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2010年2月

2010年2月28日 (日)

愚直なロックンロール

Title:ABBOT KINNEY
Musician:LOVE PSYCHEDELICO

ABBOT KINNEY

純粋な新作としては、約2年半ぶりとなるデリコの新作。今回の作品は、2008年に長期滞在した、アメリカ西海岸での経験を基に、アルバム制作を行ったそうです。

だからでしょうか、今回の作品は、アメリカ西海岸をイメージさせるような(行ったことないので、あくまでもイメージね(^^;;)カラっとした雰囲気の作品が多かったような印象を受けます。

「Beautiful days」みたいに、カントリーテイストの曲も多く、また、60年代テイストが強い「Here I am」のような、ここ最近の、王道のロックテイスト路線からちょっと離れた、古き良き、昔のロックンロールテイストとでもいうべきでしょうか・・・もうちょっとアコースティックな雰囲気の曲が多かったように感じました。

それと同時に、ある種、肩の力が抜けたような印象を受けたのも本作の特徴でした。

デビュー当初のデリコって、いかにも「洋楽みたいでしょ!」という意気込みが、鼻につくところがあって、はまりきれない部分がありました。ここ最近、そういう変な意気込みが徐々に抜けてきたように感じてはいましたが・・・。

そんな変な意気込みが、今回の作品では、ほとんど感じられませんでした。古き良きロックンロールのスタイルが、彼らのものとして、身についてきた、というころでしょうか?今回の作品は、自然体の彼らのスタイルを感じることが出来ました。

ここ最近、Superflyのような、似たスタイルの、かつもっと歌謡曲テイストの強いミュージシャンが出てきて、彼らと比較されることも少なくありません。ただ、そんな中で彼らは、あくまでも愚直なまでに自分自身のロックンロールスタイルを貫いているなぁ、そう感じました。

彼らが次のステップを踏み出した、そうとも感じられる作品でした。これからの彼らの活躍もとても楽しみです。

評価:★★★★★

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2010年2月27日 (土)

好きなんだろうなぁ~

Title:ドナドナ
Musician:Plastic Tree

ドナドナ

メタルやハードロックに影響を受けたバンドの多い、ビジュアル系というジャンルの中、数少ないオルタナ系ロックからの影響を強く感じる曲を鳴らし続ける彼ら。以前から、オルタナ系ギターロックへの敬愛を、楽曲から強く感じましたが、このアルバムでは、なお彼らの純粋な音楽ファンとしての姿を感じることが出来ました。

打ち込みサウンドを取り入れたテンポのよい「1999」からはじまり、中盤の「コンセント...---...」は、完全に、いまどきのエレクトロ路線を取り入れています。

また、「エとセとラ」あたりは、オルタナ系ギターロックの影響をダイレクトに感じられるギターロック。他にも「梟」「sunset bloody sunset」など、ポップなギターロック系の曲が前半は並んでいました。

後半、表題曲「ドナドナ」など、アコギで聴かせるナンバーをはさんだかと思えば、本編ラスト「---暗転。」は、なんとインストナンバー。それも、ノイジーなギターをこれでもかと聴かせる、シューゲイザーのナンバーで、マイブラ・・・というよりは、MOGWAIあたりを彷彿とさせる楽曲に挑戦しています。

本作は、いままでの作品に比べて、オルタナ系ロックからの影響がよりストレートにアルバムに反映されています。

こういう言い方をしてしまうと、誤解を与えてしまいそうですが・・・オルタナ系ロック好きの自分としては、もし、万が一自分に才能があったら、これと同じようなアルバムをつくってしまいそう・・・(笑)。なんてことを思ってしまいました。

ビジュアル系バンドらしい、耽美的な世界観や、鼻にかかったような歌い方はあいかわらずで、ここらへんは抵抗感を覚える人も少なくないかも。それを差し引けば、素直なギターロック路線が気に入る方も少なくないかと。

また、「コンセント...---...」みたいに、結成から18年経過したベテランバンドにも関わらず、今時の音も積極的に取り組むあたり、彼らの挑戦心と、純粋に音楽が好きなんだなぁ、ということを感じさせてくれます。

もっとも、サウンド的には、「そのまま」の音も多く、彼らなりの独自の味付け要素が薄い(ただ、彼らなりの独自の味付け要素は、その歌詞の世界観のような部分なのかもしれませんが)のはちょっと残念な感じも。まあ、素直といえば素直な音づくりなのですが。

評価:★★★★

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2010年2月26日 (金)

春近し

今週の着うたチャート

2010年2月17日~2010年2月23日付チャート

ここ何週か、似た顔ぶれがベスト3を占めていた着うたチャートですが、今週はベスト3が全曲入れ替えとなりました。

Best Friend

1位は、西野カナ「Best Friend」がランクイン。2月24日発売シングルの、先行配信で、この時期で、このタイトルから想像つくように、卒業ソング。ちょっと早い春を感じさせます。

続く2位も、先週20位からランクアップの湘南乃風「ガチ桜」。先々週のシングルチャートでベスト10入りしましたが、着うたも遅れてランクイン。それも、シングルチャートよりも上位に入ってきました。こちらも春を感じさせます。

3位も4位からランクアップで初のベスト3入り。サーターアンダギー「ヤンバルクイナが飛んだ」がランクアップ。先週1位だった清水翔太×加藤ミリヤは5位に、2位だった木村カエラは4位にランクダウンしています。

初登場は他に2曲。7位にKG「いとしすぎて duet with Tiara」が、10位にYU-A「そばにいて、すぐ消えて。」がそれぞれランクインしています。

どちらも、またよくありがちな、R&B系切な系ラブソング。ちょっとあまりにありきたりすぎるんじゃないか・・・と思うのですが、なんだかんだいって着うただとそこそこヒットしちゃうんですね・・・。KGは着うたオンリーでのリリース、YU-Aは3月3日発売シングルの先行配信と、どちらも露骨に着うたヒット狙いです。

そしてもう1曲は、この着うたヒット狙いとは、ある意味真逆なシングル。坂本冬美「また君に恋してる」が25位から一気に9位にランクアップ。ベスト10入りを果たしています。「うたばん」や「笑っていいとも」、「SMAP×SMAP」といった、若者向き番組への出演が、着うたのヒットにもつながったのでしょうか?本来、あまり着うたを使わなそうな世代向けへの歌なだけに、着うたチャートへのランクインはちょっと意外な印象を受けました。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

アルバムチャート1位は、東方神起のベスト盤「BEST SELECTION 2010」が、初動41万枚という好セールスで初登場1位を獲得しました。

BEST SELECTION 2010

アルバムでは初の1位獲得。初動41万枚は、海外のユニットとしては、BON JOVIを抜いて、過去最高記録だそうです。解散騒動など、いろいろと話題はありますが、相変わらずの強さを感じさせる結果となりました。

初登場でベスト3入りしてきたのが、3位初登場AAA「HEARTFUL」。前作が、初動1万9千枚だったのに対して、本作は初動4万2千枚。売上を大きく伸ばしました。いまになって、これだけ初動を伸ばしたのにはちょっとビックリなのですが・・・なにか理由があるのでしょうか?

初登場で続いたのが6位茅原実里「Sing All Love」がランクイン。彼女は、人気声優アイドルで、3枚目のアルバムにして、初のベスト10ヒットとなりました。

7位初登場はThe Birthday「STAR BLOWS」。ここらへんは、根強い固定ファン層の人気といった感じか?

9位May J.「for you」がランクイン。前作が初動2万6千枚だったのに対して、初動1万枚と大幅ダウン。ここらへんが、正念場といった感じでしょうか?

初登場ラストは10位に藍坊主「ミズカネ」が入ってきました。アルバムで、初のベスト10ヒットを記録。人気上昇中のバンドです。

また、ベスト10以下からのランクアップ組では、8位にTaylor Swift「Fearless」がランクインしています。今年のグラミー賞で、アルバム賞をはじめ、4部門で受賞した話題のカントリー歌手。グラミー賞受賞あたりから、日本でも話題となり、見事、初のベスト10ヒットとなりました。最近、アメリカではカントリーの勢いがあるみたいですが、彼女をはじめとして、今後、日本でもカントリー人気が高まるのでしょうか?

今週は以上の通り。それでは、また来週の水曜日に!

