アルバムレビュー(洋楽)2009年

2009年12月11日 (金)

今の時代の音

Title:Rated R(邦題 R指定)
Musician:Rihanna

Rated R

アメリカのヒットチャートをにぎわせるR&BやHIP HOPといったジャンル。もちろんロックもそれなりには頑張ってはいます。ただ、ここ最近、ヒットチャートの王道を行って、かつ、新しい音を感じさせるのは、やはりR&Bの系統が多いのかなぁ・・・(特にアメリカ系では)と思ってしまいます。

彼女、Rihanna(リアーナと読みます)は、まさに、そんな今風の新しい音を届けてくれるR&Bの、典型的なシンガーといっていいかもしれません。

まずはプロデューサー勢が、まさに今の時代を象徴する名前が揃っています。

日本でも人気のNe-Yoをはじめ、Justin TimberlakeやStargate、Tricky Stewartなど、いまをときめくメンバーがズラリ。

それだけに、音もまさに今風。エレクトロサウンドがメインとなっていて、冒頭の「Mad House」「Wait Your Turn」をはじめ、ヘヴィーなナンバーが続き、怪しげな雰囲気を作り出しています。

「ROCKSTAR 101」では、あのSlashがゲストで参加した、ロッキン・エレクトロなナンバーで、まさに今ジャストの流行の音といった感じ。ここらへん、ロックリスナーでも楽しめるナンバーになっています。

一方では、「Stupid in Love」「Russian Roulette」など、哀愁たっぷりに聴かせるバラードナンバーも楽しませてくれ、王道のR&Bといったサウンドも楽しませてくれます。もっとも「Russian Roulette」などは、強いビートに、どこかロック風な香りも感じますが・・・。

また「Photographs」では、男女デゥオでしっかり聴かせると思いきや、中盤からアップテンポな楽曲となり、さらにはラップも加わる・・・などといったユニークかつ展開がおもしろい作品も聴かせてくれたり、「Te Amo」などではどこかエキゾチックなリズムを聴かせてくれたり、と様々な作風も楽しませてくれます。

ジャンル的にはR&Bなのですが、ロック風のリズムも多く、ロックリスナーでも楽しめそうな作品。なによりも、ちょっと一歩先を行くようなサウンドは聴いていてワクワクしてきます。こういう純粋にワクワクさせてくれる今風なサウンドが、今のロックシーンには少々不足しているような気がするんですよね・・・。まさに今の時代を感じさせてくれるような作品でした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

808s&Heartbreak/Kanye West

808s & Heartbreak

今の音といったら、彼のまさにそんな今の音を作り出すミュージシャン。エレクトロのサウンドがメインながらも、中にはエレクトロニカ的な無機質な電子音を見事ポップにまとめている実験的な作風もあり、とても楽しめました。ロックリスナーにもかなりお勧めしたい作品です。

評価:★★★★★

The Sound Of The Smiths/The Smiths

The Sound of the Smiths

上2枚が、まさに今の音とすれば、こちらはまさに80年代風の音。また、上2枚が、ネットスラングを使うと「リア充」の音楽とすれば、こちらは「喪男」たちの音楽(笑)。そんな訳で、今の時代、The Smithsがもっと聴かせたり、そのフォロワーがもっと出てきたりしてもいいと思うんですけどね。ただ、彼らみたいに、自分の恵まれない境遇を歌にして世に出る時点で、もっと「もてたい」「認められたい」という欲求が底辺にある訳で、そういう意味では今はやりの言葉を使うと、大きくわけて「肉食系」。「草食系男子」が増えてしまった現代では、The Smithsみたいなバンドも、出ずらくなってしまったのかなぁ・・・。

評価:★★★★★

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2009年12月 8日 (火)

ジャズとロックの狭間で??

