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2010年3月15日 (月)

今を生きるシューゲイザー

Title:A Brief History of Love
Musician:THE BIG PINK

A Brief History of Love

90年代前半、マイブラやRideなどの人気により、一世を風靡したシューゲイザーというジャンル。数多くの熱烈なファンを抱えながら、その後、衰退してしまいました。しかし、現在、再びこのシューゲイザーというジャンルが注目を集めているそうです。現在によみがえったシューゲイザーは、「ノーゲイザー」などと呼ばれ、最近では、Asobi SeksuやNo Ageとかいったバンドが注目を集めています。

彼ら、THE BIG PINKも、そんなシューゲイザーからの影響を強く感じるバンドの一組。彼らのことをはじめて知ったのは、イギリスのレーベル4ADから、今年はじめに無料配信されたサンプラー盤でのこと。このアルバムに収録されている「Too Young To Love」を聴いたのですが、楽曲を塗りつぶすような甘美なギターノイズとポップなサウンドという、王道のシューゲイザーサウンドともいうべき楽曲に、すっかり聴きほれてしまいましt。

そしてこのたび、ようやくアルバムを聴いてみたのですが・・・まずジャケットがいいですね、とてもエロくて(笑)。艶っぽくて、ぼやけた雰囲気のジャケットが、なんとなくシューゲイザーのサウンドともマッチしている感じがします(本当か??)

さらに肝心のアルバムの内容なのですが、これが、ノイジーで甘いギターサウンドに、幻想的なアレンジ。そしてそれに反するような、至ってポップなメロディーと、まさにシューゲイザーバンド好きの壺をついてくるような楽曲でした。

おもしろいのが、ノイジーなサウンドの中で流れているメロディーと歌が、とてもはっきりしていて、かつ端整ということ。歌とメロだけを取り出せば、売れ線のポップソングか?というほど、わかりやすくメロディアスな内容になっていて、アレンジとのバランスの妙さが、とてもおもしろいです。

また、楽曲の随所に、エレクトロサウンドを効果的に用いているのもおもしろいところ。「Golden Pendulum」など、幻想的なサウンドと打ち込みのリズムのからみがとても印象的。このエレクトロサウンドとシューゲイザーの融合したサウンドが、彼らの大きな特徴になっています。

シューゲイザーの王道路線のようなサウンドを聴かせつつ、彼らの個性も織り込みつつ。個人的には、かなり壺にはまるバンド(笑)。これからの活躍も大変楽しみです。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

SCARS/BASEMENT JAXX

Scars

基本的に歌モノ路線で、メロディーをしっかり聴かせながらも、ビートの強いリズムでリスナーをしっかりと踊らせる、とても楽しいアルバム。ソウルやR&B、ラテン、ロックなどを自在に取り入れた音楽性も幅広く、最後まで飽きさせません。かと思えば、「Count Backwards From Ten」「Stop The World」など、リスナーをチルアウトさせる聴かせる曲もあり、単純なアゲアゲのダンスアルバムとは違う奥深さも。さすがです。

評価:★★★★★

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コメント

>アメリカのレーベル4AD

は?

投稿: かこ | 2010年3月16日 (火) 01時09分

>かこさん
すいません。うっかり間違えてしまいました(^^;;修正しました。

投稿: ゆういち | 2010年3月16日 (火) 01時22分

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