CD屋の挑戦??
Title:NO MUSIC,NO LIFE. SONGS
おそらく、今、もっとも厳しい業界、それはCD屋ではないでしょうか。
ただでさえ、100年に1度と言われる不況の中、消費が伸び悩んでいるのに、それに加えて、音楽を販売する形態が、CDからダウンロードへと大きくシフトしており、まさにパラダイムシフトの真っただ中にいるCD屋。はたしてあと10年度、CDというスタイルは残っているのでしょうか?
そんな中、日本のCD屋大手タワーレコードが、昨年の8月からスタートした、タワーレコード日本上陸30周年を記念して開始された企画「NO MUSIC,NO LIFE.SONGS」。数多くの実力派ミュージシャンが、「NO MUSIC,NO LIFE」をテーマに曲を書き下ろし、タワーレコード限定のシングルCDとして発売してきました。
そして、その集大成として発売されたのがこのアルバム。シングルとしてリリースした楽曲に加えて、このアルバムのための新曲も収録。さらにタワレコ25周年を記念してリリースされたこっこちゃんとしげるくんの「SING A SONG」も収録した、豪華な内容になっています。
CDが売れなくなってしまった中、こうやって積極的に攻めの姿勢を取り、音楽ファンを取り込もうというスタイルは頼もしい限り。タワーレコードには、いろいろとお世話になっているだけに(笑)、個人的にもがんばってほしいところです。
パンクあり、ギターロックあり、HIP HOPあり、今風のエレクトロあり、ジャズ風ポップあり、フォーキーな作品あり・・・実に多彩な作品をそろえているだけに、音楽ファンなら、絶対、ひっかかってくる曲が1曲はありそう。
個人的に注目、the pillows&Ben Kweller「Lightning Runaway」は、the pillowsらしいギターロックながらも、もっとカラリとした雰囲気があり、いつものthe pillowsとも一風変わっていたのは、やはりBen Kwellerの影響でしょうか?TRICERATOPS with 藤井フミヤの「Don't Stop The Music」は、こちらもちょっと意外な組み合わせながらも、トライセラのポップなロックチューンに、藤井フミヤのボーカルが意外とマッチしており、予想外に相性のよい組み合わせになっていました。
そしてやはり一番よかったと思ったのが、clammbon feat. THA BLUE HERBの「あかり from HERE」。THA BLUE HERBのラップと、クラムボンの歌の対比が非常におもしろく、また、ピアノの音と、THA BLUE HERBらしいトラックが入り混じったアレンジも、幻想的な雰囲気になっていて、とても引き込まれます。
とにかく、いろいろな音楽に様々な出会いのある、とても楽しい企画アルバムでした。こういう企画が実現するのは、やはりタワーレコードだからこそ?また、こんな素敵な企画を、期待しています!
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
nowhere/東京60WATTS
彼ら4枚目となるオリジナルアルバム。ジャズやシティーポップなどの要素をちりばめながら聴かせる暖かくやさしいポップソングは、安定感も感じさせます。ピアノを効果的に取り入れたサウンドも印象的。派手さはないけれど、ついつい惹きこまれてしまう、素敵なアルバムだと思います。
評価:★★★★★
| 固定リンク
「アルバムレビュー(邦楽)2010年」カテゴリの記事
- ネット配信の可能性と疑念(2011.01.05)
- 歌詞はひいてしまう人もいるかも・・・。(2011.01.03)
- 2人の主人公を軸に進む物語(2011.01.02)
- アメリカの香りが(2010.12.30)
- アバンギャルド(?)なポップスバンド(2010.12.28)
コメント