Title:THE FALL
Musician:Norah Jones

The Fall

ノラ・ジョーンズの新作は、ロック/ポップス色が強い作風になる・・・このアルバムを聴く前に、そういう話を耳にしていました。

今回のアルバムは、プロデューサーにキング・オブ・レオンやトム・ウェイツを手がけるジャクワイア・キングを起用。また、それに伴って、バックのバンドも、グッとロック色の強いメンバーが揃いました。

ただ、彼女の魅力って、やはりポップながらもジャジー、ジャジーながらもポップ。ポップとジャズの中間点あたりの微妙な位置付けが魅力だったりするだけに、あんまりロック寄りになっちゃうのは、どうなのかなぁ、と不安半分、期待半分でこのアルバムを聴いてみました。

で、実際に聴いてみると

なんだ、思ったよりジャジーな雰囲気じゃん(笑)。

彼女の美しいボーカルでしんみりと歌い上げる曲の数々は、いままでのノラの作品同様、ジャジーなポップソングに仕上がっており、思ったほど、以前の作品から大きな変化はないなぁ、とそう思いました。

でも聴いているうちにどうも違和感を覚えるんですよね。

それは、彼女のジャジーなボーカルと反して、バックバンドのリズムがとてもロックテイスト。横ノリのリズムでゆらいでいる彼女のボーカルに対して、バンドのリズムがしっかりと縦ノリなんですよね。

そのボーカルとバンドの絶妙なバランスが逆に面白く、ジャズでもなくロックでもない、いわばジャズとロックの狭間に入ったような、個性的な音を出していました。

「EVEN THOUGH」のような、ギターを前面に押し出した曲や、「YOUNG BLOOD」「IT'S GONNA BE」のように、ドラムスの音を前に押し出して、ロックのグルーヴを作り出している曲など、このメンバーだからこそ生まれた、ロックテイストの強い曲も多く収録されています。

その反面、ノラの歌声をしっとりと聴かせる「BACK TO MANHATTAN」「MAN OF THE HOUR」あたりは、かなりジャジーな雰囲気。かと思えば「DECEMBER」あたりは、フォークミュージックの香りが漂っていて、ジャズやロックをベースにしながらも、ノンジャンルな楽曲を聴かせてくれるのは、彼女の大きな魅力でしょう。

ノラ・ジョーンズとしての個性をしっかり保ちながら、新たな一歩を踏み出した意欲作。いままでのファンも安心して聴ける作品になっている一方、ノラが次にむかう方向も見えてきた作品でした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

4:13 Dream/The Cure

4:13 Dream

基本的に、オルタナ系のギターロックながらも、どこかひねった曲調がおもしろい作品。ギターロックが好きなら、素直に楽しるポップさをもちながらも、一筋縄ではいかないようなサウンドが魅力的でした。

評価:★★★★

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2009年11月28日 (土)

衝撃、走る!

Title:LIVE AT READING
Musician:NIRVANA

Live at Reading

90年代を代表するロックバンド、NIRVANA。そんな彼らの最高のパフォーマンスと言われたのが、1992年8月30日、イギリスのレディング・フェスティバルでのステージ。そのステージの模様を、そのまま収録したライブアルバム+DVDがついに発売となりました。

NIRVANAに関しては、「NEVERMIND」も「IN UTERO」も聴いていて、決して嫌いなバンドではないのですが、大ファン、という訳ではありませんでした。

それだけに、このライブ盤も最初、どうしようか迷ったのですが、ちょっと気になったので購入。

で、このライブCDを聴いた瞬間、衝撃が走りました!

大げさじゃないんです。その荒々しいサウンドと、カート・コバーンのボーカルがあまりにリアル。心の叫びをそのまま表現しているようで、思わずその迫力あるサウンドの前に立ち尽くしてしまいました。

いや、マジで。

いままでライブアルバムはいろいろと聴いてきたのですが、CDで聴いただけで、ここまで衝撃を受けたのははじめて。その心に突き刺さるような楽曲の数々に、なんでNIRVANAが、90年代の若者の心をあれだけひきつけたのか、はじめてわかったような気がします。

音的に圧巻されたライブCDに対して、DVDの方は、意外にも楽曲そのものに衝撃はさほど受けませんでした。

最初にCDから聴いた影響もあるのかもしれませんが・・・変に「視覚」という要素が入るよりも、「聴覚」だけに頼って音を聴いた方が、より音楽の本質に迫れるのかなぁ、なんてことも考えたりして。

ただ、DVDも見所がたくさん。車椅子でステージにあらわれたカート、ステージ上で踊り狂う謎の男・・・MCまで含め、ライブの模様を完全に収録しているようなのですが、資料的価値もあるDVD作品になっています。

この後に起こる「事件」のことを知っているから、特に感じるのかもしれないのですが、ステージ上のカートの姿は、どこかピュアで、どこか弱い部分を抱えているようにも感じました。一番印象的だったのは、MCで、観客に、自分の妻であるコートニー・ラヴに対して、「コートニー・ウィー・ラヴ・ユー」と叫ばしているシーン。なんか、胸にグッとくるような、印象的なシーンでした。