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2010年2月25日 (木)

ポップな作風から実験的な作風まで幅広く

Title:19972007
Musician:Boom Boom Satellites

19972007

デビューシングル、アルバムは、テクノの名門レーベルR&Sレコーズからリリース。ヨーロッパでも大きな話題となったBoom Boom Satellites。このたび、はじめてとなるベスト盤がリリースされました。

デビュー時から現在まで、時代に応じて成長を続けた彼ら。それだけに、単純に過去の代表曲を並べただけでは、チグハグな内容になってしまう・・・という訳で、全面再MIX、リマスターによる収録となっています。

そのため、全体的なバランスも取れ、アルバムとしての統一感も取られていました。また、収録曲も、本人たち自身が選んだということ。それだけに、収録曲もバランスよく並んでいて、オリジナルアルバムのような感覚で楽しむことが出来るベストアルバムになっていました。

2枚組のアルバムは、どちらのディスクも、序盤は、いわゆるデジタルロックと呼ばれそうな、ビートの強いロックな楽曲からスタート。中盤から後半にかけては、ミディアムテンポのナンバーや、実験的な側面を感じられるナンバーがつづき、メリハリのある内容になっています。

また、そんな彼らのベスト盤を聴いてあらためて感じたのは、彼らのサウンドのバリエーションの広さでした。

「KICK IT OUT」「WHAT GOES ROUND COMES AROUND」あたりは、ストレートなデジタルロック。リスナーの直感にダイレクトに働きかけるような、ダイナミックなサウンドが楽しめます。また、「EASY ACTION」のような、ポピュラーミュージックとして、ヒットチャートの中でも十分闘えそうな曲を書いてくるあたりも、彼らの実力を感じさせます。

かと思えば、「ON THE PAINTED DESERT」あたりは、ポストロックという言葉が頭をよぎりましたし、「id」などはエレクトロニカテイスト。「YOUR REALITY'S A FANTASY BUT YOUR FANTASY IS KILLING ME」では、Public EnemyのChuck Dが参加してHIP HOPの要素を加えていますし、「DRESS LIKE AN ANGEL」などはフリージャズといった感じでしょうか。様々な要素を楽曲に加えています。

ただ、どの曲にしても、エレクトロサウンドにダイナミックなバンドサウンドを加えたスタイルという主軸は変わりません。そういう一本の太い柱が彼らの楽曲にあるからこそ、様々な要素を楽曲の中に取り入れることが出来るのでしょう。

Boom Boom Satellitesの魅力を満喫できる、ベスト盤としては文句なしの内容でした。初回盤についてくるDVDも、PVやライブ映像満載で、映像の側面からも彼らの魅力を感じられることが出来ます。あらためて彼らの実力を実感できた作品でした。

評価:★★★★★

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2010年2月24日 (水)

ヒッキー以来らしい・・・。

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週の1位は、AKB48「桜の栞」。初動31万枚という好セールスで1位を獲得しました。

桜の栞(TypeA)(DVD付)

初動30万枚超えは、女性ミュージシャンとしては宇多田ヒカル以来7年ぶりだそうです。ただ、今回のシングルも、5種類のシングルがリリースされるなど、相変わらず、一部の固定ファン向けの戦略が目立ちます。もっとも、今回のシングルに関しては、卒業式向けの教科書向けの合唱曲のような内容で、少しでも固定ファン以外の層を狙ったのか??

初登場で続いたのが、4位のfripSide「LEVEL5-judgelight-」。同人音楽出身のミュージシャンで、主にアニソンなどを提供していて、新曲も、アニメ「とある科学の超電磁砲」のオープニング曲になっています。楽曲は、avex系のトランス風の楽曲で、ストレートな売れ線ど真ん中のJ-POPになっています。

5位にYUKI「うれしくって抱きあうよ」がランクイン。先週の着うたチャートでも8位にランクインしていましたが、シングルチャートでも5位という好順位にランクインしてきました。完全に、ソロとしての人気も定着してきた印象です。

初登場8位にランクインが、恵比寿マスカット「バナナ・マンゴー・ハイスクール」。テレビ東京系バラエティー「おねがい!マスカット」から産まれたユニットなのですが・・・メインメンバーが蒼井そらや、麻美ゆまなどのAV女優陣・・・うーん、正直、あまりメインストリームに食い込んでくるようなユニットじゃないと思うんですよね。かなり違和感があります。なんか、「売れればなんでもありだよね」という、最近の社会を反映しているような・・・。

9位初登場Angelo「光の記憶」。Angeloは、元PIERROTのキリトを中心に結成されたビジュアル系バンド。テレビ東京系アニメ「テガミバチ」エンディングテーマに起用され、自身2作目のシングルベスト10入りを記録しています。

ラスト10位は、俳優としても活躍している松下優也「Trust Me」がランクイン。自身初のベスト10ヒット。前作が、初登場55位だったので、一気にランクアップ。TBS系アニメ「デュラララ!!!」のテーマ曲だそうで、アニメタイアップがヒットの要因でしょうか?

今週は以上。アニソンにアイドルにビジュアル系に・・・最近のヒットチャートらしいチャートになっています。それでは、着うた&アルバムチャートは金曜日に!

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2010年2月23日 (火)

世界の音楽を取り込んで

Title:TRIBUTE TO THE SUN
Musician:LUCIANO

TRIBUTE TO THE SUN(トリビュート・トゥ・ザ・サン)

もともと、ミュージックマガジンの09年ハウス/テクノ/ブレイクビーツ部門で年間1位となっていたことから、興味を持ち、聴いてみたアルバム。最初は、ちょっと意味が不明の言語からスタートし、アフリカ音楽の雰囲気を醸し出した「Los Ninos De Fuera」からスタート。非米英的な音楽の雰囲気を感じさせます。

その後も「Sun,Day and Night」でも、ラテンっぽい雰囲気を感じることが出来たり、同じく「Fran Left Home」や、そのものスバリ「Africa Sweat」などでも、アフリカや、南米系の音楽の匂いを感じることが出来ます。

ただ、だからといって、ワールドミュージック風の作品かと言われると、それともかなり違った雰囲気が。あくまでも、ミニマルテクノの作品に仕上がっています。「Metodisma」「Oenologue」あたり、ミニマルテクノのサウンドが心地よいストレートなダンスミュージック。そういう意味では、リズムはあくまでも四つ打ちのテンポのよいリズムがメインとなっており、民俗音楽風の、独特のリズム感を求めると、少々肩透かしをくらうかもしれません。

もっとも、それだけに、純粋なダンスミュージックとして、広い層に支持を受けそうなアルバムだと思います。テンポのよいミニマルテクノに、ちょっと調味料的にワールドミュージックの要素が味付けされたそんなアルバム。難しいこと抜きに、楽しめる1枚だと思います。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Thr33 Ringz/T-Pain

Thr33 Ringz

いわゆる「ロボ声」と呼ばれる、オートチューンの使い手として人気を飛ばしているR&Bシンガー。全体的には、さわやかなR&Bチューンが並んでいて、ポップで聴きやすい。今風のR&Bといった感じかな?R&Bリスナーに限らず、ポップス好きには楽しめそう。

評価:★★★★★

SLIPWAY FIRES/RAZORLIGHT

スリップウェイ・ファイヤーズ

新作は、グルーヴィーな雰囲気の曲をしっかりと聴かせるような雰囲気の作品に。曲はしっかり作りこまれている印象はあるし、よく出来ているとは思ったのですが、少々パンチに欠けるような印象も。

評価:★★★★

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2010年2月22日 (月)

美里の歴史

Title:Song is Beautiful
Musician:渡辺美里

Song is Beautiful

渡辺美里デビュー25周年を記念してリリースされたのは、なんと豪華4枚組にも及ぶベストアルバム。それも、デビューシングル「I'm Free」から、現時点での最新シングル「始まりの詩、あなたへ」まで、全シングルをリリース順に収録した内容で、彼女の25年の歩みが、概観的にわかるアルバムになっています。

また、今回話題になったのは、1990年にリリースされた、佐野元春とのデゥエットシングル「Home Planet~地球こそ私の家~」がアルバムに初収録されたことでしょう。さらに、個人的には、1988年の、美里全盛期にリリースされながらも、いままでアルバム未収録だっただけに、いまひとつ影の薄かった「君の弱さ」(いい曲だと思うのですが・・・)が、初収録された点も、うれしかったです。

ただ、収録曲を見ると、Disc2までで十分だったかなぁ・・・なんてことも思ってしまったりもして・・・(^^;;

どうも初期、全盛期のシングルに比べると、90年代中盤以降のシングルって、勢いも落ちて、いまひとつ、という印象が否めないんですよね・・・。

そう思いながら、このアルバムを聴きすすんだのですが、こう並べて聴くと、最近のシングルも、80年代のシングルと比べて、メロディーという面では、極端に見劣りがするわけではないなぁ、ということを漠然と感じました。

例えば「My Love Your Love」あたりは純粋に名曲だと思いますし、大ブレイク直前のコブクロ小渕健太郎が提供した「YOU~新しい場所~」は、美里の大ファンらしい、往年の美里っぽいナンバーに仕上がっています。

まあ、もっとも、そこそこの水準レベルの曲が多く、小室哲哉の「ムーンライトダンス」「悲しいね」みたいなマイナーコード主体の切なく幻想的なナンバーや、岡村靖幸の「虹をみたかい」のような、ファンキーでロッキンなナンバーなどといった、ずばぬけた水準の名曲がほとんど産み出せていない、という点が、90年代以降の美里の凋落の原因のひとつかなぁ・・・なんてことも思ったりします。

ただ、それ以上に、全盛期の美里と最近の美里で差が大きいと感じられるのは、彼女が書く歌詞でした。

80年代の彼女が書く歌詞の世界は実に見事。思春期の微妙な恋愛感情や、それに伴う心理状況を、ドラマ性や風景描写をまじえながら、実に繊細に、かつ大胆に描ききっています。

「卒業できない恋もある」なんて、一言で胸がキュンとなってしまうキラーワードをいとも簡単に産み出してしまってますし、

「消し忘れたままでの伝言板
打ち水する若い駅員
まだ着いていないのにきみが見えるよ
逢えない淋しさのぶんだけ」

(「すき」より 作詞 渡辺美里)

のように、ふとした日常風景ともうすぐ恋人に逢えるワクワク感を見事にマッチさせ、夏の風景を鮮やかに描き出した作品は、かつては「夏といえば渡辺美里」といわれた理由が、歌詞の世界からもしっかりと裏づけられています。

