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2010年5月

2010年5月31日 (月)

自分たちのスタイルで

Title:ファンファーレと熱狂
Musician:andymori

ファンファーレと熱狂

自分は、大学時代、はじめて東京に出てきたのですが、その時に都会の現実にショックを感じたのは、電車の人身事故の多さでした。

地元だと(最近はそうでもなくなってきてしまいましたが・・・)人身事故で電車が止まったら、翌日の新聞に、それなりにニュースになって報じられたりします。私も、東京で最初に人身事故に出会った時、翌日の新聞で、その記事を探しましたが・・・どこにも出ていませんでした。

東京では、人身事故があまりにも多すぎて、ニュースにならない・・・

andymoriのこのアルバムで印象的だったのは、普通、歌詞であまり用いられない「人身事故」というワードが、3箇所も使われているということ。「オレンジトレイン」というタイトル通り、おそらく、人身事故のメッカとして有名な、中央線沿線に住んでいた経験からかもしれませんが、ひょっとしたら彼らも、人身事故の多さに、都会の冷たさと、現実を感じ、それが歌詞にあらわれたのかな・・・ふと、そんなことを考えてしまいました。

さて、先日、最近、おもしろいインディーバンドが増えてきている、という話題をしましたが、彼らandymoriもまた、今注目の新人バンドの一組です。

彼らでおもしろいのは、楽曲の随所から、ソウルだとか、オールドスタイルのロックンロールの臭いを感じます。ただ、例えばTHE BAWDIESのように、その影響を躊躇なく楽曲に押し出すのではなく、一度、自分の楽曲の中で消化し、楽曲の要素のひとつとして、上手く取り込んでいます。

そのため、彼らの楽曲からは、オールドスタイルのロックやソウルだけではなく、オルタナ系のギターロックやらフォークやらの影響も感じます。また、歌詞にしろメロディーにしろ、どこか叙情的な雰囲気を感じる、いわば日本的なものを感じるのも、彼らの大きな魅力かもしれません。

歌詞は、上でも書いた通り、「人身事故」なんていうキーワードを用いながら描く、都会のリアリティーが印象的。また、「Transit in Thailand」「バクダッドのボディーカウント」のような、皮肉な視点を感じる社会派の歌詞も聴かせてくれます。

正直なところ、ちょっと地味な印象もあるのですが、聴きこめば聴きこむほどおもしろいバンドだなぁ、と思いました。まだまだ荒削りな部分もあり、今後が楽しみなバンドです。おもしろいバンド、本当に最近は多いですね。次回作以降、期待です。

評価:★★★★★

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2010年5月30日 (日)

古き良き歌謡曲

Title:大瀧詠一 Song Book I-大瀧詠一作品集Vol.1(1980-1998)-
Musician:大瀧詠一

大瀧詠一 Song Book I-大瀧詠一作品集Vol.1(1980-1998)-

この作品は、1991年にリリースした大瀧詠一の作品集のリメイク作品。1997年にヒットを記録した、「幸せな結末」もあらたに収録されています。

大瀧詠一が、80年代に、数々の歌手に提供した、いわゆる「歌謡曲」が収録されたこの作品。松田聖子や山口百恵、西田敏行(!)、さらにラッツ&スターや太田裕美といった、80年代の歌謡曲全盛期を彩る歌手たちに提供した楽曲が並んでいます。

中には、いかにも時代を感じさせるようなアイドルソングもあって、ちょっと抵抗感もある部分も否めなかったのですが、聴き進むにつれて、どんどんとこのアルバムにはまっていきました。

聴いていて、とにかくワクワクするような珠玉のポップチューン・・・・・・という表現は、ちょっと陳腐な言い方かもしれません。とはいえ、作りこんだポップな甘いメロディーラインに、そんなメロディーを彩るような、分厚くも、きちんと楽曲をひきたたせるアレンジ。ところどころに強く感じられる、洋楽風の要素もあいまって、難しいこと抜きにして、楽しくなってくる楽曲ばかりです。

なんか、歌謡曲の理想像って感じがするなぁ~。必要以上に凝ったアレンジを入れてきたり、メロディーよりもリズムを重視する最近のヒット曲・・・も、単純に否定は出来ないのですが、いまいちど、立ち返る歌謡曲の原点のひとつ、かもしれません。

どの曲も名曲揃いなのですが、渡辺満里奈「うれしい予感」は、ペットサウンズばりの分厚いアレンジと、ポップなメロディーがとても心地よくはまりました(95年の作品なので、歌謡曲が衰退した後の作品なのですが)。また、山口百恵「哀愁のコニー・アイランド」は、歌に絶妙な色気とパワーがあり、彼女のボーカリストとしての力を感じました。

とにかく、誰が聴いても楽しめる良質なポップチューンばかりの作品。91年の旧作を聴いた人にとっては、あまり追加で楽しめる要素が薄く、評判がよくないみたいですが、旧作を聴いたことない人なら、文句なしにお勧めの名曲集です。

評価:★★★★★

で、それと同時に発売されたのが、こちらのアルバム。

Title:大瀧詠一 Cover Book I-大瀧詠一カバー集Vol.1(1978-2008)-
Musician:大瀧詠一

大瀧詠一 Cover Book I-大瀧詠一カバー集Vol.1(1978-2008)-

原曲があれだけ素晴らしければ、カバーはやはり苦戦するだろうなぁ・・・なんて思いながら聴いていました。

正直、前半に関しては、ちょっと薄っぺらい感じのカバーが多くて、やはり原曲の方がいいのかなぁ、なんて思いながら聴いていたのですが、濃ゆいカバーがおさめられていたのが後半から。

小林旭「アキラのさらばシベリア鉄道」は、原曲に感じられた、異国の風味が消えて、「これぞ男の歌謡曲」といった泥臭いナンバーに。続く植木等「FUN×4」も、昭和30年代あたりの昔懐かしいコミックソングそのままの雰囲気。どちらも、「名カバー」と「迷カバー」の中間あたりの雰囲気ながらも、ある種の味のあるカバーになっていました。

さらに続くウルフルズ「大阪ストラット」は、もう完全にウルフルズの曲になっていましたね。ソウルフルに歌い上げるこのナンバーは、まさに名カバーといえるでしょう。

田島貴男ボーカルによる、ピチカートファイヴ「指切り」も、今となっては一般的なピチカートのイメージからは異なる雰囲気があるものの、ブルージーなギターが印象的な、名カバーに仕上がっていました。

カバーによって、出来不出来はいろいろあって、やはり原曲の方がいいなぁ、と思う曲もちらほらあったのですが、名カバーも多く収録されていて、「Song Book 1」とあわせて聴きたい企画アルバムです。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

TOKYO60WATTS/東京60WATTS

TOKYO60WATTS(DVD付)

初のベストアルバム。全編、ピアノを効果的に取り入れた、ジャズやソウルの要素もふんだんに感じられる軽快なポップチューン。「すべてのバカモノへ」をはじめ、ユーモラスのある歌詞も魅力的・・・なのですが、いまひとつ売れないなぁ、彼らも。メロディーは十分ヒットポテンシャルがあると思うし、一発くらい当ててもいいと思うのですが。まだ聴いたことない方は、このベスト盤から、どうぞ。

評価:★★★★★

東京60WATTS 過去の作品
夏は終わりぬ
60
nowhere

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2010年5月29日 (土)

前作のようなサイケデリックな雰囲気は薄いけれども

Title:CONGRATULATIONS
Musician:MGMT

Congratulations

前作「Oracular Spectacular」が大きな話題となり、一気に注目を集めたアメリカの2人組バンド。前作の評判の良さから、この新作への注目も集まり、ビルボードでは、なんと2位という大ヒットを記録しています。

ただ、この作品、前作のような、ドリーミーでサイケデリックな雰囲気をイメージすると、少々肩透かしをくらうかもしれません。

カテゴライズすれば、確かにこのアルバムも「ドリーム・ポップ」というジャンルでカテゴライズされるのかもしれません。が、全体的には、幻想的な雰囲気は薄め。「I Found a Whistle」「Lady Dada's Nightmare」あたりは、ちょっと幻想的な雰囲気を出しているものの、アルバム全体としては、比較的アレンジもシンプルな、ポップアルバムに仕上がっていました。

そういう意味で、このアルバム、評価は賛否両論。ただ、個人的には、そんなによくない出来かなぁ~というのが正直なところです。

特に、MGMTの大きな持ち味であるメロディーの良さは本作も健在でした。「It's Working」「Song For Dan Treacy」は、どこか懐かしさも感じるようなメロディーが印象的でしたし、終盤の「Congratulations」も、静かなアレンジで、ポップなメロディーをしっかり聴かせる楽曲に仕上がっていました。

確かに、サイケでドリーミーなアレンジが新鮮でインパクトのあり、年間ベストに様々な雑誌で選ばれた前作に比べると、少々薄味なのは事実でしょう。ただ、この作品もこの作品で、MGMTの魅力をしっかりと感じることが出来た作品だったと思います。

さて、今回の作品でちょっとおもしろかったのは、アルバムの至るところで、ミュージシャンの名前が顔を出すところでした。

「Song For Dan Treacy」で捧げられている「Dan Treacy」とは、Television Pesonalitiesというバンドのリーダーだそうですし、タイトルそのまま「Brian Eno」という曲もありますし、Lady Gagaならぬ「Lady Dada's Nightmare」という楽曲もありますし・・・。

そういえば、椎名林檎も自分のアルバムで、様々なミュージシャンの名前を出したりしていましたが、自分の尊敬するミュージシャンたち(Lady Gagaの名前は微妙ですが)を簡単に自分の曲に登場させる感覚は、最近の若者の感覚といった感じなのでしょうか?(って、椎名林檎は、もう「最近の若者」ではないですし、彼らも、もう20代後半みたいなので、「最近の若者」と言ってしまうのは、ちょっと違うのかもしれませんが)

前作から、過度な期待をして・・・となってしまうと、ちょっと期待はずれになってしまうかもしれませんが、これはこれで、十分「傑作」といえる内容だっと思います。次回作はどういう方法に進むのでしょうか?ただ、この美しいメロディーラインがあれば、またたくさんの名曲に出会えそうです。

評価:★★★★★

MGMT 過去の作品
Oracular Spectacular


ほかに聴いたアルバム

I Started Out With Nothin And I Still Got Most Of It Left/Seasick Steve

I Started Out with Nothin and I Still Got Most of It Left

邦題「人生やりなおしブルース」。まさにそのタイトルの通り、御年60歳にしてブレイクした、白人ブルースシンガー。今年のBRIT AWARDにノミネートされて話題になりました。昔ながらのブルース路線から、もうちょっとロック路線に近いような作品まであって、コアなブルース好きから、ロックリスナーまで楽しめそうな作品。やはり年季の入ったブルースは、心に響くものがありました。

評価:★★★★★

Grace/Wastelands /Pete Doherty

Grace/Wastelands

ご存知、リバーティンズ、ベイビー・シャンブルズのピート・ドハーティの、初となるソロアルバム。そのイメージ・・・からすると、かなり意外な感じの、アコースティックな内容。ジャジーな作品やら、下手すればムード音楽?な楽曲まであったり、意外な音楽性の広さを感じました。

評価:★★★★

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2010年5月28日 (金)

VOCALOID作品初の1位。されども・・・。

今週の着うたチャート

2010年5月19日~2010年5月25日付チャート

先週に続き、今週も着うたチャートは新譜ラッシュとなりました。

今週の1位は先週に続き西野カナ「会いたくて 会いたくて」がランクイン。やはり強いですね。シングルチャートでも今週2位にランクインしており、着実に人気を伸ばしています。

続く2位3位はいずれも初登場。2位はHoney L Days「まなざし」。男性2人組のデゥオで、5月26日発売シングルの先行配信。オーソドックスなポップソングで、ちょっとコブクロ風な部分も?TBS系ドラマ「タンブリング」主題歌にもなっており、シングルでもヒットの兆しが??

