「音」からも感じる個性
Title:THIS IS MY WORKS
Musician:80kidz
例えばリミックスCDだったり、例えばCDのボーナストラックだったり、いわゆる「リミックス曲」を聴いていて、「お、このリミックス、なかなかいいな」と思うことがあります。iPodなんかで聴いている場合は、リミキサーもタイトルと同時に表示されるため、誰がリミックスするのか確認すると・・・そこには80kidzの名前が・・・ということが何度かありました。
でも、80kidzの出している音って、すごく独特か、と言われるとそうでもありません。最近、流行のテクノサウンドで、いわゆる「ロッキン・エレクトロ」とか称されるタイプの、ビートが強く、テンポがよく、ロックテイストを強く感じさせるサウンド。例えばレイ・ハラカミのように、誰が聴いても一発で彼の音だとわかるような、そんなわかりやすい個性は彼らの音からは感じられません。
しかし、そんな彼らのサウンドは、とことんアッパーで、リズミカル。とにかくリスナーの壺をつきまくるサウンドは、漠然と音楽を聴いているようなリスナーも振り向かせるような、そんな一種のパワーを感じさせます。
今回発売されたこのアルバムは、そんな80kidzのアナザー・ワークベスト。最近は、浜崎あゆみのようなメジャーミュージシャンのリミックスをも手がける彼らですが、本作ではそんな彼らが手がけた、他のミュージシャンのリミックス作品が数多く収録されています。
どのリミックスも、彼らの持ち味である勢いがあり、ビートの強いサウンドにリミックスされていて、耳を惹く曲ばかり。80kidzの今を感じさせるリミックスばかりで、80kidzのオリジナルアルバムのような感覚で楽しむことが出来ます。
また、こうやってリミックス曲を並んで聴いてみると、80kidzのサウンドが持つ個性も浮かび上がってくるようにも感じます。音の使い方といいリズムといい、どこか80kidzらしさを、それぞれの曲から感じることが出来ます。
80kidzの実力をあらためて実感できた企画盤。オリジナルアルバムと同様、80kidzの魅力が存分に伝わってきました。
評価:★★★★★
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