回限定盤)(DVD付)

最近、ヒットシーンをにぎわすいわゆるアニソンの中、声優ミュージシャンの代表格のように取り上げられるのが、「アニソンの女王」水樹奈々。ただ、個人的には、声優で、ミュージシャンで、という代表格は、やはり坂本真綾だろう・・・と思っているのですが。

で、デビュー15年目を迎える彼女のベストアルバム。

個人的に、こんなことを言うと、ファンからの反発を招きそうなのですが・・・

坂本真綾というと、菅野よう子とのコンビが、高い評価を受け、ファンからの人気もあります。ただ、菅野よう子の作品は、クオリティーも高く、完成度も高い良質なポップスであるのは間違いない反面、ちょっと職業作家的というのか、隙がないというのか、出来上がりすぎているように感じていました。

ここ最近、坂本真綾も菅野よう子の手を一度離れ、様々なミュージシャンとコンビを組んでいます。おそらく彼女にとって、新たな可能性を模索しているのでしょう。菅野よう子とのコンビに、いい意味でも悪い意味でも隙のなさを感じていただけに、様々なミュージシャンとのコラボで、個人的には、彼女の可能性が大きく広がったように感じました。

そして、その中で、再び菅野よう子との作品も再び歌いはじめた彼女は、ある意味ミュージシャンとして大きな成長を遂げ、ひとつの壁を超えた、と感じたのでしょうか?そんな中で発売された今回のベストアルバムは、坂本真綾のミュージシャンとしての一つの区切り、を意味するのかもしれません。

このベスト盤におさめられている楽曲は、どれも良質なポップスである反面、いい意味でも悪い意味でもバリエーションが多いのが印象的。ちょっと仰々しいメロディーが、いかにもアニソン的な「ヘミソフィア」や、洋楽テイストの強い「ダニエル」、テンポよい打ち込みのリズムが印象的な「30minutes night flight」に、西洋民謡風の「ポケットを空にして」などなど。ここらへん、坂本真綾としての方向性が、若干ぼやけた部分も感じられるのですが、この点、最近のアルバムでは、しっかりとしたベクトルを感じる作品も多いので、今後は、さらに、ミュージシャン坂本真綾としての世界を見せてくれるのではないでしょうか?

ここ最近のアルバムは、さらなる彼女の成長を感じることが出来るだけに、このベスト盤で一区切り、さらなる飛躍を見せてくれるような予感もします。「アニソン」が一種のブーム的になりつつあるのですが、その中でも、変わらない実力で、魅力的なポップソングを聴かせてくれそう。これからも楽しみです。

評価:★★★★★

坂本真綾 過去の作品
かぜよみ

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2010年6月 9日 (水)

5作連続の1位です。

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週の1位はYUI「to Mother」が獲得。これで5作連続1位で、これは、女性SSWでは宇多田ヒカル以来、6年ぶりの記録だそうです・・・って相変わらずニッチな記録だ・・・。

to Mother

ただ初動7万2千枚は、前作の初動8万1千枚よりも減少。ノンタイアップという理由もありますが、純粋に前作は、なかなかカッコよくてインパクトある曲だったからなぁ~。

2位はシド「レイン」が初登場でランクイン。TBS系アニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」オープニングテーマで、先週の着うたチャートでも7位にランクインしています。アニメタイアップで、シングルチャートでも上位が見込まれる・・・と思っていたのですが、初動6万1千枚と、前作の初動4万1千枚を大きく上回る記録で、見事2位という好順位を獲得しています。

また、3位には、AKB48「ポニーテールとシュシュ」が、先週1位からランクダウンながらも3位をキープしています。

以下、初登場は・・・

4位にTBS系アニメ「けいおん!!」の劇中バンド放課後ティータイムによる「ぴゅあぴゅあはーと」がランクイン。初動は4万4千枚。劇中歌ということで、1位獲得で話題となったオープニングテーマ「GO!GO!MANIAC」の初動8万3千枚よりはダウンです。

7位にはヒルクライム「ルーズリーフ」が入ってきています。先週の着うたチャートでは当然のように1位を獲得。初動売上も、1万8千枚と、前作の1万4千枚よりも若干アップ。いろいろなことを言われることの多いユニットですが、固定ファンは徐々に確保してきた模様です。

そして8位にはTUBE「灼熱らぶ」がランクインです。約1年ぶりのニューシングルで、やはり、「夏が来たなぁ~」という印象を受けます。初動売上は1万4千枚。1年前の前作の初動売上も1万4千枚で、一時期に比べると、かなり寂しいものの、確固たる固定ファンを確保しているみたいですね。

ベスト10初登場はもう1曲。女の子バンドSCANDAL「太陽と君が描くSTORY」が入ってきています。

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2010年6月 8日 (火)

