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2010年1月26日 (火)

未来へ向かって

Title:Past<Future
Musician:安室奈美恵

PAST<FUTURE

正直なところ、期待はずれでした・・・・・・。

 

 

 

 

 

なぁんて言っては怒られちゃいますかね(^^;;「期待はずれ」ってのは、個人的に、このアルバム、2009年の最後に、2009年のベストアルバムが登場か??くらいの期待をしていたから。さすがに、昨年のベストか、とまでいわれると微妙な点もあるのですが、それでも個人的に、2009年を代表するアルバムなのは間違いないと思います。

前作でありベスト盤の「BEST FICTION」のビジュアルを、自ら破るというジャケットが話題となった今回のアルバム。「PAST<FUTURE」というタイトル通り、未来へとさらなる大きな一歩を踏み出す決意を感じさせるアルバムでした。

じゃあ、前作「PLAY」に比べて、安室奈美恵としての目を引くような前進があったか、といわれると、少々微妙な点も。ただ、そうとはいっても、今の日本のヒットシーンの中で、頭ひとつもふたつも出ているような傑作に仕上がっていたのは間違いないでしょう。

今回のアルバム、前半はダンサナブルなビートと、エレクトロなサウンドを全面に押し出した、流行の洋楽サウンドをふんだんに取り込んだ今風のR&B路線に、後半は、メロディーと、彼女のボーカルを比較的しっかりと聴かせる、ポップな作風に仕上がっていました。

前半に関して、特に耳を引いたのが、T.Kuraによるアレンジの作品。エレクトロサウンドを軸に、疾走感のある「COPY THAT」や、ポップなメロディーも耳をひく「FIRST TIMER」もカッコよかったですし、特に「WILD」など、テンポのよいエレクトロサウンドがリスナーをグイグイとひきこんでいく、魅力的なナンバーになっています。

一方後半は、Nao'ymtによる、ポップテイストが強いメロディアスなナンバーが続きます。前半は、(今時の流行か)声にエフェクトをかけている曲が多かっただけに、あまりしっかりと聴かせられなかった安室奈美恵のボーカルを、堪能できる曲が続きます。バラードナンバー「The Meaning Of Us」でしっかりと聴かせてこのアルバムを締めくくる・・・かと思いきや、ラストはアップテンポな「Defend Love」で締めくくり。最後の最後まで、今の彼女の勢いを感じさせるナンバーが続きました。

ヒットチャートの中心で、今時の最先端の音を取り込んで、圧倒的にクオリティーの高い楽曲を聴かせる・・・ここ最近、どうも閉塞感のある音楽シーン、というよりも日本全体において、彼女の活躍は、かなりシーンに明るさをもたらしてくれる・・・といったらいいすぎでしょうか?

「今時の洋楽そのまま」という批判もあるみたいですし、確かに、個人的にも、もうちょっと安室奈美恵だけが歌えるような何かがあればいいのにな、と感じないことはありません。ただ、CD売上が縮小する中、似たような売れ線路線の曲が量産される中、積極的に新しい音を、外に求めていこうという彼女のスタンスは、やはり日本の音楽シーンをもっともっと活性化させることにつながっていくと思います。

2009年の最後にあらわれた、今年を代表する傑作。本当に、いろいろな意味ですごいシンガーになったよなぁ、彼女は。まだまだ日本のシーンをかきまぜていってくれそうです。

評価:★★★★★

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