今でも魅力的
Title:タニムラベスト
Musician:谷村有美
最近の状況を考えると信じがたいのですが、90年代、アイドル冬の時代と呼ばれていました。おにゃん子クラブや光ゲンジの大ブームの反動で、アイドルが全く売れなくなった時代。今では、すっかりおばちゃんキャラになってしまった高橋由美子が、「20世紀最後の清純派アイドル」などと呼ばれて、わずかに人気を集めていた程度でした。
そんな中、一部の男子学生から絶大な支持を得ていたのが、ガールスポップというジャンル。そこそこのかわいいルックスを持ちながら、自ら作詞をしたり作曲をして、アイドルではなくミュージシャンなんだ、というスタンスを持った、でも実際はアイドル的人気を持った「ミュージシャン」たち。永井真理子や、遊佐未森などが、高い人気を集めました。(ちなみに、広い意味でこの流れを組んでいるのが、やはり自分で作詞して、「アイドルじゃない」スタンスを売りにしている浜崎あゆみなわけですが)
そして、そんなガールスポップの中で、男子学生に圧倒的な人気を誇っていたのが彼女、谷村有美。ごめんなさい、正直、自分も聴いていました(^^;;かわいらしいルックスと、きれいなボーカルが、多くの男性陣を魅了しました。ただ、自ら作詞をしたり(場合によっては作曲も)あくまでもスタンスはミュージシャン。慶応大学出身の才女というのもまた、アイドルではない、というスタンスの、ちょうどよいエクスキューズになったみたいです(ただ、通信制課程の、それも中退みたいなのですが・・・)。
現在は、日本マクドナルド社長夫人として、すっかり玉の輿に乗ってしまった彼女ですが、このたび、ベストアルバムが発売されたこともあり、久しぶりに彼女の作品を聴いてみました。
まあ、昔聴いていたポップソング、それも、半分アイドルポップみたいなイメージのシンガーということで、久しぶりに聴くと、物足りなく感じるんじゃないかなぁ・・・なんてことを考えながら、久々聴いてみたのですが・・・これが意外と悪くなかったんですよ。
彼女の曲って、しんみりと、しっかり聴かせる曲が多く、アップテンポなポップソングにしても、どこか落ち着いた、大人の雰囲気を感じさせる曲が多いんです。だから、彼女の曲は、時代に流されることない普遍的なポップスソングになっています。決して真新しかったり、凝っていたりする訳ではないのですが、だからこそ、何年も経た今でも、聴いていて、時代を感じさせることなく、すんなりと楽しめるのではないでしょうか。
もっとも、あの時代を思い出しちゃったノスタルジー的な要素もあるんですけどね(笑)。「ときめきをBelieve」とか、メロや歌詞を含めて大好きだったからなぁ。高校時代のいろいろな思い出がよみがえってくるようです(笑)。
正直、今の若い世代に積極的に薦める、というほどではないのですが、かつて学生時代に聴いていたリスナー層は、久しぶりに彼女の歌声に触れて、あの時代を思い出すのもいいのでは?今聴いても、普遍的なメロディーが心にしんみりと入り込んできます。ちょっと懐かしさにひたりながらも、やはり谷村有美ってよかったなぁ、そう感じたベスト盤でした。
評価:★★★★
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コメント
はじめまして、音楽ウェブロッジのSunHeroと申します。
珍しく谷村有美を取り上げていたので、嬉しくってコメントを。
後でTBも送信させて頂きます。よろしくお願いします。
投稿: SunHero | 2010年3月24日 (水) 21時26分
>SunHeroさん
はじめまして!TBもありがとうございました。谷村有美、なにげに好きなんですよ(笑)。次、アルバムがリリースされたら、聴いてまた感想を書きますので、よかったら読んでやってください。
投稿: ゆういち | 2010年3月26日 (金) 00時54分