SAKAE SP-RINGに行って来ました その2

Sakaespring2

その1からの続きです。

17:00~ MASS OF THE FERMENTING DREGS 会場:NAGOYA CLUB QUATTRO

SISTER JETが終わり、まだ次のステージまで30分近くあるので、一度、休憩しようとライブ会場から離れると・・・既に、次のバンド待ちの長蛇の列が・・・。あわてて後ろに並びなおしました。なんとか再度、CLUB QUATTROに入場。もちろん、入場規制がかかっていました。

で、この日のお目当てのうちの1組、MASS OF THE FERMENTING DREGS。ライブを見るのはこれがはじめてなのですが、まずは、ボーカルの女の子、かわいい(笑)。

しかし、その演奏もかなりしっかりしていました。3ピースバンドなのですが、3人の奏でる音がしっかりと組み合わさっていて、迫力があるグルーヴを産み出していました。SISTER JETに続き、正直、音量が大きすぎて、少々、音の悪さが気になったのも事実なのですが・・・。もし、もっと音のいい会場で見れたら、もっと楽しめたのなぁ、と思える、3人の演奏をしっかりと魅せることの出来るステージだったと思います。

メロディーも、CDで聴いた時に感じた以上にポップで聴きやすく、バンド演奏とあわせて、楽しめたステージでした。これでもっと音がよければ・・・それだけが残念でした。

18:00~ RESPECT 会場:OZON

このままクワトロに残り、サカナクションまで見ていく・・・という選択肢もあったのですが、個人的に、サカナクションよりも、RESPECTを見てみたかったので、会場を離れてOZONへ。RESPECTは、女子高生バンドがブルースを演奏する・・・ということで、一部話題になったミュージシャンです。

ちょっと会場の入りは寂しい状況の中、ライブはスタート。ライブは、ブルース、というよりも、むしろソウルがメイン。途中、マディ・ウォーターズなんかも聴かせてはくれたのですが。

感想としては・・・うーん、なんか、バンドはとても「うまい」のですが、「上手い」というよりも「巧い」。演奏はそつなくこなしているのですが、ちょっときれいすぎて、ソウルやブルースを演じるのに必要なグルーヴ感がほとんど感じられません。

ルーツ・ミュージックを志向する方向性はとてもいいと思うのですが、まだまだこれからって感じかなぁ。期待して見に行っただけに、ちょっと残念な感じもしました。普通にポップスロックを奏でるのならば、十分なステージだと思うのですが、目指すものが偉大なだけに、物足りなさを感じました。もっとも、まだまだみんな若いバンドなだけに、これからの成長に期待、といった感じでしょうか。

20:00~ LOVE LOVE LOVE 会場:HOLIDAY NAGOYA

次のクワトロのサカナクションは・・・予想通り、会場では入り待ちの大行列が。とても入れそうになかったのであきらめて、夕食をとり、その後、HOLIDAY NAGOYAへ。最後は、LOVE LOVE LOVEのライブで締めくくりました。

最初、会場はガラガラだったものの、はじまりの時間が近づくにつれ、どんどんと人が増え、最後はほぼ満員に。LOVE LOVE LOVE、ちょっとドリカムの曲のタイトルを思い出させるこのミュージシャンは、男性3人組のバンド。1曲目から、いきなり3人のハーモニーを美しく聴かせる、ポップなナンバーからスタートしました。

LOVE LOVE LOVEは名前だけ知っていたものの、曲を聴くのははじめて。楽曲は、ポップなメロディーが心地よいギターロック。あまり高い期待はしていなかったのですが、思った以上に楽しめたステージでした。

 

2度目となるSAKAE SP-RING。様々なミュージシャンを見ることが出来、ほぼ半日、ライブ漬けになった、楽しいひと時でした。ただ、ちょっと残念だったのは、知名度のあるミュージシャンがクワトロとブルーノートにかたまりすぎていて、この2箇所がほとんど入場制限がかかりっぱなしだったこと。もうちょっと、入場者ば分散するような工夫をしてほしかったかも。でも、この手のイベントでは仕方ないのかなぁ。

しかし、やはりいろいろなミュージシャンが見れる、こういうイベントは楽しいですね~。また来年も足を運びたいです!