様々な側面から、NIRVANAというバンドの魅力をしっかり捉えたライブ盤の傑作だったと思います。NIRVANAを聴いたことない方、「NEVER MIND」くらいしか聴いたことない方(って、私もだったのですが)、是非聴いてみてほしいライブ盤です。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Everything Is Borrowed/The Streets

Everything Is Borrowed

トラックはシンプルなイメージ。AORやソフトロック風、といってもいいかも??しっかり聴かせる印象を受けました。国内盤では、タイトル曲の日本語バージョンが収録・・・といっても、日本語はサビの部分のみで、「すべては借り物~♪」って、そのくらいの英語はわかるって(^^;;という、少々失笑モノでした。

評価:★★★★

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2009年11月23日 (月)

あのWARPのミュージシャンなれど

Title:Quicken The Heart
Musician:Maximo Park

Quicken the Heart

テクノシーンで著名な、WARPレーベル初のギターロックバンド。・・・としてデビューしてから、既に3作目。着実に、そのキャリアを築きつつある彼らの新作です。

WARPといえば、Aphex TwinやらAutchreやら、最近デビューしたロックバンドBATTLESやら、一癖も二癖もあるミュージシャンを多くかかえています。

そんな他のWARP勢に比べると、彼らのサウンドは、ビックリするほどポップで聴きやすい内容。パッと聴いた感じでは、ブリットポップの正統な継承者、なんてことを言い出しかねないような、シンプルなギターロック路線を貫いています。

「Overland,West Of Suez」あたりはまさに正統派ともいうべき、ノイジーなギターサウンドが心地よいロックチューン。他も、「A Cloud Of Mystery」は4つ打ちのリズムがテンポよくダンサナブルですし、「In Another World(You Would've Found Yourself By Now)」など、気持ちよく踊れるロックチューンも並んでいます。

ただ、その一方、シンプルそうな楽曲の裏で、シンセがおもしろい音を響かせて、曲に奥行きをあたえていたり、微妙なひねりがはいっていたりするあたりが、やはりWARPレコード所属のミュージシャンかな?とも。単純なポップとはちょっと異なる側面も見せていたりして、一筋縄ではいかない部分など、実に魅力的なバンドとも言えるでしょう。

その一方で、3作目となるこのアルバム、インパクトという面で、核となるような曲がなく、アルバム全体としては物足りなさも感じました。いいアルバムだとは思うけど、傑作か、といわれるとちょっと惜しい内容でした。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

And Winter Came.../ENYA

AND WINTER CAME

あいかわらずのENYAワールドが展開される1枚。まあ、彼女の場合、大いなるマンネリって感じだよね(^^;;そういうマンネリさに感じて、とやかく言うのも野暮ってもので・・・。

評価:★★★★

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2009年11月19日 (木)

偉大なるエンターテイナー

Title:MICHAEL JACKSON'S THIS IS IT
Musician:MICHAEL JACKSON

マイケル・ジャクソンの、行われる予定だったライブリハーサルの模様を映画化し、大ヒットを記録した「MICHAEL JACKSON'S THIS IS IT」。ちなみに、私も先日、近くの映画館に見に行きました。

この作品は、その映画のサントラ的アルバム。ライブ自体、彼のベストセレクション的選曲になっていたみたいなので、当然、このアルバムも、まさにベスト盤のような収録曲になっています。

正直言ってしまうと、映画こそ見に行って、このアルバムも買ったのですが、そんな熱烈なマイケル・ジャクソンのファンではありません(^^;;そんな訳で、偉そうに、このアルバムの内容に云々語ることは出来ないのですが・・・。

でも、このアルバムを聴いて感じたことをひとつだけ。それは

このアルバムで感じる、ワクワク感は異常!!

