今の時代の音
Title:Rated R(邦題 R指定)
Musician:Rihanna
アメリカのヒットチャートをにぎわせるR&BやHIP HOPといったジャンル。もちろんロックもそれなりには頑張ってはいます。ただ、ここ最近、ヒットチャートの王道を行って、かつ、新しい音を感じさせるのは、やはりR&Bの系統が多いのかなぁ・・・(特にアメリカ系では)と思ってしまいます。
彼女、Rihanna(リアーナと読みます)は、まさに、そんな今風の新しい音を届けてくれるR&Bの、典型的なシンガーといっていいかもしれません。
まずはプロデューサー勢が、まさに今の時代を象徴する名前が揃っています。
日本でも人気のNe-Yoをはじめ、Justin TimberlakeやStargate、Tricky Stewartなど、いまをときめくメンバーがズラリ。
それだけに、音もまさに今風。エレクトロサウンドがメインとなっていて、冒頭の「Mad House」や「Wait Your Turn」をはじめ、ヘヴィーなナンバーが続き、怪しげな雰囲気を作り出しています。
「ROCKSTAR 101」では、あのSlashがゲストで参加した、ロッキン・エレクトロなナンバーで、まさに今ジャストの流行の音といった感じ。ここらへん、ロックリスナーでも楽しめるナンバーになっています。
一方では、「Stupid in Love」や「Russian Roulette」など、哀愁たっぷりに聴かせるバラードナンバーも楽しませてくれ、王道のR&Bといったサウンドも楽しませてくれます。もっとも「Russian Roulette」などは、強いビートに、どこかロック風な香りも感じますが・・・。
また「Photographs」では、男女デゥオでしっかり聴かせると思いきや、中盤からアップテンポな楽曲となり、さらにはラップも加わる・・・などといったユニークかつ展開がおもしろい作品も聴かせてくれたり、「Te Amo」などではどこかエキゾチックなリズムを聴かせてくれたり、と様々な作風も楽しませてくれます。
ジャンル的にはR&Bなのですが、ロック風のリズムも多く、ロックリスナーでも楽しめそうな作品。なによりも、ちょっと一歩先を行くようなサウンドは聴いていてワクワクしてきます。こういう純粋にワクワクさせてくれる今風なサウンドが、今のロックシーンには少々不足しているような気がするんですよね・・・。まさに今の時代を感じさせてくれるような作品でした。
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
808s&Heartbreak/Kanye West
今の音といったら、彼のまさにそんな今の音を作り出すミュージシャン。エレクトロのサウンドがメインながらも、中にはエレクトロニカ的な無機質な電子音を見事ポップにまとめている実験的な作風もあり、とても楽しめました。ロックリスナーにもかなりお勧めしたい作品です。
評価:★★★★★
The Sound Of The Smiths/The Smiths
上2枚が、まさに今の音とすれば、こちらはまさに80年代風の音。また、上2枚が、ネットスラングを使うと「リア充」の音楽とすれば、こちらは「喪男」たちの音楽(笑)。そんな訳で、今の時代、The Smithsがもっと聴かせたり、そのフォロワーがもっと出てきたりしてもいいと思うんですけどね。ただ、彼らみたいに、自分の恵まれない境遇を歌にして世に出る時点で、もっと「もてたい」「認められたい」という欲求が底辺にある訳で、そういう意味では今はやりの言葉を使うと、大きくわけて「肉食系」。「草食系男子」が増えてしまった現代では、The Smithsみたいなバンドも、出ずらくなってしまったのかなぁ・・・。
評価:★★★★★
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