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2010年6月 7日 (月)

SAKAE SP-RINGに行って来ました その1

SAKAE SP-RING

会場:名古屋CLUB QUATTRO、名古屋Blue Note 他 日時:6月5日(土)12:00~

Sakaespring

月曜日も久しぶりにライブに足を運んだのですが、先日土曜日も、ライブイベントに行って来ました。それは、SAKAE SP-RING!名古屋栄のライブハウス数箇所で同時にライブを行い、パスを持った人ならば、出入り自由に1日中ライブを楽しめるという企画。その2日目、土曜日に参加してきました。

SAKAE SP-RINGについては、実は第1回目である2006年に参加したのですが、それ以来2度目の参加。第1回目は、まだ規模も小さく、参加ミュージシャンもメジャーどころが少なかったのですが、徐々に規模も大きくなり、先行イベントであるMINAMI WHEELの雰囲気に近づいてきた感じがします。

12:00~ ウラニーノ 会場:MUJICA

まずは最初、MUJICAで行われているウラニーノのライブへ。12時10分くらいに会場入りしたので、残念ながら、噂の「前説」については見れず。既に演奏はスタートしていました。

ウラニーノ、以前、このサイトに遊びに来てくださる方に薦められたCDを聴いて気に入ったので、この日も楽しみにしていました。で、あらためて思ったのですが、やはり彼ら、歌詞がいいですね~。この日は、5月にリリースされたシングル「ダンボールに囲まれて」も歌ってくれたのですが、この歌詞の視点がまたユニーク。去っていく彼女の、引越しのダンボールに囲まれた主人公と、売れ残りの在庫にかこまれた社員という主人公、そして、川辺のダンボールハウスで暮らす主人公という3人とダンボールというありふれた素材をめぐる心象風景を描いていて、とても心に残る歌詞を聴かせてくれました。

この日は他にも「Wonderful World」なども聴くことが出来ましたが、どの曲も、物語性あるユニークな視点の歌詞がとても印象に残ります。メロディーは、ちょっとフォーキーな感じの、ただよくあるギターロックなのですが、こちらは卒なくといった感じ。演奏も卒ない感じながら、比較的しっかりしていて、ヒットポテンシャルは十分ありそう。

ベース担当のピストン大橋が、「きもいきもい」言われて、いじられキャラだったのが、ちょっとかわいそうというか、そういうキャラなのでしょう(笑)。途中、彼が、白いTシャツに、大きく「I ハート リトルワールド(←名古屋近辺の有名な観光地)」と書かれた服を着ていて、会場は大盛り上がり。その後も、この「リトルワールド」の部分をめくると「なばなの里(←同じく名古屋近郊の観光地)」になり、さらにめくると最後は、「美宝堂」(CMが有名な名古屋の某宝石店)・・・って名古屋人じゃないとわからないネタで盛り上がっていました。このパフォーマンス、楽曲の雰囲気とは全く関係ないのですが(笑)。ただ、この妙なパフォーマンスが、妙に印象に残りました。

とても楽しいライブだったと思います。ウラニーノ、売れそうな予感も。これだけ小さな会場で見れたのが、貴重な経験になった・・・かも。

14:00~ キノコホテル 会場:NAGOYA Blue Note

13時からの回は、あまり見たいミュージシャンもいなかったので、昼食を取り、14時からはブルーノートへ。ここでは、最近話題のキノコホテルのライブを見てみました。入場制限もかかっていて、注目度の高さをうかがえました・・・が、中に入ると、椅子席がズラリ。前のメンバーは座ったまま、という状況。うーん、ブルーノートからだからかなぁ。椅子席をどかせば、もっと人は入るだろうに・・・。

ライブがスタートすると、いきなりかなりハードなバンドの演奏に驚かされます。メロディーと歌詞は、60年代の昔の歌謡曲風といった感じ。ボーカルマリアンヌ東雲の声も、昔の歌謡曲そのままの、低く、色っぽい声が特徴的。服装も、昔のグループサウンズそのままといった感じ。さらには、途中に入るMCも、昔の、キャバレー風といった感じでしょうか?ムーディーな雰囲気そのままのMCで、ボーカルの声の雰囲気が、MCでもそのままだったのはちょっと驚きました。

また、MCも、おそらくそういうキャラをつくっているのでしょうが、ボーカルのマリアンヌが主導権を握っていて、他のメンバーをしきっている・・・といったステージに。途中、マリアンヌのまゆげが取れてしまうハプニングがあり、曲が1曲短くなってしまいました。

パフォーマンスは、全体的に、自覚的にプロデュースされている感があり、完成されている、といった感じ。楽曲の感じとしては、初期のGO!GO!7188に近いものはあるのですが、彼女たちと違って、意図的に、昭和歌謡曲、GS路線を押し出しているのが印象的。バンドとしての演奏は、迫力はあるものの、それだけで売るには、あと一歩といった感じかも。

客もまた、熱烈なファンというよりも、興味半分といった感じのファンも多く、メンバーにうながされて、ようやくボチボチと椅子を立って盛り上がるといった感じでした(ひょっとしたら、次のたむらぱん目当ても多かったのか?)。