ということ(笑)。

とことんポップで壺をついたメロディーラインに、R&Bをベースにしながらも、ポップな曲をつくるためには、ロックの要素もどんどん取り込む貪欲さ。リズミカルなテンポに、打ち込みを用いた、ちょっと近未来チックなサウンド。

本当に、素直に楽しめる極上のポップソングって、なにより聴いていてワクワクしてきますよね。彼の曲って、変な理屈を抜きとして、リスナーを楽しませること、ただ、それを第一義に曲をつくっているような印象を受けます。それだけに、これだけワクワクするポップソングを作り出しているんでしょう。まさに、稀代のエンターテイナーとしてのマイケルの偉大な業績がよくわかる作品だったと思います。

ここ最近、こういう聴いていて、ただ素直にワクワクできるようなポップソングが少なくなってきたような気がします。今、CDが売れない、と盛んに言われていますが、その大きな理由のひとつが、そういうところなのかも・・・。

あらためてマイケルの偉大さを感じ、そして、早すぎる死を惜しみたくなる、そんなアルバムでした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Journey To The West/Monkey

Journey to the West

ゴリラズのデーモン・アルバーンとジェイミー・ヒューレットが新プロジェクト。パリの名門シャトレー歌劇場が制作した「西遊記」に基づくオペラ「Monkey:Journey to the West」に、作曲と舞台デザインで参加し、そこで使用された曲を中心に構成されたアルバムです。

中国風のリズムやメロディーと、西洋風のサウンドの融合・・・といっても、どうも中国文化のなじみが深い日本人にとっては、さほど新鮮さが感じられなかったような。サントラ的内容なだけに、アルバムだけで聴くには、ちょっと物足りなさを感じてしまいました。

評価:★★★

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2009年11月13日 (金)

これはこれであり。

Title:RADITUDE
Musician:WEEZER

Raditude

前作の通称「レッド・アルバム」が、いままでのWEEZERのイメージを大きく変えた作品だったために、ファンの間で賛否両論が巻き起こったみたいです。

そして今回の作品も、またグッと、WEEZERのイメージを変えてくる作品でした。

まず1曲目「(If You're Wondering If I Want You To)I Want You To」から、ノイジーでヘヴィーなギター・・・ではなく、爽やかなアコギからスタート。軽快で爽やかなポップチューンは、WEEZERのイメージから大きく異なります。

その後の「I'm Your Daddy」も、ようやくヘヴィーなギターが楽しめるパワポ、と思いきや、エレクトロの要素なども見え隠れする新しいタイプのナンバー。「Can't Stop Partying」も、今風のエレクトロサウンドを大胆に導入した上、ラップを取り入れたり、「Love is The Answer」も、インド風のエキゾチックなメロを入れてきて、不思議な空間を作り出したり。

前作も、パワポの一言では留まらない広い音楽性に挑戦していましたが、今回の作品は、さらに脱泣きメロパワーポップバンドを志向した作品になっていました。

もっとも、ヘヴィーなギターが楽しめる「Let It All Hang Out」をはじめ、基本的にはやはりパワーポップ路線が主軸。とはいえ、かつての泣きメロ路線は薄くなり(まず第一に、「ヘヴィーなギターサウンドに線の細いボーカル」という泣きメロにピッタリするような組み合わせがなくなってしまっていますし)、とことん楽しく明るいポップソングを聴かせてくれます。

そんな訳で、かなりWEEZERというバンドのイメージが異なってきた作品なのですが、このアルバムを聴き終わると、これはこれでありかなぁ、という印象を受けました。

新しいWEEZERの路線も、基本的にポップで楽しく、それなりにヘヴィーなバンドサウンドも楽しめます。「I Don't Want To Let You Go」あたりでは、美メロをしっかりと聴かせてくれるあたり、卓越したメロディーセンスももちろん健在。魅力的なバンドであることは変わりありません。

泣きメロ路線を脱却し、あらたな路線に突き進む彼ら。今後の活躍も楽しみです。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Way To Normal/BEN FOLDS

Way to Normal

ピアノを主軸に、パンキッシュなナンバーから、ストリングスなども取り入れて、しっかり聴かせるナンバーまで、幅広いポップチューンが楽しめます。そして、どの曲も、インパクトのある聴かせるメロディーラインが魅力的。ピアノの音が実に魅力的かつ効果的で、個人的に、私みたいなピアノの音が好きな身にはたまらない作品でした。

評価:★★★★★

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2009年11月 8日 (日)

夢の国の破壊?

