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2010年5月17日 (月)

確かに、最近おもしろいバンドが増えてきているかも。

先日、ネット上をいろいろと巡回している中、2chのスレッド紹介として、こんなサイトを見つけました。

最近の若手インディーバンドが才能あふれまくりんぐな件について みゅーちゃん!より)

そういわれてみると、確かに最近、おもしろいバンドが増えてきたなぁ・・・という感じがします。

ここであげられたバンドについては、名前だけしか知らないバンドや、名前も全然知らないバンドもいるのですが、私が知っている範囲でも、いままでの世代ではなかった、確固たる個性を持ったバンドが増えてきたような気がします。

思えば、以前、おもしろいミュージシャンがどんどんとデビューして、シーンに活気が生まれていたのが、1998年前後。1998年には、宇多田ヒカル、aiko、椎名林檎といった、お茶の間レベルで話題をさらった人が続々とデビューした他、くるりも1998年にデビュー。また、NUMBER GIRLにTRICERATOPSやGRAPEVINE、スーパーカーなど、後の世代に影響を与えたミュージシャンが、この前後に数多くデビューしています(ちょっと畑違いかもしれませんが、浜崎あゆみの1998年にデビューしていますね)。

しかし、その後のシーンに関しては、この世代のミュージシャンの縮小再生産のような状況が続いたように感じます。確かに、その中でもキラリと光るバンドも生まれたのですが、正直なところ、他にないような圧倒的な個性で、次の世代に影響を与えるようなミュージシャンはどれだけいるのかなぁ・・・なんてことを感じてしまうのも正直なところ。

でも、ここ最近、2000年代のミュージシャンたちとは全く異なった個性を感じられるミュージシャンが多くあらわれたような感があります。

そんな活きのいいバンドたちは、大きくわけると、2パターンのバンドがあるような印象を受けました。

まず、2000年代からネットコミュニティーから生まれてきたネットカルチャーなどをうまく取り込み、今の10代や20代前半の価値観を、ダイレクトに曲に表現しているようなミュージシャンたち。

たとえば、ここでも何度か紹介している相対性理論や、最近、ネット上で話題の神聖かまってちゃんあたりがそんなタイプのような気がします。

ここらへんのバンドは、今の若い世代の声をダイレクトに届けているという点で、今後、若者世代に大きな流れを作り出す可能性を持ったバンド・・・かもしれません。ただ一方で、30代のそろそろ半ばになろうとするおじさんの(笑)私にとっては、その価値観が100%受け入れられない部分もあり、手放しで絶賛できない部分があるのも事実。正直、聴いていて、はじめて「ジェネレーションギャップ」というものを感じてしまいました(^^;;

そしてもう1パターンが、「音」でコアな部分を追及し、場合によってはオールドスタイルのロックまで遡り、独特のグル―ヴを出そうとしているミュージシャンたち。

個人的には、こちらのミュージシャンたちはジェネレーションギャップも感じず(笑)、素直にその世界観を楽しむことができます。

たとえば、もうインディーズバンドではありませんが、THE BAWDIESなんかが、まさにこのタイプかもしれません。

そして、今日紹介する、踊ってばかりの国も、まさにそんなインディーバンドの代表格といえるかもしれません。

Title:グッバイ、ガールフレンド
Musician:踊ってばかりの国

グッバイ、ガールフレンド

全編を流れる、横揺れでけだるい感じのリズムが、とても独特。聴いていて、ちょっと怪しい世界にトリップしそうな、そんな音楽が魅力的です。

タイプ的には、Fishmansあたりを彷彿とさせる雰囲気、といってもいいでしょうか。また、個人的には、キセルに近い雰囲気も感じました。

ただ、Fishmansやキセルよりも、(おそらく意識的に)サイケ・ロック、あるいはリスナーにトリップの感覚を味あわせようとするような方向性を感じます。特に「ハロー」「よだれの唄」では、「ケムリ」という表現の隠語的な使われ方にニヤリ。60年代あたりのシーンの空気、臭いをユーモラスに感じさせます。

後半の「ムカデは死んでも毒を吐く」は、タイトルも秀逸ながらも、歌詞の内容も、幻想的で、ちょっと狂った雰囲気を感じてしまう、サイケデリックなナンバー。そしてラストの「テカテカ」は、浮遊感あるメロディーラインやリズムと、ノイジーなギターサウンドが、サイケデリックな雰囲気を醸し出している、13分にもおよぶ壮大なナンバー。目を閉じて聴いていてら、幻想的な世界にトリップしそう・・・。

