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2010年5月 3日 (月)

奇跡の未発表音源集!

Title:Baby#1
Musician:忌野清志郎

Baby #1

ちょうどほぼ1年前。昨年の5月2日、惜しまれつつわずか58歳でこの世を去った忌野清志郎。その彼の、なんとニューアルバムがこのたび発売されました。

このアルバムは、ソロアルバム「Razor Sharp」に続くソロアルバムとして計画され、1989年でアメリカ・ロサンゼルスで録音されたもの。その後、ソロアルバムの話はお蔵入りとなり、そのマスター・テープは長らく行方不明となっていました。

しかし、最近、なんとこのマスター・テープがレコード会社の倉庫の中から発見され、このたび、ニューアルバムとしてリリースされました。

このうち、純然たる新曲となるのが、タイトル曲の「Baby#1」。当時、産まれたばかりの息子に対して捧げられた曲だそうで、昔のアメリカンポップ風の、カラリと乾いた雰囲気の、かわいらしい軽快なポップチューンで、息子を思う歌詞が、父親としての愛情を感じられる素敵なナンバーです。ライブでは披露されたことあるナンバーらしいのですが、いままで未発表だったことが不思議になるような、素敵な名曲です。

他の曲に関しては、基本的には、何らかの形で発表されたことある曲ばかりとか。もっとも、そのほとんどが、90年代初頭にリリースされた曲ばかりなので、私にとっても基本的にはじめて聴く曲ばかり(「NEWS23」のエンディングになっていた「NEWSを知りたい」は、テレビを通じて聴いたことある記憶がありましたが・・・)。そういう意味では、純然たるニューアルバムとしても楽しむことが出来ました。

ただ、キヨシローの声は、やはり若いなぁ(笑)という印象は受けましたし、「KI・MA・GU・RE」などは、80年代の雰囲気をかなり感じさせます。

そして、今回の曲の中で印象的だったのが「恩赦」。本格的なソウルナンバーで力強いグルーヴが印象的なナンバーの名曲。さらに印象的だったのはその歌詞。おそらく20代以下の方にはピンと来ないかもしれませんが、昭和天皇の崩御にあわせて恩赦が行われ、「恩赦」という言葉がちょっとしたブームになったんです・・・なんか、時代を感じさせる歌詞が、懐かしくも感じられました。

もっとも、時代を感じさせる曲はこの程度。他の曲に関しては、80年代に録音された、ということを感じさせないような、キヨシローらしい、ロックでソウルでポップなナンバーが並んでいました。

全体的に、明るく楽しいナンバーが多く、ロサンゼルスでの録音、ということもあるのでしょうか、アメリカらしい(?)カラリと晴れ晴れしたナンバーが多かったように感じます。

「I Like You」はキヨシローらしく、「愛すること」を明るく歌っていますし、「Young Blue」はおもいっきりブルージーなナンバーに。また、「NEWSを知りたい」は、時計の音をリズムとして用いているという、ユニークな試みがおもしろい作品になっています。

他にも名曲揃いのこのアルバム。ファンにとってももちろんうれしいプレゼントですし、ファンならずとも楽しめるアルバムだったと思います。あらためて、キヨシローの魅力を感じることが出来た傑作でした。

評価:★★★★★

忌野清志郎 過去の作品
入門編
忌野清志郎 青山ロックン・ロール・ショー2009.5.9 オリジナルサウンドトラック


ほかに聴いたアルバム

PLAY/竹内電気

PLAY

パッと聴いた印象だと、「平凡なパワーポップだなぁ」と感じたのですが・・・

よくよく聴いてみると、実は何気に、いろいろなジャンルの影響を感じます。特に後半、アシッドジャズやらディスコチューンやらファンクやらブルースやら。意外な音楽性の広さには、ちょっと驚かされました。

ただその一方、それに載っているメロディーが、ちょっと平凡すぎて印象に残らないんですよね・・・。先が読めてしまう感じ、とでも言うんでしょうか。これでメロディーがよければ、かなりおもしろいアルバムだと思うだけにとても残念です。

評価:★★★

竹内電気 過去の作品
SHY!

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