Title:EMBRYONIC
Musician:The Flaming Lips

Embryonic

The Flaming Lipsの新作を聴いて、ビックリしてしまった方、少なくないのではないでしょうか?The Flaming Lipsといえば、ドリーミーなサウンドにポップなメロディー。リスナーを夢の世界に引きこむような、そんなポップソングを書いてくるバンド、そうイメージしていました。

しかし、今回の作品、1曲目「CONVINCED OF THE HEX」から、いきなりガレージサウンドバリのゴツゴツしたバンドサウンドに、サイケデリックなアレンジ。いわば、いきなり夢の国を破壊されたような、そんな印象すら受ける作風になっています。

今回の作品は、全体的に、バンドサウンドを前面に押し出したような作風の曲が多く収録されてます。それも、生々しい、ガレージパンクのサウンドになっていて、ロックバンドとしてのリアリティーを感じさせます。

それにサイケデリックなサウンドを加えることにより、ガレージパンクともサイケとも異なる、独特な音の世界が繰り広げられています。特に、曲によってはところどころ、ドリーミーな雰囲気をかもし出す、ハープの音がアレンジされており、不思議な感触を味わえます。

そんな訳で、いままでの彼らの作品とはかなり異なる作風に戸惑う方も多いのではないでしょうか?「SILVER TREMBLING HANDS」みたいな、以前の彼らの作風に比較的近い、美メロが楽しめるチューンもあるのですが、夢の世界を味わいたい、そう期待すると、大きく裏切られてしまいます。

インタビューなどによると、美メロのポップソングのイメージがついたため、今回の作品は、あえて実験的な作風にしたのだとか。まあ、彼らのやりたいことはよくわかるし、こういう実験精神があるからこそ、美メロのポップソングにしてもどこかひねくれていて、奥深い世界が楽しめるのでしょう。

そういう意味では今回の作品、彼らの活動の中では意義深い作品だといえるかもしれません。ただ、正直・・・いままで何度も聴いていた過去の作品に比べて、このアルバムを何度も聴きたいか、といわれるとちょっと微妙かなぁ(^^;;ちょっとゴチャゴチャしすぎている部分があって、聴いていて、すごく体力を使うんですよね。

いい作品だとは思うし、聴きこめばもっと感想はかわるのかもしれないけど。できれば次回作は、まだ夢の世界を見せてほしいなぁ。

評価:★★★★


ほかに聴いた作品

RISE AND FALL,RAGE AND GRACE/THE OFFSPRING

Rise and Fall, Rage and Grace

まあ、彼らの場合、「大いなるマンネリ」に近いものはあるよね。ポップなメロディーは相変わらずだし、哀愁のあるメロは、日本人の琴線にも触れそうだし、安心して楽しめるけど・・・それ以上でもそれ以下でもない点、ファン以外にはちょっと辛いものもあるかも。

評価:★★★

The Eraser Rmx/Thom Yorke

The Eraser Rmxs

RADIOHEADのボーカリスト、トム・ヨークのソロアルバムのリミックス盤。トム・ヨークお気に入りのクラブ系ミュージシャンによるリミックスだそうで、エレクトロニカ、テクノ方面が好きなら、かなり楽しめそうな、個性豊かな仕上がりになっていました。

評価:★★★★★

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2009年11月 3日 (火)

実はとてもポップ??

Title:Warp20[Chosen]

Warp20[Chosen](チョーズン)

いわゆる「テクノ3大レーベル」として知名度の高いWARPレコード。個人的に、おそらく唯一、レーベル買いをしてしまうレーベルです。まあ、それだけ有名だってことですね。かつ、非常に個性的なミュージシャンを数多くかかえているレーベルだったりします。

今回、レーベル創設20周年を記念してリリースされた2枚組のベストアルバム。AutechreやAphex Twin、SquarepusherにBoards Of Canadaといった、WARPを代表するミュージシャンの曲がズラリと並んでいます。

Disc1は、オフィシャルサイト上で行われた人気投票をもとに決定された作品で、Disc2は、WARP主宰Steve Beckettにより選曲された作品が収録されています。

Disc1の方は、思った以上に聴きやすいですね~。WARPといえば、実験的なエレクトロニカ作品をリリースするミュージシャンが多い・・・というイメージで、Autechreをはじめ、初めて聴く方には、強烈なインパクトのあるミュージシャンが多いのですが、ここに並んだ作品を聴くと、やはりポップで聴きやすい作品に人気が集まるのかなぁ、とも思ってしまいます・・・まあ、私自身の耳が慣れてきただけ、かもしれないのですが。

一方で、Disc2の方は、Steve Beckett選曲ということもあるのでしょうか、比較的実験的。Disc1に比べると、癖のある作風の曲が多かったような印象を受けました。ある意味、WARPレコードとしての目指す道が示されている、ということなのでしょうか?常に新しいスタイルを求めていく・・・これが、このレーベルの大きな魅力なのかもしれません。

