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2010年1月

2010年1月31日 (日)

2009年ベストアルバム(邦楽編)その1

昨日に引き続いて、おくればせながらの2009年ベストアルバム。邦楽編の1回目。10位から6位までです。

10位 ゆめのうた/tobaccojuice

ゆめのうた

聴いた当時の感想はこちら

洋楽のスタンダードナンバーを、彼らなりに日本語に訳してカバーしたカバーアルバム。カバーした楽曲の選曲といい、彼らなりの日本語詞といい、オーガニックテイストのサウンドといい、ちょっとくすんだ感じが心地よいボーカルといい、とてもセンスのよいものを感じられるアルバムです。

9位 ガール!ガール!ガール!/クレイジーケンバンド

ガール!ガール!ガール!

聴いた当時の感想はこちら

アルバムをリリースする毎に、そのアルバムが最高傑作となるクレイジーケンバンド。最新アルバムももちろん「いいねっ!」。最近の彼らの曲は、決して「昭和歌謡」という一言では括れないものの、様々なジャンルの音を取り込んで、かつ、コテコテのポップスに仕上げてくるあたりは、いい意味で歌謡曲的。最近はベスト10にも顔をのぞかせるようになりましたが、もっともっと売れるべきアルバムだと思うんだけどなぁ。

8位 20/電気グルーヴ

20

聴いた当時の感想はこちら

いや、わかるんです。あくまでも20周年の記念盤ですし、電気グルーヴとしては決して真新しいことをやったアルバムでもないし、出来としても彼らの中では「大傑作」ではないですし。ただ、彼らのポピュラリティーやユーモラスな部分が全面に出ていたこのアルバムは、理屈抜きに素直に楽しめました。初回盤についているDVDも最高!何回見ても笑ってしまいます。

7位 Past<Future/安室奈美恵

PAST<FUTURE

聴いた当時の感想はこちら

年末。最後の最後にリリースされた傑作アルバム。確かに、聴いた当時に感想で書いた通り、年間1位レベルの作品を期待していただけに、その期待に比べると・・・という部分はあるのですが、最近の流行を積極的に取り入れたダンサナブルなサウンドは文句なしにカッコいい!こういうアルバムがヒットを飛ばしたりすると、まだまだ日本のヒットシーンも捨てたものじゃないなぁ、なんてことを思ったりもします。

6位 魂のゆくえ/くるり

魂のゆくえ

聴いた当時の感想はこちら

デビュー以来、安定して傑作をリリースし続ける彼ら。ウィーンで録音を行い、管弦楽的な要素を多く取り入れ、実験的だった前作に比べて、本作はロックバンドとしての本質をむき出しにした、ルーツ・オリエンテッドな傑作。派手さはありませんが、聴けば聴くほど味が出てくるような作品です。

そんな訳で、続きは明日!明日は5位から1位を紹介します。

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2010年1月30日 (土)

2009年ベストアルバム(洋楽編)

遅ればせながら・・・毎年恒例2009年ベストアルバム。まず、洋楽編ベスト5から。

5位 The Eternal/Sonic Youth

The Eternal

聴いた当時の感想はこちら

オルタナ系ギターロックバンドの先駆者として、その勢いはいまだ健在。3年ぶりとなる本作では、再びインディーズに回帰。その結果、よりパンキッシュで、勢いのある若々しいサウンドになっています。つーか、来年でデビュー30年の大ベテランなのに、このテンションの高さは驚きだよなぁ。

4位 The Crying Light/ANTONY AND THE JOHNSONS

The Crying Light

聴いた当時の感想はこちら

CD屋で試聴して、衝動的に買った1枚。ジャケットもインパクトが大きいのですが、中性的な、あまりにも透き通った美しい歌声とメロディーもインパクト大。聴きほれてしまいました。女性的なしなやかさ、美しさと男性的な力強さをあわせもったボーカルとメロディーが、とても魅力的な作品です。

3位 IMIDIWAN:COMPANIONS/TINARIWEN

Imidiwan: Companions

聴いた当時の感想はこちら

昨年は、いろいろな音楽に手を伸ばして、その中で、ワールドミュージックという分野にも、少しずつ聴いてみたのですが、その中で出会った1枚。アフリカのリズムや音を奏でながらも、ブルージーなギターサウンドなど、西側のポップスに慣れ親しんだ耳でもなじみのあるサウンドがとても魅力的。邦楽とも「洋楽」とも異なる世界に魅了されました。

2位 LIVE AT READING/NIRVANA

Live at Reading

聴いた当時の感想はこちら

聴いた時の衝撃度合いでいえば、おそらく、2009年のNo.1はこのアルバムです。ただ、オリジナルアルバムではなく、また、過去のミュージシャンの、リイシュー的なアルバム、ということで、年間2位ということで・・・。NIRVANAについては、もちろんアルバムは一通り聴きましたし、その偉大さは知っています。しかし、このアルバムで、はじめて、なぜあれだけの衝撃を当時のリスナーに与えたのか、わかったような気がしました。傑作のライブ盤です。

そして1位は・・・

1位 INVADERS MUST DIE/THE PRODIGY

Invaders Must Die

聴いた当時の感想はこちら

何度聴いても、プレイボタンを押した瞬間から、身体が自然に踊りだしてしまう、そんなアルバム。今年は、このアルバムと、2位のNIRVANAには、本当にはまりまくりました。最近、エレクトロのミュージシャンの活躍が目立ちますが、その中でも、格の違いを感じた傑作でした。

以上。

5枚並んで、ジャンルはバラバラなのですが・・・PRODIGY、NIRVANAにSONIC YOUTHと、ベテラン勢の傑作が目立ちました。ただ、前半は傑作続きで、これは、年間ベスト5で迷いそう・・・と思ったら、後半、さほど目立った傑作が少なかったような。

あらためて、ベスト5を並べると

1 INVADERS MUST DIE/THE PRODIGY
2 LIVE AT READING/NIRVANA
3 IMIDIWAN:COMPANIONS/TINARIWEN
4 The Crying Light/ANTONY AND THE JOHNSONS
5 The Eternal/Sonic Youth

ちなみに参考まで

2007年ベストアルバム(洋楽編)
2008年ベストアルバム(洋楽編)

去年と比べて、インディー系は少なめだったかも。また、R&B、ソウル系は今年もいまひとついいアルバムに出会えなかったなぁ。また、シーンをガラリと変えるような予感のするアルバムにも出会えず・・・。ただ、もちろん名盤、傑作は毎年続々とリリースされているだけに、今年も多くの名盤に出会いたいですね!

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2010年1月29日 (金)

シングルチャートでもヒット中!

今週の着うたチャート

2010年1月20日~2010年1月26日付チャート

今週は、シングルチャートでもヒットしている曲が上位にランクインしています。

ALWAYS

今週1位は、先週から引き続き、中島美嘉「ALWAYS」が獲得。シングルチャートでも、ここ最近の彼女の曲としては、好調な滑り出しを見せています。デイリーでも比較的好調な売上を記録しているみたいで、ロングヒットの兆しも?

2位はYUI「GLORIA」。こちらは、今週のシングルチャートでも1位を獲得していますね。1位こそのがしましたが、着うたチャートでも好スタートです。

3位はFUNKY MONKEY BABYS「涙」が先週の4位からランクアップ。着うたではロングヒットの兆しが。来週のシングルチャートでもランクインが予想されていますが、どのくらいの売上を記録するのか、注目されます。

以下、初登場組は、まず7位のTiara「キミがおしえてくれた事 feat.SEAMO」。なんか、着うたの典型的なヒットパターンといった感じの、女性ボーカルのR&B風のバラード+ラッパーの組み合わせ・・・。発売日のシングルデイリーチャートでも上位に入ってきていないですし、このタイプの曲の反応が、着うたとシングルでは大きく違うような。

9位にBENI「サイン」がランクイン。こちらは着うた配信が、昨年の12月30日なのですが、なぜいまさらランクイン??


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

アルバムチャート1位は・・・なにげにがんばっています。

《送料無料》GIRL NEXT DOOR/NEXT FUTURE(CD)

1位はGIRL NEXT DOORのニューアルバム「NEXT FUTURE」。初動売上は5万6千枚で、前作の17万枚から大幅ダウン・・・とはいえ、前作が、新年1週目の、2週間分を集計していた週の結果なので、単純比較はできませんが。

6位に初登場したのが、THE YELLOW MONKEY「COMPLETE SICKS」。1997年に発売されたイエモンの6thアルバム「SICKS」を、デジタルリマスターし、さらにデモ音源やDVDをつけた、豪華バージョン。海外の人気ミュージシャンが、こういうスタイルで再発売するケースは多いのですが、今後は日本のミュージシャンでも増えていきそう。「SICKS」もチャートで1位を獲得しているのですが、再発売で6位というのは立派な成績でしょう。いまだに根強いイエモン人気を感じさせます。

8位には「EXIT TUNES PRESENTS Vocalolegend feat. 初音ミク」がランクイン。VOCALOIDの人気楽曲をあつめたオムニバス盤で、こちらも根強い人気を感じさせます。

最後、10位にはSOPHIA「15」がランクイン。デビュー15周年を記念した、セルフカバーアルバムだそうです。「街」や「黒いブーツ」「ゴキゲン鳥」など、ちょっと懐かしいヒット曲を、今の彼らがカバーしています。

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2010年1月28日 (木)

アフリカの音楽

Title:バオバブの木からの贈り物
Musician:THE ZAWOSE FAMILY

バオバブの木からの贈り物

ここ最近、ちょっと興味を持ち出した、アフリカの音楽というジャンル。以前購入した、「ミュージックマガジンの500枚」という、「ミュージックマガジン」が発売した名盤集で紹介されていたワールドミュージックに興味を持ち始めたのがきっかけなのですが、おそるおそるながら、徐々にいろいろな音楽に手を伸ばしてみたりしています。

そんな中で興味を持ったのが、このアルバム。つーても、単純に、昨年の「ミュージックマガジン」のベストアルバムの、「ワールドミュージック」部門で1位だったから、というだけの話なのですが・・・。

このTHE ZAWOSE FAMILYというのは、2003年に亡くなった、タンザニアのフクウェ・ザウォーセというミュージシャンのファミリー・グループが、ロンドンで録音した楽曲をまとめたアルバムだとか。フクウェ・ザウォーセ本人も、数曲参加しているそうです。

本作を聴いていて印象的だったのは、そのリズム。お祭りのようにはねまわるテンポのよい太鼓のリズムが、とても楽しげで印象に残りました。そして、メロディーを奏でるのが、暖かい、丸みを帯びた音色を出す、不思議な楽器。どんな楽器かと思えば、リンバという親指ピアノだそうで、どこかやさしげな音ながらも、このリンバから奏でる音もとてもリズミカルで、迫力ある音を奏でていました。

また、歌われるボーカルも、多くのシンガーによるかわいらしいボーカルや、また、うねるような独特の歌声が印象的。全体としては、みんなが楽しく楽器を鳴らして歌う、お祭りの雰囲気といった感じでしょうか?アフリカの大地の中での光景が浮かんでくるようでした。

以前、アフリカの音楽として興味を持って聴いたTINARIWENやFELA KUTIが、比較的、西洋音楽の要素もあって、私たちにも聴きやすかったのに対して、彼らの音は、よりアフリカという土地の色合いが濃かった感じがします。そのため、正直言って、完全に楽しめてはまれたか・・・といわれると、まだちょっと抵抗感を感じる部分もありました。

ただ、何度か聴くうちに、徐々にその世界にはまっていきそうな、そんな奥深さを感じています。こういう音楽をきっかけに、徐々に、リスナーとしての世界を広げていけたらいいな。そうとも感じさせる、魅力的な1枚でした。

評価:★★★★

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2010年1月27日 (水)

アニソンがズラリ

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

シングルチャートは、先週、水樹奈々が、声優として初の1位獲得ということで話題となりましたが、むしろアニソンの勢いが目立ったのは今週。10曲中5曲がアニメソングというチャートとなっています。

GLORIA

そんな中で1位を獲得したのが、YUI「GLORIA」。進研ゼミのCMソングとしてもおなじみのこの曲。受験生の背中を押すような、ロックテイストの応援歌になっています。初動は8万枚で、前作の7万5千枚からアップ。CM効果も出ているのでしょうか?