ただ、これほど思春期の恋愛感情を見事に表現できた彼女が、90年代以降、大人の恋愛となると、かなり厳しく感じられます。ヘタに全盛期のイメージを引きずっているだけに、「夏灼きたまご」みたいな、ファンの間でも失笑を買うような曲までつくってしまったりして・・・。

ここ最近は、ようやく大人の雰囲気を作り出そうとする曲が増えてきたのですが、結局、童謡歌手だったり、ムード歌謡風だったり、いかにも「場末のキャバレーや田舎のイベントでどさ回りをする、昔の流行歌手」といった雰囲気になりつつあるのが、少々痛々しい・・・。

全盛期の美里よ、もう一度、とは思わないのですが、やはりファンとしては、もう一度、奮起してほしいなぁ、とも思ってしまいます。

全4枚組。ボリュームがありすぎる内容なので、ファン以外にはお勧めしがたい作品。かつてファンだった方で、ここ最近の動向も含めて、懐かしい彼女の作品に出会いたい、という方にはお勧めできる作品かな?渡辺美里というミュージシャンを知りたい!という方は、かつてのベスト盤「She loves you」か、「Lovin' You」「ribbon」あたりからどうぞ。

評価:★★★★

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2010年2月21日 (日)

変わらない魅力

Title:フリータイム
Musician:少年ナイフ

フリータイム

ストレートでかわらないなぁ・・・彼女たちのアルバムを聴くと、いつもそう思います。

彼女たちの楽曲は、どれもノイジーなギターサウンドが心地よい、オルタナ系のギターポップ。既に結成から、そろそろ30年近くがたとうとしている(!)大ベテランバンドながらも、その楽曲はシンプルでかわいらしく、いまだに新鮮ささえ感じられます。

ヘヴィーな雰囲気の「Economic Crisis」だったり、ミディアムテンポで聴かせる「An Old Stationary Shop」だったり、それなりのバリエーションを持たせながらも、基本的なスタイルはシンプルなギターロック。そのシンプルさゆえ、決して新しいサウンドに挑戦しているわけでもないのに、いまだにある種のパワーと新しさを感じられるのでしょうか。

「Capybara」みたいなユニークでかわいらしい曲がしっかりきめられるのも彼女たちならでは。まだまだ、少年ナイフは、たくさんのキュートでロックな楽曲で、私たちを楽しませてくれそうです。

評価:★★★★

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2010年2月20日 (土)

ファンキー!!!

Title:Nightfriend of ZOOBOMBS
Musician:ズボンズ

Nightfriend of ZOOBOMBS

ズボンズ初のベストアルバムが、とにかくカッコいい!!

「ズボンズの夜の友達」というタイトルも、ちょっと小憎らしいのですが、全面再録となった今回のベスト盤は、今のズボンズの音が聴けます。その今のズボンズのサウンドは、結成から15年以上もたつベテランバンドながらも、いまだに色あせていません。ファンキーな曲はよりファンキーに、ブルージーな曲は、より濃厚に。ズボンズの魅力をあますことなく伝えてくれています。

また、そんなベスト盤は、ひとつのオリジナルアルバムのように構成されているように感じました。ズボンズの様々な魅力を伝える楽曲が、アルバムとしての流れを考えつつ収録されている、そんなアルバムになっていたと思います。

ヘヴィーでファンキー、ライブで盛り上がりそうな「Highway A Go-Go」からスタート。続く「South Central Rock」とリズミカルな曲で盛り上げつつ、続く「Builbone Blues」は、タイトル通り、ブルージーな曲を聴かせてくれます。

その後もファンキーな曲はもちろん、濃厚なブルースナンバーを聴かせてくれる「We're Takin'bout America」や、カントリー風の「Jamie」、さらにラストの「DON's Dream」はちょっとサイケ風など、ストーンズ直系の、古き良き60年代のロックテイストがあふれる楽曲がバランスよく収録されています。

再録であるがゆえに、アルバム全体のバンドサウンドの統一感もあり、最初から最後まで聴くことで、まるでズボンズのライブをそのまま体験できるようなベスト盤でした。

もっともっと評価されてもいいバンドだと思うんだけどなぁ。ここ3年近くオリジナルが出ていないので、そろそろオリジナルアルバムも聴きたい頃・・・。まだまだこれからのズボンズの活躍に期待したいところです!

評価:★★★★★

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2010年2月19日 (金)

新譜ラッシュ!

今週の着うたチャート

2010年2月10日~2010年2月16日付チャート

今週は、着うたチャートもアルバムチャートも、初登場が多いチャートとなりました。

FOREVER LOVE

しかし、そんな中でも1位、2位は先週とかわらず。1位は清水 翔太×加藤 ミリヤ「FOREVER LOVE」、2位は木村カエラ「Butterfly」と、ロングヒットナンバー2曲が並びました。

今週の初登場のうち、3位JUJU「桜雨」、8位YUKI「うれしくって抱きあうよ」は先行配信組。JUJUは、着うたチャートではおなじみ。今回の曲も、いかにも着うたヒット狙いの、泣きうたで、初登場3位と上位につけてきました。シングルは2月24日発売予定です。

YUKIは、2月17日発売予定シングルの先行配信。3月には、同タイトルのアルバム発売も控えています。

9位初登場MCU feat.Ryoji「いいわけ」は、10日に発売されたMCUのベスト盤「BEST OF MCU」からの配信シングル。Ryojiはケツメイシのボーカルですね。こちらも着うたで受けそうな、聴かせる切ない雰囲気のナンバーになっています。

4位に入ってきたサーターアンダギー「ヤンバルクイナが飛んだ」は、今週のシングルチャートでも6位にランクイン。フジテレビ系バラエティー「ヘキサゴンII」からのユニットですね。

また、先週のシングルチャートで3位にランクインしたflumpool「残像」が、今週、着うたチャートでも27位から5位に一気にランクアップしてきています。今後の動向も気になるところです。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

アルバムチャートは、FUNKY MONKEY BABYS初のベストアルバム「ファンキーモンキーベイビーズBEST」がランクインです。

ファンキーモンキーベイビーズBEST

初動25万枚と、オリジナルとしては前作の「ファンキーモンキーベイビーズ3」の初動8万枚を大きく上回る数値。紅白で歌った「ヒーロー」も話題になりましたが、その効果もあったか?

着うたチャート同様、アルバムチャートも新譜ラッシュ。4位以下7位まで初登場が並んでいます。

4位 IDENTITY/BoA
5位 12/ASKA
6位 THE BEST History of GARNET CROW at the crest.../GARNET CROW
7位 DJ KAORI'S INMIX V

と並んでいます。

ASKAは、昨年11月にカバーアルバムをリリースしていますが、本作は、CHAGE&ASKAの曲や、本人ソロの曲をセルフカバーした企画盤。GARNET CROWは、これが2作目になるベストアルバムです。

そして最後、9位に50TA「50TA」がランクイン。まあ、ご存知の方も多いと思いますが、50TAはお笑いタレント狩野英孝のこと。もともと、テレビ朝日系バラエティー「ロンドンハーツ」の中のドッキリ企画から産まれたのですが、なんとついに正式にCDとして発売。ベスト10入りしちゃいました。正直、そんなに人気があるのか・・・・かなり意外な印象が。近い将来、ブックオフあたりに大量に並んでいそう・・・・・・。

そんな訳で、また、来週!

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2010年2月18日 (木)

Charaからの贈り物

Title:CAROL
Musician:CHARA

CAROL

まるで、CHARAからの贈り物のような、リボンがかけられたジャケットが印象的な今回の作品は、一言でいえば、とてもCHARAらしさを感じた作品だったように思います。

楽曲は今回、ロックテイストが強い作品が多く並んでいました。「エレガンス」など、ガレージ風のギターサウンドが特徴的でしたし、続く「苦くて甘い」「レモンティー」などもロックテイストの強い作風。ハードなギターサウンドと、彼女の舌ったらずな甘いボーカルが、微妙にマッチする、CHARAらしい雰囲気の楽曲が並んでいたように感じます。

後半は、ピアノの音色が印象的な、聴かせるナンバーが多く、こちらも、どこか幻想的な雰囲気が、前半とは違う、CHARAの魅力をしっかり出していたと思います。

歌詞も彼女らしい、甘くて切ない、恋・・・というよりも「愛」について歌った曲がメイン。どこか芯の強さを感じさせるもの、単純なラブソングではない、彼女の書く歌詞に、奥深さが感じられるからでしょうか?

そんな訳で、CHARAの魅力にあふれた、実に彼女らしい作品に仕上がっていたと思います。デビューから、来年で20年にもなるのに、変わらぬ魅力を感じさせてくれる彼女の実力を、あらためて感じました。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

THE BEST REMIXES of CK/Crystal Kay

 Crystal Kay/Best Remixes Of Ck (Rmx)

Crystal Kayのリミックスベスト。基本的にテクノ、エレクトロ路線がメインで、トランシーな楽曲や、ディスコチューン、今風のロッキンエレクトロなナンバーも収録されています。個人的には、80kidzがリミックスした「Boyfriend」や、ミニマルなピアノが心地よい、CORNELIUSリミックスの「ONE」あたりがよかったかな?やはり元曲の方が・・・と思う曲も少なくないものの、リミキサーの個性が出ていて、元曲とは違う魅力を感じる曲も多く、Crystal Kayのファンなら、チェックして損のない1枚かと。

評価:★★★★

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2010年2月17日 (水)

テレビの力 ネットの力(?)

