« 小室哲哉の曲が1位に! | トップページ | アルバムチャートはあのアルバムが3週連続1位! »

2010年5月13日 (木)

ある1日の物語

Title:うれしくって抱きあうよ
Musician:YUKI

うれしくって抱きあうよ

YUKIの今回のニューアルバムは、アルバムを通じて、1日を描いた、コンセプチュアルな作品になっています。

1曲目の「朝が来る」は、そのタイトルの通り、ある日の朝をイメージした作品。どこかけだるい雰囲気の中で、一方では明るい希望を予感させる曲調は、まさしく「朝」というイメージにピッタリの作品です。

その後の前半は、明るく、祝祭色のある楽曲が並んでいます。それは、まさに明るい日差しに誘われて、外で楽しく遊びまわる、日中の風景を描いたような作品。特に、ビックバンド風のアレンジをほどこした「恋愛模様」は、古き昭和時代の駆け落ちの模様を描いた歌詞が、とても独特で、特に雰囲気のある作品に仕上がっています。

そして、このアルバムの、ある意味ハイライトとなるのが、タイトル曲でもある「うれしくって抱きあうよ」でしょう。

歌詞の内容は、いわゆる恋人同士のSexを描いたような歌詞になっているのですが、でも、決していやらしくなく、むしろ好きな人同士が、タイトル通り、一緒にいられる喜びから、うれしくて抱きあう、というとてもピュアで、暖かみのある歌詞になっていて、とても素敵な曲に仕上がっています。

そしてその後の「ミス・イエスタディ」「汽車に乗って」は、ちょっと切ない雰囲気を聴かせるナンバー。あえていえば、ベッドの中で、昔のことを思い出している・・・といった感じでしょうか?

さらにアコギのアルペジオでしんみり聴かせる「同じ手」は、いわば子守唄。そしてラスト、タイトルそのまま「夜が来る」は、やはり夢の中、でしょうね。静かな雰囲気の中、1日が終わりをつげます。

こんな素敵なポップソングが流れる1日は、とても楽しい1日なんでしょうね~。エレクトロポップからギターロック、ジャズにバラードと、様々なバリエーションの曲を聴かせてくれます。それでもアルバム1本、しっかりと筋が通っているのは、このコンセプチュアルな歌詞の内容と、彼女のボーカルがあればこそ、なんでしょう。タイトル通り、とてもうれしくなってしまう、ポップアルバムでした。

評価:★★★★★

YUKI 過去の作品
five-star


ほかに聴いたアルバム

SWITCHING ON X/FAKE?

SWITCHING ON X

KENのソロプロジェクトとなったFAKE?の3年ぶりとなるニューアルバム。ドリームポップ風の作品もあったり、エレポップ風の作品があったりと、それなりの幅の広さは感じる一方、全体的には、ちょっと前のハードロック風の作品が目立ったような印象が。個人的には、やはりOBLIVION DUSTの音の方が好きかも。ただ、再結成後、最近、あまり活動をしていないみたいなOBLIVION DUSTは、今後、どうしていくんだろう?

評価:★★★★

|

« 小室哲哉の曲が1位に! | トップページ | アルバムチャートはあのアルバムが3週連続1位! »

アルバムレビュー(邦楽)2010年」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ある1日の物語:

« 小室哲哉の曲が1位に! | トップページ | アルバムチャートはあのアルバムが3週連続1位! »