天才コジマユの新作!
Title:ブルーロンド
Musician:小島麻由美
4年ぶり。久しぶりとなる小島麻由美のニューアルバム。今回のアルバムのひとつのポイントになるのが、ドラムス。いままで参加していたASA-CHANGではなく、元デキシード・ザ・エモンズの八馬義弘を迎えています。
その影響は、1曲目「眠れない夜」ではっきりとあらわれています。荒々しい、60年代のガレージロックのような、ビートの効いたドラムスが鳴り響くナンバー。ちょっとレトロな雰囲気が漂うロックになっていて、小島麻由美の世界との相性の良さもうかがわせます。
その後も「サスペリア」のような、ちょっとヘヴィーなドラムを聴かせるナンバーもあったりと、比較的、ロックなリズムの楽曲が多かったでしょうか?
ただ、一方で、楽曲自体は、シングルな作風のポップな楽曲が多く、かつバラエティー豊か。
軽快なリズムの「黒猫のチャチャチャ」や、このアルバムの中では、一番ジャジーな雰囲気を醸し出す、しっとりとした大人のポップスを聴かせる「青いロンド」。軽快なピアノポップの「大きな地図」などなど。
個人的には、シングル曲でもある「メリーゴーランド」がお気に入り。戦後すぐの、洋楽の要素をストレートに取り込んだ歌謡曲のような雰囲気の、哀愁たっぷりのナンバー。小島麻由美ワールドが、これでもかというほど発揮されています。
最後は、ピアノのみのかわいらしいポップスナンバー「撃て!トランペッター」で締めくくり。わずか40分弱の内容ながらも、次から次へと様々な世界が繰り広げられる、実に濃いアルバムでした。
新ドラムスも、しっかりとその世界に組み込み、ポップで楽しい、そしてちょっと濃ゆい、小島麻由美の世界を作り上げていた作品。ポップだけど、中に入り込めば入り込むほど、その雰囲気に酔ってしまう、そんなアルバムだったと思います。
邦楽では、今年はじめての、今年を代表する傑作の1枚だったと思います。やはりコジマユは天才だ!!・・・ということを、あらためて感じた作品でした。
評価:★★★★★
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