ただ、この2枚のディスクを聴いてあらためて感じたのは、「実験的」みたいな枠組みで語られることの多いWARPですが、実はその根底にしっかりとしたメロディーが流れていて、とてもポップにまとまっているんだなぁ、ということに気がつきました。

Jamie Lidellの「Daddy's Car」など、かなりポップなメロが楽しめますし、特にBoards of Canadaの「Amo Bishop Roden」やXeper(Black Dog Productions)の「Carceres Ex Novum」のメロにはどこか哀愁すら感じられ、日本人好みかも。

ぱっと聴いた感じ、不思議なリズムや様々な音に隠れがちなのですが、その後ろでしっかりと鳴っているポップなメロディーこそがWARPの魅力なのかなぁ・・・なんてことを考えたりもしました。

個人的には、Autechreの「Gantz Graf」やBattlesの「Race:Out」が特によかったかな?Autechreの個性は、このアルバムでも際立っていますね。不条理な音が、どこかメロディアスで癖になりそうです。Battlesは、低音のストリングスに重いドラムスという幕開けから、やがて明るいギターが鳴り響き、風景が開けていく、という展開がたまりません。

もちろん、それ以外の曲も個性な曲揃い。テクノ、エレクトロニカ好きには、是非とも聴いて欲しい(・・・というか、もう聴いているか(^^;;)アルバムです。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

BRASS KNUCKLES/NELLY

Brass Knuckles

かなりマッチョなジャケ写ですが・・・(^^;;

ジャケ写のイメージ通り、ヘヴィーな曲もあれば、メロウなチューンもあり、バリエーションが豊富なアルバム。いろいろな層にアピールできる曲があり、いい意味で、売れそうだなぁ、という感想を持ちました。

評価:★★★★

PAPER TRAIL/T.I.

Paper Trail

マイヤヒー~~!

・・・にはちょっとビックリしました(笑)。いや、「Live Your Life」に、日本でも大きな話題となった「恋のマイヤヒ」がサンプリングされていたって話なんですけどね(^^;;ちなみにこの曲、邦題は「マイヤヒ・ライフ」なのね・・・。

基本的にヘヴィーな曲が多かった一方、後半には聴かせる曲も。特に「You Ain't Missin' Nothing」では、悲しげなトラックに、淡々としたラップがとても印象的。その実力を存分に味わえる1枚でした。

評価:★★★★★

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2009年10月11日 (日)

ウォール街を襲撃する時にふさわしい曲

Title:Street Sweeper Social Club
Musican:Street Sweeper Social Club

Street Sweeper Social Club

レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロが、ザ・クープのブーツ・ライリーと結成した新バンド、Street Sweeper Social Club。この作品は、そのデビューアルバムです。

ヘヴィーでファンキーなギターリフに、ラップが載るというスタイルは、レイジとほぼ同様。ボーカルのブーツ・ライリーが黒人なこともあって、ブラックミュージックの匂いはより感じるものの、レイジのスタイルを踏襲しているように感じました。

ただ、そんな中で気になったのが、ボーカルの弱さ。私たちみたいに歌詞の内容がわからない人が聴いても、ザック・デ・ラ・ロッチャのボーカルは怒りのエネルギーを感じ、心に響くものがありました。しかし、残念ながらブーツ・ライリーのボーカルには、そのような怒りのパワーをあまり感じられません。もっとも、ザックみたいに怒りのエネルギーを前面には押し出さない、というのがひょっとしたら彼らの意図なのかもしれませんが・・・。

また、全体的にミディアムテンポのナンバーが多かったのも特徴的でした。

このアルバムに関してトム・モレロは「失業者がウォール街を襲撃する時にipodで聞くにふさわしい曲」とコメントしているそうです。そういうコメントからすると、リスナーを煽るような作風を想像するかもしれません。しかし、実際はその逆でした。

このコメントは純粋に歌詞の内容についてコメントしたのかもしれません。ただ、このアルバムを聴いて、失業者がウォール街を襲撃したとすると、それは、誰かに煽られて襲撃したわけではなく、自らの意思で、強烈な怒りを胸に襲撃した、ということ。本当にそうなった場合は、金儲け資本主義の世の中が、本当に変わるのかも・・・そんなことも考えてしまいました・・・考えすぎかな?