3位には菅原紗由理「素直になれなくて」がランクインです。フジテレビ系の同名ドラマの挿入歌。シングルチャートでは初登場18位に終わり、少々不振気味だったのですが、着うたでは見事ベスト3入りしてきました。しかし彼女も、前作が「ファイナルファンタジー」の主題歌だったりと、完全にレコード会社や事務所的には、露骨に売ろうとしていますね。ただ、それがいまひとつ人気に結びついていないのが厳しいところですが・・・。

初登場は、残り7位から9位に並びました。

まず7位に、JUJU「Trust In You」がランクイン。26日販売予定シングルの先行配信です。8位にはMINMI「ハイビスカス」が入ってきました。これからの夏場にふさわしい、ラテン調のダンスチューン。こちらも26日発売予定シングルの先行配信です。

さらに9位にSoulja「はなさないでよfeat.青山テルマ」がランクインしてきました。Souljaと青山テルマといえば、「ここにいるよ」のヒットで、ラップ+泣き歌の、着うたヒットの王道路線の走りともいえるミュージシャン。この曲もまた、そんな王道路線を突っ走っています。ただ、Souljaが青山テルマと組むのはこれが最後だとか。ただ、「コンビ解消」とか書かれていますが、別に、ユニット組んでいた訳じゃないんですが。

しかし、Souljaも青山テルマも、これからが厳しいなぁ。既に着うたですら、9位と決して好調な訳ではないし。Souljaは、次は鬼束ちひろの「月光」をリメイクしてリリースするとか。完全に、他人のふんどしで相撲を取るスタイルでしか売れなくなっちゃっていますね。意外といいミュージシャンなんだけどなぁ、Soulja・・・。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週のアルバムチャートは、着うたチャートと異なり、再び新譜が少ない、ちょっと寂しいチャートとなりました。

EXIT TUNES PRESENTS Vocalogenesis(ボカロジェネシス)feat. 初音ミク(ジャケットイラストレーター 三輪士郎)【数量限定初音ミクストラップ付き】

そんな中で1位を獲得したのが、VOCALOID初音ミクの楽曲を集めた「EXIT TUNES PRESENTS Vocalogenesis feat.初音ミク」。VOCALOIDの作品としては、初の1位獲得となりました。

初音ミク関係の初の1位ということで、ネット上ではちょっとした騒ぎになっているみたいです。ただ、初の1位とはいっても、初動売上はわずか2万3千枚。初動売上では、以前にリリースされた「初音ミクベスト~impact~」の初動2万6千枚、「初音ミクベスト~memories~」の初動2万5千枚も下回る結果になり、また、同じく初音ミク関係では、supercellの「supercell」が初動5万6千枚を売り上げていた事実を考えると、売上的には、一時期のピークを越えて、むしろ一段落したような印象があります。

ちなみに、2位には、先週まで1位を独走していた徳永英明「VOCALIST」がランクイン。続く3位には、Justin Bieber「MY WORLDS」が、発売日の関係で先週のベスト10圏外からランクアップし、見事ベスト3入りを果たしました。

Justin Bieberは、カナダ出身の弱冠16歳のR&Bシンガー。16歳でのベスト3入りは、洋楽では歴代最年少記録だとか。アメリカでも高い人気を見せているみたいですが、日本でも一気に火がついた形になりました。

アルバムで初登場はあと1枚。6位に、テレビ東京系アニメ「テニスの王子様」のキャラクター、白石蔵ノ介のアルバム「POISON」がランクインしています。

今週のチャートは以上。それではまた、来週の水曜日に!

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2010年5月27日 (木)

リスナーの壺をつく

今回は、SUGIURUMNの、デビュー10周年を記念してリリースされた、2枚のアルバムを紹介します。

1枚目は、彼のミディ在籍時にリリースした楽曲を、セルフリミックスで収録した初期ベストに、新曲を5曲収録したアルバム。

Title:Midi In Midi Out
Musician:SUGIURUMN

ミディ イン ミディ アウト

10曲のうち新曲5曲と、ある意味、オリジナルなのかベスト盤なのか、いまひとつはっきりしないアルバムです(笑)。

ただ、アルバム全体としては、テンポのよいポップなインストナンバーがメインとなっていて、統一感はとられています。それだけに、聴いていて1枚のアルバムとして、違和感はありません。

そして、もう1枚は、ボーカルトラックのみを収録した、企画ベスト盤。

Title:Do You Remember That Night?
Musician:SUGIURUMN

Do You Remember That Night?

こちらは、全曲、とても爽やかな雰囲気をハウスチューンがメイン。男性ボーカルと女性ボーカルがほぼ交互に収録されている点も、ある種のバランスの良さを感じます。

そして、このどちらのアルバムにも共通して感じられるのは、どちらもリスナーの壺を上手くついたような作品だなぁ・・・という点でした。

正直言うと、どの楽曲についても、決して斬新さみたいなものは感じられませんでした。特に、「Do You Remember That Night?」に収録されている曲なんかは、よく聴きタイプの曲だなぁ・・・と思ったりして。

ただ、一方で、どの曲も、いい意味でリスナーの期待を裏切らない、しっかりとリスナーの壺をついたナンバーが並んでいます。決して飛びぬけてインパクトのあるナンバーがあるわけではありませんが、最後までだれることなく、ポップなメロディーとテンポよいリズムを楽しませてくれました。

評価
「Midi In Midi Out」:★★★★
「Do You Remember That Night?」:★★★★


ほかに聴いたアルバム

SKYROCKET/SCRIPT

SKYROCKETS

「ESCAPE」のヒットなどでおなじみのMOON CHILDの元メンバー2人によるユニット。MOON CHILDから続く、ポップでファンキーなナンバーは、十分なヒットポテンシャルを感じる一方で、そのまんま岡村靖幸な曲も含み、全体的には、(MOON CHILD時代から考えると)少々マンネリ気味。1曲ヒットしても、またMOON CHILDみたいに後がつづかなそう・・・。

評価:★★★★

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2010年5月26日 (水)

相変わらずの強さ

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週の第1位は、「Monster」が獲得しています。

日テレ系ドラマ「怪物くん」の主題歌となったこの曲は、初動54万3千枚を記録。前作の54万2千枚からほぼ横バイの数値ながら、圧倒的な強さで1位獲得です。しばらく、この勢いは続きそうです。

2位は、西野カナ「会いたくて 会いたくて」が入ってきました。「着うたの女王」として、この曲も、当然のように着うたチャートで1位となっていますが、シングルチャートでも最近は、徐々に売上を伸ばしています。この曲も、初動3万8千枚と、前作の初動2万4千枚を大きく上回る結果に。好調なすべりだしを見せています。

さて、初登場は今週は少なめ。あと2曲が初登場でランクインしています。

まず4位にFTIsland「Flower Rock」がランクインしています。韓国の人気ロックバンドの日本デビュー作・・・らしいのですが、楽曲は、完全に一昔前のビートロック。韓国のバンドなのに、最近の日本のバンド以上にJ-POPらしい曲になっています(^^;;加えて、アイドル風のルックスという点が、アイドル的人気を呼んだのでしょうか?

8位には、L'Arc~en~CielのベーシストTETSUYAのソロシングル「Roulette」がランクインしています。テレビ東京系アニメ「HEROMAN」のオープニングテーマ。ただ、初動は9千枚と、前作の初動1万7千枚を下回っており、タイアップ効果は生じなかった模様です。

また、今週、10位に、moumoon「Sunshine Girl」が、先週の12位からランクアップし、初のベスト10入りを記録しています。moumoonは、avexの女性vo+男性の2人組ユニット・・・というと、いかにもavex系らしい商業ミュージシャンをイメージしたのですが、これが既にメジャーで7枚目のシングルだそうで、楽曲は意外と軽快で爽やかな洋楽テイストを感じるナンバー。資生堂ANESSAのCMソングとしてヒットを記録していますが、今後、また伸びてくるか?

ロングヒット組では、坂本冬美「また君に恋してる」が、今週は8位から6位にアップ。ただし、売上は1万4千枚から1万2千枚にさらにダウンしています。また、根強い強さなのが、DOES「バクチダンサー」。なんと先週の22位から7位に一気にランクアップ。売上も5千枚から1万枚に倍増しています。おそらく、14日に発売された、「銀魂」描き下ろしデジパックジャケットアンコールプレスの影響でしょう。なんか、なりふり構わない感じがするのですが・・・でも、彼らは、「銀魂」に絡まないと、悲しいほど売れないので、こういう戦略も仕方ないのかなぁ・・・。

ちょっと初登場が少なめのシングルチャートは以上!アルバム&着うたチャートは金曜日に。

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2010年5月25日 (火)

つつみ込むような暖かさ

Title:にほんのうた 第四集

にほんのうた 第四集

コモンズ・レーベルから、シリーズとして発売されている、日本の童謡・唱歌を、現在のミュージシャンたちがカバーする「にほんのうた」シリーズの第4弾。本作では、坂本龍一や元ちとせ、細野晴臣や、なんと、岡林信康(!)が、にほんのうたを、それぞれのスタイルでカバーしています。

今回カバーしているのは、ジャケットタイトルからもわかるように冬の歌。「とうだいもり」「たきび」のような古くからの童謡から、「北風小僧の寒太郎」みたいに、比較的、最近のナンバー。そして「雪の降る街を」・・・ってこれ、歌謡曲では??

このシリーズは、前作「第三集」から聴きはじめたのですが、前作に関しては、いかにもサブカル風の凝ったアレンジが、原曲の良さを壊しているなぁ・・・という風にも感じました。もっと、シンプルに、メロディーと歌詞を生かせばいいのに、と。

しかし、今回の作品については、冬というイメージからも来るのでしょうか、アコースティックでシンプルなアレンジに、しっかりメロディーと歌詞を聴かせて、曲の持つ本来の良さを聴かせてくれた作品が多かったような印象を受けました。

個人的には、やはり岡林信康「とうだいもり」。フォーキーな雰囲気が楽曲にもピッタリマッチしていて、楽曲の良さを存分に引き出していたと思います。また、同じくアコースティックな雰囲気の中山うり「たきび」もよかったですし、最近、ちょっと名前を聴かなくなってしまった手嶌葵坂本龍一が組んだ「雪の降る街を」も良かったです。手嶌葵のボーカルは、やはりいいですね~。

他には、こちらはアコースティックではなく、エレクトロニカなアレンジとはいえ、嶺川貴子+rei harakami「ペチカ」。rei harakamiの出す音は、こういう冬の曲にピッタリですね。上で「あまり凝ったアレンジはどうも・・・」と書いたのですが、この曲に関しては、rei harakamiのアレンジが、曲の良さをさらに引き出していました。

冬の曲・・・ということで、いまさら紹介するのはちょっと時期はずれになってしまいましたね。でも、時期関係なく、いつ聴いても楽しめる、そんなアルバムだったと思います。

評価:★★★★★

にほんのうた 第三集

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2010年5月24日 (月)

話題のダウンロード作品をまとめてリリース

Title:A-Z Vol.1
Musician:ASH

A-Z Vol.1

前作「Twilight Of The Innocents」リリース前に、これからはダウンロード主体の販売に切り替え、旧来のCDによるアルバムリリースは最後になる・・・ということを宣言し、話題となりました。

その後、実際に、「A-Z Series」と名付け、アルファベットの「A」として「True Love 1980」をリリース。そこから、アルファベット順に、2週間に1曲をダウンロードとLPの販売でのリリースを続けてきました。

それだけに、もうCDの形態ではASHの曲は聴けないのかなぁ・・・なんて思っていたら、アルファベットの「A」にあたる曲から、「M」にあたる曲までをまとめてアルバムをCDでリリース。なんだかんだいっても、CDの形態でのリリースするんだ、と思ったのですが。

ただでさえ、ポップでキャッチーな曲調が印象的だったASH。そして今回のアルバムは、いわばシングルの集合体。それだけに、このアルバム、とにかくインパクトの強い、ポップなギターロックチューンがつまっています。

それだけに1曲1曲をひろって聴くと、気持ちのいいポップの名曲ばかり・・・なのですが、さすがにアルバム単位で聴いてしまうと、似たタイプの曲も多く、正直、最後の方は少々飽きが来てしまいました。全20曲と、かなりボリュームのある内容である点も、飽きが来てしまったひとつの要因なのですが。

日本盤限定の初回版には、アコースティックやエレクトロによるリミックス曲が収録されたボーナスディスクがついているのですが、下手したらこちらの方がアレンジのバリエーションがあって、ASHのメロディーの良さと相まって、最後まで飽きずに聴けたかも・・・。

ちなみに日本盤には、日本のファンに向けて「KAMAKURA」という曲が収録されています。この曲は、楽曲に日本の地名を織り込んだナンバーで、日本のライブでは盛り上がりそうだなぁ。やはり、日本人としてはちょっとうれしくなってしまいます(笑)。

これが、10曲程度に収録曲を抑えてくれたら、かなりの傑作アルバムになっていたような気もするんですよね。1曲1曲はいいなぁ、と思った曲が多いだけにおしい感じです。

やはり、この後、「Z」まで進んだら、この作品の「Vol.2」も出るんですよね~。そちらはそちらで楽しみです。

評価:★★★★


ほかに聴いた作品

FEARLESS/TAYLOR SWIFT

フィアレス

今年のグラミー賞で4冠に輝き、大きな話題となったアメリカの女性カントリーシンガー。グラミー賞受賞をきっかけに、日本でも大きな話題となりました。カントリー、というと、日本ではいまひとつなじみがなく、また、アメリカの保守的な楽曲という印象も強いのですが、この曲は、基本はもちろんカントリーながらも、ポップなメロディーが聴きやすく、普通のガールズポップとして、日本人にも抵抗なく楽しめる作品だと思います。

グラミー賞受賞でいきなり日本でも売れだすのは、ちょっと安直だなぁ・・・(といっても、自分もそれをきっかけに聴いただけに、全く人のことはいえませんが)と思いつつも、日本人にもすんなり受け入れられたのも納得のアルバムだったと思います。

評価:★★★★

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2010年5月23日 (日)

大人の余裕??

