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2010年5月22日 (土)

恋愛の教祖

恋愛の教祖・・・・・・といういいかたもかなり陳腐な表現なのですが、そう言われてみなさんは、誰を思い浮かぶでしょうか?やはりユーミン??でも、彼女もまた、「恋愛の教祖」という呼び方にふさわしいのではないですか?

Title:The Singles Sony Music Years 1993~2002
Musician:古内東子

THE SINGLES SONY MUSIC YEARS 1993~2002【Blu-spec CD(TM)】

彼女のソニー時代の楽曲を網羅したベスト盤。発表曲順に収録されているため、彼女のミュージシャンとしての歩みを知ることができます。

とはいっても、「時代が下るにつれて、成長の過程を楽しめる」といった感じじゃないんですけどね。デビュー当初の作品は、アレンジに時代性を感じたり、彼女の声に若さを感じる部分もあるのですが、デビュー当初から、既に古内東子としてのスタイルを完成させています。メロディーも歌詞も、デビュー当初からこれぞ古内東子という世界が確立されていました。

ただやはり彼女が一番脂が乗っていた時期は、「誰より好きなのに」の頃なのかなぁ・・・とも思います。すごく切ない微妙な女心を巧みに読み込んだ歌詞は、男性の私でもどこか共感する部分も。また、洗練されたシティーポップのサウンドやメロディーも、切ない歌詞とピッタリとマッチし、とても印象に残ります。

その後の楽曲に関しては、正直、この全盛期ほどのインパクトは感じないものの、絶妙な心理描写のラブソングは健在。彼女の楽曲には、いつもドキリとさせられる部分があります。

一方で、初期の作品が、失恋や片思いがメインだった一方で、時代が下るにつれ、結ばれた恋人に対する感情を歌った、ハッピーな曲が増えてきたような印象が・・・これは、彼女の恋愛事情にもからむのかなぁ?なんてことも思ったりして(笑)。でも、正直なことを言ってしまえば、失恋や片思いの曲の方がグッとくる曲が多いような気がするんですよね・・・って、これも私個人の恋愛事情にからむのか??(笑)

評価:★★★★★

で、そんな彼女の最新作はこちら。

Title:Purple
Musician:古内東子

PURPLE

口紅を配したジャケット写真が、ちょっと化粧品の広告のポスターみたいなんですが(笑)。KREVAが参加した「スロウビート」が収録されていたりと、新しいことにも挑戦しつつも、基本的には、いい意味で、いつもの古内東子で、安定したクオリティーの楽曲を聴かせてくれます。

全体的には、やはり片思いの切ない曲よりも、好きな恋人を素直に思う気持ちを歌ったようなナンバーがメイン。彼女は、自分の恋愛経験のみを歌にしているそうなのですが、そういう意味では、いい恋愛を続けているのかなぁ・・・?なんておせっかいなことを思ったりもして。

正直、ワンフレーズでドキっとするような歌詞は、個人的には見受けられなかったものの、恋愛感情を丁寧に描いた、古内東子らしい歌詞の世界はもちろん本作でも健在。彼女のファンにとっては問題なく楽しめる作品になっていると思います。

評価:★★★★

古内東子 過去の作品
IN LOVE AGAIN


ほかに聴いた作品

1・2・MAX/PE'Z

1・2・MAX

相変わらず、メロディアスで聴きやすいジャズナンバーが多い一方、今回のアルバムでは、日本的な哀愁を感じるような曲や、いわば歌謡曲風の曲が多かったような印象を受けました。一方では、アップテンポで明るいナンバーも随所に配されて、しんみり聴けるナンバーとライブで楽しめそうなナンバーのバランスもよく取れていたアルバムでした。

評価:★★★★

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