最後は、「もえつきたいの」に「キノコホテル唱歌」で40分程度のライブが終了。なかなか楽しいステージだったと思います。また、機会があれば、見てみたいです。

15:00~ たむらぱん 会場:NAGOYA Blue Note

で、そのままブルーノートに残り、たむらぱんのライブで。同時刻、クワトロではOKAMOTO'Sのライブも行われていて、そちらも気になったのですが、やはり彼女のステージを一度見てみたい!ということで、そのまま会場に残りました。会場は、キノコホテル以上に観客が入り、人気の高さをうかがえます。

ライブがはじまると、いきなり椅子に座っていた観客も立ち上がり、会場を盛り上げます・・・って、やはり、たむらぱん目当てのファンが多かったのかなぁ?たむらぱんははじめて見たのですが、おもったよりもちっこくて(笑)、かわいらしい~。雰囲気的に、ちょっと木村カエラみたいな雰囲気を感じました(?)。

軽快なポップスが続き、会場を盛り上げます。途中、一番うれしかったのは、個人的にも大好きな、名曲「ちゃりんこ」を聴かせてくれたこと。この曲を生で聴けて、大満足。さらには新曲「SOS」を本邦初披露!ちょっと歌謡曲テイストのある楽曲ながらも、独特の癖を持ったメロディーが彼女らしさを感じさせるナンバーでした。

強く惹きつけられる・・・とかそういった印象はなかったのに、気が付いたら、40分があっという間に過ぎてライブが終了。いやぁ、素直にとても楽しいステージだったと思います。やはりたむらぱんはいいなぁ。また、是非とも彼女のステージは見てみたいです。

16:00~ SISTER JET 会場:NAGOYA CLUB QUATTRO

続いては、ブルーノートをはなれて、クラブクアトロへ。この時間帯、最初は見てみたいミュージシャンもいなくて、誰を見るか迷ったのですが、クワトロのSISTER JETのライブを見ることにしました。

SISTER JETについては、名前こそ聞いたことあったのですが、ライブはもちろん、音を聴くのもはじめてのバンド。どんな音か、楽しみに、ライブに臨んだのですが・・・

楽曲は、ガレージパンクにダンスミュージックの要素を加えた感じ。バンドサウンドは爆音で迫力があり、ダンスビートもリズミカルで、ライブ向けといった感じだったのですが・・・音が大きすぎ(苦笑)。一部、音が完全に割れていて、不快感すらありました。クワトロってこんなに音悪かったっけ?サウンドの調整ミスのような気もするなぁ。

ちゃんとした音質で聴いたらもっと印象も異なるかもしれませんが、正直言って、いまひとつ楽しめないステージでした。演奏も、この音の悪さも理由のひとつかもしれませんが、いまひとつ、迫力はあったものの、ピンと来るものはなく。残念です。もっと音のいい状態で、今度は聴いてみたいなぁ。

その2に続く。

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2010年6月 6日 (日)

aiko節全開!

Title:BABY
Musician:aiko

BABY

aiko、飽きないなぁ~(笑)。

はっきりいって、今回の新譜にしても、決して真新しいことを演っているわけではありません。いつものaiko。前作「秘密」では、マンネリを打破し、再び輝きを感じる、ということを書いたのですが、今回のアルバムは、まさにその延長線上を行くような作品。今、再び勢いに乗っているような印象すら受けます。

いつも通り、転調や、ブルーノート風の音階を駆使しながらも、あくまでもポップにまとめあげている独特の曲調は健在。まさに「aiko節」ともいえるグルーヴを作り出しています。ポップでありながらも、普通のポップとは違ったノリを感じられるのが、彼女の大きな魅力でしょう。

今回のアルバムでは、冒頭「beat」は、タイトル通り、ちょっとジャズ風の爽やかなアップテンポなナンバーからスタートしたものの、「KissHug」のような片思いの曲や、「嘆きのキス」のような別れの曲が多く、切なく聴かせるナンバーが多かったような印象も受けました。一方では、男性目線からのラブソング「鏡」のようなユーモラスなナンバーもあり、ポップという枠組みの中でもバリエーションも豊富。最後まで楽しむことが出来ます。

本当に、いい意味で安定感があるよなぁ。これからも、まだまだ傑作をたくさん聴かせてくれそうです。

評価:★★★★★

aiko 過去の作品
秘密


ほかに聴いたアルバム

NO ALBUM 無題/bloodthirsty butchers

NO ALBUM 無題

ノイジーなギターサウンドが心地よく、その中に鳴り響くメロディーラインは意外とポップ。王道路線ともいえる作風は、アルバム通じて、ちょっとバリエーションは乏しく感じたものの、その美しいギターの音の世界に、どっぷりとつかれるアルバムになっていました。