Title:STAR BLOWS
Musician:The Birthday

STAR BLOWS

デビュー当初は、どうしても元ミッシェル・ガン・エレファントのチバのバンド、というイメージが強かったThe Birthday。しかし、ここ最近、徐々に「チバのバンド」というよりも、ロックバンドThe Birthdayとしてのスタイルをしっかりと築きつつあります。

今回のアルバムで特徴的だったのは、収録されている楽曲の長さ。平均で5、6分。一番長いラストの「SUPER SUNSHINE」に至っては、11分にも及ぶ楽曲になっています。

彼らみたいなタイプのバンドは、勢い重視。バンドとしてのテクニックやグル―ヴよりも、勢いにまかせた初期衝動的なサウンドを重視するために、2、3分程度のポップソングがメインとなってきます。

だからこそ、逆にそれを5分も6分も続ける、というのは、それだけバンドとしての自信があるという意味でしょう。事実、ガレージパンクのような勢いを維持しながらも、バンドとしてのグル―ヴ・・・という言い方は少々抽象的なのですが、5分や6分という長さも飽きさせないような、楽曲のリズムを、しっかりと作り上げています。

ここらへんは、やはりそれなりのキャリアがある人の集まりというバンドの性質ならではかな?そういう意味で、大人の余裕、というものを感じることが出来ました。

一方、大人の余裕といえばインパクトがあったのが、先行シングルにもなった「愛でぬりつぶせ」でしょう。「愛でぬりつぶせ」と歌う歌詞は、あまりにもストレート。下手すれば青臭さまでも感じさせてしまいます。歌詞の青臭さは、たとえばミッシェルの曲にも感じる部分はあったのですが、ここまでストレートなのは珍しいかも。こういう曲をサラリと歌ってしまうあたりも、彼らの余裕を感じさせます。

アルバムがすすむにつれ、どんどんとThe Birthdayとしてのスタイルを確立し、いまだに成長を続けているように感じます。個人的に、いままでのアルバムでベストだったかも。そろそろ、「元ミッシェルのチバとクハラの・・・」なんて文句、いらなくなってきましたね。

評価:★★★★★

The Birthday 過去の作品
TEAR DROP
NIGHT ON FOOL


ほかに聴いた作品

Four/Ken Yokoyama

勢いのあるメロディアスパンクの・・・というよりも、全体としては、アップテンポなポップスアルバム、という印象になってしまいます。もちろん、ストレートなパンクロック路線の曲もあるのですが、アコギとピアノでしっかり聴かせる曲や、ビーチボーイズの影響を感じさせる(?)ようなナンバーまで、意外と幅広く、「ポップ」という点を軸に貫いている曲が集まっていました。

評価:★★★★

斉藤“弾き語り”和義 ライブツアー2009≫2010 十二月 in 大阪城ホール ~月が昇れば 弾き語る~/斉藤和義

斉藤“弾き語り”和義 ライブツアー2009≫2010 「十二月 in 大阪城ホール ~月が昇れば弾き語る~」LIVE CD(通常盤)

恒例の弾き語りライブイベント「十二月」の模様をおさめたライブCD・・・って、同じ「十二月」シリーズでのライブCDはこれが4枚目って、ちょっと出しすぎじゃない(^^;;

まあ、楽曲自体は申し分ないだけに、聴いていて楽しめるし、ライブ会場の雰囲気もそれなりに伝わるし、「せっちゃん」らしい、歌詞の一部をエロチックに変えちゃった歌を聴かせてくれたり・・・とユーモラスな部分も含めて楽しめるライブ盤だとは思うのですが。熱心なファン以外は、過去のライブ盤から1枚聴けば十分、かも。

評価:★★★

斉藤和義 過去の作品
I (LOVE) ME
歌うたい15 SINGLES BEST 1993~2007
Collection "B" 1993~2007
月が昇れば

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2010年5月22日 (土)

恋愛の教祖

恋愛の教祖・・・・・・といういいかたもかなり陳腐な表現なのですが、そう言われてみなさんは、誰を思い浮かぶでしょうか?やはりユーミン??でも、彼女もまた、「恋愛の教祖」という呼び方にふさわしいのではないですか?

Title:The Singles Sony Music Years 1993~2002
Musician:古内東子

THE SINGLES SONY MUSIC YEARS 1993~2002【Blu-spec CD(TM)】

彼女のソニー時代の楽曲を網羅したベスト盤。発表曲順に収録されているため、彼女のミュージシャンとしての歩みを知ることができます。

とはいっても、「時代が下るにつれて、成長の過程を楽しめる」といった感じじゃないんですけどね。デビュー当初の作品は、アレンジに時代性を感じたり、彼女の声に若さを感じる部分もあるのですが、デビュー当初から、既に古内東子としてのスタイルを完成させています。メロディーも歌詞も、デビュー当初からこれぞ古内東子という世界が確立されていました。

ただやはり彼女が一番脂が乗っていた時期は、「誰より好きなのに」の頃なのかなぁ・・・とも思います。すごく切ない微妙な女心を巧みに読み込んだ歌詞は、男性の私でもどこか共感する部分も。また、洗練されたシティーポップのサウンドやメロディーも、切ない歌詞とピッタリとマッチし、とても印象に残ります。

その後の楽曲に関しては、正直、この全盛期ほどのインパクトは感じないものの、絶妙な心理描写のラブソングは健在。彼女の楽曲には、いつもドキリとさせられる部分があります。

一方で、初期の作品が、失恋や片思いがメインだった一方で、時代が下るにつれ、結ばれた恋人に対する感情を歌った、ハッピーな曲が増えてきたような印象が・・・これは、彼女の恋愛事情にもからむのかなぁ?なんてことも思ったりして(笑)。でも、正直なことを言ってしまえば、失恋や片思いの曲の方がグッとくる曲が多いような気がするんですよね・・・って、これも私個人の恋愛事情にからむのか??(笑)

評価:★★★★★

で、そんな彼女の最新作はこちら。

Title:Purple
Musician:古内東子

PURPLE

口紅を配したジャケット写真が、ちょっと化粧品の広告のポスターみたいなんですが(笑)。KREVAが参加した「スロウビート」が収録されていたりと、新しいことにも挑戦しつつも、基本的には、いい意味で、いつもの古内東子で、安定したクオリティーの楽曲を聴かせてくれます。

全体的には、やはり片思いの切ない曲よりも、好きな恋人を素直に思う気持ちを歌ったようなナンバーがメイン。彼女は、自分の恋愛経験のみを歌にしているそうなのですが、そういう意味では、いい恋愛を続けているのかなぁ・・・?なんておせっかいなことを思ったりもして。

正直、ワンフレーズでドキっとするような歌詞は、個人的には見受けられなかったものの、恋愛感情を丁寧に描いた、古内東子らしい歌詞の世界はもちろん本作でも健在。彼女のファンにとっては問題なく楽しめる作品になっていると思います。

評価:★★★★

古内東子 過去の作品
IN LOVE AGAIN


ほかに聴いた作品

1・2・MAX/PE'Z

1・2・MAX

相変わらず、メロディアスで聴きやすいジャズナンバーが多い一方、今回のアルバムでは、日本的な哀愁を感じるような曲や、いわば歌謡曲風の曲が多かったような印象を受けました。一方では、アップテンポで明るいナンバーも随所に配されて、しんみり聴けるナンバーとライブで楽しめそうなナンバーのバランスもよく取れていたアルバムでした。

評価:★★★★

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2010年5月21日 (金)

久しぶりの新譜ラッシュ

今週の着うたチャート

2010年5月12日~2010年5月19日付チャート

GWも終わり、今週は、着うたチャートも新譜ラッシュとなりました。

会いたくて 会いたくて

今週の1位は着うたの女王西野カナ「会いたくて 会いたくて」がランクイン。相変わらずの強さを感じます。前作「Best Friend」も、今週こそ16位にランクダウンしたものの、先週までベスト10をキープするロングヒットとなりましたが、この曲もロングヒットとなるのでしょうか?

2位初登場のいきものがかり「ありがとう」は、先週のシングルチャートでも2位、4位初登場のケツメイシ「仲間」は今週のシングルチャートで3位。どちらも着うたチャート、シングルチャートともに上位にランクインしてきています。また、3位はFUNKEY MONKEY BABYSの「大切」が、2週連続3位をキープしています。

初登場はもう1曲。9位に沖縄出身のボーカル2人+DJというユニット、PENGIN「世界に一人のシンデレラ feat.U」がランクインです。ちなみに「U」は山田優のことだそうです。

また、今週、6位にかりゆし58「オワリはじまり」が先週の38位からランクアップし、一気にベスト10入りです。日テレ系バラエティー「行列の出来る法律相談所」主題歌として、5月16日に出演したそうなので、その影響でしょうか?暖かい雰囲気のアコースティックな力強いバラードナンバー。これをきっかけに、シングルチャートでも売上を伸ばすのでしょうか?


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週のアルバムチャートも、久しぶりに新譜ラッシュ。しかし、その中で1位は今週もあのアルバムでした。

VOCALIST4(通常盤)(CD13曲収録)

今週の1位は徳永英明「VOCALIST4」が、4週連続で1位獲得!今週は、新譜も比較的多かっただけに、連続1位獲得は、ビックリです。

そして、惜しくも2位にランクインしたのが、スガシカオ「FUNKASTiC」でした。初動2万5千枚は、前作の初動4万4千枚からもダウン。ただ、今回のベスト10入りで、13作連続のベスト10入りとなり、これは、男性ソロでは尾崎豊の記録を抜いて歴代1位ということ。スガシカオって、特に派手な大ヒットを飛ばしているわけでもないのですが、根強い人気を感じさせます。

3位はまだまだロングヒットを続けるLADY GAGA「THE MONSTER」が続き、4位には、アメリカのシンガーソングライターKE$HA(これで「ケシャ」と読みます)のデビューアルバム「ANIMAL」が見事にランクイン。アメリカの人気ラッパーFLO RIDAの曲に参加したことから話題となり、シングルも大ヒット。その後、アルバムも全米No.1ヒットを記録し、日本でもこの高順位となりました。

5位は高橋真梨子「No Reason2~もっとオトコゴコロ~」がランクイン。昨年発売された、彼女が男性ボーカルの曲をカバーする企画「No Reason」の第2弾・・・って完全に、今週1位のアルバム企画の真似だよなぁ・・・(苦笑)。

6位には、ちょっと変わったアルバムがランクイン。「発表!知らなきゃイケない!?最新ワード展覧会」。フジテレビ系バラエティー「笑っていいとも!」の同タイトルのコーナーから産まれた企画モノアルバム。Wikipediaによると「最新ワードをDAIGOが誤って描いたロックバンド等をイメージし、1週間以内に作曲した。」だそうですが、番組を見ていないだけに、いまひとつ、どんなアルバムなのかイメージできない・・・。

他、人気ゲーム「アイドルマスター」の楽曲をまとめたベスト盤「THE IDOLM@STER BEST OF 765+876=!! VOL.01」が8位に、主に着うた主導でヒットを続けるR&BシンガーTiaraのデビューアルバム「Message for you」が10位に、それぞれランクインしています。

今週の着うた&アルバムチャートは以上!それではまた、来週の水曜日に。

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シガーロスとは異なった魅力が

Title:GO
Musician:JONSI

Go

シガーロスでボーカリスト、ギタリストとして活躍する、ヨンシー・バーギッソンの、ソロ初となるアルバム。

彼のファルセットボーカルを存分に聴かせてくれるポップな作風が特徴的。ファルセットボーカルでポップという点で、Anthony and The Johnsonsを思い出す部分もありました。

ただ、楽曲としては、彼のファルセットボーカルを聴かせる、というよりは、彼のボーカルを軸に、とても明るく、祝祭色あるポップチューンを綴っています。1曲目の「go do」から、陽気な笛の音が鳴り響く、にぎやかなナンバーになっていましたし、その後の「animal arithmetic」「boy lilikoi」も、同じくポップでにぎやかなナンバーが続きます。

後半、「kolniður」のような、ちょっとダークな雰囲気のあるナンバーもあるのですが、それでも美しいメロディーラインは健在でした。

同じく、美しいサウンドを聴かせるシガーロスと共通項はあるものの、小難しさはなく、ポップなメロディーを素直に楽しめる、といった感じの楽曲は、シガーロスより間口が広そう。シガーロスのファンも存分に楽しめる一方で、それ意外のリスナーにもアピールできる要素をもったアルバムだと思います。

シガーロスを聴いていなくても、そこのメンバーのソロということをイメージせずに、一枚の優れたポップアルバムとして楽しめる作品だと思います。美しいメロディーラインに、彼の美しいファルセットボイスで、幻想的ながらもポップな世界にすっぽりとはまれる作品でした。

評価:★★★★★


ほかに聴いた作品

R.O.O.T.S./FLO RIDA

R.O.O.T.S. (Route of Overcoming the Struggle)

ごっつい雰囲気なのですが、エレクトロポップを用いたり、意外と耳なじみのよく聴きやすいHIP HOPが特徴的。ただ、今回の作品は、特に後半、意外とヘヴィーな作風の曲もあり、骨のある部分も見え隠れしました。

評価:★★★★

FLO RIDA 過去の作品
Mail On Sunday

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2010年5月20日 (木)

歌詞が印象に残る、弱冠20歳のSSW

Title:WORLD
Musician:清竜人

清竜人/WORLD

これが、2枚目のアルバムとなる、弱冠20歳のシンガーソングライター、清竜人。ちょっと読み方を迷ってしまいそうですが、これで「きよし りゅうじん」と読むそうです。

ポップなメロディーを軸として、ヘヴィーなバンドサウンドから、ストリングスやピアノなども取り込んだ、スタイルにこだわらない自由な曲づくりは、ある意味、シンガーソングライターならでは、といった感じでしょうか?ギターロック、ジャズなどの要素も取り込みつつも、あくまでも、メロディーと歌詞を重視した、ポップス路線が特徴となっています。

まあ、そんなメロディーやサウンドも、インパクトもあって、十分楽しめるのですが・・・

清竜人の、やはり一番の魅力は、弱冠20歳という年齢を感じさせない、達観した視点の歌詞の世界でしょう。

タイトル曲にもなった「ワールド」は、2人の人格による会話を軸とした歌詞。現実主義的で、世の中を悲観的にみている人格と、前向きに、世の中を変えていこうとする人格のやりとりにより、希望を伝える手法は、単純な応援歌風ポップソングとは異なるリアリティーを感じさせます。

シングルにもなった「痛いよ」は、彼女の過去に悩む男の姿を歌った歌。その悩みが、ある種のエゴとわかっていながらも悩む姿も、思い当たる節のある男性も多いのではないでしょうか?

