リスナーの壺をつく
今回は、SUGIURUMNの、デビュー10周年を記念してリリースされた、2枚のアルバムを紹介します。
1枚目は、彼のミディ在籍時にリリースした楽曲を、セルフリミックスで収録した初期ベストに、新曲を5曲収録したアルバム。
Title:Midi In Midi Out
Musician:SUGIURUMN
10曲のうち新曲5曲と、ある意味、オリジナルなのかベスト盤なのか、いまひとつはっきりしないアルバムです(笑)。
ただ、アルバム全体としては、テンポのよいポップなインストナンバーがメインとなっていて、統一感はとられています。それだけに、聴いていて1枚のアルバムとして、違和感はありません。
そして、もう1枚は、ボーカルトラックのみを収録した、企画ベスト盤。
Title:Do You Remember That Night?
Musician:SUGIURUMN
こちらは、全曲、とても爽やかな雰囲気をハウスチューンがメイン。男性ボーカルと女性ボーカルがほぼ交互に収録されている点も、ある種のバランスの良さを感じます。
そして、このどちらのアルバムにも共通して感じられるのは、どちらもリスナーの壺を上手くついたような作品だなぁ・・・という点でした。
正直言うと、どの楽曲についても、決して斬新さみたいなものは感じられませんでした。特に、「Do You Remember That Night?」に収録されている曲なんかは、よく聴きタイプの曲だなぁ・・・と思ったりして。
ただ、一方で、どの曲も、いい意味でリスナーの期待を裏切らない、しっかりとリスナーの壺をついたナンバーが並んでいます。決して飛びぬけてインパクトのあるナンバーがあるわけではありませんが、最後までだれることなく、ポップなメロディーとテンポよいリズムを楽しませてくれました。
評価
「Midi In Midi Out」:★★★★
「Do You Remember That Night?」:★★★★
ほかに聴いたアルバム
SKYROCKET/SCRIPT
「ESCAPE」のヒットなどでおなじみのMOON CHILDの元メンバー2人によるユニット。MOON CHILDから続く、ポップでファンキーなナンバーは、十分なヒットポテンシャルを感じる一方で、そのまんま岡村靖幸な曲も含み、全体的には、(MOON CHILD時代から考えると)少々マンネリ気味。1曲ヒットしても、またMOON CHILDみたいに後がつづかなそう・・・。評価:★★★★
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