評価:★★★★★

Life/FreeTEMPO

Life

中間地点のインスト曲「逆光」をはさんで、前半が男性ボーカルメイン、後半が女性ボーカルメインというのがユニーク。オーガニックソウルからメロウなR&B、エレポップなどのバリエーションをまじえながらも、どの曲も爽やかなポップソングにまとめていて、とても聴きやすい作品でした。

評価:★★★★

美しき僕らの世界/及川光博

美しき僕らの世界

テレビ朝日系ドラマ「相棒」への出演で、再ブレイクしたミッチーですが、ミュージシャンとしてもまだまだ元気いっぱい。ファンキーでロックでポップな、飛びぬけて楽しい曲の連続で、ライブは楽しそうだなぁ・・・と久しぶりにミッチーのライブに足を運びたくなりました。ただ一方、「哀NEED YOU」のサビはどこか「死んでもいい」を思い出したり、少々マンネリ気味な気も。大いなるマンネリ路線に入っていってしまうのか?

評価:★★★★

及川光博 過去の作品
RAINBOW-MAN

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2010年6月 5日 (土)

日米の元気者のコラボ

Title:BENNIE BECCA
Musician:BENNIE BECCA

BENNIE BECCA

BENNIE Kと、アメリカの女性シンガーBECCAによるコラボレート企画による新作。

BENNIE KとBECCAというと、どちらも「元気な女の子」をイメージするミュージシャン。BENNIE Kの楽曲は、洋楽テイストを感じさせますし、一方でBECCAは、日本受けしそうなガールズロックを聴かせてくれます。

それだけに、両者の相性って、結構いいのかなぁ?と思ってこのアルバムも聴いたのですが・・・

思ったよりも、お互い、雰囲気が違いますね(^^;;

なんというか・・・やはりBECCAのスタイリッシュでリズミカルなボーカルは、BENNIE KのYUKIやCICOとは、節回しやリズムの面で違いが大きく見られて、やはり、ここらへん、必ずしも悪い意味ではなく、洋楽と邦楽の差なのかなぁ、という印象を受けました。

ただ、だからといって両者チグハグで、コラボとしては失敗だったか、というと、そういう訳でもなく。アメリカンロックの雰囲気が出ていた「Narita Express」みたな曲もあれば、「Dilemmas」あたりの哀愁あるメロは、邦楽ならではといった感じでしょうか?BENNIE KともBECCAともちょっと異なる、日米のコラボレーションを楽しませてくれました。

しかし、一方では、全体的に、ちょっと音をつめこみすぎたような感じもしました。

「Dreamer」「Cinderella Syndrome」のようなヘヴィーロックな路線や、「YOU&Me」のようなエレクトロポップ風な曲、カントリー風な「明日」など、バリエーション豊富な曲調は、最後まで楽しませてくれましたが、音数は多めで、ちょっと聴いていてくどく感じてしまった・・・。

BENNIE KもBECCAも、「シンプルな音で聴かせる」というタイプでは確かにないのですが、両者を足し合わせて、そのまんま、といったアレンジになっていて、こってり風味のサウンドは、ちょっとお腹いっぱいになってしまいました。

元気な女の子3人、ポップな楽曲を楽しませてくれるアルバムで、なかなかよかったと思います。これ1枚だけではなく、2作3作とつづけてくれれば、もっとしっくりと来る作品が出てくるかも?せっかくだから、2枚目も聴きたいなぁ。

評価:★★★★

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2010年6月 4日 (金)

なんと、くるりが1位!!・・・されど・・・。

今週の着うたチャート

2010年5月26日~2010年6月1日付チャート

今週の1位も、先週に引き続き、着うたチャートの上位常連です。

ルーズリーフ

今週1位は、ヒルクライム「ルーズリーフ」。6月2日発売予定シングルの先行リリースです。前作「大丈夫」も着うたで1位だったものの、シングルでは6位。さて、今回の新譜はシングルチャートではどこまで伸びるのでしょうか?

2位は、まだまだ強い西野カナ「会いたくて 会いたくて」がワンランクダウン。3位も、先週2位からワンランクダウンのHoney L Days「まなざし」がランクインしています。

さらに4位には、今週のシングルチャート1位だったAKB48「ポニーテールとシュシュ」が、11位からランクアップで初のベスト10入り。6位には、EXILE「VICTORY」が16位からランクアップです。EXILEは、6月9日リリース予定のシングルからの先行配信。「VICTORY」は、ワールドカップサッカー日本代表の公式応援ソングとなっており、今後のロングヒットが予想されます。

初登場組では、まず7位にはシド「レイン」が初登場でランクイン。6月2日発売予定のシングルの先行配信で、TBS系アニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」オープニングテーマなので、シングルでもヒットするかも。

