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2010年4月 1日 (木)

プラスティック製のビーチ

Title:Plastic Beach
Musician:GORILLAZ

Plastic Beach

デビュー当初の「企画モノ」的な地位から、すっかりと世界的な人気「バンド」になったGORILLAZの3枚目となるオリジナルアルバム。イギリスだけでなく、アメリカでもビルボードチャートで2位にランクインするなど、大ヒットを記録しています。

音楽的には、デーモン・アルバーンの趣味性を強く反映しています。デーモン・アルバーンといえば、「MALI MUSIC」という、アフリカ・マリのミュージシャンとコラボを組んだり、「monkey」では、中国風の音楽に挑戦したりと、ワールドミュージックにも幅広く手を広げる、広い音楽への興味をその活動から見て取れます。

今回のGORILLAZもまた、そんな音楽性の広さを反映した作品に仕上がっていました。

ゲストに、デ・ラ・ソウルやスヌープ・ドッグなどが参加していることからもわかるとおり、HIP HOPの要素も強いのですが、「WHITE FLAG」はどこか東洋風のメロディーが流れ、続く「RHINESTONE EYES」は80年代風のエレクトロポップの要素を感じます。

他にも、ロック、ポップスはもちろん、ソウルやアフリカ音楽、テクノやダブ、さらにはオーケストラを導入するなど、様々な音楽を幅広く取り入れています。ただ、どれもあくまでも取り上げ方は薄く広く。そのため、必要以上にマニアックにならず、ポップにまとめあげているのが、デーモン・アルバーンらしいといったところでしょうか?

このたび、blurの本格的な活動再開がアナウンスされました。グレアム・コクソンとの関係修復が活動再開の大きな理由だと思うのですが、デーモンもGORILLAZで自分の趣味的な部分を自由に表現できるからこそ、ファンから「らしい」音作りを求められるような、blurでの活動を本格的に再開できた・・・のかもしれません。

個人的にblurのファンなので、今後の活動で、GORILLAZでの音楽が、blurにどのように反映されるのか、とても楽しみです。

話がそれてしまいましたが・・・・・・

今回のアルバムのもうひとつの大きな特徴が、そのコンセプチュアルな内容です。

今回のアルバムタイトルになっている「Plastic Beach」は、「地球上のあらゆる大陸から最も遠い場所に位置し、人類が作り出した堆積物と残骸と残滓で形成されている」ビーチだそうで、「SOME KIND OF NATURE」「PLASTIC BEACH」のように、環境問題をテーマにしたような歌詞も見受けられました。

もっとも、様々な音楽性を取り入れ、批評性ある歌詞を書きながらも、全体としてはどこか力の抜けた部分も感じる、ポップな作風に仕上がっていたと思います。上で紹介したミュージシャンの他にも、ルー・リードやモス・デフなど、実に豪華なゲストも参加し、アルバムを盛り上げています。

今年を代表する1枚となりそうな傑作。GORILLAZもblurも、今後の活動から目が離せなさそうです。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Years Of Refusal/Morrissey

YEARS OF REFUSAL

ジャケットがやけにマッチョテイストなのですが(^^;;それだけどこか力強さを感じさせるロックテイストのアルバム・・・と思いきや、メロディーラインなど、実はとても繊細な部分も目立ち、ポップなサウンドを聴かせてくれる作品でした。

評価:★★★★

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