また、個人的に印象的だったのが、「ヘルプミーヘルプミーヘルプミー」。社会は満たされていることがわかっていながらも、どこかやりきれない不満を歌うその姿は、20歳という、まさに今の若者の彼ならでは。先日紹介した、神聖かまってちゃんにも通じる、現代の若者像を描写した作品といえるかもしれません。

歌われている題材自体については、決して真新しいとはいえないものの、取り上げ方にリアリティーがあり、心に残る歌詞が多くありました。しかし、彼はまだ弱冠20歳。今後、年齢と同時に経験を重ねることにより、歌詞の深みがよりまし、もっともっと傑作が世に生み出されるかも?

ただし、一方ではちょっといろいろな題材を取り上げすぎて、全体的に統一感に薄く、清竜人が本当に訴えたいことが少々ぼやけてしまった部分もあるかな?と思いました。

とにかく、これからの活躍が楽しみなシンガーソングライター。前々回に話題に出した、「最近のインディーバンドがおもしろい」とはちょっと違った枠組みですが、彼もまた、今後のシーンの活性化の重要な役割を担いそうな予感がします。

評価:★★★★★

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2010年5月19日 (水)

ダントツの1位ながらもちょっと苦戦気味

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週の1位は、デビューから12曲連続で1位となるKAT-TUNの新曲「Going!」がランクインしてきています。

新曲は、エレクトロやロボ声などを、今風の音を取り入れながらも、メロディーはいつものジャニーズ系アイドルポップという、らしいナンバー。ただ、連続1位とはいえ、赤西仁の脱退騒動などを受け、初動23万枚は、前作の35万4千枚から大きくダウン。数字的にはまだまだ強いものの、厳しい結果になりました。

続く2位と3位は僅差。2位は初動3万6千6百枚でVAMPS「DEVIL SIDE」が、3位は初動3万5千9百枚でケツメイシ「仲間」が、それぞれランクインしています。

VAMPSは、前作の3万1千枚からの上昇傾向にあるのに対して、ケツメイシの2年4ヶ月ぶりとなるシングルは、前作の初動6万4千枚より大きく減少しています。

ケツメイシの新譜は、いかにも「売り」を狙ったような、ミディアムテンポの、泣きを狙ったナンバー。彼らの王道といえば王道なのですが、あざとさや、少々マンネリ気味な部分も感じられ、ここらへん、逆にマイナス効果になってしまったのでしょうか?

ちなみに、6位にランクインしてきたFUNKY MONKEY BABYS「大切」もある意味、似たタイプの曲といえるかも・・・。こちらも、前作の初動2万2千枚から1万8千枚にダウンしています。

他は・・・

まず4位にGirls Dead Monster「Thousand Enemies」がランクインしています。アニメ「Angel Beats!」の劇中歌です。楽曲は、ちょっと懐かしさを感じる90年代初頭あたりのガールズロックといった感じ。田村直美とか、松田樹利亜とか、そういう懐かしい名前が浮かんできました。先日ランクインした、「けいおん!!」のキャラクターソングの凝ったアレンジと比べると、ありふれた物足りなさを感じるのですが、ただ、いかにも「萌え系アニメ」風のボーカルと歌詞だったのに対して、こちらは歌詞もボーカルも、意外と普通。オーバー30のおじさんたちには懐かしく感じられるかも?あと、たぶん、今のアニメのメインターゲットが、そこらへんの層なんだろうなぁ・・・ということも思ったりして(^^;;

9位には韓国のアイドルユニット、超新星「まごころ」がランクインしています。なんと、3日連続のシングルリリースらしく、その後発売した「ALL ABOUT U」が11位に、「J.P.~REBORN~」も13位にランクインしています。

10位には真野恵里菜「お願いだから…」が入ってきました。作曲は経塚泰誠・・・って誰かと思ったら、シャ乱Qのたいせいなんですね。なんか、最近、KANちゃんの曲を歌わなくなって、とても残念なのですが・・・。

初登場は以上。さて、毎週紹介している、坂本冬美「まだ君に恋してる」は、今週、残念ながら4位から8位にランクダウン。売上も1万9千枚から1万4千枚にダウンしています。ロングヒットもここまでか??

また、今週は、先週のベスト10圏外から、氷川きよし「三味線旅がらす」が7位にランクアップ。再びベスト10入りしてきています。

今週は以上。着うた&アルバムチャートは金曜日に!

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2010年5月18日 (火)

ネット上で大きな話題のバンド

昨日、「最近のバンドがおもしろい」という話題を載せたのですが、その時、話題に出したバンドのひと組が神聖かまってちゃん。今、ネット上で大きな話題となっているバンドなのですが、その話題のアルバムを、はじめて聴いてみました。

Title:友だちを殺してまで。
Musician:神聖かまってちゃん

友だちを殺してまで。

正直に言ってしまうと、最初、聴いた時はさほどピンと来ませんでした。

楽曲は、タイトルとは裏はらに、比較的ストレートなギターロック。メロディーはポップで、インパクトもあり、十分ヒットポテンシャルがありそうな印象が。意外と「普通」という印象を受けてしまいました。

一方、歌詞に関しては、いまどきの若者の叫びを感じさせました。

かつて、若者の叫びといえば、80年代の尾崎豊に代表されるような、大人の価値観に対するアンチテーゼ。社会の中で自分たちの自由を抑圧する「権力」に対する反発、というのが大きなテーマとなっていました。

しかし、時代がかわり、そんな社会に反発していた若者たちが大人になった今、やけに物分かりのよい大人が増え、若者の自由も広がりました。そんな自由を与えられていても、社会に対してどこか抱える行き場のない不満が、彼らの歌詞からは感じられます。

社会に対して必要以上に反発することなく、どこか現状を受け入れてしまっている部分も感じられ、どちらかというと80年代的価値観を持っている私からすると、どこかジェネレーション・ギャップすら感じられました。ただ、これが今の若い世代なのかなぁ・・・ということを感じさせました。

そういう意味で、多くの若者が共感している、ということをどこか納得しながらも、ちょっと自分ははまれないなぁ・・・なんてことを感じていたのですが・・・

そんな中、ネット上で彼らがどう話題になっているのか、いろんなブログの感想などを読んでいたのですが、その中で、「最初はピンとこなかったけど、ライブ映像を見て印象がかわった」という感想を読みました。

で、試しに彼らのライブ映像を見てみたのですが・・・

はじめて彼らのライブ映像を見て、思わずゾクゾクっとしてしまいました。

圧倒的なグル―ヴを聴かせる、だとか、ユニークなパフォーマンスを見せる、だとかそんな感じではありません。

ボーカルであり、作詞作曲を担当するの子の歌う姿に、ゾクゾクっと来るものがありました。

はっきりいってしまえば、どこかいってしまったような、狂気を感じさせる彼のパフォーマンス。そんな中で、何かを伝えないといけないという、必死な姿。なにかやばいものを見てしまったような印象すら持ってしまいました。

彼は、渋谷などの街で勝手にパフォーマンスをする姿を動画におさめ、ネット上で配信していたりもしています(警官に補導されるシーンもそのまま収録されており、大きな話題にもなったようです)。最初、そういう動画配信に関しても、ある種の宣伝戦略かな?とも感じていたのですが、(正直、そういう面もゼロではないと思うのですが)動画配信という、本人の全体像を伝えられる形で、自分の叫びを多くの人に伝えようとする姿にも、感じるものがありました。

その後、あらためて彼らのアルバムを聴くと、その楽曲の各所に感じられる、世間に対するどうしようもない叫びが、よりリアリティーに感じられました。

ネットスラングで「非リア充」とでもいうのでしょうか?学校で、クラスの中心になれず、教室の片隅で、鬱積した思いを重ねている人たちの叫びを感じます。

特に、同じフレーズを叫ぶ「学校に行きたくない」は、ある種のいじめすら感じられ、その切実な叫びに怖さすら感じてしまいました。

ある意味、聴く人の世代や立場によって、その印象が大きく異なりそうな作品。だからこそ、ネット上で多くの人の絶賛をうけたのではないでしょうか?音楽的に、次の世代に影響を与える・・・というタイプのバンドではありませんが、2010年代という時代を反映したバンド・・・になる可能性を感じる1枚でした。

評価:★★★★★

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2010年5月17日 (月)

確かに、最近おもしろいバンドが増えてきているかも。

先日、ネット上をいろいろと巡回している中、2chのスレッド紹介として、こんなサイトを見つけました。

最近の若手インディーバンドが才能あふれまくりんぐな件について みゅーちゃん!より)

そういわれてみると、確かに最近、おもしろいバンドが増えてきたなぁ・・・という感じがします。

ここであげられたバンドについては、名前だけしか知らないバンドや、名前も全然知らないバンドもいるのですが、私が知っている範囲でも、いままでの世代ではなかった、確固たる個性を持ったバンドが増えてきたような気がします。

思えば、以前、おもしろいミュージシャンがどんどんとデビューして、シーンに活気が生まれていたのが、1998年前後。1998年には、宇多田ヒカル、aiko、椎名林檎といった、お茶の間レベルで話題をさらった人が続々とデビューした他、くるりも1998年にデビュー。また、NUMBER GIRLにTRICERATOPSやGRAPEVINE、スーパーカーなど、後の世代に影響を与えたミュージシャンが、この前後に数多くデビューしています(ちょっと畑違いかもしれませんが、浜崎あゆみの1998年にデビューしていますね)。

しかし、その後のシーンに関しては、この世代のミュージシャンの縮小再生産のような状況が続いたように感じます。確かに、その中でもキラリと光るバンドも生まれたのですが、正直なところ、他にないような圧倒的な個性で、次の世代に影響を与えるようなミュージシャンはどれだけいるのかなぁ・・・なんてことを感じてしまうのも正直なところ。

でも、ここ最近、2000年代のミュージシャンたちとは全く異なった個性を感じられるミュージシャンが多くあらわれたような感があります。

そんな活きのいいバンドたちは、大きくわけると、2パターンのバンドがあるような印象を受けました。

まず、2000年代からネットコミュニティーから生まれてきたネットカルチャーなどをうまく取り込み、今の10代や20代前半の価値観を、ダイレクトに曲に表現しているようなミュージシャンたち。

たとえば、ここでも何度か紹介している相対性理論や、最近、ネット上で話題の神聖かまってちゃんあたりがそんなタイプのような気がします。

ここらへんのバンドは、今の若い世代の声をダイレクトに届けているという点で、今後、若者世代に大きな流れを作り出す可能性を持ったバンド・・・かもしれません。ただ一方で、30代のそろそろ半ばになろうとするおじさんの(笑)私にとっては、その価値観が100%受け入れられない部分もあり、手放しで絶賛できない部分があるのも事実。正直、聴いていて、はじめて「ジェネレーションギャップ」というものを感じてしまいました(^^;;

