大人の余裕??
Title:STAR BLOWS
Musician:The Birthday
デビュー当初は、どうしても元ミッシェル・ガン・エレファントのチバのバンド、というイメージが強かったThe Birthday。しかし、ここ最近、徐々に「チバのバンド」というよりも、ロックバンドThe Birthdayとしてのスタイルをしっかりと築きつつあります。
今回のアルバムで特徴的だったのは、収録されている楽曲の長さ。平均で5、6分。一番長いラストの「SUPER SUNSHINE」に至っては、11分にも及ぶ楽曲になっています。
彼らみたいなタイプのバンドは、勢い重視。バンドとしてのテクニックやグル―ヴよりも、勢いにまかせた初期衝動的なサウンドを重視するために、2、3分程度のポップソングがメインとなってきます。
だからこそ、逆にそれを5分も6分も続ける、というのは、それだけバンドとしての自信があるという意味でしょう。事実、ガレージパンクのような勢いを維持しながらも、バンドとしてのグル―ヴ・・・という言い方は少々抽象的なのですが、5分や6分という長さも飽きさせないような、楽曲のリズムを、しっかりと作り上げています。
ここらへんは、やはりそれなりのキャリアがある人の集まりというバンドの性質ならではかな?そういう意味で、大人の余裕、というものを感じることが出来ました。
一方、大人の余裕といえばインパクトがあったのが、先行シングルにもなった「愛でぬりつぶせ」でしょう。「愛でぬりつぶせ」と歌う歌詞は、あまりにもストレート。下手すれば青臭さまでも感じさせてしまいます。歌詞の青臭さは、たとえばミッシェルの曲にも感じる部分はあったのですが、ここまでストレートなのは珍しいかも。こういう曲をサラリと歌ってしまうあたりも、彼らの余裕を感じさせます。
アルバムがすすむにつれ、どんどんとThe Birthdayとしてのスタイルを確立し、いまだに成長を続けているように感じます。個人的に、いままでのアルバムでベストだったかも。そろそろ、「元ミッシェルのチバとクハラの・・・」なんて文句、いらなくなってきましたね。
評価:★★★★★
The Birthday 過去の作品
TEAR DROP
NIGHT ON FOOL
ほかに聴いた作品
Four/Ken Yokoyama
勢いのあるメロディアスパンクの・・・というよりも、全体としては、アップテンポなポップスアルバム、という印象になってしまいます。もちろん、ストレートなパンクロック路線の曲もあるのですが、アコギとピアノでしっかり聴かせる曲や、ビーチボーイズの影響を感じさせる(?)ようなナンバーまで、意外と幅広く、「ポップ」という点を軸に貫いている曲が集まっていました。
評価:★★★★
斉藤“弾き語り”和義 ライブツアー2009≫2010 十二月 in 大阪城ホール ~月が昇れば 弾き語る~/斉藤和義
恒例の弾き語りライブイベント「十二月」の模様をおさめたライブCD・・・って、同じ「十二月」シリーズでのライブCDはこれが4枚目って、ちょっと出しすぎじゃない(^^;;
まあ、楽曲自体は申し分ないだけに、聴いていて楽しめるし、ライブ会場の雰囲気もそれなりに伝わるし、「せっちゃん」らしい、歌詞の一部をエロチックに変えちゃった歌を聴かせてくれたり・・・とユーモラスな部分も含めて楽しめるライブ盤だとは思うのですが。熱心なファン以外は、過去のライブ盤から1枚聴けば十分、かも。
評価:★★★
斉藤和義 過去の作品
I (LOVE) ME
歌うたい15 SINGLES BEST 1993~2007
Collection "B" 1993~2007
月が昇れば
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