10位に遊助「今日の花」がランクイン。日テレ系「ズームインSUPER」のテーマ曲で、7月28日に発売予定のシングル「ミツバチ」のカップリングにもなっています。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

アルバムチャートは今週は新譜ラッシュ。10枚中6枚が初登場というチャートになっています。

僕の住んでいた街(通常盤)

そんな中で1位を獲得したのは、なんとくるり!いわゆるB面ベスト「僕の住んでいた街」が、見事1位を獲得。もちろん、くるりとしても初の1位となりました。

ただし、初動売上はわずか2万枚。オリジナルアルバムとしての前作「魂のゆくえ」が初動で4万枚だったので、それと比べても大幅ダウン。まあ、どちらかというとファンズアイテム的要素の強いB面ベストなだけに、初動売上が大幅ダウンしたのは仕方ないのですが、わずか2万枚でチャート1位ですか・・・かなり寂しい結果ですね・・・。

2位には相変わらず人気のある徳永英明「VOCALIST4」が続き、3位初登場が安全地帯「安全地帯XI ☆Starts☆『またね・・・。』」でした。トップ3入りはなんと20年ぶり。売上も、前作の初動1万1千枚を上回る1万5千枚を記録しています。安全地帯といえば、ボーカル玉置浩二と青田典子との交際がワイドショーネタとしてテレビを賑わせていますが、この売上増は、その効果もあったのでしょうか?

で、4位には松田聖子の新作「My Prelude」がランクイン。2位徳永、3位安全地帯、4位松田聖子って、いつの時代のチャートだよ(苦笑)。こういう昔のシンガーが、いまだに高い人気を確保しちゃっているところが、CD不況の要因のひとつだよなぁ。そんな中、くるりが1位なのが、まだ救いか。(といっても、くるりもそろそろベテランの域に達しつつあるバンドだけども)

5位には、Boom Boom Satellites「TO THE LOVELESS」がランクイン。ブンサテのベスト10入りは、「ON」から2作ぶりで、5位は自己最高位となります。ただ、前作「EXPOSED」は初動1万3千枚を売り上げたのに対して、本作は初動1万2千枚と若干とはいえダウン。低水準のチャートを物語る結果になりました。

8位には、ハワイ出身の男性ミュージシャンJack Johnson「TO THE SEA」が入ってきています。これからの季節にピッタリの、爽やかでオーガニックなポップソングが魅力的なミュージシャン。「TO THE SEA」というタイトルは、そのまんまだなぁ、という感じですが。

そして10位には、GReeeeN「AB DEST!?TOUR!? 2010」がランクインしています。GReeeeNのシルエット映像を流して、ライブ映像と称して発売したNintendo DSソフト「ライブ!?DeeeeS!?」の収録曲のCD化。で、そのDSソフトも相当評判悪いみたいですが、こちらのCD版も、この低水準な週でギリギリ10位とかなり苦戦気味。どうせ顔だしする気がないのなら、中途半端な形で「ライブ」みたいな企画はやらなければいいのに・・・。

今週の着うた&アルバムチャートは以上。来週は、水曜日にチャート更新、思いますよ・・・多分。

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2010年6月 3日 (木)

アイドル勢がズラリ

すいません。昨日は用事があり、ヒットチャートの更新が1日遅くなってしまいました。

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

さて、今週のシングルチャートはアイドル勢がズラリ・・・といっても、最近のヒットチャートでは珍しくないケースですが・・・。

ポニーテールとシュシュ(TypeA)(DVD付)

1位はAKB48「ポニーテールとシュシュ」がランクイン。初動はなんと51万3千枚で、前作の31万8千枚を大きく上回る結果に。シングルランキングの首位は、モーニング娘。の「恋愛レボリューション21」から9年5ヶ月ぶり、というのはちょっと意外な印象が。

2位はXIAH junsu「XIAH(Intoxication)」が入ってきました。誰?って、東方神起のメンバーJUNSUのソロシングルだそうです。

しかしAKB48は、初動で50万枚を上回る売上を記録するなど、驚きの記録を達成していますが、2位の東方神起もそうなのですが、いまひとつ、それだけの人気が本当にあるのか、実感がわかない・・・。10年くらい前も、「若者世代だけの人気で、国民的ヒットがうまれない」という話がよくされていましたが、ここ最近は、ターゲットとなる層が、さらに細分化されているんでしょうね。それがいいか悪いかは微妙なのですが。

他にもアイドル勢が今週は多くランクインしています。

5位にスマイレージ「夢見る15歳」が入っています。こちらはハロープロジェクト系のユニット。80年代風の昔ながらの王道アイドルソングです。

また7位に、フジテレビ系「クイズ!ヘキサゴンII」で結成されたサーターアンダギー「沖縄に行きませんか」がランクインしています。タイトルとは裏腹に、ほとんど沖縄音楽からの影響を感じない曲なのですが・・・。しかし彼らは初動1万9千枚と、前作の初動3万2千枚から大きくダウン。「ヘキサゴン」周りのユニットは、かなり飽きられてきている印象が。