もっとも、彼らみたいなタイプは、以前からアンダーグラウンドシーンにおいては活躍していたのかもしれません。しかし、彼らは、独特のグル―ヴを奏でつつも、ポピュラリティーもあわせもっているのも特徴的。特に1曲目「ハロー」のメロディーなど、独特ながらも耳にこびりついて、聴いて以来、私の頭から離れません(笑)。

これからの活躍に注目したい期待のミュージシャンです。こういうおもしろいバンドが増えてくると、シーンに活気が生まれそう。1998年のデビュー勢では、宇多田も椎名林檎もaikoも浜崎も、続々とヒットを飛ばし、シーンに活気を作り出しましたが、音楽不況が叫ばれて久しい今、こういうおもしろいバンドが増えてこそ、再び音楽シーンに活気を取り戻せるのではないでしょうか?なにげに、2010年代の音楽シーン、期待しちゃってもいいんじゃない??

評価:★★★★★

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アルバムレビュー(邦楽)2010年」カテゴリの記事

コメント

リンク先の記事読みました。最近本当に面白いバンドが増えているようで、嬉しく思います。バンド名も相当個性的なところが多いですね。自分もゆういちさんと同じく、最近の個性的なバンドになかなか馴染めないことがあるのですが…(笑)
そんなバンド達も面白いと思いつつ、やはり、BAWDIESやandymoriのようなルーツに根差した王道的な方に惹かれてしまいます。今よく聴いているのが、そういったバンドの一組であるthe HANGOVERSの新譜です。なんとなく、ピロウズやBAWDIESが好きな方には合うかなと思いますので、機会があればぜひ。

投稿: ブラックシープ | 2010年5月18日 (火) 02時21分

こんにちわ。
最近のインディーズのバンドは個性派もすばらしいですが、普遍性のある、原点に近いロック、ポップスをやっているバンドが多いのに驚かされます。BAWDIESやandymoriはもちろんですが、実は神聖かまってちゃんもこっちの部類です、私の中では。
ブラックシープさんが挙げていたthe HANGOVERSは私もお勧めです。シンプルで骨太なロックなだけど、繊細でキラキラしたポップ、これが決して形容矛盾じゃないことがわかりますね、彼らの曲を聴くと。
他にもたくさんお勧めがあるのでバンド名だけ挙げさせていただきますね。ぜひ聴いてみてください。
Good Dog Happy Men
VIVA LOVE
namidacoat
ポラリスカブ
e-sound speaker
ストライカーズ
the strange drama

投稿: リスト係 | 2010年5月20日 (木) 10時09分

>ブラックシープさん
僕もリンク先の記事を読んで「そういえば最近・・・」と思ったのですが、面白いバンド、最近、増えていますよね。
the HANGOVERSというバンドは初耳です。さっそく公式サイトで音を聴いてみたのですが、確かにthe pillowsタイプのバンドでなかなかよさげですね。機会があれば、アルバムも聴いてみたいです。

>リスト係さん
神聖かまってちゃんも、音的には、ストレートなギターロックって感じですね。意外とシンプルなロック路線な感じがします。
他のお勧めのバンド、実はほとんど知りません・・・(^^;;
こちらも、どのバンドも聴いてみたいです!

投稿: ゆういち | 2010年5月21日 (金) 00時08分

かまってちゃん、
ヲタ層に関係なくゆういちさんからも評価高いと知れて嬉しいです^^

他にも踊ってばかりの国や嘘つきバービーや壊れかけのテープレコーダーズ
あるブログで紹介されていて
名前のインパクトから入ったのですがすっかりハマってしまいました

語れるほどシーンは知らないんですけど
賑やかで面白くなってきている、そんな片鱗は感じます

投稿: ヒノキオ | 2010年5月29日 (土) 19時47分

>ヒノキオさん
かまってちゃんは、オタク層に限らず、どこか世間に鬱屈した思いを感じているような若い世代には、かなり共感を呼ぶのではないでしょうか?ライブパフォーマンス、You Tubeで見て、すごいなぁ、と思います。生でも一度見てみたいなぁ。
>嘘つきバービーや壊れかけのテープレコーダーズ
嘘つきバービーは名前を聞いたことあるくらいで、どちらも曲は聴いたことありません。インパクトある名前ですね~。どちらも一度聴いてみたいです。
今のシーンは、なかなかおもしろくなってきているなぁ、と思いますよ。まだまだおもしろいバンドは増えてくるんじゃないかな?楽しみです。

投稿: ゆういち | 2010年5月30日 (日) 17時41分

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