マイラバらしい作品
Title:そらのしるし
Musician:MY LITTLE LOVER
よく、誰かが誰かの物まねをやっているのを見て、本人以上に本人らしい、と感じることってありませんか?時として、本人よりも、周りの第三者の方が、その本人の特徴をよくつかみ、本人以上に「本人らしい」行動を真似することが出来たりします。
今回のマイラバの作品、基本的に、長くマイラバの音楽面を支えていた小林武史が、ほとんど関与していません(わずかにエグゼクティブ・プロデューサーとして名前を連ねていましたが・・・ほとんど名前だけでしょう)。それにもかかわらず、ともすれば小林武史がからんでいた時期よりも、マイラバらしい作品に仕上がっていました。
おそらく、作品に関わったメンバーが、意識的にしろ無意識にしろ、マイラバらしさというのを感じていて、そのマイラバらしさを忠実に曲に再現したのが、大きな理由ではないでしょうか?
メロディーはどの曲もとても爽やか。クリアなakkoのボーカルに実にマッチした曲が並んでいます。
また、タイトルも「そらのしるし」ということで、空にちなんだ曲も多く、透き通る大空のような、伸びやかで気持ちいい作品が並んでいました。
その中でもやはり、シングルにもなり、久しぶりのベスト10ヒットになった「音のない世界」はやはり素晴らしかったです。とてもメロディアスながらも、どこかひねくれたような曲の展開が、いい意味で癖を持っていて、魅力的。小林武史全盛期のマイラバの楽曲に、勝るとも劣らない傑作になっていたと思います。
その他にも、テクノポップ風味を取り入れた「ストレイシープ」や、ストリングスを取り入れて、スケール感を曲に与える「月の船」など、バラエティー豊かな作品が並んでいました。
ちなみにレミオロメンの前田啓介も作曲で参加し話題となっています。ここらへんは、小林武史人脈といった感じですね・・・。
確かに、小林武史が全面的にかかわっていた時代に比べると、少々スケールダウンは否めないのですが、キラリと光る良質なポップソングが並んでいた作品だったと思います。ただし、いままで小林武史がつくりあげてきた「マイラバらしさ」をなぞるような作風になっていただけに、次の一歩が見えてこず、今後に不安が残る作品ではあるのですが・・・それは今後の課題かな?
評価:★★★★★
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