そしてもう1パターンが、「音」でコアな部分を追及し、場合によってはオールドスタイルのロックまで遡り、独特のグル―ヴを出そうとしているミュージシャンたち。

個人的には、こちらのミュージシャンたちはジェネレーションギャップも感じず(笑)、素直にその世界観を楽しむことができます。

たとえば、もうインディーズバンドではありませんが、THE BAWDIESなんかが、まさにこのタイプかもしれません。

そして、今日紹介する、踊ってばかりの国も、まさにそんなインディーバンドの代表格といえるかもしれません。

Title:グッバイ、ガールフレンド
Musician:踊ってばかりの国

グッバイ、ガールフレンド

全編を流れる、横揺れでけだるい感じのリズムが、とても独特。聴いていて、ちょっと怪しい世界にトリップしそうな、そんな音楽が魅力的です。

タイプ的には、Fishmansあたりを彷彿とさせる雰囲気、といってもいいでしょうか。また、個人的には、キセルに近い雰囲気も感じました。

ただ、Fishmansやキセルよりも、(おそらく意識的に)サイケ・ロック、あるいはリスナーにトリップの感覚を味あわせようとするような方向性を感じます。特に「ハロー」「よだれの唄」では、「ケムリ」という表現の隠語的な使われ方にニヤリ。60年代あたりのシーンの空気、臭いをユーモラスに感じさせます。

後半の「ムカデは死んでも毒を吐く」は、タイトルも秀逸ながらも、歌詞の内容も、幻想的で、ちょっと狂った雰囲気を感じてしまう、サイケデリックなナンバー。そしてラストの「テカテカ」は、浮遊感あるメロディーラインやリズムと、ノイジーなギターサウンドが、サイケデリックな雰囲気を醸し出している、13分にもおよぶ壮大なナンバー。目を閉じて聴いていてら、幻想的な世界にトリップしそう・・・。

もっとも、彼らみたいなタイプは、以前からアンダーグラウンドシーンにおいては活躍していたのかもしれません。しかし、彼らは、独特のグル―ヴを奏でつつも、ポピュラリティーもあわせもっているのも特徴的。特に1曲目「ハロー」のメロディーなど、独特ながらも耳にこびりついて、聴いて以来、私の頭から離れません(笑)。

これからの活躍に注目したい期待のミュージシャンです。こういうおもしろいバンドが増えてくると、シーンに活気が生まれそう。1998年のデビュー勢では、宇多田も椎名林檎もaikoも浜崎も、続々とヒットを飛ばし、シーンに活気を作り出しましたが、音楽不況が叫ばれて久しい今、こういうおもしろいバンドが増えてこそ、再び音楽シーンに活気を取り戻せるのではないでしょうか?なにげに、2010年代の音楽シーン、期待しちゃってもいいんじゃない??

評価:★★★★★

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2010年5月16日 (日)

ライブの臨場感そのまま

Title:1235
Musician:Base Ball Bear

◆メール便は送料無料◆Base Ball Bear/1235 [完全生産限定盤/2CD] 【オリコンチャート調査店】 ■2010/3/17発売■ TOCT-26944

先日、昔のMDを整理していたところ、あるオムニバスアルバムを録音したMDを見つけました。

それは、「melodieux」というオムニバスアルバムを録音したMD。昔、レンタルオンリーでリリースされたサンプラーで、その中には、Base Ball Bearの「YUME is VISION」という曲が収録されていました。

で、その当時、自分はどんな感想を抱いたのかなぁ、と過去のログをあさってみると・・・。

「中にはまんまナンバガというバンドもいてちょっとうんざりさせられました。」
(旧サイト アルバムレビューより サイトの真ん中くらいにあります)

・・・具体的な名指しはないけど、多分、Base Ball Bearのことだよなぁ(^^;;

そんな彼らも、いまや武道館ライブも成功させる人気ミュージシャン。つくづく、自分の耳の節穴(?)っぷりに嫌になります(笑)。

ただ、その武道館ライブの翌日、彼らの原点ともいえる下北沢のガレージで行われたライブの模様を収録したこのアルバムを聴くと、あらためて、NUMBER GIRLからの強い影響を感じてしまいました。

下北沢ガレージという狭いライブハウスでのライブなだけに、臨場感満点。さらに、ロックバンドとしての彼らの姿を強く感じさせる、アグレッシブなステージが、CDを通じても、ダイレクトに感じることが出来ます。

それだけに、特にバンドサウンドにおいて、NUMBER GIRLの音に似ているなぁ・・・ということを、あらためて感じてしまいました。途中、MCも収録されているのですが、それも、どこか向井秀徳っぽいですしね(^^;;

もっとも、その一方、NUMBER GIRLとは大きく違う、彼らなりの個性もしっかりと感じることが出来ます。

まずやはりメロディーライン。ポップで、ちょっと青春時代の甘酸っぱさを感じさせるようなメロディーは、彼ら独特のもの。やはりこのメロディーの良さは彼らの大きな強みでしょう。

そして、もうひとつがその歌詞。これに関しては、ナンバガも彼らも、学生時代の恋愛感情を彷彿とさせる歌詞という点で共通項はあります。ただ、ナンバガが、男子高校生の妄想という描写を感じるのに対して、彼らの描写は、爽やかな青春の恋愛物語といった感じ。やはり、その世界観は異なります。

・・・・・・と、どうもナンバガとの比較論になってしまいましたね。ただ、ナンバガと比較したくなるような、ロックバンドとしての実力をはっきりとみせてくれたライブアルバムだったと思います。

残念ながら、初回限定生産で、今後、入手は困難になるかもしれませんが・・・機会があれば、是非聴いてみてほしいライブ盤でした。

評価:★★★★★

Base Ball Bear 過去の作品
十七歳
完全版「バンドBについて」
(WHAT IS THE)LOVE&POP?


ほかに聴いたアルバム

B.A.N.D./YOUR SONG IS GOOD

B.A.N.D.

終始、軽快で楽しい、インストメインのポップソングを聴かせてくれます。野外ライブではかなり映えそう・・・。一方で、ちょっと物悲しい雰囲気の「MR.EVERYMAN」や、哀愁を感じる「ONIROKU」みたいな曲も・・・。タイトル曲「B.A.N.D.」のような歌モノもまじえつつ、飽きさせない展開で楽しませてくれました。

評価:★★★★

YOUR SONG IS GOOD 過去の作品
THE ACTION

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2010年5月15日 (土)

それでも僕らは歩き続ける

Title:kikUUiki
Musician:サカナクション

kikUUiki

ちょっと変わったタイトルのサカナクションの新作。タイトルとなった「キクウイキ」について、公式サイトで以下の説明がなされています。

“kikUUiki(キクウイキ)”とは漢字で書くと「汽空域」であり、海水と淡水が交わる水域「汽水域」から創られた造語である。淡水と海水、田舎と都 会、ロックとクラブミュージックなど本来相容れないものが、混ざり合うところという意味が込められている。

薄い青と濃い青が混ざり合ったジャケットも印象的ですが、このアルバムに収録されている楽曲自体、「青」という色を感じる作品が多いように思いました。

「目が明く藍色」など、ストレートに藍色という言葉が出てきていますし、「潮」「シーラカンスと僕」のように、歌詞の中に「青」という言葉が出てくる作品も目立ちます。

そして、この「青」という色は、都会の中に住みながらも、その都会の現実に、どこかなじめない、このアルバムの主人公の心の色にも感じました。

ただ、そんな現実に対して否定とか絶望しているわけでもなく、それを受け入れて、前に進んでいく・・・先行シングルであり、ヒットも記録した「アルクアラウンド」は、まさにこのアルバムを象徴する1曲ではないでしょうか?

「嘆いて 嘆いて 僕らは今うねりの中を歩き回る
疲れを忘れて
この地で この地で 終わらせる意味を探し求め
また歩き始める」

(「アルクアラウンド」より 作詞 Ichiro Yamaguchi)

楽曲は、全体的に、どこか哀愁ただよう雰囲気の、マイナーコード主体の曲が並んでいます。「アルクアラウンド」などもそうなのですが、どこか歌謡曲的。それだけに、日本人の琴線に触れるようなメロディーを書いていました。

前作「シンシロ」は、2000年代初頭のバンド群の影響を露骨に感じる曲が多く収録されていました。今回の作品も、正直「壁」あたりは、ちょっとくるりっぽいなぁ、と感じてしまいました。ただ、歌詞の世界観も含め、メロディーも、エレクトロ主体のサウンドも、サカナクションとしての個性を確立してきており、このアルバムでは、前作で感じたような、他のバンドからの露骨な影響というのは、ほとんど気になりませんでした。

ただ、一方、メロディーにしろサウンドにしろ、ちょっとパターンが少なかったかな?後半、ちょっと飽きてきてしまった、というのが正直な感想(^^;;そういう意味では、惜しいなぁ・・・と感じるアルバムでもありました。

とはいえ、前作からの大きな成長も感じられ、次回作が楽しみになってくるアルバムだったと思います。人気も順調に伸びてきているようで、これからの活躍も楽しみです。

評価:★★★★★

サカナクション 過去の作品
シンシロ

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2010年5月14日 (金)

アルバムチャートはあのアルバムが3週連続1位!

今週の着うたチャート

2010 年5月5日~2010年5月11日付チャート

シングル、アルバムチャートともに、GWの影響でニューエントリーは少なめでしたが・・・その中で、ある種「マイペース」な着うたチャートです。

大丈夫

1位は、先週2位のヒルクライム「大丈夫」が、再び1位に返り咲き。先週1位のlecca「TSUBOMI feat.九州男」も2位をキープし、どちらもロングヒットの予感がします。

3位は初登場。FUNKY MONKEY BABYSの、5月12日発売予定の「大丈夫」が、先行配信でランクインです。作詞作曲に、川村結花の名前をみかけたのでビックリ。映画「書道ガールズ!!私たちの甲子園」テーマ曲になっています。

5位初登場に、ナオト・インティライミ「タカラモノ~この声がなくなるまで~」がランクインいています。以前、「なおと」名義でメジャーデビューしていたものの、泣かず飛ばず。その後、世界各地をめぐり、ニューヨークではアポロシアターに出演したり、アラファト議長の前で「上を向いて歩こう」を歌ったり、と世界各地で話題を振りまいたそうです・・・ということを、以前、「とくだね」で紹介されていたなぁ・・・ということを思い出しました。

CDTVや「HEY!HEY!HEY!」への出演が決まるなど、かなり積極的に売りに出ているみたいで、先行配信となった着うたチャートでは見事5位獲得となりました。ただ、楽曲は、アップテンポで明るい雰囲気ながらも、パッと聴いた感じ、普通のポップスといったところ。せっかく、世界各地を回ったんだから、もっとワールドミュージック色が強い方がおもしろいのに・・・と思ってしまったのですが・・・。

初登場はもう1曲。7位に3人組ギャルユニットJuliet「23:45」がランクインしています。デビューから「ナツラブ」→「フユラブ」→「ハルラブ」→「ハルラブ2」と、かなり手抜きのふざけたタイトルのシングルが続いていたのですが、ようやく、「○○ラブ」シリーズから抜け出した模様です。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週のアルバムチャートは、先週から引き続き、初登場は少なめに。そんな中、ついにあのアルバムが3週連続の1位となりました。

VOCALIST4(通常盤)(CD13曲収録)

今週の1位は徳永英明「VOCALIST4」。これで3週連続の1位となりました。カバーアルバムの3週連続1位は井上陽水以来25年ぶり・・・とまたニッチな記録なのですが、根強い人気を感じます。

2位には、LADY GAGA「THE MONSTER」が、先週の2位よりランクアップし、最高位を更新しています。また、3位には坂本冬美「Love Songs~また君に恋してる~」が4位からランクアップし、こちらも最高位更新となりました。ちなみに、坂本冬美のアルバムもカバーアルバムで、今週は、1位3位とカバーアルバムが2枚並んだことになります。

ただ、カバーアルバムがヒットしているのはちょっと微妙な感じがします。だって、結局、過去の名曲に頼っているわけでしょう?やはりシーンが活性化するためには、新しい名曲が必要となると思うんですよね・・・。

そんなことを言うと、「今はそういういい曲がない」と言い出す人がいますが、そういう人には、「じゃあ、あなたはどれだけ最近の曲を聴いたんですか?」と聞いてみたい。今でも、十分「名曲」はたくさん世に出ていると思うのに、それを探す手間を惜しんでいるような印象を受けちゃうんですよね。

いや、もちろん、徳永英明も坂本冬美のカバーも、どちらも素晴らしい出来だとは思うんですが・・・でも、そういう意味では新しいスターという意味で、LADY GAGAにはがんばってほしいなぁ。

で、今週唯一の新譜は、6位初登場MY LITTLE LOVER「Best Collection」。タイトル通りのベストアルバムで、「白いカイト」「Hello Again」など、懐かしい曲も収録されています。

着うた&アルバムチャートは以上。それではまた、来週の水曜日に~。

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2010年5月13日 (木)

ある1日の物語

Title:うれしくって抱きあうよ
Musician:YUKI

うれしくって抱きあうよ

YUKIの今回のニューアルバムは、アルバムを通じて、1日を描いた、コンセプチュアルな作品になっています。

1曲目の「朝が来る」は、そのタイトルの通り、ある日の朝をイメージした作品。どこかけだるい雰囲気の中で、一方では明るい希望を予感させる曲調は、まさしく「朝」というイメージにピッタリの作品です。

その後の前半は、明るく、祝祭色のある楽曲が並んでいます。それは、まさに明るい日差しに誘われて、外で楽しく遊びまわる、日中の風景を描いたような作品。特に、ビックバンド風のアレンジをほどこした「恋愛模様」は、古き昭和時代の駆け落ちの模様を描いた歌詞が、とても独特で、特に雰囲気のある作品に仕上がっています。

そして、このアルバムの、ある意味ハイライトとなるのが、タイトル曲でもある「うれしくって抱きあうよ」でしょう。

歌詞の内容は、いわゆる恋人同士のSexを描いたような歌詞になっているのですが、でも、決していやらしくなく、むしろ好きな人同士が、タイトル通り、一緒にいられる喜びから、うれしくて抱きあう、というとてもピュアで、暖かみのある歌詞になっていて、とても素敵な曲に仕上がっています。

そしてその後の「ミス・イエスタディ」「汽車に乗って」は、ちょっと切ない雰囲気を聴かせるナンバー。あえていえば、ベッドの中で、昔のことを思い出している・・・といった感じでしょうか?

