15年目のテクノ・ゴッド
Title:KI15-The Best of Ken Ishii-
Musician:KEN ISHII
1993年、テクノの代表的なレーベルR&Sレコーズからデビュー。日本よりも先に、ヨーロッパで話題となり、日本に逆輸入。日本でも一気にその名前が知られることになりました。
そんな彼も、昨年は、日本デビューから15年。それを記念してリリースされた第1弾が、このベストアルバムです。
彼の作品を聴いていると、楽曲がとてもポップでダンサナブル。メロディアスでとても聴きやすいなぁ、ということを感じました。技術的な部分は、正直、よくわかりません(^^;;ただ、彼の楽曲は、テンポがよく、おそらく一般的な「テクノ」のイメージにもマッチし、広いリスナー層にも支持を受けそうな、そんな力を持っているな、ということを感じました。
個人的には、ちょっと怪しげな雰囲気のビートが鳴り響く、ダークな雰囲気を持った「Garden on the Palm」が、やはりよかったかなぁ。他に、祝祭的な雰囲気が特徴的な「Extra」や、ちょっと近未来風の「Circular Motion」など、魅力的な楽曲がたくさん収録されています。
「ICEBLINK」は、映画「ホワイト・アウト」の主題歌にもなっていただけあって、この中では唯一、「ヒット曲」のフォーマットに沿った雰囲気を感じるポップス。これはこれでいい曲だとは思うのですが、ちょっと浮き気味だったかな?「Game Over」などはちょっとエレクトロニカ風。新たな音への挑戦を感じさせます。
テクノに興味がある方の、最初の1枚としてもちょうどいいかも。心地よいリズムが楽しめるベスト盤。KEN ISHIIの入門盤としてももちろんピッタリです。
評価:★★★★★
で、同時に発売したのが、他のミュージシャンのリミックス曲やレア・トラックを集めた企画盤。
Title:The Works + The Unreleased & Unexpected
Musician:KEN ISHII
他ミュージシャンのリミックス曲は、まさに個性と個性のぶつかり合いといった感じ。ボアダムスの楽曲「Rebore Vol.2」に関しては、まさにボア風のドラムのリズムと、KEN ISHIIのサウンドが真正面からぶつかり合ったような印象を受けました。
ただ、どちらかというと、リミックス曲に関しては、比較的、KEN ISHIIが脇役に徹していて、メインのミュージシャンの個性がよく出ていたリミックスになっていたように感じました。
上のベスト盤とあわせて、KEN ISHIIというミュージシャンを知るには最適の作品といった感じでしょうか?様々な個性的な楽曲が並んでおり、最後まで飽きない作品だったと思います。
評価:★★★★
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