つつみ込むような暖かさ
Title:にほんのうた 第四集
コモンズ・レーベルから、シリーズとして発売されている、日本の童謡・唱歌を、現在のミュージシャンたちがカバーする「にほんのうた」シリーズの第4弾。本作では、坂本龍一や元ちとせ、細野晴臣や、なんと、岡林信康(!)が、にほんのうたを、それぞれのスタイルでカバーしています。
今回カバーしているのは、ジャケットタイトルからもわかるように冬の歌。「とうだいもり」や「たきび」のような古くからの童謡から、「北風小僧の寒太郎」みたいに、比較的、最近のナンバー。そして「雪の降る街を」・・・ってこれ、歌謡曲では??
このシリーズは、前作「第三集」から聴きはじめたのですが、前作に関しては、いかにもサブカル風の凝ったアレンジが、原曲の良さを壊しているなぁ・・・という風にも感じました。もっと、シンプルに、メロディーと歌詞を生かせばいいのに、と。
しかし、今回の作品については、冬というイメージからも来るのでしょうか、アコースティックでシンプルなアレンジに、しっかりメロディーと歌詞を聴かせて、曲の持つ本来の良さを聴かせてくれた作品が多かったような印象を受けました。
個人的には、やはり岡林信康の「とうだいもり」。フォーキーな雰囲気が楽曲にもピッタリマッチしていて、楽曲の良さを存分に引き出していたと思います。また、同じくアコースティックな雰囲気の中山うりの「たきび」もよかったですし、最近、ちょっと名前を聴かなくなってしまった手嶌葵と坂本龍一が組んだ「雪の降る街を」も良かったです。手嶌葵のボーカルは、やはりいいですね~。
他には、こちらはアコースティックではなく、エレクトロニカなアレンジとはいえ、嶺川貴子+rei harakamiの「ペチカ」。rei harakamiの出す音は、こういう冬の曲にピッタリですね。上で「あまり凝ったアレンジはどうも・・・」と書いたのですが、この曲に関しては、rei harakamiのアレンジが、曲の良さをさらに引き出していました。
冬の曲・・・ということで、いまさら紹介するのはちょっと時期はずれになってしまいましたね。でも、時期関係なく、いつ聴いても楽しめる、そんなアルバムだったと思います。
評価:★★★★★
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コメント
岡林さんを追っかけてこのブログにたどり着きました。日記を読んで、このアルバムも買いましょうと思いました。ありがとう。
投稿: sonnna | 2010年5月26日 (水) 09時28分
岡林信康さんの「とうだいもり」が聴きたくて
このアルバムを買いました。
全部聴いてみましたが、やはり岡林さんの「とうだいもり」が最高に素晴らしかったです。
投稿: 名無し | 2010年5月26日 (水) 12時37分
>sonnnaさん
アルバム、聴かれていかがでしたか?岡林信康目当てで買われたのなら、正解だと思いますよ。他の曲もなかなかよかったです。
>名無しさん
岡林さんの「とうだいもり」よかったですよね~。彼の作品って、有名な「わたしを断罪せよ」くらいしか持っていないのですが、やはり彼は素晴らしいですね!他の岡林さんの作品も聴いてみたいなぁ。
投稿: ゆういち | 2010年5月30日 (日) 17時37分