さらにアコギのアルペジオでしんみり聴かせる「同じ手」は、いわば子守唄。そしてラスト、タイトルそのまま「夜が来る」は、やはり夢の中、でしょうね。静かな雰囲気の中、1日が終わりをつげます。

こんな素敵なポップソングが流れる1日は、とても楽しい1日なんでしょうね~。エレクトロポップからギターロック、ジャズにバラードと、様々なバリエーションの曲を聴かせてくれます。それでもアルバム1本、しっかりと筋が通っているのは、このコンセプチュアルな歌詞の内容と、彼女のボーカルがあればこそ、なんでしょう。タイトル通り、とてもうれしくなってしまう、ポップアルバムでした。

評価:★★★★★

YUKI 過去の作品
five-star


ほかに聴いたアルバム

SWITCHING ON X/FAKE?

SWITCHING ON X

KENのソロプロジェクトとなったFAKE?の3年ぶりとなるニューアルバム。ドリームポップ風の作品もあったり、エレポップ風の作品があったりと、それなりの幅の広さは感じる一方、全体的には、ちょっと前のハードロック風の作品が目立ったような印象が。個人的には、やはりOBLIVION DUSTの音の方が好きかも。ただ、再結成後、最近、あまり活動をしていないみたいなOBLIVION DUSTは、今後、どうしていくんだろう?

評価:★★★★

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2010年5月12日 (水)

小室哲哉の曲が1位に!

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週の第1位は、昔懐かしい、あの人が帰ってきました!!

Dream After Dream ~夢から醒めた夢~/逢いたい理由

今週1位は、AAA「Dream After Dream ~夢から醒めた夢~」だったのですが、なんと、作曲は両A面の「逢いたい理由」もあわせてあの小室哲哉!!例の事件以降、初となる復帰作で、1位獲得は、なんと8年5ヶ月ぶりだとか。復帰はちょっと早すぎるんじゃない?という声もあり、実際、私もそう思うのですが、ただ、小室先生の復帰作となれば、やはり気になってしまいます(笑)。

ただ、1位獲得とはいっても、かつての小室系人気の時みたいに、小室先生のお力で、というよりは、AAAの人気によるところも大きい今回の1位。そういう意味では寂しくもあるのですが、初動売上4万6千枚は、前作の初動3万3千枚から大きくアップ。そういう意味では、小室哲哉効果も発揮された1位といえるでしょうか。

楽曲は、小室系ブームの頃の作品を想像すると、ちょっと意外に感じる部分もあるかもしれません。また、作詞もアレンジも他のミュージシャンという点では、まだまだ本格的な復帰ではないかもしれません。ただ、事件前の彼は、どこか、その目指す音に迷いが見えていただけに、純粋に作曲に集中した、という意味では逆によかったのかもしれません。

特に小室先生らしさを感じたのが「逢いたい理由」で、マイナーなメロと、メジャーなメロを自在に行き来するメロディーラインは、小室哲哉らしさを(それも、プロデューサーとしての全盛期よりも、渡辺美里に楽曲を提供していた時期の)感じる楽曲。プロデューサーとしての全盛期のように、勢いに頼るのではなく、しっかりとメロディーを聴かせようとする作品は、あらためて、メロディーメイカーとしての実力も感じました。

う~ん、やはり小室先生のことを話しだすと、ついつい長くなっちゃうなぁ(^^;;ちょっと複雑な気持ちもかかえつつ、今後の再始動、がんばってほしいです。

これに続いたのが2位いきものがかり「ありがとう」でした。NHKの朝の連ドラ「ゲゲゲの女房」の主題歌で、これで紅白出場決定ですね(笑)。しっとりと聴かせるポップナンバーは、いきものがかりの王道といった感じになってきました。ドラマの評判も上々のようですが、こちらのシングルも、初動4万5千枚と、前作の初動2万6千枚から大幅アップ。上々な滑り出しを見せています。

3位にはももいろクローバー「行くぜっ!怪盗少女」がランクイン。6人組の女性アイドルグループです。いわゆるハロプロ系でもなければ、AKB48関連でもないみたいで・・・今後はしばらく、こういうアイドルグループが増えてくるんだろうなぁ・・・なんて思ったり。

で、初登場はもう1曲。7位に元AKB48の大島麻衣「メンドクサイ愛情」がランクインしています。AKB48脱退後、初のソロシングルがこの位置というのは、ちょっと微妙な感じも・・・。テレビのバラエティーなどではたまにみかけますが、今後は、徐々にアイドルからバラエティータレントになっていきそうな雰囲気が。

ちなみに、毎週追いかけている坂本冬美「まだ君に恋してる」は今週も先週とかわらず4位にランクイン。売上も、先週の2万枚から1万9千枚とほぼ横バイとなっており、まだまだ勢いはおとろえていないようです。

発売週がGWにかかって、新曲が少なめのシングルチャートは以上。着うたチャート&アルバムチャートは金曜日に!

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2010年5月11日 (火)

多くのミュージシャンとの「輪」の中で

Title:CIRCLE
Musician:HOME MADE 家族

CIRCLE

HOME MADE家族のアルバムといえば、やはり「ROCK THE WORLD」「musication」のあたりが、一番脂が乗っていて、勢いがあるように感じましていました。その後の「FAMILIA」「HOME」も、安定感があり、いいアルバムにはなっている、とは思っていたものの、勢いという面では、それ以前の作品に比べると見劣りしてしまい、おとなしく感じる作品になっていました。

しかし、1年5ヶ月ぶりとなる最新作「CIRCLE」では、かつての勢いが再び戻ってきたように感じました。

今回のアルバムタイトル「CIRCLE」は、昨年1年間の活動テーマだったそうで、今回のアルバムでは、様々なミュージシャンとのコラボレートを実現させています。

彼らが再び勢いを取り戻したのは、ひょっとしたら、そんな数々のミュージシャンとのコラボレートが新たな刺激になったのでしょうか?特に、テンポのよいテクノ風の作品になっていた、同郷のSEAMOとのコラボレート作「ムチャぶりキング」は、SEAMOらしいユーモアがそのまま曲に反映された、ダンサナブルな楽しいナンバーになっていましたし、のあのわのYukkoとのコラボレート「ハナビラ」は、彼女のボーカルが印象に残る、ちょっと切ないラブソング。彼女の鼻にかかったかわいらしいボーカルが、いつものHOME MADE家族の曲に、ちょっと違った印象を与えていました。

「L.O.V.E.」「Oooh Wa!!」など、エレクトロなアレンジのポップソングが多く、そういったテンポのよい、耳なじみのいい楽曲が並んでいたのもまた、勢いを感じる大きな要因のひとつだったかもしれません。

一方で、「YOU~あなたがそばにいる幸せ~」は、哀愁を漂わせる和風なメロが印象的。また、「Family Circuit」も、ハードロック風のギターが、80年代を彷彿とさせ、どこか懐かしくもあります。

どの曲も、決して目新しいわけではありませんが、テンポがよく、壺をつくメロディーラインに、例えば、「Family Circuit」のように、ライブ前の模様をそのまま歌にしたり、「CIRCLE」のような、3人の絆をあらためて歌った曲だったりと、リアリティーある等身大の歌詞が、やはり心に残ります。

ここ最近、ちょっとヒットチャートの上位からは遠ざかってしまった彼らですが、これだけ勢いのあるアルバムをつくれれば、再度、ヒットを飛ばせる・・・んじゃないかなぁ?地元出身なだけに、がんばってほしいんですが。とりあえず、HOME MADE家族の魅力を、再認識できたアルバムでした。

評価:★★★★★

HOME MADE家族 過去の作品
HOME
Heartful Best Song "Thank You!"

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2010年5月10日 (月)

歌モノが魅力的

Title:WORLD SKA SYMPHONY
Musician:東京スカパラダイスオーケストラ

WORLD SKA SYMPHONY

スカパラの最新アルバムは、また、多くのゲストボーカルが参加した曲が収録されています。

まず「流星とバラード」では、再び奥田民生とコラボレート。ちょっとビターな大人のポップソングに仕上がっています。「ずっと」では、ボーカルに迎えたのが、Crystal Kay!ちょっと意外な組み合わせな印象も受けますが、彼女の力強い歌声が、しっかりとスカパラのサウンドを受け止め、爽やかなポップソングに仕上がっていました。

そしてラスト「君と僕 2010」は、スカパラのデビューアルバムに収録されている「君と僕」を、斉藤和義が歌っています。切ない曲調と、斉藤和義のボーカルが見事にマッチしています。ってか、この曲のボーカルにせっちゃんを選ぶ、というセンスの良さは、すばらしいなぁ(笑)。

そんな感じで、ゲストボーカルを迎えたポップな作品3曲が、ある意味主軸になっているこのアルバム。アルバム全体的には、いつも以上にポップな印象を受けました。

「Just say yeah!」なども、とてもポップで楽しい雰囲気でしたし、「WORLD SKA CRUISE」も、メロディアスなインストチューン。他にも、爽やかなポップチューンだったり、「Juggling city」のようにラテンなナンバーを聴かせてくれたり、「愛の讃歌」のカバーを聴かせてくれたり、と、最初から最後まで飽きさせない展開で楽しませてくれます。

そんな訳で、とてもいいアルバムだなぁ・・・と思う一方、いい意味でも悪い意味でも、ちょっと卒がなさ過ぎるというか・・・ベテランとしての安定感がある一方、意外性みたいなものには欠けるかなぁ・・・なんてことも感じてしまいました。

まあ、贅沢な要求かもしれないですけどね(^^;;スカパラが好きなら、素直に楽しめるアルバムなのは間違いないと思います。

評価:★★★★

東京スカパラダイスオーケストラ 過去の作品
Perfect Future
PARADISE BLUE
 

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2010年5月 9日 (日)

メンバーそれぞれの嗜好がわかる

Title:QUADRINITY~MEMBER'S BEST SELECTIONS~
Musician:L'Arc~en~Ciel

QUADRINITY ~MEMBER’S BEST SELECTIONS~

ラルクがベスト盤をリリースするのは、実質上、これが3度目。ちょっと出しすぎなんじゃないか?なんてことも言いたくなるのですが、今回のベスト盤はちょっとユニーク。豪華4枚組(初回盤は+DVDの5枚組)という内容になっているのですが、メンバーそれぞれが、自ら作曲したナンバーからセレクトした曲をCD1枚に収録されているのです。

メンバー全員が作曲を担当するラルクですが、こうやってメンバー別に聴いてみると、そのメンバーの好みがはっきりと感じられておもしろいなぁ、と思います。

hydeの曲は、やはりボーカリストの曲だからでしょうか、ボーカルがより色っぽく目立つような作風の曲が多かった印象を受けます。聴いていて、ボーカリストhydeの姿が、よりくっきりと(ちょっとナルシスティックに(笑))目立つのは、hydeセレクトの楽曲たちでした。

tetsuya bestとken bestは、どちらかというと「ラルクらしい」と感じる作品。そんな中でもtetsuyaの曲は、メロディアスでポップな曲が多かったように感じました。一方、kenの作品は、どちらかというとドラマティックというか耽美的というか・・・はっきり言うと「ヴィジュアル系」と括られそうな雰囲気の曲が多かったような感じがします。

そしてもっともわかりやすかったのがyukihiroの曲。かなり露骨に、90年代以降のオルタナ系ロックからの影響を強く感じます。エレクトロを入れてきたり、ヘヴィーなギターを入れてきたり。目新しさは薄く、よくありがちな音だなぁとも感じてしまったのですが、一方ではオルタナ系ロックへの愛情を楽曲から素直に感じられるのも印象的でした。

4枚組というフルボリュームながらも、一方では1枚7曲程度の内容であり、事実上、2枚組程度の長さになっています。あまりにフルボリュームだと、かえって聴きずらくなってしまうだけに、ここらへんの配慮はうれしいところです。

もっとも、選曲に関しては、ファン向きな部分が大きく、ベスト盤の本来の目的のひとつである、「入門盤」としての役割は果たしていないかな?一方で、ファンにとっては、それぞれのメンバーの色をより感じることが出来る上に、メンバーそれぞれが著名なエンジニアを起用し、リマスタリングしているため、全ての音源を持っていても楽しめるアルバムになっています。

そんな訳で、どちらかというとファンズアイテム的な作品。積極的に薦められる作品ではありませんが、私みたいに、ラルクを一応は聴いているけど、熱心なファンではない、という人にはメンバーの個性もあらためてわかり、なかなか楽しめるアルバムだったかも。

評価:★★★★

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2010年5月 8日 (土)

川本真琴復活!!

