バリエーションの豊かさが魅力
Title:CREATURES
Musician:ストレイテナー
ストレイテナーの新譜は、「CREATURES」=「生き物」というタイトル通り、「OWL(ふくろう)」でスタートし、「Man-like creatures」を軸として、最後は「猫」で終わるのがユニークです。
さて、今回のアルバムに関して、まず感じたのは、その楽曲のバリエーションの豊かさでした。
冒頭の「OWL」「MEMORIES」こそ、ヘヴィーなギターサウンドが耳を惹くものの、前半は比較的ストレートなギターロック。良くも悪くもストレイテナーというバンドが持ちイメージに忠実な作品が並んでいました。
そして、このアルバムの、ある種の柱となるのが、先行シングルでもある「Man-like Creatures」。前半は、打ち込みのリズムと哀愁を感じるギターサウンドが、独特の雰囲気を出しています。そして後半、ノイジーなギターが、その風景を打ち破ります。その展開のスケールの広さを感じさせる、彼らの実力を感じさせる作品でした。
その後のアルバムの展開が、まさにバリエーション豊か。ピアノの音色が美しいバラードナンバー「Dark Blue Day」から、続く「DONKEY BOOGIE DODO」はファンキーなリズムがライブ映えしそう。その、ちょっとファンク風なリズムは、続く「クラムボン・インザエアー」でも感じられます。
「Diamond Philips」は、テンポのよいギターロックに、シンセの音がとてもポップに鳴り響く明るく楽しげなナンバー。ラストの「瞬きをしない猫」は、最後を締めくくるヘヴィーなロックサウンドが、耳を惹きつける、インパクトも感じるシングル向けのナンバーでした。
いままで以上に、ストレイテナーというバンドの音楽の広がりを感じたアルバムでした。もちろん、前作で魅力を感じたポップなメロディーラインは本作でも健在。基本的にはオルタナ系のギターロック路線はいままで同様ながらも、様々な顔を見せてくれる、これからの彼らの可能性についても楽しみになってくるような作品でした。
評価:★★★★★
ストレイテナー過去の作品
Nexus
ほかに聴いたアルバム
THE WORLD iS YOUR!/難波章浩
エレクトロ路線を大胆に導入した作品。前半は、エレクトロ+パンクといった感じで、ちょっとチグハグな感じもしたものの、後半になるにしたがって、なかなか凝った作風のアレンジも聴かせてくれました。
ただ、全体的には、どこかで聴いたことあるような音がほとんどで、エレクトロサウンドが、彼にとってどこか借り物のように感じられました。素直に音楽を楽しむスタイルは、アルバム全体から感じられる点はプラスだったと思うのですが。
評価:★★★
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