直系ガレージパンク!
Title:All de Fashion
Musician:黒猫チェルシー
時々、日本のロックシーンに出てきては、話題になりそうな、ストレートな直球のガレージパンクバンド。
最近、雑誌などでよく名前を聴くようになった彼ら。ちょっとオールドスタイルな雰囲気を感じさせるジャケット写真もいいですし、「黒猫チェルシー」という、かわいらしくもどこかひねりを感じさせるバンド名も、センスを感じさせます。
曲も、1曲目「スピーカー」からいきなりハードなギターリフが心地よいガレージパンクサウンドが炸裂。その後も「廃人のロックンロール」や、ミディアムテンポの「毛にからまって」も、ヘヴィーなギターリフが心地よいロックンロールな作品になっています。
ただ、個人的に、このアルバムを1枚聴いて、どこか違和感を覚えました。
それは決してネガティブな意味ではなく・・・それは、感覚先行で、単純に初期衝動をサウンドに載せているのとは、どこか異なるウィットさを、このバンドから感じたからです。
例えば、どこかGS風の匂いを感じる「ショートパンツ」のような、どこか60年代70年代の雰囲気をパロディー化しているような曲の作り方といい、ユーモアさと独特の世界観を感じさせる歌詞といい、決して初期衝動だけではおさまらない、プラスアルファを感じさせてくれます。
そういうことを考えながら聴くと、渡辺大知のボーカルも、熱狂的なシャウトの中、どこか醒めたような部分も感じられて、とても魅力的に感じました。特にミドリのボーカル後藤まりことのデゥオとなる「南京錠の件」は、強烈な2人のボーカルがぶつかりあい、このアルバムの中でも、特に強烈なインパクトを持ったナンバーに仕上がっています。
まだまだ若さを感じさせるバンドなのは事実だけど、今後がおもしろくなりそうな予感もします。大傑作!というレベルではないのですが、これから先が楽しみになってくる作品でした。
評価:★★★★
| 固定リンク
「アルバムレビュー(邦楽)2009年」カテゴリの記事
- ハードなバンドサウンド(2009.12.29)
- 日本から世界へ???(2009.12.28)
- 間口は広く(2009.12.27)
- バランス感覚の良さ(2009.12.25)
- 直系ガレージパンク!(2009.12.24)
コメント