2位が倖田來未「Can We Back」。先週、着うたチャートでもランクインしてきましたね。着うたチャートは6位と振るいませんでしたが、シングルチャートは2位にランクインしてきました。

女性シンガーが続きます。3位が中島美嘉「ALWAYS」。先週の着うたチャートで1位を獲得していますが、シングルチャートでも初動2万1千枚と、前作の初動1万1千枚から大きくアップしています。

以下、最初に書いた通り、4位以下はアニメ主題歌がズラリと並ぶチャートになっていました。

4位 ヘタリアキャラクターCD Vol.7ロシア
5位 PHANTOM MIND/水樹奈々
7位 光の旋律/Kalafina
8位 Going On!/ガーディアンズ4
10位 君がいない未来/Do As Infinity

といずれもアニメ主題歌になっています。

4位は、ヒットチャートではおなじみになってきたアニメ「ヘタリア」のキャラクターソングですね。そして5位に先週1位となった水樹奈々をはさみ、7位Kalafinaはプロデューサー梶浦由記によるプロジェクト。アニメ「ソ・ラ・ノ・オ・ト」のオープニングテーマだそうで、ちょっとクラッシック風かつ幻想的なポップソングになっています。

8位ガーディアンズ4はハロプロ系のアイドルユニット。アニメ「しゅごキャラパーティー!」のオープニングテーマです。

最後、10位Do As Infinityは、アニメ「犬夜叉 完結編」のオープニングテーマ。ただ、売上的には8千枚と前作の1万2千枚からダウン。前作が再結成後初のシングルと話題になった影響もあるのでしょうが、アニソンが売れるといっても、固定ファンがつくことが必要で、ただアニメタイアップがついただけではヒットしなくなった、ということでしょうか?

他、残り初登場2曲もアイドル系。こちらも最近のシングルチャートらしい結果といえるでしょう。

6位初登場が中野腐女子シスターズ「Honey Bee~」。なんでも「おたくアイドル」という売り込みらしいのですが楽曲は至って普通のアイドルポップ。以前、別名義の「腐男塾」でベスト10ヒットを記録しているのですが、この名義でははじめてとなるヒットです。

また、9位に韓国アイドルグループ超新星「Last Kiss」がランクインしています。

そんな訳で、最近のシングルチャートらしいチャートになりました。それでは、着うた&アルバムは金曜日に!

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2010年1月26日 (火)

未来へ向かって

Title:Past<Future
Musician:安室奈美恵

PAST<FUTURE

正直なところ、期待はずれでした・・・・・・。

 

 

 

 

 

なぁんて言っては怒られちゃいますかね(^^;;「期待はずれ」ってのは、個人的に、このアルバム、2009年の最後に、2009年のベストアルバムが登場か??くらいの期待をしていたから。さすがに、昨年のベストか、とまでいわれると微妙な点もあるのですが、それでも個人的に、2009年を代表するアルバムなのは間違いないと思います。

前作でありベスト盤の「BEST FICTION」のビジュアルを、自ら破るというジャケットが話題となった今回のアルバム。「PAST<FUTURE」というタイトル通り、未来へとさらなる大きな一歩を踏み出す決意を感じさせるアルバムでした。

じゃあ、前作「PLAY」に比べて、安室奈美恵としての目を引くような前進があったか、といわれると、少々微妙な点も。ただ、そうとはいっても、今の日本のヒットシーンの中で、頭ひとつもふたつも出ているような傑作に仕上がっていたのは間違いないでしょう。

今回のアルバム、前半はダンサナブルなビートと、エレクトロなサウンドを全面に押し出した、流行の洋楽サウンドをふんだんに取り込んだ今風のR&B路線に、後半は、メロディーと、彼女のボーカルを比較的しっかりと聴かせる、ポップな作風に仕上がっていました。

前半に関して、特に耳を引いたのが、T.Kuraによるアレンジの作品。エレクトロサウンドを軸に、疾走感のある「COPY THAT」や、ポップなメロディーも耳をひく「FIRST TIMER」もカッコよかったですし、特に「WILD」など、テンポのよいエレクトロサウンドがリスナーをグイグイとひきこんでいく、魅力的なナンバーになっています。

一方後半は、Nao'ymtによる、ポップテイストが強いメロディアスなナンバーが続きます。前半は、(今時の流行か)声にエフェクトをかけている曲が多かっただけに、あまりしっかりと聴かせられなかった安室奈美恵のボーカルを、堪能できる曲が続きます。バラードナンバー「The Meaning Of Us」でしっかりと聴かせてこのアルバムを締めくくる・・・かと思いきや、ラストはアップテンポな「Defend Love」で締めくくり。最後の最後まで、今の彼女の勢いを感じさせるナンバーが続きました。

ヒットチャートの中心で、今時の最先端の音を取り込んで、圧倒的にクオリティーの高い楽曲を聴かせる・・・ここ最近、どうも閉塞感のある音楽シーン、というよりも日本全体において、彼女の活躍は、かなりシーンに明るさをもたらしてくれる・・・といったらいいすぎでしょうか?

「今時の洋楽そのまま」という批判もあるみたいですし、確かに、個人的にも、もうちょっと安室奈美恵だけが歌えるような何かがあればいいのにな、と感じないことはありません。ただ、CD売上が縮小する中、似たような売れ線路線の曲が量産される中、積極的に新しい音を、外に求めていこうという彼女のスタンスは、やはり日本の音楽シーンをもっともっと活性化させることにつながっていくと思います。

2009年の最後にあらわれた、今年を代表する傑作。本当に、いろいろな意味ですごいシンガーになったよなぁ、彼女は。まだまだ日本のシーンをかきまぜていってくれそうです。

評価:★★★★★

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2010年1月25日 (月)

20年の集大成

槇原敬之がベストアルバムを発売!!・・・・・・といっても、一体何枚目だよ(苦笑)といった感じなのですが、今年がデビューから20年目となる彼。それを記念して、いままでの20年の集大成となるべく、2枚のベストアルバムをリリースしています。

Title:Noriyuki Makihara 20th Anniversary Best LOVE
Musician:槇原敬之

Noriyuki Makihara 20th Anniversary Best LOVE

こちらは、ラブソングをまとめた、「Best LOVE」。大ヒットした「もう恋なんてしない」「冬がはじまるよ」「北風」「SPY」などをはじめ、ファンに人気の高い「LOVE LETTER」なども収録されています。

Title:Noriyuki Makihara 20th Anniversary Best LIFE
Musician:槇原敬之

Noriyuki Makihara 20th Anniversary Best LIFE

で、こちらが例の覚せい剤所持で逮捕された後に彼が提唱している「ライフソング」をあつめた「Best LIFE」。彼のブレイク作となった「どんなときも。」や、SMAPに提供して大ヒットを記録した「世界に一つだけの花」、さらに「遠く遠く」なども収録されています。

今回のベスト盤の特徴は、収録されている曲のうち何曲かが、リメイクされ、リアレンジされている点。曲によっては、かなり手を加えられている作品もあり、元もアレンジで聴きなれていたファンにとっては、違和感もありつつ、新鮮味も感じられるベスト盤になっています。

ただ、そういうリアレンジされた作品に関しては、やはり元のアレンジの方がよかったのでは?と思う作品がほとんどでした。特に、音数を増やしたり、最近の流行を取り入れ、打ち込みのサウンドを入れてきた曲が多かったのですが、彼の魅力ってやはりそのメロディーと歌詞だと思うんですよね。そういう過剰なアレンジで、彼の曲の魅力が削がれていたように感じました。

特にいまひとつだったのが、「どんなときも。」のリアレンジ。今風のエレクトロサウンドを導入した上、いわゆる「ロボ声」で、彼のボーカル自体にもエフェクトをかけていて、元曲のイメージがかなり崩れてしまいました。

今時の音を取り込んで、挑戦する彼の姿勢は立派だな、とは思う反面、ちょっと安直にはやりのサウンドにのりすぎでは?確かに、ベスト盤をたくさん出しているだけに、リアレンジして、ファンサービス・・・という意図もあったのかもしれないのですが、今回のリアレンジに関しては、ちょっと残念な結果になっていたような印象を受けました。

また、avexからのリリースということもあってか、avex移籍後の楽曲が、ちょっと多めだったような印象もあります。特に「Best LIFE」の方が。彼は、以前からラブソング以外の名曲も多いだけに、もうちょっと過去の楽曲も入れてほしかったなぁ。

あと、もうひとつ今回のベスト盤で思ったのですが、今回、「ラブソング」と「ライフソング」という感じで、2枚のアルバムにわけてリリースしたのですが、なんかちょっと最近のマッキーって、「ライフソング」というスタイルにこだわりすぎているんじゃないかなぁ、ということを感じました。

私個人、決して「人生の応援歌」的な曲が嫌いなわけではありません。ただ、「世界で一つだけの花」とか、「僕が一番欲しかったもの」とか、歌詞があまりに教条的すぎて、正直なところ、あまり好きになれません。

そもそも、マッキー自体、ブレイクのきっかけの「どんなときも。」だったし、例えば「遠く遠く」もそうですし、ベスト盤には入っていないですが、「三人」とか「3月の雪」とか「Such A Lovely Place」とか、ラブソングではない名曲も、以前から数多く歌っているんですよね。

また、「ラブ」と「ライフ」ってそんなにはっきり意識して区別する必要もあるのかなぁ、とも思ったりもするんですよね。「ラブ」もまた、人を思いやる心だし、人間が生きていくのに大切なもののひとつだと思うし・・・。

なぁんてことを考えながら聴いていたのですが、ただ、そこらへんの点を差し引いても、なんだかんだいっても「Best LIFE」も名曲揃いですね、やはり。歌詞については、確かに「う~ん」と思ってしまう楽曲もあるのですが、メロディーラインの良さは、さすが天才マッキー!(笑)2枚あわせて正月早々、マッキーの世界にひたることができたベスト盤でした。

評価:
「Best LOVE」★★★★★
「Best LIFE」★★★★★

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2010年1月24日 (日)

インディーっぽい録音

Title:ALBUM
Musician:GIRLS

Album

昨年、話題になった作品を、この1月の新譜閑散期にいろいろと聴いているのですが、THE CRIBSに続く第2弾(?)。発売した頃にも話題になりましたが、「SNOOZER」の年間ベストで1位になるなど、高い評価を受けました。

そんな訳で、いまさらながら聴いてみたわけですが・・・。最初は正直、あまりピンと来ませんでした。録音状態があまり良くなく、いわばインディーっぽいサウンド。しかし、聴き進めるうちに、そのギターポップサウンドに魅了されていきました。

アルバム全体としては、まさに80年代から90年代のギターポップ路線を継承した感じ、というべきでしょうか?