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週の1位は、KAT-TUN「Love yourself~君が嫌いな君が好き~」がランクイン。最近は、嵐の活躍の後ろで、少々影が薄いような印象もあるKAT-TUNですが、初動35万4千枚と、相変わらずの強さを見せました。

で、今週のチャート。初登場で、テレビのバラエティー番組出身の企画モノユニットの曲が、2曲ランクインしていました。

まず2位にはんにゃ、フルーツポンチ「Onaraはずかしくないよ」がランクイン。テレビ東京系バラエティー「ピラメキーノ」から産まれた楽曲みたいで、内容は、タイトル通りの歌詞(^^;;ちょっとあんまりな内容で、聴いていて恥ずかしくなってくるのですが・・・。

また6位にはサーターアンダギー「ヤンバルクイナが飛んだ」がランクインです。こちらは、おなじみのフジテレビ系「クイズヘキサゴンII」から産まれたユニット。なんか完全に、この手の企画系アイドル産出番組みたいになっちゃっていますね・・・ここから産まれたユニット、一時期みたいな勢いはないものの、相変わらず、手堅い人気をみせています。

そんな感じで、いろいろ言われているものの、やはりテレビの力は強いなぁ、ということを感じる今日のチャート。ただ、一方で、7位初登場のsupercell「さよならメモリーズ」は、ネット発の人気ユニットということになるのでしょうか?2作目のベスト10ヒット。初動売上は2万枚と、前作の初動3万枚を下回ってしまったのですが、今後は、こういうネット発ヒットはもっともっと増えそうです。

他の初登場は・・・

3位 Silent Bible/水樹奈々
4位 瞳の奥をのぞかせて/ポルノグラフィティ
5位 女が目立って なぜイケナイ/モーニング娘。
8位 ガチ桜/湘南乃風

がそれぞれランクインしています。

水樹奈々は、初動5万枚。1位を獲得して話題となった前作の初動5万4千枚と比べてダウンしたものの、根強い人気で3位にランクインです。

4位ポルノグラフィティはこちらも根強い人気。テレビ朝日系ドラマ「宿命 1969-2010」主題歌です。モーニング娘。も、ここ最近、安定傾向。初動3万6千枚は、前作からほぼ横バイの数字です。

8位湘南乃風。「ガチ桜」・・・・・・って何??(^^;;

とりあえず今週のシングルチャートは以上。アルバム&着うたは金曜日に!

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2010年2月16日 (火)

ちょっと意外な組み合わせ

Title:Sweet Children O'Mine
Musician:湯川潮音

Sweet Children O'Mine

ある日、テレビを見ていたら、いきなりBGMとして、oasisの「DON'T LOOK BACK ME IN ANGER」が流れてきました。ただし、そのボーカルはリアムではなく、美しい女性のボーカル。アレンジもオーガニックな雰囲気のアコースティックなアレンジとなっていました・・・。

誰がカバーしているんだ、これ??

と驚いたのですが、そのカバー曲が収録されていたアルバムが、このアルバムでした。

湯川潮音といえば、サブカル系の女性ポップスシンガーというイメージが強いミュージシャンです。しかし、今回のアルバムで収録されている曲は、いずれもメインストリームの音楽。前述のoasisや、RADIOHEADの「No Surprises」という、オルタナ系とはいえ、かなりベタな選曲といえますし、他にはAEROSMITHにGUNS'N ROSES、さらにはなんとMR.BIGまでカバー。おそらく、彼女のファンにとっては、ほとんど聴かないようなミュージシャンの楽曲のカバーを手がけています。

そして、どのカバーもアコースティックなアレンジに、彼女がしんみりと歌い上げるシンプルなカバーに仕上げていました。

主に、フォーク風のカバーが多かったのですが、時にはカントリー風に、時には彼女の美しいボーカルで歌い上げるように、どれも、シンプルで、でも心に染みるようなカバーに仕上げています。

そんなカバーで気がつかされたのは、やはりメロディーの素晴らしさでした。

特に、普段はゴリゴリのバンドサウンドに隠れがちな、ハードロックバンドの楽曲ついては、そのメロディーの良さをあらためて実感しました。やはりメインストリームとして人気を獲得する秘密は、こういうところにもあるんですね。

元曲からは考えられないような、清涼感あふれる爽やかなカバー。でも、元曲の良さをきっちりとつかんでいた、そんな名カバーでした。有名曲ばかりなので、彼女を知らない方でも、抵抗なく楽しめそう。とても心地よいカバーアルバムでした。

評価:★★★★★

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2010年2月15日 (月)

伝説のロックバンドの再結成作

Title:METAMORPHOSIS
Musician:DEAD END

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80年代後半に一世を風靡し、いわゆるビジュアル系といわれるバンドに多大な影響を与えた、伝説ともいえるハードロックバンド。このたび、再結成し、20年ぶりにアルバムをリリース・・・ということで大きな話題となりました。

・・・といっても、彼らがリアルタイムで活動をしていた頃、私自身はまだ、こういうポピュラーミュージックはまだほとんど聴いていませんでしたし、彼らについては「名前だけはどこかで・・・」くらいのレベル(^^;;ただ、大きな話題になっている、ということではじめて彼らの作品を聴いてみました。

楽曲は、ハードロックの王道路線といった印象。個人的な好みからは、少々はずれるかな?ただ、ヘヴィーでテンポのよい、迫力あるサウンドには惹かれるものがありました。

メインストリームなハードロックを軸に、「Devil Sleep」あたりは今風のハードコアの要素を取り入れていたりして、決して古臭さは感じられません。また、「Kill My Baby」は、メロディアスなポップチューンで、ヒットポテンシャルも十分感じまれました。

「神猿」あたりの耽美的な雰囲気といい、歌い方といい、確かにその後のビジュアル系と呼ばれるバンドに大きな影響を与えた、というのはよくわかります。その点、ビジュアル系バンドの雰囲気とかが苦手だと、少々抵抗感はあるかも・・・それを差し引いてもカッコいいサウンドは出しているとは思うのですが・・・。

ハードロックやハードコアなどのミュージシャンが好きなら、文句なしに気に入りそうなアルバムだと思います。ちょっと癖を持っているバンドですが、おそらくその癖があるからこそ、伝説になりえたのかなぁ。ストレートなハードロックがカッコいいバンドでした。

評価:★★★★

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2010年2月14日 (日)

今、話題の新人バンド

Title:拝啓。皆さま
Musician:plenty

拝啓。皆さま

今、最も話題のギターロックバンドの一組。「ROCKIN' ON JAPAN」誌上でも、熱烈にプッシュしていますが、ネット上の評判も上々の模様。4月には早くも次のアルバムリリースが予定されており、人気はさらに高まりそうです。

ただ、正直な話を言ってしまうと、私自身は、このアルバムにいまひとつピンと来ませんでした。

楽曲自体はストレートなギターロック。サウンド面だけでは、特に大きな個性も見受けられません。もちろんメロディーはポップでそれなりにインパクトもあり、バンドサウンドに関しても十分聴かせるものに仕上がってはいますが、これだけで「売り」に出来るほど、突出したものはありません。

各種レビューや雑誌、サイト等でも言及されているように、彼らの魅力はボーカル江沼郁弥の声と、そして彼がつむぐ歌詞の世界ということになるのでしょう。

江沼郁弥のボーカルもまた、決して強烈な個性を放っている独自のボーカル・・・とは思いません。ただ、ちょっと朴訥な印象を受けるボーカルは、純朴な少年のイメージを持っていて、彼の描く歌詞の世界にピッタリはまっているような気がします。

そして、彼の描く歌詞の世界。現実の世界を、リアリティーを持って、どこか残酷に、あるいはどこか冷静に描いているように感じます。自己の対称軸として「大人」という言葉を用いていますが、彼の歌詞には、どこか現実を垣間見てしまった、純粋な少年の視点を感じさせます。

言葉数を絞って、言葉の背後をほのめかすことにより、奥行きのある歌詞の世界を作り出しているのも、一種の才能を感じさせます。そういう意味では、このアルバムが話題になっている理由もわかるような気もします。

ただ、正直言えば、どうもこの歌詞の世界観がピンと来なかったんですよね。

どこか、歌詞の世界に感じる、醒めたような視点が、いまひとつはまれなかったのかなぁ??公式サイトでアップされている歌詞を、あらためて読み直しても、確かにしっかりとした世界を構築しているな、とは思うのですが、いまひとつ、共感が出来ない自分がいました。

まだデビューしたばかりのバンド。そういう意味では、4月に発売予定の次のアルバムを聴けば、もうちょっと感じる部分もあるのかなぁ・・・?