Title:音楽の世界へようこそ
Musician:川本真琴 FEAT.TIGAR FAKE FUR

【送料無料】川本真琴 feat.TIGER FAKE FUR / 音楽の世界へようこそ 【CD】

川本真琴、復活!

途中、ミホミホマコトや、タイガーフェイクファなど、別名義でのリリースはあったものの、(タイガーフェイクファがフューチャリングという形態とはいえ)川本真琴名義ではなんと9年ぶりとなるニューアルバムが発売されました!

正直、もう、川本真琴はポップスシーンには戻ってこないのかとすら思っていたのですが・・・。

「音楽の世界へようこそ」というタイトルは、むしろ僕らから彼女に、そう呼びかけたいタイトルです(笑)。

ただ、以前の、「DNA」や「桜」のあたり、一番売れていた時期の川本真琴をイメージすると、ちょっと拍子抜けするかもしれません。突き抜けるような明るいポップに、鼻にかかったようなロリータボイスで、とてもかわいらしい女の子の歌・・・という、以前の川本真琴のイメージは、あまり(全く・・・とはいえないな。ちょっとそういう要素も見え隠れするので)ありません。

はっきりとしたキャッチーなメロディーはなく、どちらかというと地味な印象。しかし、落ち着いたポップなメロディーラインをしっかりと聴かせてくれる、そんな素敵なポップソングが並んでいます。

最初聴いた時は、ちょっと戸惑いながらも、「これが今の彼女かぁ」と思いながら、それなりに楽しみながら聴いていました。

でも、その後、下で紹介するベスト盤を聴くと、やはりあの頃の彼女の歌声に惹かれ、「やはりこのアルバム、ちょっと地味だよなぁ・・・」と思いました。で、再度、このアルバムを聴いてみたのですが・・・

いや、これはこれでいいアルバムじゃないか?という思いに至りました。

どこか田舎の家の縁側に座るジャケット写真といい、草むらの中でしゃがむ、中ジャケの写真といい、ナチュラルテイストをイメージさせるのですが、このアルバムの楽曲も、そんな自然の中で伸び伸びと歌う彼女の姿をイメージさせる、爽やかで、そして自然体の彼女の姿が収録されていたと思います。

「アイラブユー」あたりの歌詞は、ちょっとかつての彼女も思い起こさせますしね。「何処にある?」「マギーズファームへようこそ」あたりは勢いのある明るい曲調は、やはり耳を惹きます。また、「へんね」などは、祭りのリズムを取り入れるなど、とても楽しげな作品に仕上がっていました。

今の、川本真琴の等身大の姿を収録した、肩肘の張らない素敵なポップスアルバムだと思います。今後はまた、コンスタントに作品を聴かせてくれるのかなぁ?これからも、また素敵なポップソングを聴かせてほしいです!

評価:★★★★★

で、ほぼ同時期に発売された、かつてのシングル曲を収録したベスト盤。

Title:The Complete Single Collection 1996~2001
Musician:川本真琴

送料無料 CD/川本真琴/The Complete Singles Collection 1996〜2001 (Blu-spec CD)/MHCL-20090

「愛の才能」「1/2」「DNA」「桜」・・・・・・大ヒットした彼女の名曲の数々が収録された曲たち。今聴いても、とても楽しめる曲ばかりですし、積極的な女の子の恋心を、彼女のロリータボイスで歌われると、ちょっとドキっとしちゃいます(笑)。

「桜」とか、あの声で、明るく「キスしようか」って歌われると、やはり男心としては、ドキっとしちゃいません??(笑)

ちょっとエッチな雰囲気もありながらも、楽曲は至って陽性で爽やか。「愛の才能」など、岡村ちゃんテイストの、ファンキーなリズムがベースにあり、歌詞もちょっとエッチな内容もありつつも、変に下品にならずに爽やかさすら感じられるのは、彼女が歌うからこそでしょうか。

ただ一方で、後半の楽曲になると、どこか「音楽の世界へようこそ」へ繋がるような要素も見え隠れするのも事実。音楽業界と肌があわず、活動休止状態になる彼女ですが、やはり初期の作品群は、彼女のやりたい音楽とは違っていたのでしょうか?それでもなお、この時期の彼女の作品は、今でも圧倒的な個性を感じ、輝きをはなっています。

でも、「愛の才能」のヒットからもう14年もたつんだよなぁ。「ブロッサム」からも9年。もう、若い世代の人には、彼女のことをあまり知らない人も多いんでしょうね。

だからこそ、若い世代の人にも聴いて欲しい!!特にこの歌詞の世界は、高校生あたりの思春期まっさかりの世代こそ共感できる部分も多いかも?川本真琴、もっともっと再評価されてしかるべきミュージシャンだと思います。

評価:★★★★★

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2010年5月 7日 (金)

キャラソンが着うたチャートにも・・・。

今週の着うたチャート

2010 年4月28日~2010年5月4日付チャート

今週の着うたチャート。シングルチャートで1位2位を獲得した、あのキャラソンもランクインです。

TSUBOMI feat.九州男/Snow Crystals

まず1位は、女性レゲエシンガーlecca「TSUBOMI feat.九州男」がランクインです。レゲエ、というよりも、レゲエ風味の泣き歌系ラブソング、というある種着うたの王道的路線の曲。シングルチャートでは13位に留まりましたが、着うたでは見事1位獲得です。

2位3位は、先週の1位2位がそのままランクダウン。2位はヒルクライム「大丈夫」、3位はDOES「バクチ・ダンサー」がランクインです。どちらも着うたではロングヒットになりそうです。

初登場では、まず、シングルチャートで話題となった、TBS系アニメ「けいおん!」のキャラクターソング、放課後ティータイム「GO!GO!MANIAC」が4位に、「Liesten!!」が9位に、それぞれランクインです。キャラクターソングはもちろん、アニソンもあまりみかけない着うたチャートなだけに、このヒットには、強い人気を感じます。

また8位には矢島美容室「アイドルみたいに歌わせて feat.プリンセスセイコ」がランクインです。本人たち(あくまでも矢島美容室として)主演の映画「矢島美容室 THE MOVIE ~夢をつかまネバダ~」の主題歌で、プリンセスセイコとは、あの松田聖子のことで、おもいっきり昔懐かしい雰囲気のアイドルソングになっています。シングルでは最高位16位と、あまり好セールスは記録できなかったのですが、着うたでは、ベスト10入りしてきました。

他に、5位にはゼブラクイーン「NAMIDA~ココロアバイテ~」が先週の22位から一気にランクアップし、ベスト10入りしてきました。映画「ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲」の劇中歌として、仲里依紗演じるゼブラクイーンが歌っており、映画では、「2025年のゼブラシティーにおいて、40週連続1位」という設定らしいのですが、現実には、シングルチャートでは、現在22位に留まっています。ただ、着うたチャートでは一気にヒットの予感。現実世界でも1位獲得なるか?


今週のアルバムチャート
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今週のアルバムチャートは、ちょうどゴールデンウィークに突入し、初登場がわずか1枚という寂しいチャートとなっています。

VOCALIST4(通常盤)(CD13曲収録)

そんな中で1位を獲得したのは、先週1位だった徳永英明「VOCALIST4」。これで2週連続の1位獲得。今週も7万6千枚という好セールスを記録しています。

続く2位は、浜崎あゆみ「Rock'n'Roll Circus」が、先週の3位からランクアップ。3位には、LADY GAGA「THE MONSTER」が、こちらも5位からランクアップです。

LADY GAGAの3位という記録は、自己最高位。さらに今週は、9位にリミックスアルバム「THE REMIX」も12位からランクアップしています。これで彼女のアルバムは、2作同時にベスト10入りを記録。洋楽女性ソロでは・・・ってのがまたオリコンらしいニッチな記録なのですがマドンナ以来25年ぶりだそうです。

さて、今週唯一、初登場でベスト10入りしてきたのが10位のSURFACE「Last Attraction」。かなり懐かしい名前ですね。かつて、「それじゃあバイバイ」や「さぁ」などがヒットを飛ばした、男性2人組ユニットです。地道に活動を続けていたようですが、ここ最近、ヒットシーンからはちょっと遠ざかっていました。しかし、このたび、解散を発表。タイトル通り、ラストとなるベストアルバムが、久しぶりにベスト10ヒットを記録し、まだまだ根強い人気を誇っていたことを、あらためて実証しました。

今週の着うた&アルバムチャートは以上!ではまた、来週の水曜日に~。

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2010年5月 6日 (木)

奇跡のライブ音源!

Title:ぶっつぶせ!!
Musician:村八分

ぶっつぶせ! 1971 北区公会堂Live

1969年から1973年のわずか4年間活動し、唯一の公式音源が、1973年のラストライブの模様をおめた「ライブ」のみ・・・その、今聴いても衝撃を受ける、荒削りながらも迫力があるロックンロールサウンドが、その後も一部の音楽ファンの中で、強烈な支持を得て、「伝説の」という冠の下に語られるバンド、村八分。

今回リリースされたのは、彼らの初期、1971年の北区公会堂でのライブ音源。スタッフが保管していたマスターテープが奇跡的に発掘され、このたび、40年ぶり(!)にリリースされた、まさに奇跡のライブ音源、だそうです。

まず、聴いて感じたのは、音が悪いなぁ~でした(笑)。

ただ、他のサイトでのCD評などを見ると、音質は良いという評価が多く、当時の、それも観客による録音、ということを考えると、むしろ音はかなりいい方、ということなんでしょうね。確かに、村八分の迫力ある演奏はしっかりと伝わってきますし、会場の空気感もパッケージされています。

彼らのステージは、テクニックよりなによりパッションが感じられます。音的には、はっきりとストーンズからの影響を感じられるのですが、1971年という段階で、これだけ本物に近いグルーヴを出せる日本のバンドがいた、ということは驚きです。

むしろ、ガレージパンク的な要素が加わっている分、ストーンズよりも、さらに荒くれっぽいようなイメージが受け、また、メロディーにはどこか和風の要素も。そんなところから、今の時代だったら、音楽雑誌なんかからは、「ストーンズに対する日本からの回答」みたいないわれ方をしちゃいそうだよなぁ(笑)。

ただ、粗さも目立つ音源なだけに、正直なところ、一番はじめに「ライブ」を聴いた時のような衝撃は受けませんでした。そういう意味ではファンズアイテム、あるいは「ライブ」で彼らにはまった方が、次に聴くアルバム、といった立付けかも。

もちろん、時代を超えたカッコよさは、このアルバムでも健在。日本にもすごいロックンロールバンドが昔からいたんだなぁ・・・ということを実感させられます。

評価:★★★★

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2010年5月 5日 (水)

キャラソンが1位2位

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週のシングルチャートは、アニメのキャラクターソングが、史上初の1位となりました。

 

TVアニメ「けいおん!!」オープニングテーマ GO!GO! MANIAC(通常盤)

今週のシングルチャートは、チャートではおなじみになってきているTBS系アニメ「けいおん!!」のテーマ曲、放課後ティータイム「GO!GO!MANIAC」が1位に、さらにエンディングテーマの「Listen!」が2位となり、1位2位を独占しました。

アニメのキャラクター名義でのシングルの1位獲得は史上初だそうです。いつもの「けいおん!!」関連の曲と同じく、意外と・・・といったら失礼なのですが、ロックリスナーにも聴かせるバンドサウンドが印象的。ただ、一方で、あまりに狙ったような「萌えキャラ」風なボーカルは、抵抗感があるんだよなぁ・・・。

ただ、今回のヒットで、「アニメソングが世に認められた」みたいな言及をされている方を見受けらました。でも、ちょうど先日発表されたこういうニュースを見ると、むしろ昔の方が、アニメソングが、普通にアニメソングとして、広く世間に認められていたんじゃないかなぁ?むしろ、ここ最近の方が、アニメソング自体が、「一部のファン層」のみを狙ったような曲が増えてきたような気がします(それか、アニメの内容を無視して、純粋にタイアップ効果のみを狙ったような「アニメソング」か)。

ちなみにアニソンは相変わらずシングルチャートでも強さを見せていて、他にも7位には、人気声優田村ゆかりのアニメ「B型H系」テーマ曲「おしえて A to Z」が、9位にTBS系アニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL AKCHEMIST」テーマ曲、中川翔子「RAY OF LIGHT」がランクイン。また、先週ランクインした、映画「劇場版 銀魂 新訳紅桜篇」主題歌DOES「バクチ・ダンサー」も今週9位にランクインしています。

他に初登場は、5位に℃-ute 「キャンパスライフ~生まれて来てよかった~」が、6位に、着うたチャートでヒットを続けているヒルクライム「大丈夫」が、それぞれランクインしています。上のアニソン系のヒットの他、アイドル系と着うた主導のヒットと、ちょうど今のヒットシーンを象徴しているような初登場曲となっています。

また、ここロングヒットを続けている坂本冬美「また君に恋してる」は今週6位から4位に再度ランクアップ。ただ売上枚数は、先週の2万2千枚から2万枚にダウン。まだまだロングヒットは続きそうですが、これ以上上を望むのは、ちょっと厳しい状況かなぁ?