2曲目「Laura」は、軽快なギターポップ。聴いているだけでウキウキしてくるような、楽しいポップソング。続く「Ghost Mouth」は、しんみりと聴かせるギターポップなのですが、そのギターサウンドは、どこか80年代風。

さらに「Big Bad Mean Motherfucker」は、ノイジーなギターが、まさにシューゲイザーからの影響を強く感じます。かつ、どこかビーチボーイズ風の陽気なサウンドが重なって、独特なポップソングを作り上げていました。

後半は、ノイジーなギターを生かした、ちょっとダークな雰囲気もする楽曲が多かったような印象を受けます。また、「Morning Light」のような、シューゲイザーの影響を強く感じるポップスも姿を見せます。心地よい、ギターノイズの嵐を堪能できる作品でした。

そんな感じで、アルバム全体としては、80年代90年代のギターポップの影響を強く感じる作風。個人的には、やはりこういう音は壺だなぁ(笑)。とても心地よい、でもどこか癖のあるポップスソングが、最初から最後まで楽しめる作品です。

評価:★★★★★

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2010年1月23日 (土)

幅広いミュージシャンが参加

Title:THIS IS FOR YOU~THE YELLOW MONKEY TRIBUTE ALBUM
Musician:THE YELLOW MONKEY

THIS IS FOR YOU~THE YELLOW MONKEY TRIBUTE ALBUM

90年代の日本のロックシーンの中、独特の個性を放ち、圧倒的な人気を誇ったロックバンドTHE YELLOW MONKEY。2004年に惜しまれつつ解散したものの、その後もいまだに高い人気を誇っています。

そんな彼らの、結成20周年を記念してリリースされたのが、このトリビュートアルバム。数多くのミュージシャンが参加しているのですが、その参加ミュージシャンの幅広さが、THE YELLOW MONKEYというバンドがシーンに与えた影響の大きさを物語っています。

TRICERATOPSやTHE BACK HORNといったオルタナ系ロックバンドから、奥田民生、あがた森魚といったベテラン、9mm Parabellum Bulletにtacicaといった、最近、人気上昇中の若手バンドに、秦基博のようなシンガーソングライター、さらにはビジュアル系バンドのムックや、KREVAのようなHIP HOP勢、俳優の山田孝之、さらには、先日、ボーカルの志村正彦が急逝し、シーンに衝撃の走ったフジファブリックも参加しています。

そんな様々なミュージシャンのカバーは、TRICERATOPSの「JAM」のように、原曲そのまま、といったカバーから、THE BACK HORNの「球根」のように、原曲のイメージを生かしながら、バンドとしての個性を出してきたカバー、metalmouseの「SHOCK HEARTS」のような、原曲を大幅にリアレンジしてきた曲など、様々でした。

どの曲も、それなりにイエモンの曲の良さを生かしつつ、よく出来たカバーには仕上げていて、大はずれ、というカバーはなかったのですが・・・ただ、一方で、ちょっと物足りなさも感じました。

というのも、THE YELLOW MONKEYというバンドは、ロックバンドとしてのダイナミズムや尖った部分を持ちながらも、一方では、歌謡曲風の泥臭さや、誤解をおそれずにいえば、ある種のいかがわしさをあわせ持っていたバンド。そんないかがわしさが、ちょうどよいスパイスとなり、楽曲にたまらない魅力を与えてくれていました。

そういう怪しさがあふれていた曲に対して、カバーは、いずれもちょっときれいにまとめすぎている感じがしてしまいました・・・。そういう意味で、原曲に比べて、少々物足りなさも感じてしまったのも事実。あらためて、THE YELLOW MONKEYというバンドが、唯一無二のバンドなんだなぁ、ということを実感させられたトリビュートアルバムでした。

ただ、そんな中でも比較的気に入ったのが、あがた森魚「4000粒の恋の唄」のカバー。アコーディオンを使った、あがた森魚らしい、レトロな雰囲気あふれるカバーは、やはりイエモンとおなじく怪しい魅力をはなっていて、不思議な感覚を覚えるカバーになっていました。

駄作ではなので、参加ミュージシャンのファンは聴いてみても損はないかも・・・。ただ、THE YELLOW MONKEY、再結成してくれないかなぁ。あらためて、彼らの偉大さを感じました。

評価:★★★★

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2010年1月22日 (金)

こちらも新譜ラッシュ

今週の着うたチャート

2010年1月13日~2010年1月19日付チャート

今週は、シングルチャート同様、初登場の多いチャートとなりました。

ALWAYS

今週の着うたチャート1位は、中島美嘉の新曲「ALWAYS」が獲得しました。

1月20日発売予定の新譜の先行配信で、映画「サヨナライツカ」の主題歌。ある意味彼女らしいバラードナンバーで、シングルチャートでもロングヒットとなる・・・のかな?

2位はヒルクライム「春夏秋冬」が5位からランクアップ。こちらは先日発売されたアルバムの影響でしょうか?着うたでは、かなりのロングヒットを続けています。アルバムについては、下のアルバムチャートで。

3位は木村カエラ「Butterfly」。先週の1位からランクダウン。ただ、まだまだロングヒットが続きそうです。

初登場組では、5位矢口真里とスローハット「風をさがして」と、8位FLOW「Sign」先日のシングルチャートでも初登場でランクインしています。

着うたオンリーの初登場組としては、6位に倖田來未「Can We Go Back」がランクインしています。20日発売予定の限定生産販売シングルの先行ダウンロードで、ロック風の作品に仕上がっています。

初登場もう1曲は7位のJuliet「ハルラブ」。3人組のギャルによるユニットの3枚目のシングルで、27日発売予定のシングルの先行配信です。もっとも、完全に着うたでのヒット狙いといった感じのユニットなので、シングルはおまけみたいなものなのかも(?)。楽曲も、いかにも着うたヒット狙いの、聴かせるラブソングになっています。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

シングル、着うたチャートと同様、アルバムチャートも新年はじめての新譜ラッシュ。6枚のニューアルバムがランクインです。

1位はLANDS「Olympos」。映画「BANDAGE」に主演したKAT―TUNの赤西仁による劇中のバンドですね。シングルに続きアルバムもリリース。1位獲得となりました。

2位にはヒルクライム「リサイタル」がランクインしてきました。「春夏秋冬」でブレイクしたHIP HOPユニットのファーストアルバム。「春夏秋冬」は、このアルバムヒットの影響か、今週の着うたチャートで上位にランクアップしていますね。「春夏秋冬」に続くシングル「もうバイバイ」はベスト10ヒットを逃しましたが、アルバムは見事2位という好セールスを記録しています。

水曜日に紹介したシングルチャートでは、ロック系の強さが目立っていましたが、アルバムチャートでも2枚のロックアルバムがランクインしています。

まず6位にFACT「In the blink of an eye」がランクイン。FACTは、前作でアメリカデビューも果たして話題となった、5人組バンド。なんと、見事初のベスト10ヒットを記録しました。

7位にはLOVE PSYCHEDELICOのニューアルバム「ABBOT KINNEY」がランクインしています。途中、アメリカでのデビュー盤のリリースはあったものの、純然たるオリジナルとしてはちょっと久しぶり、2年半ぶりとなるアルバムです。ただ、初動売上は、その前作「GOLDEN GRAPEFRUIT」の4万8千枚を大きく下回る1万7千枚・・・ちょっと人気の下降気味が気にかかります。

他に、4位にMAY'S「Amazing」がランクイン。また、10位にアメリカで人気のアイドルMILEY CYRUS「THE TIME OF OUR LIVES」がランクインしています。

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2010年1月21日 (木)

奥深い歌詞と哀愁のメロディー

今回、この2枚を紹介するのは、偶然、続けて聴いたから、というだけにすぎません。ただ、どちらのミュージシャンも、歌詞を読むだけでも感じるものがある奥深い歌詞の世界と、哀愁のあるメロディーラインという点で共通項があるよなぁ・・・なんていうと、お互いのファンに怒られてしまうかもしれませんが(^^;;

Title:DRAMA!
Musician:中島みゆき

DRAMA!

今回の作品は、前半がミュージカル「SEMPO」に提供した作品。後半は、「夜会」で使用された作品。ということで、どちらも劇において歌われることを前提とした曲が収録されている点、企画盤的な内容になっています。

合唱団が曲の冒頭を飾る「NOW」だとか、いかにも劇を締めくくるかのような、スケール感あふれる「天鏡」だとか、いかにも「劇のための音楽」という曲も並んでいます。また、歌詞も、抽象的な内容も多くなっています。

そのため、ポピュラリティーという意味では、ちょっと薄めかな?ただ、中島みゆきのパワーはもちろん健在で、特に前半は、パワフルなボーカルで聴かせるようなナンバーが続いています。ちょっとファン向けな要素があるけれど、中島みゆきが好きならはまれそうな作品が並んでいました。

評価:★★★★

で、こちらは、同じく哀愁たっぷりのメロディーが特徴的なパンクバンド。

Title:BONDS
Musician:HAWAIIAN6

BONDS

約2年ぶりとなるニューアルバム。その歌詞の世界も、哀愁たっぷりのメロディーラインも相変わらず。ただ、いままで、その歌詞の魅力は把握していながらも、まるで「火サス」のよな(笑)メロに抵抗があったのですが、今回は、比較的あっさり、最後まで楽しむことが出来ました。

メロディーが、より深化した、ということなのかなぁ?久しぶりの新譜で、さらなる成長を感じさせます。個人的には、日本語詞にも挑戦してほしいなぁ・・・とは思うのですが、英語詞なのは、やはり彼らのアイデンティティなんでしょうか?

評価:★★★★★

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2010年1月20日 (水)

新年初の新譜ラッシュ

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週のヒットチャートは、10曲中9曲が初登場!という、今年はじめての新譜ラッシュとなりました。

PHANTOM MINDS

そんな中で1位を獲得したのが、水樹奈々「PHANTOM MINDS」で、紅白にも出演して話題となった声優アイドル。声優として史上初のシングルでの1位だそうで、売上も初動5万3千枚で、前作の初動4万5千枚を大きく上回りました。これも紅白効果?

