どこか日本人の琴線に触れるメロディー
Title:ヒズミカル
Musician:THE ZOOT16
TOKYO NO.1 SOUL SETの渡辺俊美によるソロユニットTHE ZOOT16の、約3年半ぶりとなるニューアルバム。
「ヒズミカル」というのは、彼がつくった造語だそうで、「歪み」と「リズミカル」を混ぜた言葉だとか。「一見歪んでいる様に見えても世の中に一つしか無い自分でありたい」という思いからつけられたタイトルだそうです。(参考サイト)
中南米、ラテン系の音楽の影響を強く受けた楽曲は、スパニッシュやスカ、レゲエなどといった要素に、ロックを取り混ぜたようなサウンド。ちょっと異国情緒を感じる、非英米的なポップソングになっています。
こんなことを書くと、な~んとなく、いまひとつ日本人のなじみのない、ちょっと音楽マニア向けの音楽かな?なんてことを想像してしまいますが、むしろ逆。こういってしまったら語弊があるかもしれませんが、ある種の歌謡曲的な匂いを感じる、日本人にとって壺にはまるようなメロディーが繰り広げられています。
まあ、もともとラテンポップ自体が、ある種歌謡曲とも相性がいいようにも感じるのですが、彼の楽曲にまとわりついている、ある種のウェットさは、古き良き時代の歌謡曲に共通するものを感じます。哀愁たっぷりに聴かせるメロディーは、どこか郷愁を感じさせ、日本人の琴線にも触れるメロディーを楽しむことが出来ます。
全体的に派手さは薄いですし、メロディーのパンチも少々欠ける部分もあるように感じますが、そのメロディーに、ついつい聴きこんでしまい、惹き込まれてしまう魅力たっぷりの作品でした。
評価:★★★★
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