そして、初登場してきた残り3枚が、いずれもアニメのタイアップというのもまた、今時のチャートらしいのですが・・・

まず3位にLia/多田葵「My Soul,Your Beats!/Brave Song」がランクイン。TBS系アニメ「Angel Beats!」のオープニング&エンディングテーマだそうです。

8位にはASIAN KUNG-FU GENERATION「迷子犬と雨のビート」が入ってきました。こちらはフジテレビ系アニメ「四畳半神話大系」のオープニングテーマ。初動1万8千枚は、前作の3万2千枚から大幅減。6月23日にこのシングルも収録されたアルバムの発売を控えている影響もあるのでしょうが、タイアップ効果はほとんどなかった模様。アジカンのファンとアニメの視聴者層は重ならないってことか?ただ、このアニメ、キャラクターデザインが、デビュー以降、アジカンのジャケットをデザインしてきた中村佑介氏だったりするので、なにげにアジカンとの相性がいいアニメだと思うのですが。

そして10位にランクインしてきたのが、相対性理論のボーカル、やくしまるえつこのソロシングル「ヴィーナスとジーザス」でした。こちらも、テレビ東京系アニメ「荒川アンダー ザ ブリッジ」のオープニングテーマ。ソロとしては初のベスト10ヒットとなりました。アニメタイアップ効果か、それとも、最近、人気上昇中の相対性理論の人気に伴うものか、それとも両方か??

そんな訳で、1日遅れてしまったシングルチャートは以上。着うた&アルバムチャートは明日に!

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2010年6月 2日 (水)

シャウト!!

Title:THERE'S NO TURNING BACK
Musician:THE BAWDIES

THERE’S NO TURNING BACK

昨年、前作「THIS IS MY STORY」を、ほとんど衝動買いに近いレベルで購入。その後、すっかりはまってしまったTHE BAWDIES。どうもはまってしまったのは私だけではないようで、このアルバムにも収録されている「HOT DOG」は、なんとオリコンチャートでベスト10入りを記録し、続くこのニューアルバムも、同じくベスト10入り。名実共にブレイクを果たした結果となりました。

しかし、同じようなルーツ志向のバンドが増える中、THE BAWDIESだけ、その人気が頭ひとつもふたつも出ているのでしょうか?

やはり、その大きな理由のひとつは、THE BAWDIESの持つある種のわかりやすさではないでしょうか。

これぞというように、60年代風のルーツロック志向を押し出したようなサウンドに、わかりやすいシャウト、そしてポップなメロディーライン。ある種の、これぞルーツロックといった直感的なわかりやすさを感じます。

そこにちょっと今風な要素を加えることにより、マニア層だけではなく、広いリスナー層でも受け入れらる楽曲を作り上げています。楽曲の雰囲気とはギャップのある、端整なルックスも、リスナー層を広げる大きな要因でしょうか?

もちろん、決してルーツロックの上澄みをかっさらっているだけではなく、しっかりとルーツへのリスペクトを感じられる点もまた、彼らの人気の大きな要素なのは間違いないでしょう。

また、今回の作品は、さらに音楽性を広げる楽曲も多く収録されていました。

カントリー風の「SAD SONG」に、「B.P.B.」は、いつものシャウトは抑えた、爽やかなナンバー。「GOOD MORNING」は、アコースティックなサウンドが、どこかフォーキーな雰囲気を出しています。

一方、歌詞はあいかわらず英語オンリー。このグルーヴ感を日本語の歌詞で出せたら、もっともっとすごくなるのに・・・と思ってしまうのですが、それは、今後の彼らの成長を楽しみに、といった感じでしょうか?

前作に続き、本作も、文句なしの傑作に仕上がりました。また、彼らの楽曲にはまってしまいそうです・・・。

評価:★★★★★

THE BAWDIES 過去の作品
THIS IS MY STORY

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すいません。

本日更新予定のヒットチャートは、都合により後日アップします。

申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

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2010年6月 1日 (火)

ソロモンバークを体験してきました!!