紅白で歌った曲に関しても感じたのですが、楽曲としては、90年代のJ-POPの王道路線・・・というか、80年代のヒット曲と、90年代のJ-POPの要素をあわせたような雰囲気。あまり目新しさはないのですが、逆に、ちょっと懐かしさを感じる安定感が、「今風」のHIP HOPやR&Bのヒット路線に抵抗感があるような層の支持を受けているという部分があるのでしょうか?

で、続く2位が矢口真里とストローハット「風をさがして」。アニメ「ワンピース」の主題歌で、フジテレビ系バラエティー「ヘキサゴンII」のエンディングと、豪華なタイアップの後押しで、見事2位となりました。こちらも、ちょっと懐かしさを感じる90年代のJ-POP風のナンバーになっています。

そんな感じで、1位2位は、「J-POP」が元気だったころの、懐かしい雰囲気を感じさせる曲が並びました。以下、3位からズラリと並んだのは、いずれも男性シンガー。それも、ロック系ミュージシャンが多く並んだチャートになっています。

そんな中で注目したいのがまず3位のサカナクション「アルクアラウンド」。キスマークのCMソングとして注目をあつめたこの作品で、なんと初のベスト10ヒットを記録!テンポのよいエレクトロポップサウンド。今風のサウンドに、聴かせるメロディーを重ねてきたポップな楽曲が多くのリスナーの支持を受けたようです。

さらになんと、9位、10位にThe Birthdayの2枚のシングルが同時ランクイン!9位に「ディグゼロ」、10位に「マディ・キャット・ブルース」がそれぞれ入ってきました。うち、「マディ・キャット・ブルース」はタワレコ限定発売ながらも、10位にランクイン。2枚同時ランクインって、売れ線のミュージシャンみたいだなぁ(笑)。

他に、ロックバンドでは、4位にFLOW「Sign」、8位にストレイテナー「Man-like creatures」がそれぞれランクインしています。また、ロック系としては6位に清春「LAW'S」もランクインしています。

これだけロック系のミュージシャンが並んだのは、まあ偶然なんでしょうが、なんだかんだいっても、ロックというジャンルの根強い人気を感じます。シングルの売上が落ち込んで、相対的にヒットが目立つようになったミュージシャンとして、アニソン系やアイドル、ヴィジュアル系をよく言及しますが、なにげに、俗に「ロケノン系」と呼ばれるような、サブカル系のロックバンドのヒットも、相対的に目立つようになった気がします。

そしてもうひとり。5位に秦基博「アイ」がランクイン。あまり目立った大ヒットこそないものの、コンスタントにベスト10ヒットをリリースするミュージシャンになりましたね。

そんな感じで、声優初の1位が目立つ一方、ロック勢の活躍も目立った今週のチャートでした。では、着うた&アルバムチャートは金曜日に!

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2010年1月19日 (火)

もろともに あはれと思へ 山桜

Title:はなよりほかに
Musician:熊木杏里

はなよりほかに

もろともに あはれと思へ 山桜 花より外に 知る人もなし

百人一首第66番、前大僧正行尊の歌です。

熊木杏里の今回のアルバムタイトル「はなよりほかに」は、この歌から名づけられたタイトルだそうです。

この歌、その意味は

「(私がお前を愛しく思うように)一緒に愛しいと思っておくれ、山桜よ。この山奥では桜の花の他に知り合いもおらず、ただ独りなのだから。」

という意味だそうで、修行中のお坊さんが、その寂しさを詠んだ歌だそうです。

(以上、「小倉山荘発行『ちょっと差がつく百人一首講座』」参考)

ただ、見方によっては、ひとりの人を影から思う歌にも取れるこの歌のタイトルをつかった今回の作品は、ひとりの人を思う気持ち歌った曲が多く収録されていました。

例えば、インタビュー記事でも「君の名前」で相手を思う気持ちが歌われている点が指摘されていますし、「花言葉」では

「ねぇ いつだって いつだって
なんか迷ったら 一番星になってあげるよ
忘れずにいて下さい
あなたへのこの気持ちは 私の花言葉」

(「花言葉」より 作詞 熊木杏里)

おそらく結婚していく友達のことを思って歌った歌でしょうが、友人を素直に思う気持ちが、爽やかに歌われていますし、

「未来写真」でも

「未来写真 撮ってあげる
私がいるから
悲しみじゃなく 愛しさを
あなたにあげたいから ずっと」

(「未来写真」より 作詞 熊木杏里)

と、相手と一緒に未来へ歩んでいく気持ちを歌っています。

また、メロディーはバラードがメイン。アレンジもアコースティックのシンプルなアレンジがメインとなっています。

そのため、アルバム全体としてインパクトは薄め。ネガティヴに言ってしまえば、少々盛り上がりに乏しい、とも言えてしまうような内容でした。また、初期の作品であったような、フォークソングからの影響も薄め。まんま70年代フォークだよなぁ・・・という曲はあまりありませんでした。

ただ、それでも最後まで聴いていて、「飽きる」という印象は受けませんでした。逆にシンプルだったからこそ、歌詞が心に響いてきたともいえるでしょうし、また、シンプルでも最後まで聴かせることが出来るというのは、メロディーメイカーとしての彼女の実力と言えるかもしません。

CMソングやドラマの主題歌などにもたびたび使われている彼女の曲。このアルバムの出来の良さを聴くと、そろそろブレイクしそうな感じがするんだけどなぁ。いままで、要所要所に名曲はあったものの、アルバム全体で聴くと「もう一歩・・・」だった彼女ですが、本作はアルバム全体を通じて、聴き入ることの出来る作品になっていたと思います。それだけに、そろそろアルバム単位での根強いヒットが生まれそうな予感も・・・。

評価:★★★★★

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2010年1月18日 (月)

方向性が見えてきた

Title:オーロラ
Musician:NICO Touches the Walls

オーロラ

メジャー2作目となるNICO Touches the Wallsの新譜。ここ最近、シングルがアニメ主題歌になったり、ドラマ主題歌になったりと、レコード会社には「売れる」ミュージシャンと目された模様です。

で、そんな中発売されたニューアルバムを聴いてみましたが、確かに、これは「売れそう」なアルバムだなぁ、と思ってしまうような作品でした。

全編にわたって、ポップなギターロックが続く本作。1曲目の「Aurora」からメロディアスで、スケール感のある耳を惹く作品になっていて、ギターサウンドが目立つ、2曲目「ホログラム」も、軽快なメロディーが印象的。続く「芽」も、伸びやかなボーカルが印象的なポップなギターロックに仕上がっています。

前作は、王道なオルタナティヴロック路線を感じたのですが、本作は、オルタナ系ロックを軸としながらも、さらにポップな路線に進んだように感じました。

ただ、それにつれて、前作からも思ったのですが、どうしても感じてしまう、ミスチルとの類似性。ボーカル光村龍哉の、叙情をこめて歌い上げるスタイルが、どうもミスチル桜井と似ていて、メロディー、サウンドにもどうもミスチル風の部分も見て取れてしまって、ミスチルフォロワー的な部分を感じてしまいます。

歌詞にしても、例えば「ビックフット」の中の

「思い切り高く飛べ さあ行こうぜ
誰かが描いてた一歩向こうへ」

(作詞 光村龍哉 「ビックフット」より)

なんて表現、まあ、ありふれているといえばそうなのですが、どこかミスチルっぽい雰囲気を感じちゃったんですよね・・・(^^;;

ただ、アルバムの出来としては、よくありふれたギターロックバンドという印象の枠を出なかった前作に比べて、バンドとしての方向性を感じられるという点、新たな一歩を踏み出したかな、とも感じます。

ちょっとファンキーな雰囲気の「Lonesome Ghost」や、打ち込みのリズムなどを用いて、幻想的に仕上げた「レオ」、ハードなバンドサウンドに、若手バンドならではの勢いを感じさせる「N極とN極」など、楽曲のバリエーションもあり、アルバム全体としても、バランスよく構成されています。

今後は、この「ミスチルみたい・・・」という印象から、いかに、NICO Touches the Wallsの個性を表に出していけるのか、が勝負なのかなぁ?勢いがあり、広い層に支持されそうなバンドなだけに、今後に期待です。

評価:★★★★

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2010年1月17日 (日)

ジョニー・マー参戦の話題作

Title:Ignore the Ignorant
Musician:THE CRIBS

Ignore the Ignorant

例年、1月から2月の、アルバム発売が少なくなる時期に、ちょうど発売される雑誌の「ベストディスク」などを参考にしながら、評判のいいアルバムのうち、聴き逃した作品をピックアップして聴いているのですが、第1弾が本作。「Music Magazine」誌の、イギリスロック部門で1位になっていたので、聴いてみることにしました。

これが4枚目となるイギリスのギターロックバンドなのですが、この作品が大きな話題となったのが、ギターに元The Smithsのジョニー・マーに加わったという点でしょう。80年代のイギリスロックシーンを代表するバンドのギタリストが参加したという話は、大きな話題を呼びました。

確かに、「Cheat On Me」あたりは、ジョニー・マーのギターが目立つ作品になっている他、ギターサウンドが、アルバム全編にわたってアクセントとなっていて、THE CRIBSの楽曲を彩っていました。

ただ、アルバムの軸になるのは、ストレートなギターロック。「Hari Kari」「Emasculate Me」のような、疾走感ある爽快なギターサウンドとポップなメロディーが楽しめる作品が並んでいます。

ちょっとサイケな雰囲気と強いビートが特徴的な「City Of Bugs」や、60年代のギターポップの香り漂う「Save Your Secrets」など、様々な作風も顔をのぞかせますが、基本的には王道ともいえるギターロックがメイン。おそらく、オルタナ系のUKギターロック好きなら、壺にはまるような作品だと思います。

まあ、全体的に、ちょっと地味な感じで、インパクトや目新しさという面では、ちょっと薄味なのかもしれませんが・・・ギターロック好きにはお勧めの1枚だと思います。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

KING OF POP/MICHAEL JACKSON

キング・オブ・ポップ-ジャパン・エディション

マイケル・ジャクソンの訃報の直後、再度、大ヒットを記録しましたが、これが発売されたころは、わずか1年後に、こんな形でヒットするとは思わなかったでしょうね・・・。

いわずもがなの名曲揃い。有名曲の連続で、かつ、長さもちょうどいい長さになっているため、マイケルの入門盤としてはうってつけかも。あらためて、彼の偉大さに触れたベスト盤でした。

評価:★★★★★

Day&Age/The Killers

Day & Age

ニューウェーヴ直系打ち込みサウンドを軸とした、スケール感ある楽曲が特徴的。ポップなメロディーとあわせて、スタジアムバンドの風格を感じます。アメリカのバンドながら、イギリスで先にヒットしましたが、どこか日本人好みのメロディーでもあるかも。日本でももっとヒットしそうな予感も。

評価:★★★★

Decade In The Sun-Best Of Stereophonics/Stereophonics

Decade in the Sun: The Best of Stereophonics

で、こちらはイギリスの人気バンドのベスト盤。イギリスのバンドながらも、ワイルドな作風は、ちょっとアメリカンロックの雰囲気も。ただ、メロディーは至ってポップで、とても心地よいギターロックを聴かせてくれます。

