川本真琴復活!!
Title:音楽の世界へようこそ
Musician:川本真琴 FEAT.TIGAR FAKE FUR
川本真琴、復活!
途中、ミホミホマコトや、タイガーフェイクファなど、別名義でのリリースはあったものの、(タイガーフェイクファがフューチャリングという形態とはいえ)川本真琴名義ではなんと9年ぶりとなるニューアルバムが発売されました!
正直、もう、川本真琴はポップスシーンには戻ってこないのかとすら思っていたのですが・・・。
「音楽の世界へようこそ」というタイトルは、むしろ僕らから彼女に、そう呼びかけたいタイトルです(笑)。
ただ、以前の、「DNA」や「桜」のあたり、一番売れていた時期の川本真琴をイメージすると、ちょっと拍子抜けするかもしれません。突き抜けるような明るいポップに、鼻にかかったようなロリータボイスで、とてもかわいらしい女の子の歌・・・という、以前の川本真琴のイメージは、あまり(全く・・・とはいえないな。ちょっとそういう要素も見え隠れするので)ありません。
はっきりとしたキャッチーなメロディーはなく、どちらかというと地味な印象。しかし、落ち着いたポップなメロディーラインをしっかりと聴かせてくれる、そんな素敵なポップソングが並んでいます。
最初聴いた時は、ちょっと戸惑いながらも、「これが今の彼女かぁ」と思いながら、それなりに楽しみながら聴いていました。
でも、その後、下で紹介するベスト盤を聴くと、やはりあの頃の彼女の歌声に惹かれ、「やはりこのアルバム、ちょっと地味だよなぁ・・・」と思いました。で、再度、このアルバムを聴いてみたのですが・・・
いや、これはこれでいいアルバムじゃないか?という思いに至りました。
どこか田舎の家の縁側に座るジャケット写真といい、草むらの中でしゃがむ、中ジャケの写真といい、ナチュラルテイストをイメージさせるのですが、このアルバムの楽曲も、そんな自然の中で伸び伸びと歌う彼女の姿をイメージさせる、爽やかで、そして自然体の彼女の姿が収録されていたと思います。
「アイラブユー」あたりの歌詞は、ちょっとかつての彼女も思い起こさせますしね。「何処にある?」や「マギーズファームへようこそ」あたりは勢いのある明るい曲調は、やはり耳を惹きます。また、「へんね」などは、祭りのリズムを取り入れるなど、とても楽しげな作品に仕上がっていました。
今の、川本真琴の等身大の姿を収録した、肩肘の張らない素敵なポップスアルバムだと思います。今後はまた、コンスタントに作品を聴かせてくれるのかなぁ?これからも、また素敵なポップソングを聴かせてほしいです!
評価:★★★★★
で、ほぼ同時期に発売された、かつてのシングル曲を収録したベスト盤。
Title:The Complete Single Collection 1996~2001
Musician:川本真琴
「愛の才能」「1/2」「DNA」「桜」・・・・・・大ヒットした彼女の名曲の数々が収録された曲たち。今聴いても、とても楽しめる曲ばかりですし、積極的な女の子の恋心を、彼女のロリータボイスで歌われると、ちょっとドキっとしちゃいます(笑)。
「桜」とか、あの声で、明るく「キスしようか」って歌われると、やはり男心としては、ドキっとしちゃいません??(笑)
ちょっとエッチな雰囲気もありながらも、楽曲は至って陽性で爽やか。「愛の才能」など、岡村ちゃんテイストの、ファンキーなリズムがベースにあり、歌詞もちょっとエッチな内容もありつつも、変に下品にならずに爽やかさすら感じられるのは、彼女が歌うからこそでしょうか。
ただ一方で、後半の楽曲になると、どこか「音楽の世界へようこそ」へ繋がるような要素も見え隠れするのも事実。音楽業界と肌があわず、活動休止状態になる彼女ですが、やはり初期の作品群は、彼女のやりたい音楽とは違っていたのでしょうか?それでもなお、この時期の彼女の作品は、今でも圧倒的な個性を感じ、輝きをはなっています。
でも、「愛の才能」のヒットからもう14年もたつんだよなぁ。「ブロッサム」からも9年。もう、若い世代の人には、彼女のことをあまり知らない人も多いんでしょうね。
だからこそ、若い世代の人にも聴いて欲しい!!特にこの歌詞の世界は、高校生あたりの思春期まっさかりの世代こそ共感できる部分も多いかも?川本真琴、もっともっと再評価されてしかるべきミュージシャンだと思います。
評価:★★★★★
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