JAPAN BLUES&SOUL CARNIVAL 2010~25周年記念スペシャル~

会場:名古屋ボトムライン 日時:2010年5月31日19:00~

昨日、5月31日に、名古屋のボトムラインで行われた、「JAPAN BLUES&SOUL CARNIVAL 2010」に出かけてきました。

Japanblues2010

最近、生意気にもちょっとブルースだのソウルだのを聴きかじっているのですが、その中で、興味を持ったイベント。ローリングストーンズにも影響を与えた、ソウル・レジェンド、ソロモン・バークも初来日!ということで、なんかよさそうだなぁ~といった感じで、足を運びました。

最初に登場したのは、コーナー・ハリスというミュージシャン。初耳のミュージシャンです。最初は、本人ひとりが、アコギを抱えてのステージとなりました。

最初の曲は、ブルースというよりも、アフリカ音楽を彷彿させるような雰囲気の曲からスタートし、ちょっと意外な印象が。その後も、アコギでしっかりブルースを聴かせてくれたかと思えば、中盤はキーボードと2人のステージでは、メロウな雰囲気のソウルナンバーも聴かせてくれたりと、幅のある作風で楽しませてくれました。

2番手は、当初、バーナード・アリソンが登場する予定だったのですが、残念ながら本人が急病のため、ジョー・ルイス・ウォーカーが代役として登場しました。彼も初耳のミュージシャンでした。

サックスにキーボード、ベースと、本人のボーカル&ギターという編成。楽曲は、コンテンポラリー・ブルースという感じになるのでしょうか?中盤以降、アップテンポな曲でどんどん盛り上がっていき、会場のテンションがあがっていきました。ロック風のギターを聴かせてくれたかと思えば、ブルージーな曲を楽しませてくれたりと、盛り上がる、とても楽しいステージでした。

そして、ラストはお待ちかね、ソロモン・バークの登場!!でかい!!(笑)王様の椅子のような豪華な椅子が舞台の中央に置かれて、彼は、その丸々とした巨体で、椅子に腰をおろし、座りながらのステージ。脇にはコーラスにギターにキーボードにドラムにホーンセッションに・・・という大人数の舞台となりました。

実はソロモン・バークについても、名前くらいしか知らず、楽曲については、事前に何曲か、You Tubeで聴いてみたくらいなのですが・・・(^^;;楽しめるかなぁ・・・という心配は、ライブがはじまった瞬間にぶっ飛びました。

そのボーカルは、70歳とは思えない、艶のある色っぽい声。そして座りながらのステージが全く違和感のない力強いボーカル。終始ノリノリで、観客を盛り上げまくります。大人数がかなでる迫力のサウンドと、彼の力強いボーカルが、時には会場を盛り上げ、時にはしんみりと聴き入らせる、エンターテイメントという言葉にふさわしいステージでした。

途中、ステージにファンを引き上げて、一緒に踊らさせたり、会場に薔薇の花を配って、リズムにあわせて振らせたり。ほとんどはじめて聴く曲ばかりだったのですが、全く飽きることなく、そのステージを楽しむことが出来ました。

終盤は、「Johnny B.Good」のカバーや、「What a Wonderful World」をしんみりと聴かせてくれたかと思うと、ラストは、彼の代表曲ともいえる「Everybody Need Somebody To Love」へ。この曲は事前に聴いていて、ライブで演ってくれると盛り上がるだろうなぁ・・・と思っていたのですが、まさにその通り!会場中から歓声がわきあがり、ファンキーなリズムで、思いっきり踊ってしまいました。そしてラストは、「聖者の行進」で締めくくり。会場のテンションが最高潮の中、ライブは終わりました。

東京の日比谷野音のライブでは、客の入りがいまひとつで、ちょっと寂しかった・・・みたいな感想をみかけたのですが、名古屋のボトムラインは、まあ、元々からキャパは小さいのですが、ほぼ満員。そのため、会場全体が一体となって盛り上がっていて、とてもいい雰囲気のライブでした。

ソロモン・バークも、「リビング・レジェンド」なんて称されるように、大御所中の大御所なのですが、その歌声は、未だに現役。全く衰えなどを感じさせません。こんな素晴らしいステージを、キャパ700人程度のライブハウスで見れたのは、すごくラッキーかも。名古屋は、東京に比べて、いいライブが少ないのですが、東京よりもキャパが一回りも二回りも小さなステージで見えるのは、地方のお得な部分かも。

ソロモン・バークのステージがもちろん一番素晴らしかったのですが、他の2人も素晴らしいステージでした。聴いている私たちの身体にダイレクトに飛び込んでくるような、ファンキーなリズムが、特に素晴らしいというか・・・陳腐かも知れないけど、やはり本場は違うなぁ、と思ってしまいました(笑)。

久しぶりのライブだったのですが、やはりライブはいいですね!にわかブルース&ソウルリスナーでもとても楽しめたステージでした。「JAPAN BLUES&SOUL CARNIVAL」、歴史あるイベントらしいですが、来年も是非足を運びたいです。本当に楽しい一夜でした。

ちなみに、You Tubeでライブ映像を発見!まさに、この通りのライブでしたよ~。

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