評価:★★★★★

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2010年1月16日 (土)

15年目のテクノ・ゴッド

Title:KI15-The Best of Ken Ishii-
Musician:KEN ISHII

KI15 - The Best of Ken Ishii

1993年、テクノの代表的なレーベルR&Sレコーズからデビュー。日本よりも先に、ヨーロッパで話題となり、日本に逆輸入。日本でも一気にその名前が知られることになりました。

そんな彼も、昨年は、日本デビューから15年。それを記念してリリースされた第1弾が、このベストアルバムです。

彼の作品を聴いていると、楽曲がとてもポップでダンサナブル。メロディアスでとても聴きやすいなぁ、ということを感じました。技術的な部分は、正直、よくわかりません(^^;;ただ、彼の楽曲は、テンポがよく、おそらく一般的な「テクノ」のイメージにもマッチし、広いリスナー層にも支持を受けそうな、そんな力を持っているな、ということを感じました。

個人的には、ちょっと怪しげな雰囲気のビートが鳴り響く、ダークな雰囲気を持った「Garden on the Palm」が、やはりよかったかなぁ。他に、祝祭的な雰囲気が特徴的な「Extra」や、ちょっと近未来風の「Circular Motion」など、魅力的な楽曲がたくさん収録されています。

「ICEBLINK」は、映画「ホワイト・アウト」の主題歌にもなっていただけあって、この中では唯一、「ヒット曲」のフォーマットに沿った雰囲気を感じるポップス。これはこれでいい曲だとは思うのですが、ちょっと浮き気味だったかな?「Game Over」などはちょっとエレクトロニカ風。新たな音への挑戦を感じさせます。

テクノに興味がある方の、最初の1枚としてもちょうどいいかも。心地よいリズムが楽しめるベスト盤。KEN ISHIIの入門盤としてももちろんピッタリです。

評価:★★★★★

で、同時に発売したのが、他のミュージシャンのリミックス曲やレア・トラックを集めた企画盤。

Title:The Works + The Unreleased & Unexpected
Musician:KEN ISHII

The Works + The Unreleased & Unexpected

他ミュージシャンのリミックス曲は、まさに個性と個性のぶつかり合いといった感じ。ボアダムスの楽曲「Rebore Vol.2」に関しては、まさにボア風のドラムのリズムと、KEN ISHIIのサウンドが真正面からぶつかり合ったような印象を受けました。

ただ、どちらかというと、リミックス曲に関しては、比較的、KEN ISHIIが脇役に徹していて、メインのミュージシャンの個性がよく出ていたリミックスになっていたように感じました。

上のベスト盤とあわせて、KEN ISHIIというミュージシャンを知るには最適の作品といった感じでしょうか?様々な個性的な楽曲が並んでおり、最後まで飽きない作品だったと思います。

評価:★★★★

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2010年1月15日 (金)

紅白効果!?

今週の着うたチャート

2010年1月6日~2010年1月12日付チャート

先週、紅白出場組の順位が大きく伸びた着うたチャートでしたが、今週は、紅白で歌われたあの曲が1位獲得です。

HOCUS POCUS(通常盤)

今週の1位は、先週の2位からランクアップ、木村カエラ「Butterfly」が1位獲得です。やはり紅白効果というところでしょうか?紅白で歌われたものの、シングルカットされていなかったこの曲。着うただと、やはりCDを買うよりも、気軽に、「ちょっといいな」と思った曲をダウンロードしているんでしょうか。

他にベスト3は、2位に、先週8位にランクインしたFUNKY MONKEY BABYS「涙」がランクアップ。3位は先週1位の福山雅治「はつ恋」がランクダウンしています。

初登場組ではまず、6位に阿部真央「いつの日も」がランクイン。13日発売予定シングルの、先行ダウンロードでのランクインです。最近、「売り出し」にかかっている女性シンガーソングライター。この曲を聴いただけなので、はっきりしたことはわからないのですが、この曲を聴くだけだと、第2のYUIを狙っているのか?シングルチャートでもヒットするのか??

10位には、「春夏秋冬」がヒットを記録したヒルクライム「My Place」がランクインです。13日に発売予定のアルバム「リサイタル」からの先行ダウンロードです。ヒルクライムは「春夏秋冬」もまだ5位にランクインしています。アルバムもヒットするのか?

他に今週、11位から7位にいきものがかり「じょいふる」がランクアップしています。いきものがかりは「YELL」が今週も9位にランクインしており、2曲同時ランクイン。その人気のほどを感じさせます。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

で、アルバムチャートは、着うたでも大活躍中の彼女たちの作品が、2週連続1位を獲得しました。

ハジマリノウタ

今週1位はいきものがかり「ハジマリノウタ」。アルバムチャートは、2週合算チャートとはいえ、今週も16万枚という好セールスを記録し、見事1位となりました。

で、今週、アルバムチャートで新譜はわずか2枚。それが1月1日に発売された、槇原敬之の2枚のベストアルバムです。本人曰く「ライフソング」と呼ぶ、人生の応援歌的な曲を集めた「Noriyuki Makihara 20th Anniversary Best LIFE」が5位に、ラブソングを集めた「Noriyuki Makihara 20th Anniversary Best LOVE」が6位に、それぞれランクインです。

うーん、個人的に、「Best LIFE」よりも「Best LOVE」の方が全盛期の曲やヒット曲も多いし、名曲が多いと思うので、「Best LOVE」の方が上に来ると思っていたので・・・ちょっと意外な順位。ただもっとも、「Best LOVE」に収録されているような曲って、散々リリースされた、過去のベスト盤に多く収録されているだけに、見送った方もいるのかも。

そして、アルバムチャートでも紅白の影響が。紅白にスペシャルゲストとして話題となったスーザン・ボイル「夢やぶれて」が先週の13位から7位にランクアップ。見事ベスト10に返り咲きました。

もともとから話題になっていたミュージシャンでしたが、紅白出場で一気に知名度を増した彼女。幅広い層に支持されそうな音楽なだけに、さらにヒットが広まるか?昨年の秋元順子みたいになるのか??

冬休み期間のチャートもこれでおしまい。来週からは、いつも通り、新譜が続々入ってくるチャートになる・・・のかな?それではまた、水曜日に!

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2010年1月14日 (木)

洋楽と邦楽の境目

Title:Luminous Halo~燦然と輝く光彩~
Musician:Port of Notes

Luminous Halo(ルミナス・ヘイロー)〜燦然と輝く光彩〜

Port of Notes、5年ぶりとなるニューアルバム。

かなり久しぶりに聴いた彼女たちの音楽。ボサノヴァやソウルなどを楽曲に取り込んで、おしゃれなポップソングをつむいでいる彼女たちなのですが、このアルバムを聴いた時に感じたのは、なんか、歌謡曲っぽいなぁ、ということでした。

といっても、それはメロディーがベタでつまらない、とかそういう意味ではありません。確かに、彼女たちの音楽からは、様々な音楽性を感じます。しかし、哀愁たっぷりのメロディーラインは、どこか古き良き歌謡曲から感じられる雰囲気にも通じるものがあり、日本人の心の壺をそっと押してくるようなメロディーを聴かせてくれます。

例えば「甘い理由」にしても、ジャジーな雰囲気を持つ「残響」にしても、そのメロディーはどこか歌謡曲的。日本人の耳になじむような、懐かしさを感じさせるメロディーラインを楽しませてくれます。

ただ、そうとはいっても彼女たちの音楽には、センスのよい、洋楽風の雰囲気も感じてとれます。しかし、考えてみれば、歌謡曲といっても、もともとは欧米のポップスが、日本のシーンにマッチするように味付けされた音楽。どうしても「歌謡曲」というと、日本の音楽であって、洋楽からは程遠いというイメージが持たれているかもしれませんが、本当は、もっと近いものなのかもしれないですね。彼女たちの音楽は、いわばそんな邦楽と洋楽の境目。洋楽的なスタイリッシュさと、邦楽的なウィットさが同居した、そんな音楽のように感じました。

もっとも一方では、ジャジーな「残響」もそうなのですが、レゲエ風の「真夏の眩暈」や、西洋民謡の色合いが強く感じられる「If you were coming in the fall」など、「歌謡曲」などの幅を超えた、幅広い音楽性も感じられます。

しかし、どの曲にも共通しているのが、ボーカル畠山美由紀の包容力あるボーカルに、暖かいオーガニックテイストのサウンド、そしてポップなメロディー。ちょっと陳腐な言い方では、まさに「大人のポップス」という表現がふさわしい名曲をたうさん聴かせてくれる作品でした。

評価:★★★★★

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2010年1月13日 (水)

史上最高齢のランクイン!

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今年最初のヒットチャート。先週にお知らせした通り、今回から、シングルチャートのみの紹介になります。アルバムチャートは金曜日に着うたチャートと一緒にお送りします。

You were... / BALLAD

で、新年1発目の1位は、浜崎あゆみ「You were・・・」でした。初動売上10万3千枚は、前作の初動7万5千枚からアップしていますが、今週は2週まとめてのチャートなので、かつ、12月29日発売なのであまり参考にならないかも。「BALLAD」と両A面なのですが、どちらも歌い上げるバラードナンバーになっています。

3位はGACKT「Stay the Ride Alive」。映画「仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010」の主題歌。最近、仮面ライダーがらみのタイアップが多いですね・・・。

初登場5位が℃-ute「SHOCK!」でした。ハロプロ系アイドルユニットですね。初動1万8千枚は、前作の2万4千枚と大幅ダウン。発売日が1月6日だったとはいえ、売上は減少傾向。この手のユニットは最近、次から次へと出てくるだけに、ちょっと厳しい状況なのかな?

8位には9mm Parabellum Bullet「命ノゼンマイ」がランクインしています。ここ最近、すっかりベスト10の常連となりつつある彼ら。もっとも、初動売上は1万6千枚と、前作から横バイ(発売日が1月6日なので)。そろそろ固定ファン以外にも広げていきたいところ。大きなシングルヒットがほしいなぁ。

で、今週のタイトルの話題は、10位に、なんと北島三郎「夫婦一生」がランクイン!73歳3ヶ月という、史上最高齢のベスト10入りという記録を達成しました。歌は、完全なド演歌で、正直、新曲とはいえ紅白で歌った「まつり」ではなく、この曲がランクインしてきたのは少々ビックリなのですが、やはり紅白効果というところなのでしょうか?