評価:★★★★

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2010年2月13日 (土)

前作を超えて

Title:CONTRA
Musician:VAMPIRE WEEKEND

Contra

新人ミュージシャンが、1作目で傑作をリリースした場合、2作目の出来というのが大きな問題となってきます。

1作目というのは、いわばデビュー前の活動の集大成。1作目の出来がよければよいほど、2作目がそれを超えられなければ、「終わったミュージシャン」という扱いにされてしまいます。

じゃあ、ということで1作目と似た作品をつくれば「マンネリ」扱いされ、1作目と大きく異なる作品をつくれば、「問題作」とされ、場合によってはファン離れを招いてしまう・・・。1作目の出来が素晴らしければ素晴らしいほど、2作目は、今後の彼らにとっての大きな勝負作になってきます。

しかし、そんな難しい条件を軽々とクリアし、1作目を超える傑作をリリースしてきたのが、彼ら、VAMPIRE WEEKENDでした。

スカスカなアフロビートにポップなメロディーをあわせたパンキッシュな作風が印象的だったデビュー作は、2008年を代表する傑作アルバムでした。

今回の作品も、そんな音数を絞ったアレンジに、アフロビートのリズムが印象的な作風・・・という意味では前作とかわりありません。

ところが、打ち込みを導入した「HORCHATA」や同じくミニマルなリズムが印象的なエレクトロの「White Sky」など、エレクトロサウンドを本作では積極的に導入してきます。

かと思えば、「California English」ではバロック調のストリングスサウンドを取り入れてきたり、「Taxi Cab」ではミニマルなピアノを入れてきたりと、実に多彩な音楽性を繰り広げてきています。

しかし、全体としてバラバラといった感覚は受けません。VAMPIRE WEEKENDらしさは全体に貫かれており、アルバムとしての一体性はしっかりと感じられます。

一方で「Holiday」のような、前作から続くパンキッシュでポップな楽曲もしっかりと収録されており、前作で感じたVAMPIRE WEEKENDの魅力は本作でも健在。あくまでも、前作の延長線上にある作品ということを感じます。

前作で確立された、VAMPIRE WEEKENDらしさを生かしつつも、前作から大きな成長を遂げた傑作。今回の作品は、なんとビルボードチャートでも1位を記録したそうですが、それも納得の作品だったと思います。

最後の「I Think Up A Contra」は、幻想的な作風がスケール感も感じられ、大きな成長を遂げた彼らの、新作の最後を飾るにふさわしい作品。この曲のように、一回りも二周りも大きくなった彼ら。ひょっとしたら、彼ら、はじまった2010年代を代表するミュージシャンに・・・なるかも??

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Freedom/AKON

Freedom

サウンドは今風のエレクトロ路線。テンポのよいR&Bが心地よいのですが、どこかリズムが独特。ちょっとアフリカ風だったり、ちょっとレゲエ風な部分を感じたりと、癖のあるリズムについつい惹きこまれます。彼の高音を生かした、独特なボーカルも、好き嫌いはわかれそうですが、インパクト十分でした。

評価:★★★★★

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2010年2月12日 (金)

前作もヒット中

今週の着うたチャート

2010年2月3日~2010年2月9日付チャート

今週の着うたチャート1位は、清水翔太×加藤ミリヤ「FOREVER LOVE」が獲得しました。

FOREVER LOVE

前作「LOVE FOREVER」もいまだに11位にランクインしており、着うたチャートではロングヒットを続けております。

2位は先週1位だった木村カエラ「Butterfly」がワンランクダウンしてのランクイン。アルバムチャートでもベスト盤が上位にランクインしてきましたが、着うたチャートでのロングヒットもまだまだ続きそうです。

3位は初登場。シングルチャートでもベスト10入りしてきたSCANDAL「瞬間センチメンタル」がランクインです。アニメタイアップのヒットなのですが、着うたチャートの方が上位に入ってきたということは、若い世代に幅広く支持を集めているということなのか?シングルチャートもさらなるヒットがのぞめるのか?

他に初登場は・・・6位にmihimaruGT「Love Letter」がランクインです。2月10日発売予定のシングルの先行配信になります。

また、9位には、先週11位からランクアップしてきたベッキー♪#「好きだから」がランクインしてきました。あのバラエティー番組でおなじみの女性タレント、ベッキーのベッキー♪#では2枚目となるシングルです。シングルチャートでは初登場11位と惜しくもベスト10入りをのがしましたが、着うたチャートは2週目にして見事ベスト10入りを果たしました。明るさが売りのバラエティータレントの彼女ですが、シングルを聴いてみると、意外や意外、歌、結構上手いじゃん・・・。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

アルバムチャートは、倖田來未と木村カエラの2枚のベストアルバムがデッドヒートを繰り広げました。

BEST~ third universe~ & 8th AL “UNIVERSE

結果、1位は倖田來未「BEST~third universe~ & 8th AL~UNIVERSE~」が初動22万1千枚で、木村カエラのベスト盤「5years」の初動21万5千枚を僅差で上回り1位を獲得しました。

倖田來未は、タイトル通り、ベスト盤と、8枚目のオリジナルアルバム「UNIVERSE」を組み合わせた新譜。ただ、前のオリジナルアルバムの初動売上が25万3千枚で、ベスト盤込みで、これを下回るなど、苦戦気味なのには変わりありません。

一方、木村カエラは、オリジナル作の前作が、初動10万2千枚だったので、大躍進の結果に。このアルバムにも収録されている「Butterfly」が着うたチャートでヒットを続けているのも影響を受けたかな?

他に初登場では、5位にRHYMESTER「マニフェスト」がランクイン。1993年にデビューした、日本のHIP HOP黎明期から活動を続ける3人組のHIP HOPユニットなのですが、オリジナルは約4年ぶり。3年前にリリースしたベスト盤で、初のベスト10ヒットを記録したのですが、このたび見事、オリジナルアルバムでも初のベスト10ヒットとなりました。

また、発売日の関係で、ベスト10圏外からランクアップし、今週8位にランクインしたのが「グラミー・ノミニーズ2010」。グラミー賞にノミネートされた曲を集めたオムニバスで、毎年恒例ですね。グラミー賞にノミネートされ、日本でも急に注目されはじめたTaylor Swiftをはじめ、LadyGAGAやKATE PERRYなど、なにかと話題のミュージシャンや、U2、GREENDAY、Coldplayなど、日本でもおなじみのバンドの曲も収録されています。他に、カントリー系ミュージシャンが多く収録されていますが、こちらは日本では馴染みが薄いかも・・・。ある意味、アメリカらしい選曲と言えるでしょうか。

今週はここまで。それではまた、来週~。

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2010年2月11日 (木)

やはりLISAは・・・。

Title:Disco Volante
Musician:LISA

Disco Volante

オリジナルのフルアルバムとしては、約4年ぶりとなる新作。今回のアルバムは、タイトル通り、全編踊れる、ディスコチューンの連続になっています。

テンポのよい、踊らせることに機能化されたエレクトロなサウンドの連続で、小難しいこと抜きに、そのリズムに知らず知らず身体がのってしまうような曲ばかり。素直に心地よいアルバムでした。

また、ディスコチューンといっても、「falling for you…」「shake my heart」みたいなトランス色の強いナンバーもあれば、「frozen」「other side of now」は、今はやりの、ロッキン・エレクトロなナンバー。もっとR&B色の強い「planet love」「Alone」のような楽曲もあり、ディスコチューンという括りの中でもバラエティーがあり、飽きさせない内容になっていました。

ただ、一方で、今回の作品に限った話ではないのですが、やはりミュージシャンLISAとしての個性の薄さを感じてしまいます・・・。

m-flo脱退後、ソロアルバムを何作かリリースしていますが、ソロシンガーLISAとしての方向性は今回のアルバムでもいまひとつ、見えてきません。

LISAって、声量や表現力もあって、間違いなく実力のあるボーカリストだとは思うのですが、声がきれいなだけに癖がなく、どんな曲でも歌いこなせてしまう器用さが、オールマイティーであるがゆえに、彼女自身の個性がなかなか見出せないでいると思うんです。

それゆえに、彼女って、他のミュージシャンにゲストとして参加した曲は、素晴らしいボーカルを聴かせてくれるんです。

今回のアルバムは、他のミュージシャンにゲストとして参加した曲が、最後に収録されているのですが、このアルバムの中で一番の聴かせどころはここでした。

本家のミュージシャンの良さを殺さず、かつ、聴いていて安心する安定感がある美しいボーカルをしっかりと聴かせてくれる・・・彼女って、やはり癖の強いミュージシャン率いるユニットやバンドのボーカリストの方が、LISAの強みを生かせると思うんですよ・・・そう、m-floのボーカリストのように。

要するに、今回のアルバムを聴いて、やはりm-floに戻ってきてくれないかなぁ・・・ということを強く感じました(笑)。verbal参加の「falling for you…」も文句なしの出来だったし、m-floと組んだ「SOUND BOY THRILLER」もやはりいい曲なんですよね~。LISAもソロでも十分活躍したし、m-floもlovesシリーズが終わったみたいだし・・・次の展開は是非、再び・・・・・・(?)

評価:★★★★

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2010年2月10日 (水)

ドラマ主題歌が上位にランクイン

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週のシングルチャートでは、1位と3位に、この1月からスタートしたドラマの主題歌がランクイン。ドラマ主題歌が上位を占めるのって、90年代J-POP黄金期のチャートみたいですよね。

戻れない明日

1位はaiko「戻れない明日」。日テレ系ドラマ「曲げられない女」の主題歌で、aikoらしい、独特なグルーヴで聴かせるポップスナンバーになっています。前作に引き続き、2作目の1位獲得なのですが、初動売上は5万8千枚と、前作の7万1千枚から減少。ドラマ主題歌というだけでは、売上を伸ばせられない・・・ということなのでしょうか?