アルバムとしては、悪いアルバムではないのですが、正直、ちょっと地味だったかも。トム・モレロのギターについては文句なしだったのですが・・・全体的にパワーが弱かった感が否めませんでした。やはりレイジを本格的に復活、と思ってしまうなぁ・・・。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

YEAR OF THE GENTLEMAN/Ne-Yo

Year of the Gentleman

1曲目「Closer」は、テンポのよい爽やかなチューン。一時期、ラジオでも流れまくっていたのでおなじみですね。他も、メロウで爽やかなR&Bチューンが続き、日本でも十分ヒットしそうなポップなナンバーの連続。素直に聴いていて気持ちいい作品でした。

評価:★★★★

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2009年10月 2日 (金)

21世紀のQUEEN

Title:The Resistance
Music:MUSE

The Resistance

もともとから、いろいろな音を取り込んで壮大に仕上げた・・・といい方すると言葉の響きはいいけれど、早い話、仰々しいアレンジがある種の魅力的なMUSE。しかし、この作品は、これまたロックやクラッシック、ある種のオペラすら思い起こさせるような音世界に圧巻とされます。

なんか、聴いていて、おなじイギリスの大人気ロックバンド、QUEENを思い出したんですよね。

あまりにストレートで脳天を直撃するような壮大な音の世界は、QUEENの名曲「Bohemian Rhapsody」や「WE ARE THE CHAMPIONS」あたりを彷彿とさせます。

特に「UNITED STATES OF EURASIA」は(また、タイトル自体も「壮大」だなぁ・・・)、ピアノとストリングスでゆっくり聴かせ、徐々に盛り上がっていく雄大なアレンジは、まさにQUEEN風。ロックにクラッシック的要素を融合させ、さらに東洋風のフレーズなども見え隠れする、重厚なナンバーに仕上がっています。

最後は「EXOGENESIS:SYMPHONY」の3部作になっていて、完全に管弦楽風の構成。一方では、打ち込みのリズムを入れてきたり、ヘヴィーなギターを入れてきたりと、ロック的な要素もたくさん。本当にこれでもか、というほど盛りだくさんの音の世界を楽しめます。

すっかり人気ミュージシャンとしての貫禄がついてきている彼らですが、その音も、すっかりスタジアムバンドレベルのスケール感のある音に仕上がっていますね。デビュー当初はRADIOHEADのフォロワー的な位置で見られていましたが、いまだにインディーな雰囲気を残しているRADIOHEADとは、かなり遠い位置に来てしまいました。

日本ではイギリスほどの人気は見せていないみたいですが・・・QUEENは日本先行で人気が出たみたいに、日本でも熱烈な支持を受けていましたが、彼らも徐々に、日本での人気も出てくるのかなぁ~。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

WIRE 08 COMPILATION

WIRE 08 COMPILATION

ご存知電気グルーヴ主催の屋内レイヴのコンピレーションアルバムの、これは2008年度版。相変わらずセンスのよく、かつポップなテクノチューンがたくさんおさめられていて、WIREに行けなかった方でも、その雰囲気をちょっとだけ味わうことが出来ます。個人的には、DISC TWINSの「B-DAY」やRYUKYUDISCOの「Beyond The Island」の個性的でポップな内容がよかったなぁ。

評価:★★★★★

DEATH MAGNETIC/METALLICA

デス・マグネティック~ストロング・エディション

王道。安心して聴いていられるといった感じ。いわゆるメタルなのですが、ヘヴィーロックに近い雰囲気で、グランジ系に耳馴じみのあるリスナーでも比較的聴きやすい内容かも。いい意味でも悪い意味でも安定感がありますね。

評価:★★★★

One Of The Boy/Katy Perry

One of the Boys

同性愛願望をストレートに歌った「I Kissed A Girl」が、全米でヒットし、大きな話題を呼ぶとともに、「良識派」からは大ブーイングをあびた彼女。このアルバムでも、他にもストレートにSEXのことを歌っていたり、かなり過激な歌詞にビックリさせられます。

・・・・・・が、日本人にとっては、そんな歌詞、ただ聴いているだけじゃ気がつかないんですよね(^^;;だから、普通のガールズロックのアルバムとして、アヴィリル・ラヴィーンと同じような感覚で聴けちゃうところが、いい、というべきなのか悪いというべきなのか・・・。ただ、それだと彼女の「魅力」が半分も伝わっていないのが間違いないのですが・・・。

母国語以外で歌われる曲を聴くことの意味を考えてしまった1枚でした。

評価:★★★★

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