それで、例年、1月第1週のチャートというのは、紅白や年末の音楽賞レースの結果が大きく反映されて、昨年のヒット曲が上位に再ランクインしてくるのですが・・・今年はベスト10で目立った動きがありません。あえていえば、福山雅治「はつ恋」が2位にランクアップしたくらいでしょうか?ただ、「はつ恋」は先週も4位で、現在、オンタイムでのヒット曲ですし。

ベスト10以下では、坂本冬美「また君に恋してる」が87位から15位にランクアップしたことが目立つくらいで、いきものがかりやFUNKY MONKEY BABYSなどもランクアップしていますが、紅白効果でランクアップというには、ちょっと寂しい印象も受けます。

坂本冬美の曲は、ド演歌な北島三郎とは対照的に、作曲がビリーバンバンの森正明で、作詞が松井五郎という、歌謡曲テイストの曲。両A面になっている「アジアの海賊」にいたっては、なんと中村あゆみ作詞作曲。こちらは、演歌は聴かないけど、歌謡曲は好きという、団塊の世代あたりに受けたのかなぁ?デイリーではベスト10に入ってきているので、ロングヒットになりそうな予感もします。

そんな感じで、アルバムチャートは金曜日に!それでは。

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2010年1月12日 (火)

パレードのような楽しさ

Title:SPECTACLE
Musician:のあのわ

SPECTACLE

昨年、大きな話題を呼んだ新人「楽団」(彼らは「バンド」ではなく、そう称するそうです)、のあのわのニューアルバムです。

今回の新作では、様々な楽しい音を鳴らす、まるでミュージカルか、パレードのような音楽の世界が美しい、ポップな作品になっていました。

「スペクタクル」という言葉の通り、「見せ場」が次々と訪れるような、山場いっぱいの作風になっています。次から次へとタイプの違う曲が続き、息を抜く暇もありません。

爽やかな青空の下で、祝祭の音楽を奏でているようなタイトル曲「SPECTACLE」や、タイトル通り、かわいらしいポップソング「カエルのうた」、ちょっと神秘的な雰囲気が耳をひく「Melt」に、ギタポファンをくすぐるような、疾走感ある「星が見える日は」などなど、様々な作風の作品が並びます。

そもそも、彼らの楽曲からは、実に様々な音楽性を感じさせます。ポップスやオルタナ系ギターロックをベースに、クラッシックやサイケにプログレ、Queenからビーチボーイズまで、ジャンルを問わない雑多な音楽性が、彼らの祝祭色豊かな、ポップソングを作り上げています。

前作「ゆめの在りか」では、そこらへんの個性がいまひとつ発揮しきれていないような印象を受けましたが、今回の作品は、そんなのあのわの個性が、つめこまれたアルバムになっていました。

ただ、逆に、あまりに雑多な音楽性をつめこんだ結果、ちょっとお腹いっぱいなアルバムになっていたような印象を受けます。全員が4番打者だった、一昔前のジャイアンツのように、様々な音が主張している彼らの楽曲は、ともすればごちゃごちゃな部分も感じられ、聴いていて疲れてしまう部分もありました。

後半に関しては、比較的スッキリしていて、聴きやすい内容になっていたと思うのですが・・・ここらへんのバランスは難しいですね。ここらへんは、今後の成長が楽しみといった感じでしょうか?ロックリスナーからポップスリスナーまで幅広く楽しめる、実力派なのは間違いないと思います。近い将来、ポップス史上に残る傑作をリリースする予感も。

評価:★★★★

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2010年1月11日 (月)

ビヨンセとの共演も実現!

Title:The Element Of Freedom
Musician:ALICIA KEYS

The Element of Freedom

2年前にリリースしたアルバム「As I Am」が日本でもヒットを記録し、一躍、日本でもその知名度を高めた彼女。2年ぶりとなる新作では、「Put It In A Love Song」で、なんとBeyonceと共演!今のR&Bシーンを代表する2人の歌姫の共演は大きな話題を呼びましたし、このアルバムの聴き所にもなっています。

そのBeyonceとの共演作は、ビートの強い今風のダンサナブルなナンバー。雰囲気としては、ちょっとBeyonceの曲、みたいになっちゃったかな?ただ、比較的、聴かせるナンバーが多い本作の中での、ひとつのインパクトになっていました。

さて、そんな話題性の強い新作なのですが、全体としてはやはり「今」の時代を狙ったのでしょうか、今風のエレクトロ系の打ち込みが、多く導入されたアルバムになっていました。

そのため、少々オーバーエフェクト気味に感じたのは事実。結果、ちょっと彼女のボーカルや、メロディーラインが後ろに下がってしまったような・・・。アレンジばかりが無駄に目だってしまった印象を受けました。

ただ、そんな中、彼女の特徴のひとつであるピアノが、とても美しい旋律を奏でていた印象を受けました。

「DOESN'T MEAN ANYTHING」「THAT'S HOW STRONG MY LOVE IS」などのバラードナンバーにしても、美しいピアノの音色がとても印象的。「Like The Sea」では、ドビュッシーの「アラベスク」をサンプリングし、ピアノの旋律を効果的に楽曲に用いています。

前にも書いた通り、バラード系のナンバーが多かった作品ながらも、彼女の力強いボーカルや、ポップなメロディーラインは相変わらず。ソウル色が薄めで、ポップ色が強い作風なので、比較的、多くのリスナー層の支持は受けそう。

それなりの佳作なのは間違いないのですが、ちょっとオーバーエフェクト気味な作品であったため、アルバムのインパクトとしては、前作に比べると、かなり薄くなってしまった感はあります。いいアルバムだとは思うけど、ちょっと惜しい印象が残る作品。次回作は、もうちょっと彼女のボーカルやメロディーを生かしたシンプルな作風がいいなぁ。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

Chinese Democracy/GUNS 'N ROSES

CHINESE DEMOCRACY

約17年ぶり(!)となるオリジナル作。以前からタイトルだけは発表されていて、いつ世に出るのか、ファンをやきもきさせていましたが、ようやくリリースされました。タイトルだけでリリースされることはないんじゃないか、と思っていたファンも多そう・・・。

ただ、それだけファンを待ちわびさせた割りには、割りと普通の作品だったような印象が。もちろん、悪くはないのですが、良くも悪くも聴きやすいハードロックといった感想を持ちました。ちょっと期待度が高すぎたのかな??

評価:★★★★

FUNHOUSE/P!NK

ファンハウス

ミディアムテンポの曲がメインで、ガツンと来る曲は少なめ。そのため、少々インパクトは薄く感じるけど、そんな曲でもしっかりと耳に届く、彼女の力強いボーカルは、さすが、といった感じかな。

評価:★★★★

The Script/The Script

The Script

全体的に、耳障りのいい、爽やかなポップスロックといった感じ。3ピースバンドなのですが、印象的には、男性SSW系が書きそうな、ちょっとソウルの影響も受けたようなポップチューン。イギリスでは大ヒットを記録しているものの、日本ではいまひとつ。この手の、地味な(失礼!)ロックって、あまり日本では受けないような。ColdplayもTravisも、日本で売れるまで時間がかかったし。

評価:★★★★

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2010年1月10日 (日)

文句なしのカッコよさ!!

Title:THEE GREATEST HITS
Musician:THEE MICHELLE GUN ELEPHANT

THEE GREATEST HITS

90年代の日本のロックシーンにおいて、圧巻のサウンドとパフォーマンスによって、絶大な人気を誇ったロックバンド、THEE MICHELLE GUN ELEPHANT。昨年7月にギターのアベフトシの急逝というショッキングなニュースが届いたのは記憶に新しいところでしょう。そして、昨年12月より、「FOREVER MICHELLE」と名づけられ、彼らのライブDVDが発売され、ライブ映画も公開されました。そして、その一環として発売されたのが、このオールタイムベストアルバムです。

2003年の解散から、既に6年以上の月日が流れました。しかし、このベストアルバムを聴くと、ミッシェルが、いまなお唯一無二のバンドであることを、あらためて実感させられます。

彼らの曲を聴くと、4人の強烈な個性を持ったメンバーが、対等にわたりあい、かつ、バンドとしての統一性も取れている・・・と感じます。これは、おそらく4人が20代前半の若い時期から一緒にバンド活動をしてきたからこそ得ることができた一体感ではないでしょうか。それゆえに、メンバーの1人でも欠けたら、それは既にミッシェル・ガン・エレファントというバンドではなくなってしまいます。アベフトシ急逝の折に、雑誌やブログ等で「これでミッシェルの再結成はなくなった」という感想を述べる方も多く見受けられましたが、それはやはり、この4人以外でのミッシェルはありえないということを、多くの方が実感しているからではないでしょうか。

また、今回のベスト盤で感じたのは、ミッシェルというバンドが、思った以上にポップなメロディーを持っていたんだな、ということを再認識しました。このベスト盤を聴いていると、ついついミッシェルの曲を口ずさんでしまうんですよね。

さらに、硬派な曲の隅々に感じるユーモアセンスもまた、彼らの大きな魅力に感じました。例えば、「吐いちゃいな」とのゴロをひっかけた「ハイ!チャイナ!」だったり、「G.W.D.」という一見かっこいい略称が、実は「がなる われる だれる」の略だったり。硬派なスタイルの中のユーモアセンスがまた、彼らの良さなのでしょう。

初回盤には、彼らのテレビ出演の模様を収録したDVDがついています。テレビ出演の時の映像って、なかなか後になって見ることができないので、こういう企画はうれしいなぁ。テレビの映像なだけに、撮影スタイルは至ってオーソドックスで、それだけに彼らのライブを純粋に堪能することが出来ます。未放送の映像もあって、お得感も。ライブDVDとはまた違った、魅力あるDVDになっていました。

ただ、ミッシェルでテレビ出演といえば、2003年6月27日の「ミュージックステーション」。例のt.A.T.uドタキャン騒ぎのため、急遽、追加で演奏した「ミッドナイト・クラクション・ベイビー」を演奏し、話題となりましたが、この時の映像も欲しかったなぁ・・・やはり、この番組だと、他のミュージシャンやタレントも映っちゃうので、商品化するのは難しかったのかなぁ・・・。

あらためて、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTというバンドの偉大さを実感したベスト盤であると同時に、今回の企画が、アベフトシ急逝に伴う追悼企画という事実が、本当に辛い・・・。もし、若い方で、ミッシェルを聴いたことない方、是非とも一度、これを機に、こんな素晴らしいバンドが、日本にかつていたことを、知ってほしいです!本当に、カッコよかったなぁ、彼らは。

評価:★★★★★

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2010年1月 9日 (土)

苦悩の中から産まれた作品

Title:ゴーストライター
Musician:柴田淳

ゴーストライター

今回のアルバムジャケット、どこかおびえたような、彼女の顔写真が印象的です。柴田淳の今回の作品、制作にあたり、かなり苦悩したらしく、「引退まで考えた」と本人が語るほど、苦しい精神状態の中でつくられた作品だそうです。ジャケット写真は、そんな彼女の精神状況をあらわした、というところなのでしょうか。

ただ、そういう精神状態の中でつくられた、という意識で聴くと、ちょっと予想した内容とは異なるかもしれません。内容は基本的にいつも通りのポップチューン。若干、暗く、切ない雰囲気の曲が多かったかもしれませんが、不安定な精神状況が、彼女の楽曲をガラリと変えてしまった・・・という感はありません。