ドラマ主題歌あと1曲は、3位にランクインしたflumpool「残像」。TBS系ドラマ「ブラッディ・マンディ」のSeason2の主題歌で、Season1から引き続きの担当となります。こちらも初動3万1千枚は、前作の3万2千枚から若干のダウンになっています。

その2曲にはさまれて2位にはゆず「桜会」が初登場。「さくらえ」と読むそうです。もう、桜ソングですか・・・もうすぐ春なんですね・・・。

他、上位には、4位清水翔太×加藤ミリヤ「FOREVER LOVE」、5位TOKIO「advance」がそれぞれランクインしています。

清水翔太と加藤ミリヤのコラボシングルはこれで2作目。前作が「Love Forever」だったので、それのアンサー・ソング的な位置付けということでしょうか?TOKIOの新作は、軽快なギターロックになっていました。

下位には、アニメタイアップ曲が2曲ランクイン。7位SCANDAL「瞬間センチメンタル」はTBS系アニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」エンディングテーマ、8位Buono!「Our Songs」はテレビ東京系アニメ「しゅごキャラパーティー!」エンディングテーマになっています。

このうち、タイアップ効果があったのがSCANDAL。初動1万6千枚は、前作の初動6千枚から大幅アップ。2作目のベスト10ヒットとなったのですが、彼女たちのベスト10ヒット曲は、いずれもアニメタイアップ・・・こういう売れ方って、今後がちょっと厳しいなぁ・・・。

ベスト10初登場はあと1曲。9位はONE OK ROCK「完全感覚Dreamer」がランクイン。ボーカルが、森進一・昌子の息子ということでも話題になっています。アイドルバンドっぽい雰囲気ですが、メロコア風パンクロックといった感じで、意外と正統派。結構、売れるかも・・・。

てな具合に、今週も初登場が多い週でした。アルバム&着うたチャートは金曜日に!

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2010年2月 9日 (火)

たどり着いたのは、北欧の小島

Title:eyja
Musician:原田知世

eyja

原田知世の2年ぶりとなるアルバムは、たどり着くべきところにたどり着いた傑作アルバムでした。

本作がレコーディングされたのは、北欧の小島、アイスランド。このアルバムのタイトル「eyja」も、アイスランド語で「島」を意味するそうです。

最近は、金融危機の影響をダイレクトに受けた国としてニュースにもよく取り上げられるアイスランドですが、音楽ファンにはご存知の通り、ビョークをはじめ、シガーロスやmumなど、独特なミュージシャンを数多く輩出している国でもあります。

そんなアイスランドの空気を存分に取り込んだのが今回のアルバム。「ハーモニー」「夢のゆりかご」など、澄み切った音が魅力的で、どこか幻想的な雰囲気は、まるで北欧の森の中の湖のほとりで流れてくるような音楽のよう・・・。

今回の作品では、なんと、mumも楽曲を提供しています。彼らが提供した「us」「予感」もとても魅力的。「us」は、静かなアコースティックギターの音色が魅力的な、幻想的なナンバー。「予感」はシンプルなストリングスの音が、幻想的な雰囲気と不気味な雰囲気を与えている不思議なポップスナンバー。彼女の声にもピッタリマッチしていて、ついつい聴き込んでしまいます。

他にも、ビョークへの楽曲提供でも知られるヴァルゲイル・シグルドソンの「marmalade」や、細野晴臣提供の「ソバカス」など、様々なミュージシャンが参加していることでも話題の作品。

そんな豪華な作家陣に勝るとも劣らなかったのが、プロデューサー伊藤ゴローの仕事ぶりでしょう。個性の強い作家陣をしっかりとまとめあげ、原田知世とアイスランドの音楽の橋渡しを見事果たしています。本人提供の作品もまた、北欧の雰囲気をきちんと醸し出しながら、原田知世の魅力を存分に表現させています。

彼女の魅力が存分に発揮されている傑作アルバム。遠い北欧の情景が、目に浮かんでくるような、そんな作品でした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

勤労ロードショー/ユニコーン

勤労ロードショー〜 LIVE IN JAPAN〜

ユーモラスなタイトルも秀逸な、ユニコーンのライブアルバム。ライブの空気感や迫力は、CDを通してもしっかりと伝わってきます。ライブバンドとしての彼らの実力を感じさせると同時に、一番感じたのは、彼らの現役感。若手バンドに全く負けない、「今のロックバンド」としての新鮮さをしっかりと感じさせてくれます。この調子なら、まだまだ傑作アルバムをリリースしてくれそう・・・。

評価:★★★★★

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2010年2月 8日 (月)

ダウンロード時代のアルバム

Title:What's flumpool?
Musician:flumpool

What’s flumpool!?

flumpoolといえば、デビュー前に「花になれ」がKDDIのキャンペーンアーティストに起用され、その後も、デビューしたレーベルが、アミューズとKDDIの合弁会社のレーベルだったり、積極的に配信限定シングルをリリースしたりと、ダウンロードという販売形態と密接に関わっているイメージがあります。まさに、ダウンロード時代のミュージシャン、と言えるかもしれません。

そんな彼らのニューアルバム。収録時間が79分58秒で、「世界最長収録時間」であるという宣伝文句の元に発売されましたが(その記録も、実はもっと長いアルバムがあったことが判明しましたが・・・)、長い収録時間におさめられたアルバムは、まるでシングル曲の集合体のようでした。

基本的にギターロックがメインの作風なのですが、どの曲もサビをしっかり聴かせようとする、ある意味シングル向けの楽曲ばかり。アルバムとしての一体感は薄く、ベストアルバムみたいな作品でした。

ただ彼ら、あくまでもダウンロード主体のミュージシャンということを考えると、これもダウンロード時代のアルバムなのかなぁ・・・と思いました。

要するに、ダウンロードが楽曲販売の主体になると、重要なのはシングル曲。アルバムではなく、シングルが、ミュージシャンの主戦場になってきます。

そしてアルバムは、そんなシングル曲の集合体。ダウンロードが主体になってくれば、自然にアルバムの意味合いもかわってくるのではないでしょうか?flumpoolのこのアルバムは、そんなダウンロード時代のアルバムの姿なのではないでしょうか。

個人的に、アルバムがシングルの集合体になるという方向性は必ずしも否定はしません。確かに、ビートルズ以来、アルバム単位でミュージシャンとしての主張を表現してきたスタイルがなくなってしまうのも寂しさを感じさせます。ただ、アルバムをひとつの作品として聴かせるというスタイルが完全に否定されたわけではありません。そもそも、一番最初は、アルバムはシングルの集合体だったわけで、そう考えると、一回りして昔に戻っただけ・・・そうとも考えられますし。

ただ、このflumpoolのアルバムに関しては、ちょっといまひとつだったかなぁ・・・と思いました。

1曲1曲、それなりのインパクトをもっているのですが、アルバムを聴きおわった後、いまひとつアルバム全体としての印象が薄くなってしまいます。

それはどうもflumpoolとしての個性が、いまひとつ感じられないからなのではないでしょうか?メロディーセンスや楽曲のインパクトに関して、彼らは確実に実力を持っていると思います。ただ、数多くいるギターロックバンドの中で、flumpoolだけが飛びぬけて持っているものは何か、と考えると、いまひとつ、個性を感じられません。

なんとなく、全曲があきらかに「売り」狙いで、個性が薄くなってしまっているような印象も受けるんですよね。もうちょっと突き抜けてほしいものも感じるのですが・・・いろいろな意味で惜しい部分を感じさせるアルバムでした。

評価:★★★

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2010年2月 7日 (日)

人気バンドとしての自信

Title:ハジマリノウタ
Musician:いきものがかり

ハジマリノウタ

すっかり人気バンドとして箔がついてきたようにすら感じる、いきものがかりの約1年ぶりとなるニューアルバム。当然、アルバムチャートでも1位を獲得するなど、大ヒットを記録しています。

前作あたりから、そんな人気に裏打ちされた自信をアルバムの中でも感じられるようになってきました。例えばこのアルバムでいえば、冒頭「ハジマリノウタ~遠い空澄んで~」から、シングルでもないミディアムテンポのナンバーでスタートしているあたり、メロディーで勝負する、という自信を感じられます。

今回のアルバムでは、先行シングルとなった「YELL」で、松任谷正隆をアレンジャーとして迎えたほか、アルバムでは、なんとBEAT CRUSADERSのヒダカトオルを「How to make it」でアレンジャーとして迎えるなど、新機軸を感じさせます。

その「How to make it」は、軽快なポップスロックのナンバーに仕上がっていましたし(途中のキーボードの使い方が、とてもビークルらしい・・・)、また、「じょいふる」もロックテイストの強いナンバー。一方、「真昼の月」では、哀愁たっぷりの和風なアレンジに仕上げるなど、様々な作風の曲が楽しめます。

ただ、全体的には、やはり聴かせる曲がメイン。冒頭の曲や昨年の紅白で歌った「YELL」もそうですが、「ふたり」「未来惑星」など、じっくり聴かせる曲が目立ちます。また、それ以外のアップテンポな曲も、勢いではなくあくまでもメロディアスでポップなメロディーをしっかり聴かせる曲が多く、前作でも感じたのですが、軽快なポップスバンドというよりは、聴かせるタイプのポップスシンガーというのが、いきものがかりの本質なんでしょう。

もっとも、売れているバンドとしての脂が乗っていて勢いのあった前作に比べると、本作は、それほど売れているバンドとしての勢いは薄まってしまったかな?ちょっとマンネリっぽさも垣間見れて来てしまったし・・・。さらに人気バンドとしての地位を持続するためには、次回作あたりが勝負になってくるかもしれません。

