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2010年5月30日 (日)

古き良き歌謡曲

Title:大瀧詠一 Song Book I-大瀧詠一作品集Vol.1(1980-1998)-
Musician:大瀧詠一

大瀧詠一 Song Book I-大瀧詠一作品集Vol.1(1980-1998)-

この作品は、1991年にリリースした大瀧詠一の作品集のリメイク作品。1997年にヒットを記録した、「幸せな結末」もあらたに収録されています。

大瀧詠一が、80年代に、数々の歌手に提供した、いわゆる「歌謡曲」が収録されたこの作品。松田聖子や山口百恵、西田敏行(!)、さらにラッツ&スターや太田裕美といった、80年代の歌謡曲全盛期を彩る歌手たちに提供した楽曲が並んでいます。

中には、いかにも時代を感じさせるようなアイドルソングもあって、ちょっと抵抗感もある部分も否めなかったのですが、聴き進むにつれて、どんどんとこのアルバムにはまっていきました。

聴いていて、とにかくワクワクするような珠玉のポップチューン・・・・・・という表現は、ちょっと陳腐な言い方かもしれません。とはいえ、作りこんだポップな甘いメロディーラインに、そんなメロディーを彩るような、分厚くも、きちんと楽曲をひきたたせるアレンジ。ところどころに強く感じられる、洋楽風の要素もあいまって、難しいこと抜きにして、楽しくなってくる楽曲ばかりです。

なんか、歌謡曲の理想像って感じがするなぁ~。必要以上に凝ったアレンジを入れてきたり、メロディーよりもリズムを重視する最近のヒット曲・・・も、単純に否定は出来ないのですが、いまいちど、立ち返る歌謡曲の原点のひとつ、かもしれません。

どの曲も名曲揃いなのですが、渡辺満里奈「うれしい予感」は、ペットサウンズばりの分厚いアレンジと、ポップなメロディーがとても心地よくはまりました(95年の作品なので、歌謡曲が衰退した後の作品なのですが)。また、山口百恵「哀愁のコニー・アイランド」は、歌に絶妙な色気とパワーがあり、彼女のボーカリストとしての力を感じました。

とにかく、誰が聴いても楽しめる良質なポップチューンばかりの作品。91年の旧作を聴いた人にとっては、あまり追加で楽しめる要素が薄く、評判がよくないみたいですが、旧作を聴いたことない人なら、文句なしにお勧めの名曲集です。

評価:★★★★★

で、それと同時に発売されたのが、こちらのアルバム。

Title:大瀧詠一 Cover Book I-大瀧詠一カバー集Vol.1(1978-2008)-
Musician:大瀧詠一

大瀧詠一 Cover Book I-大瀧詠一カバー集Vol.1(1978-2008)-

原曲があれだけ素晴らしければ、カバーはやはり苦戦するだろうなぁ・・・なんて思いながら聴いていました。

正直、前半に関しては、ちょっと薄っぺらい感じのカバーが多くて、やはり原曲の方がいいのかなぁ、なんて思いながら聴いていたのですが、濃ゆいカバーがおさめられていたのが後半から。

小林旭「アキラのさらばシベリア鉄道」は、原曲に感じられた、異国の風味が消えて、「これぞ男の歌謡曲」といった泥臭いナンバーに。続く植木等「FUN×4」も、昭和30年代あたりの昔懐かしいコミックソングそのままの雰囲気。どちらも、「名カバー」と「迷カバー」の中間あたりの雰囲気ながらも、ある種の味のあるカバーになっていました。

さらに続くウルフルズ「大阪ストラット」は、もう完全にウルフルズの曲になっていましたね。ソウルフルに歌い上げるこのナンバーは、まさに名カバーといえるでしょう。

田島貴男ボーカルによる、ピチカートファイヴ「指切り」も、今となっては一般的なピチカートのイメージからは異なる雰囲気があるものの、ブルージーなギターが印象的な、名カバーに仕上がっていました。

カバーによって、出来不出来はいろいろあって、やはり原曲の方がいいなぁ、と思う曲もちらほらあったのですが、名カバーも多く収録されていて、「Song Book 1」とあわせて聴きたい企画アルバムです。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

TOKYO60WATTS/東京60WATTS

TOKYO60WATTS(DVD付)

初のベストアルバム。全編、ピアノを効果的に取り入れた、ジャズやソウルの要素もふんだんに感じられる軽快なポップチューン。「すべてのバカモノへ」をはじめ、ユーモラスのある歌詞も魅力的・・・なのですが、いまひとつ売れないなぁ、彼らも。メロディーは十分ヒットポテンシャルがあると思うし、一発くらい当ててもいいと思うのですが。まだ聴いたことない方は、このベスト盤から、どうぞ。

評価:★★★★★

東京60WATTS 過去の作品
夏は終わりぬ
60
nowhere

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