音と音のぶつかりあい
Title:FRESH
Musician:detroit7
以前、ベスト盤のレビューでも似たようなことを書いたかもしれませんが、とにかく、detroit7がカッコいい!
ミッシェルなき後を告ぐ、正統派のロックンロールバンド・・・とまで言ってしまうと、残念ながら現段階ではそのレベルにまでは達していないかもしれません。でも、ガレージロックの影響が強いストレートでハードなロックンロールサウンドを奏でていながらも、メロディーは意外とポップで聴きやすい、というスタイルは、ある種ミッシェルにも通じる部分があります。
で、今回発売されたのが、様々なミュージシャンとのコラボレート作をおさめた7曲入りのアルバムなのですが、これがまたカッコいい!!
1曲目のMYSSとのコラボ曲「Turn up Fader」からして、エレクトロサウンドとロックンロールサウンドががっちり四つに組んでいるロッキンなディスコチューンで、自然と身体が動き出してしまうそうですし、続く「C'mon,C'mon,C'mon」も同じく、打ち込みのサウンドとガレージパンクが融合した、ビート感の強いカッコいいナンバーになっています。
SOIL&PIMP SESSIONSの元晴と組んだ「PEANUTS BUTTER BOMB」は、グルーヴィーなガレージロック。フジファブリック金澤ダイスケと組んだ「VIVID SANDI」も、同じくガレージロックながらも、どこかサイケな雰囲気も感じます。
どの曲も、メロディーというよりも、あくまでもサウンドを前に押し出したアレンジになっていて、いわばコラボレート相手との、音と音とのぶつかりあいといった感じ。detroit7としての個性もしっかりはっきしつつ、相手の個性をちゃんと取り込んだような音を作り出していて、コラボならではの作品になっているのがとても魅力的です。
そして、元SPARTA LOCALSの安部コウセイと組んだ「サンデーボーイ」は、ノイジーなバンドサウンドが鳴り響く中ながらも、唯一、しっかりとメロディーとボーカルを聴かせるナンバー。メロディーの面でも、detroit7の魅力を垣間見ることが出来ます。
正直、少々マンネリ感もあるいままでのオリジナルに比べても、バラエティーがあって断然、すばらしい出来に感じました。ロックンロールって、本当にカッコいいなぁ・・・そう感じることの出来るコラボレートアルバムです。
評価:★★★★★
detroit7過去の作品
FEVER
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