今、話題の新人バンド
Title:拝啓。皆さま
Musician:plenty
今、最も話題のギターロックバンドの一組。「ROCKIN' ON JAPAN」誌上でも、熱烈にプッシュしていますが、ネット上の評判も上々の模様。4月には早くも次のアルバムリリースが予定されており、人気はさらに高まりそうです。
ただ、正直な話を言ってしまうと、私自身は、このアルバムにいまひとつピンと来ませんでした。
楽曲自体はストレートなギターロック。サウンド面だけでは、特に大きな個性も見受けられません。もちろんメロディーはポップでそれなりにインパクトもあり、バンドサウンドに関しても十分聴かせるものに仕上がってはいますが、これだけで「売り」に出来るほど、突出したものはありません。
各種レビューや雑誌、サイト等でも言及されているように、彼らの魅力はボーカル江沼郁弥の声と、そして彼がつむぐ歌詞の世界ということになるのでしょう。
江沼郁弥のボーカルもまた、決して強烈な個性を放っている独自のボーカル・・・とは思いません。ただ、ちょっと朴訥な印象を受けるボーカルは、純朴な少年のイメージを持っていて、彼の描く歌詞の世界にピッタリはまっているような気がします。
そして、彼の描く歌詞の世界。現実の世界を、リアリティーを持って、どこか残酷に、あるいはどこか冷静に描いているように感じます。自己の対称軸として「大人」という言葉を用いていますが、彼の歌詞には、どこか現実を垣間見てしまった、純粋な少年の視点を感じさせます。
言葉数を絞って、言葉の背後をほのめかすことにより、奥行きのある歌詞の世界を作り出しているのも、一種の才能を感じさせます。そういう意味では、このアルバムが話題になっている理由もわかるような気もします。
ただ、正直言えば、どうもこの歌詞の世界観がピンと来なかったんですよね。
どこか、歌詞の世界に感じる、醒めたような視点が、いまひとつはまれなかったのかなぁ??公式サイトでアップされている歌詞を、あらためて読み直しても、確かにしっかりとした世界を構築しているな、とは思うのですが、いまひとつ、共感が出来ない自分がいました。
まだデビューしたばかりのバンド。そういう意味では、4月に発売予定の次のアルバムを聴けば、もうちょっと感じる部分もあるのかなぁ・・・?
評価:★★★★
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