評価:★★★★

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2010年2月 6日 (土)

古き(?)良き90年代ロック

Title:SxOxU
Musician:SxOxU

SxOxU

GOING UNDERGROUNDのボーカル、松本素生によるソロプロジェクトSxOxUの、初となるミニアルバム。

バンドからのソロデビューということで、明確にGOING UNDERGROUNDとの違いを意識している音楽性になっています。その方向性は、パワーポップ路線。プロデューサーにBEAT CRUSADERSのヒダカトオルを迎え、分厚いロックサウンドに、ポップなメロディーを聴かせてくれます。

どうも「90年代のオルタナ系ロック」を意識したサウンドらしく、タイプ的にはWEEZERに近い感じ、といったところでしょうか?GOING UNDERGROUNDも、基本的には90年代のオルタナ系ロックバンドからの影響を強く感じるので、そういう意味では、根本のところ、GOING UNDERGROUNDとやはり近い音を出している、と言えるかもしれません。

「Roller Coaster」あたりは、まんまビークルといった感じのパワーポップ。他に、「Remember」も疾走感のあるギターロックに仕上がっており、90年代のオルタナ系ギターロックが好きな人には壺にはまるような音かも。

あと、「Departure」のように、エッジの効いたギターサウンドが目立つ曲が多く、そのギターサウンドが、「まんまナンバガだなぁ・・・」なんてことを感じさせたのですが、ギターに田渕ひさ子が参加していました(^^;;

WEEZERとか、ビークルとか、そのあたりが好きな人なら、かなり壺に入るような音だと思います。ただ、アルバム全体的には、まさSxOxUとしての独自色を模索している最中という印象が強く、まだ「90年代ギターロック風」というスタイルだけが先行してしまっているような感じがしました。

個人的には、GOING UNDERGROUNDとしての活動も気になるところなのですが・・・まあ、自分としても好きな音ではあるので、これからの活躍も期待したいところ。これから、どうSxOxUとしてのサウンドをつくりあげていくのか・・・楽しみです。

評価:★★★★

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2010年2月 5日 (金)

結婚式の新定番??

今週の着うたチャート

2010年1月27日~2010年2月2日付チャート

今週は、なんと木村カエラ「Butterfly」が、5位から一気に1位に返り咲きました。

HOCUS POCUS(通常盤)

最近は、マスメディアでも、この曲のヒットが取り上げられるようになり、いろいろなメディアでこの曲を聴く機会も増えてきました。新しいウェディングソングの定番にもなりそう・・・。今後の動向にも注目です。

続く2位も、着うたチャートではロングヒットの兆し。中島美嘉「ALWAYS」が1位からワンランクダウンで2位にランクインしています。

3位はAZU「YOU&I feat.LOVE LOVE LOVE」。"feat LOVE LOVE LOVE"といっても、実在のバンドLOVE LOVE LOVEをフューチャーしている訳ではなく、ドリカムの大ヒット曲「LOVE LOVE LOVE」をサンプリングしたナンバー。着うたヒットではよくありがちな、切なく聴かせるラブソング。シングルチャートではベスト50入りもしていないので、着うたとかなりの差が出ています。いかにも着うたでのヒットを狙いました・・・といった作品です。

他にも今週は、シングルチャートの新譜ラッシュにあわせて、新曲の多いチャートとなりました。シングルチャートとかぶるヒットとしては、7位に東方神起「BREAK OUT!」が、9位にL'Arc~en~Cielの「BLESS」が、それぞれランクインしています。どちらもシングルチャートと比べると、少々苦戦気味かも。

8位には、ICONIQ「I’m lovin’ you×EXILE ATSUSH(Special Edit Ver.)」がランクインです。昨年リリースしたシングルのバージョン違いを着うたで再リリースしたようで、ベスト10入りしてきました。

ただ、彼女に関してはこんな話も聴こえてきたり、少々avex側の、無理なごり押しが目立つような印象・・・。正直、着うたでこそヒットしているものの、シングルではヒットとはいかなかっただけに、今後の動向も気にかかります。

最後、10位にはCHEMISTRY「Period」がランクインしています。TBSアニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」オープニングテーマと好タイアップながら、シングルチャートでは初登場12位とベスト10ヒットを記録できませんでしたが、着うたではなんとかベスト10入り。バラードイメージの強いCHEMISTRYとは一風異なる、アップテンポなナンバーになっています。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週の1位は、HYのニューアルバム「Whistle」がランクインしています。同時期に出てきたORANGE RANGEやらAqua Timezやら、似たようなタイプ(?)のバンドが、ここにきて低迷している中、派手なシングルヒットはないのですが、アルバム主導の根強い人気が目立ちます。

Whistle

ただ、初動の8万2千枚は、前作の初動15万1千枚から大幅ダウンという状況。そろそろ、新たなファン層を取り込みたいところ・・・といった感じでしょうか。

2位も初登場。abingdon boys school「ABINGDON ROAD」がランクインです。TM Revolution西川貴教のバンドの2作目となるアルバムです。

続く3位にも、「FINAL FANTASY XIIIオリジナルサウンドトラック」がランクイン。ご存知、国民的人気を誇るゲームソフトのサントラ盤。ネットでは良い面でも悪い面でも話題に上った本作ですが、サントラの売上を見ると、まだまだ高い人気が続いていることを感じさせます。

他に今週初登場は、5位に阿部真央「ポっぷ」がランクインです。先行シングル「いつの日も」が着うたチャートでベスト10入りしましたが、アルバムも2枚目にして初となるベスト10入り。現在、人気上昇中のシンガーソングライターです。

8位にはBOOM BOOM SATELLITESのベストアルバム「19972007」がランクイン。当初、海外でデビューし大きな話題となった、2人組のデジタル・ロック(という言い方は死後かなぁ?)バンドの初となるベスト盤が見事ベスト10入りしてきました。

そして今週、ランクアップし、6位でベスト10初登場を果たしたのはORIANTHI「BELIEVE」。誰?と思ったのですが、MICHEAL JACKSONの映画「THIS IS IT」でギターを弾いていたあの女性ギタリストのソロアルバムです。それがなんとベスト10入りというのはビックリ!MICHAELの人気のすごさの一端といったところなのでしょうか?

そして、そのMICHAEL JACKSON「THIS IS IT」が、今週、10位にランクアップ!ベスト10に再ランクインしています。映画「THIS IS IT」がDVD化されて発売された影響でしょうね。あらためてマイケルの人気のすさまじさを感じさせます。

アルバムチャートは、マイケルのすごさが目立ったチャートになったような・・・それでは、また来週!

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2010年2月 4日 (木)

シンプルだからこそ。

Title:New Acoustic Tale
Musician:OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND

New Acoustic Tale

BRAHMANのメンバーを中心に結成された、アコースティックバンドの2枚目となるフルアルバム。

まあ、いわばBRAHMANの別働隊的なバンドなのですが、ハードコアなサウンドがベースのBRAHMANと対照的に、シンプルなアコースティックサウンドがメインの彼ら。BRAHMANではやれない音を、このバンドで表現している、というところでしょうか。

ただ、シンプルなサウンドといえど、このアルバムで聴かせてくれる彼らのサウンドは実に多彩。「A Strait Gate」「Remedy」など、ケルト民謡風の曲が目立つ一方で、ロックのテイストが強く感じられる「New Tale」、叙情感のあるメロディーが、ちょっと和風の雰囲気をかもしだしている「UKIGUSA」、カントリー風の「Freight Train」、力強いアコギの音が、大陸の雄大な大地をつむぐような「Ice Queen」などなど、最後まで耳を離せません。

シンプルなサウンドの中に、これだけ様々な世界を繰り広げられるのは、まさに彼らの実力あってのことでしょう。

もちろん、そんな様々な音の世界を一緒に作り出しているメロディーも、とてもポップで印象的。ちょっとしんみりとした、哀愁を感じさせるメロディーや、暖かさを感じさせるメロディーが多く、万人に愛されそうな、普遍的なメロディーセンスを感じさせます。

OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUNDとしての個性も目立ってきて、明確にBRAHMANとは別のバンドである、ということも感じられます。そのメロディーセンスや、随所に感じさせるパンキッシュなサウンド、また、民俗音楽の要素を取り込んでいるという点、BRAHMANとの共通項も見つけ出せますが、OAUだけのファンという層も、今後増えていくかも。まだまだこれからの活動から、目が離せません。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

デパクラII~DEPAPEPE PLAYS THE CLASSICS/DEPAPEPE

デパクラ2~DEPAPEPE PLAYS THE CLASSICS

あ~またこの手の企画盤かぁ・・・。

・・・ってのが正直な感想。確かに、DEPAPEPEの爽やかなギターで、クラッシックの名曲が奏でられる、という企画、決して悪いわけではありません。単純なイージーリスニングではなく、アコギのプレイをしっかりと聴かせてくれるし・・・。

でも、オリジナルアルバムを早く聴きたいんですよね。この手の企画盤を出されるたびに、会社の側は彼らを、単純なイージーリスニングのミュージシャンと同じ程度にしか見ていないのかなぁ、なんて悲しく思ってしまいます(T T)。

評価:★★★

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2010年2月 3日 (水)

解散騒動もなんのその

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週の1位は、事務所とのトラブルで、解散も噂される、韓国の人気アイドルグループ東方神起の新曲「BREAK OUT!」が1位を獲得しました。

BREAK OUT!(DVD付)(ジャケットA)

NHKドラマ「とめはねっ!」の主題歌に採用された本作は、今風のロッキン・エレクトロなチューン。初動25万5千枚は、前作の初動18万2千枚から大きくアップ。解散騒動など何処吹く風の人気を見せています。

続く2位には、L'Arc~en~Ciel「BLESS」がランクイン。もうすぐ開幕する「バンクーバーオリンピック」のNHKテーマソングだそうで、五輪の大舞台に映えそうな、ストリングスも取り入れたスケール感あるナンバー。初動は8万枚と、前作の11万枚から大幅に減少したのが気にかかりますが、オリンピック開幕後、耳にする機会が急増するだけに、ロングヒットも期待できそうなナンバーです。

3位はAAA「Heart and Soul」。テンポのよいトランスナンバーは、90年代からかわらないavexの王道路線といった感じでしょうか。いまだにこういうナンバーがヒットするんだなぁ・・・という印象も。

以下、4位から6位と8、9位が初登場という、相変わらずの新譜ラッシュ。ただ、今週は、どのミュージシャンもタイプはバラバラでした。

まず、4位から6位は・・・

4位 涙/FUNKY MONKEY BABYS
5位 My wish My love/田村ゆかり
6位 S.O.W.センスオブワンダー/アイドリング!!!

