イエモンの最高傑作
Title:COMPLETE SICKS
Musician:THE YELLOW MONKEY
THE YELLOW MONKEYの結成20周年を記念してリリースされた作品。アルバム「SICKS」をデジタル・リマスターしBlue-spec CDに収録し、デモ音源が収録されたCDとレコーディングドキュメントやメンバーへのインタビューをおさめたDVDが収録されています。
「SICKS」は1997年にリリースされたTHE YELLOW MONKEYの6枚目となるアルバムで、自他ともに評価の高い、彼らの最高傑作と言われているアルバムだそうです。
「そうです」という言い方をするのは、私自身が、「SICKS」を聴くのはこれがはじめてだから。1997年当時、THE YELLOW MONKEYというバンドについては知っていたものの、まだどこか興味が持てずにいたんです。
で、「最高傑作」という話を聴いていたので、最初、意気込んで聴いたのですが・・・パッと思ったのは、思ったより地味だなぁ・・・という印象でした(笑)。
ただ、その一方で、聴きおわった後、1曲1曲が妙に印象に残り、心の中でひっかかっていました。1度聴いた後だけで曲の感じがキッチリと記憶される・・・ちょっと地味に感じられても1曲1曲がとても個性的で主張しているナンバーが並んでいるように感じました。
楽曲は、「歌謡ロック」という言い方が、いい意味でピッタリと当てはまるような感じがします。メロディーにもサウンドにもいい意味での歌謡曲風な泥臭さが感じられます。このアルバム、イギリスでも発売されたそうですが、「日本のロック」というのを主張するには、ある種もってこいの作品だったかもしれません。
その中でも、妖艶でジャジーな雰囲気の「紫の空」があったり、ステレオの左右でボーカルを使い分ける手法がユニークな「創生児」があったり、この時期、一気にブレイクした自らを自虐的に歌った「TVのシンガー」があったりと、アレンジも歌詞もユニークで多彩。この時期の彼らの勢いを感じさせます。
リリースから13年。いまだに古さを感じさせない、ジャパニーズロックの傑作の1枚でしょう。イエモン、復活してくれないかなぁ~こういうアルバムを再度出してくるのなら、ひょっとして・・・・・・・・・。
評価:★★★★★
| 固定リンク
「アルバムレビュー(邦楽)2010年」カテゴリの記事
- ネット配信の可能性と疑念(2011.01.05)
- 歌詞はひいてしまう人もいるかも・・・。(2011.01.03)
- 2人の主人公を軸に進む物語(2011.01.02)
- アメリカの香りが(2010.12.30)
- アバンギャルド(?)なポップスバンド(2010.12.28)
コメント