日常が音楽!
Title:everyday is a symphony
Musician:□□□
何かの企画だとか、「一日メンバー」みたいなノリではなく、正式にいとうせいこうがメンバーとして加入して話題の□□□の、いとうせいこう加入後、初となるフルアルバム。
今回の作品、とてもユニークなのが、日常の音を楽曲にサンプリングして、日常の光景を曲としてまとめた作品だという点。ま、タイトルそのままのコンセプトなのですが、日常の音すべてが音楽・・・という視点での作品になっています。
そのため、個々の楽曲が、とても個性的でユニーク。日常会話をサンプリングした「Everyday」からはじまり、「Tokyo」では、駅のアナウンスをサンプリング。「有志の宝くじ」の歌詞と音の組み合わせは、かなり笑えました。水の音でテクノを仕上げてしまう「温泉」などもかなりユニークですし、時報をリズムにした「00:00:00」も、面白い目の付け所だなぁ・・・ということを感じました。
そんな感じで、1曲1曲がとてつもなく濃い作品(笑)。ただ、どの曲も、ある種のわかりやすさがあり、そういう意味では、ポップな作品になっていたと思います。
次から次へ、その次の展開をワクワクしながら楽しめるような、そんなアルバムでした。
・・・が、その一方、これは、以前からの□□□にも感じていたのですが、正直、ある種のあざとさも感じてしまいました。
「日常の音をサンプリング」という企画自体の狙いも、ある意味、わかりやすいというか、狙いすぎな部分も否めないのですが、このアルバムの中でも、ベタな卒業ソングを狙ったような「卒業」に至っては、そのあざとさが鼻について、ちょっと引いてしまいました。
もともと、頭でっかちな部分が見え隠れしていたユニットだっただけに、その頭でっかちさが、表に出てきたように感じたのも気にかかるところ。このある種のあざとさも彼らの魅力といえば魅力なのですが、それがもっと悪い方向に出てこないように・・・次回作がいろいろな意味で気にかかるアルバムでした。
評価:★★★★
| 固定リンク
「アルバムレビュー(邦楽)2010年」カテゴリの記事
- ネット配信の可能性と疑念(2011.01.05)
- 歌詞はひいてしまう人もいるかも・・・。(2011.01.03)
- 2人の主人公を軸に進む物語(2011.01.02)
- アメリカの香りが(2010.12.30)
- アバンギャルド(?)なポップスバンド(2010.12.28)
コメント