がランクイン。FUNKY MONKEY BABYSは、既に着うたチャートでもヒット中ですね。ただ、シングルチャートでは初動2万2千枚と、前作の初動3万8千枚から大きく減少しています。

5位田村ゆかりは、人気声優。映画「魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st」のエンディングテーマになっています。6位はアイドルユニット。こちらもテレビ東京系アニメ「FAIRY TAIL」のエンディングテーマになっています。

あと2曲。8位にはAqua Timez「絵はがきの春」、9位には東京スカパラダイスオーケストラ「流星とバラード」がそれぞれランクインしてきました。

Aqua Timezは味の素のCMソング。ミディアムテンポの聴かせるナンバーなのですが、初動は1万3千枚と、前作の2万2千枚よりさらに減少。厳しい状況が続いています。

スカパラの新譜は、2002年の「美しく燃える森」以来8年ぶり、奥田民生をゲストボーカルに迎えた作品。その影響か、初動1万枚は、前作の初動5千枚から大きくアップしています。スカの軽快なリズムに、ちょっとビターな雰囲気のある大人のポップナンバーといった感じ。個性の強い奥田民生ボーカルが必要以上に全面に出ておらず、あくまでもスカパラのナンバーになっているのが特徴的です。

相変わらず新譜ラッシュが続きますね・・・着うた&アルバムチャートは金曜日に!

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2010年2月 2日 (火)

ボーカリストとしての自信

Title:JUST BALLADE
Musician:MISIA

JUST BALLADE

MISIAの最新アルバムは、タイトル通り、バラード主体となるオリジナルアルバム。全曲が迫力ある彼女のボーカルを聴かせるバラードナンバー・・・ではさすがにありませんでしたが、全曲、ミディアムテンポの聴かせるナンバーが揃ったアルバムになっていました。

ミディアムテンポ主体のアルバムって、とても難しいんですよね。バラードナンバーって、1曲1曲しっかり聴きこめば楽しめるものの、続けざまにバラードだと、どうしても飽きが早く来てしまいます。

それだけに、バラード主体となると、ボーカリストとしての技能や表現力といった実力が求められます。それでもなお、まさにタイトル通り「JUST BALLAD」なアルバムをつくろうとするあたり、MISIAのボーカリストとしての自信と誇りを感じられます。

もっとも、ミディアムテンポ主体とはいえ、このアルバム、それなりにバラエティーに富んだ内容になっていました。ラテンパーカッションが響く、哀愁たっぷりの「Call Me Love Me」や、打ち込みのサウンドがスペーシーな雰囲気を楽曲に与えている「バオバヴの木の下で」など、ミディアムテンポ主体ながらも、その音楽性の広さも感じさせます。

それでも、最後まで飽きずにアルバムを聴けるというのはやはりMISIAのボーカリストとしての実力あってのことなんでしょうね。実際、情感たっぷりに歌い上げるMISIAのボーカルを、このアルバムでは余すことなく聴かせてくれていました。

ただし、アルバム全体としては、やはりちょっと似たような曲が多かったかな、と感じてしまったのも事実。「地平線の向こう側へ」「Yes Forever」のような、MISIAの王道バラードとも言うべき歌い上げるナンバーが目立ちます。いや、実際、名曲だとは思うんですよ。ただ、1つのアルバムで2曲も3曲も、はさすがに・・・。

もちろん、MISIAの魅力を存分に感じられるアルバムなのは間違いないと思います。あらためて、ボーカリストとしての彼女の実力を実感できた1枚でした。

評価:★★★★

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2010年2月 1日 (月)

2009年ベストアルバム(邦楽編)その2

昨日からの続きのベストアルバム邦楽編。今日は5位から1位です。

5位 アルトコロニーの定理/RADWIMPS

アルトコロニーの定理

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今、もっとも勢いにのっているギターロックバンドでしょうね。ひねくれたメロディーとサウンド、それにも関わらずポピュラリティーの高いメロディー、聴きいってしまう歌詞の世界観・・・バンドとしての脂がのりまくっている時だからこそ誕生した傑作です。

4位 ハイファイ新書/相対性理論

ハイファイ新書

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徹底した匿名性と、余計な贅肉をはぶいたように記号化された歌詞の世界、そしてシンプルな音楽性。いろいろな意味で、リスナーの想像力を働かせる要素が強いだけに、逆に様々な世界が広がってくるアルバム。おたくっぽい世界観といい、「今の時代」を象徴しているような印象を受けます。2009年という時代を代表する傑作です。

3位 THIS IS MY SHIT/80kidz

THIS IS MY SHIT

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ここ最近、流行になっているエレクトロサウンドをバリバリ聴かせてくれる、世界レベルで注目を集めている(らしい)日本発エレクトロバンド。そのビートの強いロッキン・エレクトロなサウンドも魅了されますが、そんなサウンドにのった、ポップなメロディーも魅力的です。こちらも、2009年という時代を象徴する傑作。

2位 THIS IS MY STORY/THE BAWDIES

THIS IS MY STORY

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端整なルックスからは想像しがたい、ルーツ・オリエンテッドな骨太のギターロックを聴かせてくれる彼ら。個人的に、このアルバムはかなりはまってしまいました。2000年代の日本のロックシーンは、90年代のギターロックからのフォロワーが多かった印象を受けましたが、ここに来て、もっと昔。ロックのルーツを志向するようなバンドが増えてきている印象があります。そういう意味で、本作もまた、2009年を象徴する傑作といえるでしょう。

そして・・・

1位 ノウニウノウン/たむらぱん

ノウニウノウン

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ちょっと陳腐な表現に聴こえるかもしれませんが、「天才!」という表現がふさわしいポップスシンガーがあらわれました。ポップスという枠組みで、これだけ衝撃を受けたのは、aiko以来かも。たむらぱんの作品を聴くのはこれが2枚目なのですが、たむらぱんの本領を発揮した1枚でしょう。一風かわったメロディーの展開をしていながらも、とてもポップにまとめあげており、聴けば聴くほど癖になりそう。特に、「ちゃりんこ」は、今年を代表する傑作ナンバー。まだ聴いていない人は聴くべし!文句なし2009年No.1アルバムです。

以上、今年のベスト10でした。あらためて1位から10位を振り返ると・・・

1 ノウニウノウン/たむらぱん
2 THIS IS MY STORY/THE BAWDIES
3 THIS IS MY SHIT/80kidz
4 ハイファイ新書/相対性理論
5 アルトコロニーの定理/RADWIMPS
6 魂のゆくえ/くるり
7 Past<Future/安室奈美恵
8 20/電気グルーヴ
9 ガール!ガール!ガール!/クレイジーケンバンド
10 ゆめのうた/tobbacojuice

今年は、上半期は傑作揃いで、例年にない当たり年か?と思ったのですが、後半はちょっと失速してしまいましたね。それでも、傑作の多かった1年。特に2位から4位は、今後のシーンの行方を占うには重要な作品だと思います。他にも、ベスト10には入らなかったものの、「WONDER WHEEL/サイプレス上野とロベルト吉野」のようなHIP HOPの傑作もあれば、「DO YOU DREAMS COME TRUE?/DREAMS COME TRUE」や「Focus/黒沢健一」など、ベテラン勢も傑作を聴かせてくれたり、CD不況といいながらも、音楽シーン全体では勢いのあった1年だったのではないでしょうか?

インディーシーンではいいミュージシャンが出てきているものの、全体的には少々停滞感のある洋楽シーンと比べて、邦楽は、インディーはもちろん、メジャーシーンでも安室奈美恵が傑作をリリースしてくれたり、他にもRADWIMPS、くるり、相対性理論などといった実力派が、きちんと上位にランクインされてきたり。確かに、特定のジャンルのミュージシャンのヒットが目立つとはいえ、売れるべき作品はそれなりに売れている健全さも感じられるヒットシーンなのではないでしょうか。

CD不況などの不安要素を抱えながらも、希望も感じられる日本の音楽シーン、来年もたくさんの傑作に出会いたいですね!

参考までに

2007年ベストアルバム(邦楽編) その1 その2
2008年ベストアルバム(邦楽編) その1 その2

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