そういう意味では、彼女は生粋のポップスシンガーなんでしょうね。ロックとポップス、単なるジャンルの違いでしかないかもしれません。ただ、個人的な解釈では、ロックというのが、自己を主張する音楽であるのに対して、ポップスの主人公はあくまでもリスナー。必要以上に自己を主張せず、あくまでもリスナーにとって心地よいポップな楽曲を綴っているという点が、ポップスとロックの大きな違いではないでしょうか。

ただ、そんな中でも、彼女の今の心境が反映された曲がありました。それが、このアルバムのトップを飾る「救世主」

苦しい状況の中で産まれた希望の光というこの曲は、実際、そんな彼女の心境を歌ったのでは?と思われる内容になっています。

「空に何か蠢いている
幻 白い影

頭の中 写し出された
不気味な傷跡」

(「救世主」より 作詞 柴田淳 以下、斜字の部分は同じ)

と、彼女の精神状況をあらわした、ちょっと不気味な歌詞からスタートするこの曲。

「何かがまた始まって
私の前 現れては消える
肩代わりをしたような顔で
笑ってと 誰かがまた言う」

という歌詞も、どこか彼女の追い込まれた状況を想像させます。ただ

「暗い道を抜け出したくて
あなたを選んだ」

と歌う彼女。やはり音楽の道を進んでいくという、強い意思を感じさせます。

本人は、この曲に関して、「納得のいくロックがつくれた」とインタビューで答えています。この「ロック」という表現。確かにこの曲は、ディストーションの効いたヘヴィーなギターが特徴的なロック風アレンジのナンバーになっています。

ただ、彼女の自己をさらけだして表現したこの曲は、アレンジという表面的な側面だけではなく、実に柴田淳流のロックになっている作品だったといえるのではないでしょうか。

続く、フュージョン風のギターが爽やかなシティーポップチューン「透明光速で会いに行く」も、ちょっと新しいタイプのナンバーかな?他にもかわいらしいポップチューン「うちうのほうそく」や、哀愁たっぷりに聴かせるバラードナンバー「蝶」など、魅力的な大人のポップスも並んでいます。

新たな一歩・・・というよりも、柴田淳の新たな決意を感じさせる新作でした。

評価:★★★★★

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2010年1月 8日 (金)

着うたチャート第1回

水曜日の更新でお伝えした通り、今年から、着うたチャートの感想もつらつらと書いていこうかなぁ、と思います。そんな訳で、今回が、正式な第1回目です。

2009年12月23日~2010年1月5日付チャート

今週のチャートは、正月またぎの2週集計。シングルチャートでは、新譜が少ない影響もあり、紅白出場組や、昨年のヒット曲がランクアップしてきますが、それは着うたチャートでも同じようです。

はつ恋(通常盤)

まず1位は先週と同様、福山雅治「はつ恋」。こちらは、現在、オンタイムでヒットしていたのに加えて、紅白の効果も加わり、今後もヒットしそう。オリコンのシングルデイリーチャートでも1月2日から4日にかけて1位を獲得しているだけに、シングルチャートでもロングヒットしそうな予感があります。

2位には木村カエラ「Butterfly」が、先週37位から一気にランクアップしました。アルバム「HOCUS POCUS」収録曲で、シングルでは切られていないものの、着うたは大ヒットしたみたいですね。先日の紅白でもこの曲を歌いましたが、その影響で一気にランクアップです。ちなみに、この曲、作曲が、SUEMITSU&THE SUEMITHこと末光篤なんですよね~。本人の曲は売れなかったのですが、こちらは大ヒットしています。うれしいなぁ。

3位は浜崎あゆみ「You were...」がランクイン。こちらはシングルも同時発売で、来週のシングルチャートでもランクインしそうです。

他に紅白組としてはいきものがかり「YELL」。今週25位から4位に一気にランクアップしています。シングルデイリーチャートでも1月1日付で9位にランクアップするなど、こちらもCD、着うた共に、紅白効果が大きく出ましたね。ちなみに、CDではカップリングの「じょいふる」も11位にランクイン(ただし、こちらは先週の10位からランクダウン)しているのも、着うたチャートならでは。

初登場組では、FUNKY MONKY BABYS「涙」が8位にランクイン。1月27日発売予定のシングルの先行ダウンロードです。相変わらずの「人生応援歌」なのですが、ここ最近、どうも完全にGReeeeNとかぶっているような・・・。ちなみに彼らも紅白出場組で、紅白で歌った「ヒーロー」は、今週66位から22位にランクアップしています。

他にランクアップ組として、50位から10位に、加藤ミリヤ×清水翔太「Love Forever」がランクアップしています。この曲も、昨年の5月にリリースしたシングルなのですが・・・いまひとつ急激なランクアップの理由が不明なのですが・・・。この企画の影響か?それとも、コラボ第2弾のリリースが決まった影響か??

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2010年1月 7日 (木)

メジャーになっても以前と変わらず

Title:paratroop
Musician:sleepy.ab

paratroop(冬季限定盤)

以前から、音楽ファンの間では注目を集めていた、札幌発4人組ロックバンド。このアルバムで、満を持してのメジャーデビューとなりました。

ちょっと不気味さも感じる幻想的なジャケット写真が印象的ですが、楽曲も、浮遊感のある、不思議な感触のサウンドが特徴的。ちょっとダビーな雰囲気は、Fishmansか、あるいはPolaris(最近、どうしたんだろう・・・)に近い雰囲気を持っています。

ただ、彼らがおもしろいのは、サウンドは一般的なヒットチャートからかけ離れた独特の音を出している一方、メロディーラインは一般層のリスナーにも十分受け入れられるポップチューンであるという点でしょう。もっとも、ポップなメロディーといっても、どこか癖があります。あえていえば、Fishmas meets スピッツといった感じでしょうか?

そんな浮遊感と、リスナーをつつみ込むような柔らかい雰囲気を持つサウンドと、ポップなメロディーラインは、知らず知らずのうちに、リスナーを引きこませます。このアルバムも、決してフックの効いたインパクトのあるメロディーという訳ではないのですが、知らず知らず聴きこんでしまう魅力がありました。

このアルバムでも、優しくもしっかり聴かせるメロディーが(ちょっとスピッツっぽいんですが)印象的な「ドミノ」や、恋人との別れを描いた歌詞が切なく、彼らのサウンドにピッタリとはまる「メロウ」など、彼ららしさを発揮した名曲も多く収録されています。

一方で「flee」「インソムニア」などは、ヘヴィーなギターサウンドを聴かせてくれる、いつになくロックなナンバー。sleepy.abのさらなる音楽性の広がりを感じさせます。

まだまだ注目度は、一部の音楽ファンにとどまっている面が強いのですが、音楽ファンという狭い範囲ではなく、もっともっとファン層を広げられそうなバンドです。今後の動向が楽しみです。

評価:★★★★★

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2010年1月 6日 (水)

ヒットチャート評に関してのお知らせ

当サイトでは、毎週水曜日の更新で、オリコンチャートをつかって、ヒットチャートについてあれこれ勝手な感想を述べるコーナーを続けています。

ただ、以前から、ここ最近のシングルチャートについて疑問を持っていました。

まあ、いまさら偉そうに語る話題でもないのですが、ここ最近のシングルチャートは、「アイドル系」「ヴィジュアル系」「アニソン系」といった、特定のファン層のみにアピールするような曲がチャートを席巻しています。

もちろん、そういう特定の層に支持されている曲も無視できないのですが、じゃあ、これが今の日本のヒット状況をあらわしているかは非常に疑問なわけです。

そして例えばアメリカのビルボードチャートでは、シングルの売上のみではなく、アメリカのヒットシーンに大きな影響を与える、ラジオのオンエア回数などもチャートの要素に加えているそうです。しかし、オリコンでは、あくまでもCD売上のみをチャートの基準とし、他の要素を加えて、日本のヒットシーンをより正確に描こうという試みは、今は行われていません。(一時期、「トラックスチャート」というチャートを集計していた時期はあったみたいですが、現在は行われていません)

そんな中、昨年4月から、日本レコード協会が、着うたフルのチャートをスタートさせています。今の日本のヒットシーンに、大きな影響を与えるようになった「着うた」。もちろん、これだけを切り出してもなお、ヒットシーンをそのまま写し取っている訳ではないのでしょうが、ひとつの指標としては無視できなくなっています。

そんな訳で、今年から、ヒットチャート評のコーナーに、新たに着うたチャートの感想を加えることにしました。「着うた」チャートは毎週金曜日更新なので、

水曜日更新・・・オリコンシングルチャートに基づくチャート評

金曜日更新・・・オリコンアルバムチャートに基づくチャート評+レコード協会着うたチャートに基づくチャート評

という形で、つらつらと思ったことを書いていこうかなぁ・・・と思っています。なにとぞ、よろしくお願いします。

で、今週はオリコンチャートがお休みなので、準備として、現在公表されている、2009/12/16~22の「着うたフル」チャートを簡単に見てみたいなぁ、と思います。

まずベスト3として、1位「はつ恋/福山雅治」、2位「Dear.../西野カナ」、3位「君が好き/清水翔太」と並んでいます。

福山雅治は、最新のオリコンでも4位とヒットしていますが、他の2曲については、西野カナが15位、清水翔太についてはベスト20にも入っていません。ただ、西野カナも清水翔太も、R&B系のバラードのラブソング。ある意味、「着うた」ヒット曲らしいナンバーで、こういう歌がロングヒットを記録するのが、「着うた」の特徴でしょうか?

また、6位の「fanfare/Mr.Children」、9位の「if~もしも~/if」あたりは、着うたのみでのリリース。特にミスチルの新曲は、映画「ワンピース」の主題歌で、アップテンポでフックの効いたナンバー。CDリリースすれば大ヒット間違いなしだと思うのですが・・・今後は、こういう曲がどんどん増えていきそう。

「if~もしも~」は、お笑いユニットタカ&トシの別名ユニットで、テレビ朝日系バラエティー「お試しかっ!」の中の企画モノ。100万ダウンロードを達成しないと、「if」は解散・・・という、どこかで聴いたことある企画で(笑)、この手の企画が、CDの売上ではなく、着うたのダウンロードになってしまうあたりが、ある意味、シングルが音楽シーンの中心からずれていっているということを象徴する企画ですね。

こんな感じで、今週の金曜日から、「着うた」チャートについて、ウダウダと感想を書いていきたいと思います。なにとぞ、よろしくお願いしますm(_ _)m

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2010年1月 5日 (火)

心があらわれるようなクリアボイス

Title:Coquillage~The Best Collection II~
Musician:KOKIA

Coquillage~The Best Collection II~

KOKIAの魅力は、なんといってもその澄み通った歌声でしょう。その澄んだ歌声は、聴く人の心を癒してくれます。幻想的で、ちょっと西洋の民謡風の要素を取り込んだ楽曲は、例えれば、ファンタジーの世界の森に迷い込んだような感じ。彼女のクリアなボイスとあわせて、神秘的な空気すら感じられます。

そして、そんな彼女の2枚目となるベストアルバムが本作です。

前のベスト盤「pearl」の頃の彼女は、メジャーレーベルにおいて売れるミュージシャンとして推されていて、そのため、ポップで耳障りはいいものの、売れ線で、いまひとつ彼女の魅力を発揮できない作品が並んでいました。