そんな訳で、今週のシングルチャートは以上。アルバム&着うたチャートは金曜日に!

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2010年5月 4日 (火)

待ったかいがありました!

Title:the Surface ep
Musician:the band apart

the Surface ep

途中、「shine」のリリースがあったのでちょっと意外な感があったのですが、新曲としては約2年ぶりとなるミニアルバム。ちょっと久しぶりの新譜となりました。

わずか5曲入りの内容ながらも、全ての曲がしっかりと作りこまれた楽曲になっていて、どの曲も、彼らの代表曲と言ってしまえるような、内容の濃いアルバムに仕上がっていたと思います。

飛び跳ねるようなリズムがとても軽快で、ちょっと粋な、こじゃれたような雰囲気が漂っている「Tears of joy」に、「free fall」は、テンポのよいギターロック。ポップはメロディアスですし、あえていえば、シングル向きといった雰囲気かも?

続く「Flower Tone」は既発表している曲とはいえ、ASPARAGASのライブツアー限定でリリースされたオムニバスCDに収録された作品なので、これが初耳という方も多いかも。ベースのリフがどこかポップさを醸し出している、かわいらしい雰囲気のナンバーになっています。

「C.A.H.」は、ちょっとビート感が強く、ロック風の雰囲気ながらも、ジャズ、フュージョンの要素なども加えつつ、一癖も二癖もあるサウンドとメロディーが妙に心にひっかかる作品。そしてラストの「Mercury Lamp」は、ノイジーなギターのインストからはじまり、メロディーはポップでかわいらしい雰囲気。メロの雰囲気と、合間に入るノイジーなバンドサウンドの対比がおもしろい作品に仕上がっていました。

そんな感じで、すべての曲をただ紹介して羅列しただけになってしまったのですが、アルバム全体としては、いつもの通り、ポップ、ロック、アシッドジャズなどの要素をきちんと入れてきた一方で、ポップでメロディアス、ちょっとかわいらしさを感じる雰囲気の曲も多い、聴きやすい作品になっていました。

ただ、1曲1曲どの曲も独自の表情を持っているのも特徴的。しかし、その一方で、the band apartとして、ひとつの個性がすべての曲を通じて感じられ、アルバムとしてのまとまりもしっかりとあります。

まさに「待ったかいがありました!」といえるミニアルバム。そりゃあ、これだけの作品を作っていれば、リリース間隔が開いてしまうのは当然だよなぁ~。ただ、次はそろそろフルアルバムを聴きたいのですが・・・ってのは、身勝手な要望かな?(^^;;

評価:★★★★★

the band apart 過去の作品
Adze of penguin
shit

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2010年5月 3日 (月)

奇跡の未発表音源集!

Title:Baby#1
Musician:忌野清志郎

Baby #1

ちょうどほぼ1年前。昨年の5月2日、惜しまれつつわずか58歳でこの世を去った忌野清志郎。その彼の、なんとニューアルバムがこのたび発売されました。

このアルバムは、ソロアルバム「Razor Sharp」に続くソロアルバムとして計画され、1989年でアメリカ・ロサンゼルスで録音されたもの。その後、ソロアルバムの話はお蔵入りとなり、そのマスター・テープは長らく行方不明となっていました。

しかし、最近、なんとこのマスター・テープがレコード会社の倉庫の中から発見され、このたび、ニューアルバムとしてリリースされました。

このうち、純然たる新曲となるのが、タイトル曲の「Baby#1」。当時、産まれたばかりの息子に対して捧げられた曲だそうで、昔のアメリカンポップ風の、カラリと乾いた雰囲気の、かわいらしい軽快なポップチューンで、息子を思う歌詞が、父親としての愛情を感じられる素敵なナンバーです。ライブでは披露されたことあるナンバーらしいのですが、いままで未発表だったことが不思議になるような、素敵な名曲です。

他の曲に関しては、基本的には、何らかの形で発表されたことある曲ばかりとか。もっとも、そのほとんどが、90年代初頭にリリースされた曲ばかりなので、私にとっても基本的にはじめて聴く曲ばかり(「NEWS23」のエンディングになっていた「NEWSを知りたい」は、テレビを通じて聴いたことある記憶がありましたが・・・)。そういう意味では、純然たるニューアルバムとしても楽しむことが出来ました。

ただ、キヨシローの声は、やはり若いなぁ(笑)という印象は受けましたし、「KI・MA・GU・RE」などは、80年代の雰囲気をかなり感じさせます。

そして、今回の曲の中で印象的だったのが「恩赦」。本格的なソウルナンバーで力強いグルーヴが印象的なナンバーの名曲。さらに印象的だったのはその歌詞。おそらく20代以下の方にはピンと来ないかもしれませんが、昭和天皇の崩御にあわせて恩赦が行われ、「恩赦」という言葉がちょっとしたブームになったんです・・・なんか、時代を感じさせる歌詞が、懐かしくも感じられました。

もっとも、時代を感じさせる曲はこの程度。他の曲に関しては、80年代に録音された、ということを感じさせないような、キヨシローらしい、ロックでソウルでポップなナンバーが並んでいました。

全体的に、明るく楽しいナンバーが多く、ロサンゼルスでの録音、ということもあるのでしょうか、アメリカらしい(?)カラリと晴れ晴れしたナンバーが多かったように感じます。

「I Like You」はキヨシローらしく、「愛すること」を明るく歌っていますし、「Young Blue」はおもいっきりブルージーなナンバーに。また、「NEWSを知りたい」は、時計の音をリズムとして用いているという、ユニークな試みがおもしろい作品になっています。

他にも名曲揃いのこのアルバム。ファンにとってももちろんうれしいプレゼントですし、ファンならずとも楽しめるアルバムだったと思います。あらためて、キヨシローの魅力を感じることが出来た傑作でした。

評価:★★★★★

忌野清志郎 過去の作品
入門編
忌野清志郎 青山ロックン・ロール・ショー2009.5.9 オリジナルサウンドトラック


ほかに聴いたアルバム

PLAY/竹内電気

PLAY

パッと聴いた印象だと、「平凡なパワーポップだなぁ」と感じたのですが・・・

よくよく聴いてみると、実は何気に、いろいろなジャンルの影響を感じます。特に後半、アシッドジャズやらディスコチューンやらファンクやらブルースやら。意外な音楽性の広さには、ちょっと驚かされました。

ただその一方、それに載っているメロディーが、ちょっと平凡すぎて印象に残らないんですよね・・・。先が読めてしまう感じ、とでも言うんでしょうか。これでメロディーがよければ、かなりおもしろいアルバムだと思うだけにとても残念です。

評価:★★★

竹内電気 過去の作品
SHY!

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2010年5月 2日 (日)

シングルとは別の”表情”に、いつもと印象の違う”横顔”

Title:表情
Musician:チャットモンチー

表情<Coupling Collection>

チャットモンチーの今回のアルバムは、「表情」と「横顔」と名づけられた2枚組となる作品。「表情」は、いわゆるカップリング集となっており、「横顔」は、彼女たちの楽曲をアコースティックでカバーした作品となっています。

シングルのカップリング曲というと、シングルみたいにインパクトがあるわけでもなく、アルバムの中に入れるとちょっと浮いてしまう、実験的・・・というとポジティブな言い方になりますが、ちょっとそのミュージシャンにおいては一風変わった作品が収録される、という場合が少なくありません。

ただ、彼女たちは、インタビューの中でカップリング曲についても「シングルとは区別していない」というような回答をしています。それを裏付けるかのように、「表情」に収録されている曲に関しても、楽曲の感じはほとんどシングルやアルバム収録曲と同じに仕上がっています。

どの曲も、基本的にはストレートなオルタナ系のギターロック。元気いっぱいのサウンドに、ポップなメロディーラインがとても魅力的。また、等身大の恋愛を歌った歌詞もちょっと切なくて、女性ならずとも聴き入ってしまいます。

とはいえ、「リアル」とか「コスモタウン」あたりは、シングルともアルバム収録曲ともちょっと変わった雰囲気で、いかにもカップリング曲ならでは、といった感じかな?ただ、ポップなギターロック作品「迷迷ひつじ」あたりは、シングルとしてリリースしていても遜色なさそうだし、入浴剤みたいなタイトルがユニークな「バスロマンス」など、かわいらしい歌詞が、チャットモンチーらしい、名曲だと思います。

まあ、そんな感じで、チャットモンチーらしさ、はこのカップリング集でも十分に発揮されていました。

一方、そんな「チャットモンチーらしさ」と違う側面を見せてくれたのが、アコースティックカバーアルバムである「横顔」でしょう。

アコースティックなサウンドで奏でられるチャットモンチーの楽曲の数々。もともとから、メロディーと歌詞をしっかりと聴かせる曲が多いだけに、「新たにチャットモンチーのメロディーの素晴らしさがわかりました」というのはさすがに言いすぎかもしれませんが、チャットモンチーのメロディーの良さが、より前面に出ている、名カバーになっていたと思います。

特に素晴らしかったのが最後の「サラバ青春」。タイトル通り、卒業に伴う別れを切なく歌い上げたナンバーなのですが、誰もがその学校生活を彷彿とさせる、あのピアニカの音が切なく鳴り響き、楽曲から感じるノスタルジーを増幅させていました。

「表情」も「横顔」も、それぞれ1枚のアルバムとして成立していて、かつ、どちらもチャットモンチーの世界を存分に楽しめる、いい企画盤だったと思います。熱心なファンの方意外でも十分に楽しめる作品でした。

評価:★★★★★

チャットモンチー 過去の作品
生命力
告白


ほかに聴いたアルバム

Shipahead/冨田ラボ

Shipahead

冨田ラボの「Shipシリーズ3部作」の完結編。佐野元春や秦基博、CHEMISTRYにキリンジ、吉田美奈子という豪華なミュージシャンとのコラボレーションが魅力。どの曲もさわやかなポップチューンに仕上がっていて楽しめる一方、佐野元春やキリンジなど、佐野元春らしさやキリンジらしさもさりげなく曲から感じられるのもおもしろいかも。最後の吉田美奈子とのコラボレートは、力強いソウルフルなボーカルが楽しめ、吉田美奈子の実力を感じさせる作品になっていました。

評価:★★★★

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2010年5月 1日 (土)

ファン選曲によるベスト盤

Title:ぼくらの空気公団
Musician:空気公団

ぼくらの空気公団

空気公団のベストアルバム・・・は、3年前に、「空気公団作品集」がリリースされたばかり。

で、今回発売されたベスト盤は、ファンによる人気投票により選ばれたセレクションアルバム。基本的には、「思い出俄爛道」を除いて前作に収録された曲はおさめられておらず、「空気公団作品集」で彼女たちを知った方でも、安心して(?)手に取れるアルバムです。

彼女たちの曲は、パッと聴いた感じ、地味にも感じられるのですが、清涼感のある暖かいメロディーは、聴けば聴くほど味が出てくるような素敵なポップスばかり。残念ながら、決してブレイクしたとは言い難い状況が続いているのですが、それだけに、森の奥で出会った、誰も知らない音楽・・・というような表現が正しいのでしょうか?・・・知る人ぞ知る、ポップスバンドです。

暖かい雰囲気の作品は、アコースティックなサウンドが多い、という印象も受けていたのですが、その中でも、オルガンの音を効果的に用いているのも印象的。特に「窓越しに見えるは」「思い出俄爛堂」は、オルガンの音色が音に厚みを与えて、より一層、曲が暖かい雰囲気に仕上がっていました。

また、「夕暮れ電車に飛び乗れ」みたいに、十分ヒットポテンシャルがありそうなメロディーの曲も少なくなく、「知る人ぞ知る」的な位置にいるとはいえ、決して内向き志向の「わかる人だけがわかればよい」というポップスではなく、幅広い層に受け入れられるメロディーをしっかりと書いてくるバンドだと思います・・・それだけに、もっともっと売れてもいいと思うんですけどね~。

全体的に地味な雰囲気の選曲だった、「空気公団作品集」に比べて、ポップで聴きやすい内容になっていて、とっつきやすい印象があります。空気公団をはじめて聴く方にとっての入門盤としてはちょうどいいかも。

本当に暖かくて、ポップで素敵なバンドですよ~。聴いたことない方は是非。

評価:★★★★★

空気公団 過去の作品
空気公団作品集
メロディ

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