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2010年3月13日 (土)

コンセプチュアルな舞台設定がおもしろい

Title:シーシック・セイラーズ登場!
Musician:鈴木慶一

シーシック・セイラーズ登場!

レコード大賞の優秀アルバム賞を受賞するなど、高い評価を受け、話題となった前作「ヘイト船長とラヴ航海士」から引き続き、曽我部恵一がプロデュースを行った新作。

今回、とてもユニークだったのが、そのコンセプチュアルな内容。シーシック号からの海賊放送というコンセプトになっていて、間に番組のジングルやCM風の曲などを挟みつつ、物語が展開していきます。メンバーそれぞれに役どころがあたえられた凝った内容になっています。

物語は、ちょっとファンタジックな部分もあって、聴いていて、とてもワクワクします。なんか、個人的には、東京ディズニーランドのアドベンチャーランドのアトラクションのような・・・といったらファンに怒られちゃうかな?ただ、それだけ凝ってよく出来た内容になっていたと思います。

そして肝心の楽曲の方は、「我が名はバーン」のようなギターロックから、「Chic Piratesよ、永遠なれ」のようなユーモラスなポップス、酔いどれワルツともいうべき「物恋うWaltz」などなど・・・どこかユーモラスあふれる曲も多いのですが、バラエティー豊かな、しっかりと作りこまれた上質なポップソングを楽しめます。

鈴木慶一は、言わずもがなの大ベテランなのですが、曽我部恵一プロデュースだからでしょうか、曲の雰囲気には若さが感じられ、若手ミュージシャンのような勢いと、ベテランミュージシャンのような安定感が同居している、実に魅力的な楽曲に仕上がっています。

また、「Da Da Da」のようなフォーキーな作品は、どこかサニーデイサービスを思い出すようなテイストも・・・曽我部恵一のテイストも前面に出てきているため、曽我部恵一ファンもかなり楽しめそうな内容になっています。

幅広い層が楽しめそうな、ポップで楽しいロック・オペラの名盤に仕上がっていたと思います。ここ最近、ダウンロード販売の影響か、アルバム1枚でコンセプトを持った作品というのが、以前より減ってきたような・・・それだけに、こういうアルバム1枚で楽しめる作品というのはやはりうれしいですね。聴いていて、とてもワクワクしてくる作品でした。

評価:★★★★★

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