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2010年2月25日 (木)

ポップな作風から実験的な作風まで幅広く

Title:19972007
Musician:Boom Boom Satellites

19972007

デビューシングル、アルバムは、テクノの名門レーベルR&Sレコーズからリリース。ヨーロッパでも大きな話題となったBoom Boom Satellites。このたび、はじめてとなるベスト盤がリリースされました。

デビュー時から現在まで、時代に応じて成長を続けた彼ら。それだけに、単純に過去の代表曲を並べただけでは、チグハグな内容になってしまう・・・という訳で、全面再MIX、リマスターによる収録となっています。

そのため、全体的なバランスも取れ、アルバムとしての統一感も取られていました。また、収録曲も、本人たち自身が選んだということ。それだけに、収録曲もバランスよく並んでいて、オリジナルアルバムのような感覚で楽しむことが出来るベストアルバムになっていました。

2枚組のアルバムは、どちらのディスクも、序盤は、いわゆるデジタルロックと呼ばれそうな、ビートの強いロックな楽曲からスタート。中盤から後半にかけては、ミディアムテンポのナンバーや、実験的な側面を感じられるナンバーがつづき、メリハリのある内容になっています。

また、そんな彼らのベスト盤を聴いてあらためて感じたのは、彼らのサウンドのバリエーションの広さでした。

「KICK IT OUT」「WHAT GOES ROUND COMES AROUND」あたりは、ストレートなデジタルロック。リスナーの直感にダイレクトに働きかけるような、ダイナミックなサウンドが楽しめます。また、「EASY ACTION」のような、ポピュラーミュージックとして、ヒットチャートの中でも十分闘えそうな曲を書いてくるあたりも、彼らの実力を感じさせます。

かと思えば、「ON THE PAINTED DESERT」あたりは、ポストロックという言葉が頭をよぎりましたし、「id」などはエレクトロニカテイスト。「YOUR REALITY'S A FANTASY BUT YOUR FANTASY IS KILLING ME」では、Public EnemyのChuck Dが参加してHIP HOPの要素を加えていますし、「DRESS LIKE AN ANGEL」などはフリージャズといった感じでしょうか。様々な要素を楽曲に加えています。

ただ、どの曲にしても、エレクトロサウンドにダイナミックなバンドサウンドを加えたスタイルという主軸は変わりません。そういう一本の太い柱が彼らの楽曲にあるからこそ、様々な要素を楽曲の中に取り入れることが出来るのでしょう。

Boom Boom Satellitesの魅力を満喫できる、ベスト盤としては文句なしの内容でした。初回盤についてくるDVDも、PVやライブ映像満載で、映像の側面からも彼らの魅力を感じられることが出来ます。あらためて彼らの実力を実感できた作品でした。

評価:★★★★★

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