しかし、今回のベスト盤に収録されている曲は、アコースティックテイストの、暖かくも幻想的な楽曲がメイン。しっかりKOKIAのボーカルを生かしており、KOKIAの魅力をしっかり出しているベスト盤になっています。

オープニングを飾る、伸びやかで雄大な雰囲気の「祈り」や、いわゆる「KOKIA語」の歌詞が、神秘的な雰囲気を醸し出している「song of pocchong~雫の歌」、バラード主体の中、アップテンポなポップチューンを聴かせてくれる「say goodbye&good day」などなど、魅力的な楽曲が数多く収録されています。

ただ一方で、収録されている曲は、バラードや、神秘的な雰囲気のナンバーがメイン。ちょっと一本調子な部分もあり、KOKIAの魅力を伝えている反面、これが彼女の全てか、といわれると、少々物足りない部分も否めませんでした。

ちょっとKOKIAのイメージがパターン化されちゃっているかなぁ?そういう意味では、「売れ線」狙いだけど、前のベスト盤「pearl」とあわせて聴くのがベストなのかも。

もっとも、KOKIAを聴くための最初の1枚としては最適な作品。これを機に、「pearl」や、他のオリジナルを聴く、第一歩になれば、と思うベスト盤でした。

評価:★★★★

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2010年1月 4日 (月)

ちょっと懐かしい女性シンガー

今日、紹介するのは、学生時代によく聴いていた、女性シンガー2人のアルバムです。

Title:fine
Musician:相馬裕子

fine

まずは、高校時代によく聴いていた、相馬裕子のニューアルバム。まだ、がんばっていたんだぁ~という軽い感動とともに聴いてみました。カバーアルバムなどのリリースはあったものの、新作としては実に8年ぶりらしいですね。

1曲目「突風」は、彼女らしい爽やかなポップチューンで、昔の(アルバム「空と海の出会う場所」から「愛がおしえてくれたもの」あたりの)イメージがそのままといった感じ。いい意味で(まあ、正直なところ悪い意味でも)90年代のポップスシーンそのままといった感じのナンバーで、懐かしさとあわせて、楽しく聴くことが出来ました。

その後の作品は、しんみりと聴かせる雰囲気のナンバーが続きました。もともと、昔から大人っぽい雰囲気を持ったシンガーだったのですが、それがさらに大人に進化していた感じでしょうか?ボーカルにもどこか色っぽさも加わって、90年代風の懐かしさに、大人の相馬裕子としての魅力が加わったような作品でした。

全体的にインパクトは薄めで、サラリと聴いてしまえる作品なのですが、あの頃を懐かしみながら楽しめたポップアルバムでした。

評価:★★★★

Title:Crystal SceneryIII
Musician:岡本真夜

Crystal SceneryIII Selfcover Best

こちらは大学時代によく聴いていた・・・といっても、彼女の場合、その後もコンスタントにアルバムは聴いているんですけどね(^^;;恒例のセルフカバーアルバム第3弾です。

クリスマスシーズンを意識したのか、多重録音でのアカペラなどを前に押し出した重厚な教会音楽風のアレンジになっています。そのため、ちょっとカバーとしては単調になってしまった印象が・・・。

聴いていて心地よいアルバムで、寒い季節の部屋のBGMとしてはピッタリなのでしょうが、カバーで新しい発見が、といったような面白みには欠けるかも。ファンズアイテムかなぁ。

評価:★★★

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2010年1月 3日 (日)

お気に入りに出逢えるかも?

洋楽第1弾として紹介するのは、ピクシーズなどで有名な、イギリスの名門インディー・レーベル4ADが、無料ダウンロードで提供した、12曲入りのレーベル・サンプラー「4ad 2009」です。

4ADがレーベル・サンプラーを無料配布中!ディアハンターなど全12曲入り

本来、クリスマス・プレゼントということで、12月から配布されていたのですが、ちょっと紹介がおそくなってしまいました。

ちなみにダウンロードはこちらのサイトから。

楽曲は、今、注目の4AD所属ミュージシャンたちの代表曲が収録されています。タイプとしては、シューゲイザー風の曲、サイケちっくな曲、あるいはアコースティックテイストの強い曲が多かったような印象を受けました。

その中で、個人的に一番気に入ったのが、THE BIG PINKというミュージシャンの「Too Young Too Love」という楽曲。古き良き(?)シューゲイザーバンドを彷彿とさせるような楽曲で、ノイジーなギターとポップなメロディーがとても心地よかったです。

その他の楽曲も、全体的にポップでメロディアスな楽曲が多く、インディーレーベルということですが、決してマニアックに走っているわけではなく、広いリスナー層が楽しめそうな楽曲が収録されていました。特に、シューゲイザー系が好きなら、気に入りそうな曲も多いかも。

ただ、その一方、懐かしい反面、どの曲もちょっと新しさを感じなかったのが気がかりでした。既存の曲のいいところを取った感じで、この曲からはじまる、全く新しいポップミュージックの一歩というものは、残念ながらあまり感じることが出来ませんでした。

いいミュージシャンがやはり多いなぁという反面、インディーの割りには、小さくまとまってしまっている部分も感じてしまって、やはり洋邦問わず、ちょっとシーン全体が閉塞的になってしまっているのかなぁ・・・なんてことも感じてしまったサンプラーでした。

評価:★★★★

ちなみに、上のブログパーツで試聴が出来ます。よろしければ、是非。

また、ダウンロードといえば、THE SMASHING PUMPKINSもまた、公式サイトから、新作アルバムのダウンロードをスタートさせた模様です。

スマッシング・パンプキンズの“フリー・アルバム”プロジェクト、第1弾楽曲の配信がスタート

スマパンの無料アルバムダウンロードといえば、かつての「MachinaII」を思い出します。確か、あの頃ってまだ、テレホーダイでネットにつないでいて、アルバムをダウンロードするのに、かな~り苦労した記憶が。あれから9年。ネット環境はかなり激変しました。信じられないくらいに・・・。

公式サイトからさっそくダウンロード。曲はスマパンらしい、メロディアスで、哀愁たっぷり。アコギがなんともいえない味を出している、アルバムの出だしにふさわしいポップなナンバーになっていました。

ただ、1月3日現在、第1弾楽曲配信以来、進展がないのが気にかかります。全44曲。いつくらいに配信されるのでしょうか?首を長くして待っていたいところですね。今のネット環境なら、44曲のダウンロードも苦労しなさそうだし(とはいえ、それなりに時間がかかりそうですが)。

ちなみに、こちらのファンサイトで詳しい情報が載っていました。今後の動向をつかむのに、ピッタリかも。

こちらも下のブログパーツから、新曲の試聴とダウンロードが出来ます。

で。そういえば「MahinaII」って、その後どうなったのかなぁ、と思っていたのですが、一応、英語版のWikipediaで、現在、ダウンロード可能なサイトが紹介されていました。ただ、こういうスタイルのアルバムをリリースしてしまうと、ちゃんとミュージシャンの側で管理しないと、楽曲が散逸してしまう危険性がありそうですね。今後、こういうスタイルでアルバムをリリースするミュージシャンも増えそうですが、時間がたった後、楽曲をダウンロードするサイトが閉鎖され、楽曲が入手困難になる、という事態も起きてしまう可能性もありそうです。

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2010年1月 2日 (土)

年明け第1弾

・・・といっても、特に年明け第1弾として選んだ訳ではありませんが・・・。

Title:13年の金曜日
Musician:ホフディラン

13年の金曜日

ちょっと意外なことに、ホフディラン初となるライブアルバム。昨年の7月3日の金曜日、デビューからちょうど13年目になるこの日に、東京の渋谷公会堂(渋谷C.C.Lemonホール)で行われたライブイベントの模様が収録されています。

この日は他に、TOMOVSKYや、Tokyo No.1 Soul SetのBIKKEなど豪華なゲストも参加していて、コラボレーションなども楽しめたみたいなのです。DVD盤には、そんなコラボレーションの模様も収録されているそうなのですが、今回紹介するライブCDの方は、残念ながら、コラボレーションの模様はおさめられていませんでした。

ただ、ちょうど13年前のデビューシングル「スマイル」や、「欲望」「遠距離恋愛は続く」など、ホフディランの代表曲が歌われていて、ホフディランの入門盤としても、ちょうどいいともいえる選曲がとても魅力的。ホフディランの楽曲の楽しさ、素晴らしさをあらためて実感することが出来ます。

また、MCの模様なども収録されており、全体像ではないとはいえ、その日の会場の雰囲気もチラッと楽しめる内容になっています。とてもポップでキュートな楽曲の連続で、とても楽しそうなライブ会場だなぁ・・・ということが、CD音源を通して伝わってくるようです。

彼らの場合、ライブだからといって、オリジナル音源とは全く違う雰囲気・・・という感じでもないのですが、ライブはライブで実に楽しそう。そんな雰囲気をつめこんでいる、素敵なライブアルバムでした。

評価:★★★★

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2010年1月 1日 (金)

あけましておめでとうございます。

本年も、当「ゆういちの音楽研究所」をなにとぞよろしくお願いします。

今年の年末は、30日レコード大賞→31日紅白と、既に化石化しかかっている、ベタな音楽番組のはしごをしてしまいました。どちらも、根をつめてみていたわけじゃないですけどね。

で、思ったことをつらつらと。

・レコ大優秀アルバムで、ハナレグミを入れているのは、一応「曲の良し悪しが賞の判断基準なんだよ」というアピールなんだろうか?

・正直、海外で実績のあるシンガーが、日本で「最優秀新人」というのは、ちょっと違うように思う・・・。

・最近、何年も同じ曲を歌うシンガーが多いよね、紅白。秋元順子といい、ジェロといい、アンジェラ・アキといい・・・。

・美川憲一のステージは、むしろ主役が春日で、美川が引き立て役になってしまっていたような・・・あれでよく美川憲一はOKを出したよなぁ。

・小林幸子は、あれはギャグということでOKなんですよね?

・なぜいまさら「粉雪」??

・演歌は好きじゃないけど、やはり石川さゆりの「津軽海峡冬景色」は名曲だと思う。

・紅白は、あまりにもジャニーズ系に頼りすぎのような感じがしました。

・ただ、肝心の嵐が、完全に矢沢永吉の前座になっていたような・・・。

・SMAPも、マイケル・ジャクソンの前では、かなり分が悪いと思う。

・矢沢永吉のステージは、やはり迫力があるし、魅せるものがありますよね。

・ドリカムは、すっかり大物歌手としての貫禄がついてきたなぁ~。

・初登場組の新人歌手のステージがいまひとつ印象に残りませんでした。悪くはないけど、そこそこにおさまっていてパワー不足な感じが。ここらへんが、今のCD不況の原因のひとつ・・・なのかなぁ??

そんな感じで、思いつくままに。

明日は、またベタに箱根駅伝を見ながらのんびり過ごしています。

みなさんもいいお正月を~。

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