隙がない
Title:Velvet Velvet
Musician:カーネーション
約3年半ぶり。メンバーが2人となってから、初となるニューアルバムです。
カーネーションのアルバムを聴いたのは、正直ちょっと久しぶりなのですが、聴いていてとにかく隙のなさを感じました。
直枝政広の書く、文学性を感じさせる歌詞に、メンバーが2人ということを感じさせないようなダイナミックなバンドサウンド。時にはストレートなギターロックに、ちょっとヘヴィーな名なーも加えつつ、「この悲しみ」ではソウル風の要素を加えたり、「砂丘にて」では乾いた雰囲気がカントリーの要素を感じたり、「遠い空 響く声」ではちょっとジャジーな雰囲気を感じたり。
また、ポップなメロディーもとても聴きやすく、いい意味で邦楽っぽいウイットさも加えながら展開されるメロディーには、ある種歌謡曲的な要素すら感じました。日本のロックバンド、そういう主張すら感じるメロディーだったと思います。
2009年のミュージックマガジン誌のロック(日本)部門で、年間4位にランクインするなど、高い評価を得ているこの作品。ベテランバンドとしての安定感と、新人バンドのようなダイナミックなサウンドを聴かせてくれるアルバムは、ある種の隙のなさを感じさせます。クオリティーが高い・・・名作を表現するための、とても陳腐な表現なのですが、この言葉が、これほどピッタリ来るような作品は珍しいように感じます。
ただ一方で、このあまりの隙のなさが、個人的にはいまひとつはまりきれなかった理由かもしれません。といっても、指摘すべきマイナス点がほとんどないのですが・・・なんというか、これだけの実力があったらもっと暴走しちゃってもおもしろかったのでは・・・うーん、ちょっと粗探し的な意見だなぁ・・・すいません。
評価:★★★★
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