ポップだけど、ベタになりすぎず
Title:(R)
Musician:九州男
シングル「1/6000000000」が着ウタ主導のヒットで、内容が、典型的な着ウタヒット系(?)のラブソング・・・ということもあり、九州男は最初、あまり期待してなかったんです。ところがアルバム「HB」が意外や意外、聴かせる充実の内容に仕上がっていてビックリしました。
それに続くメジャー2枚目のアルバム。タイトルは正式には、○の中に「R」で「マルアール」だそうです。今回も、なかなか評判はいいみたいで、また聴いてみたのですが・・・
あらためて思うのですが、九州男って、リスナーの壺をついてくるのがとても上手いんですよね。
メロディーはしっかりインパクトがあって、メロディアス。東洋風の哀愁あるメロディーが特徴的の「桜道」といい、見方によってはある種ベタに近いメロディーと捉えられるかもしれませんが、必要以上に盛り上げるわけではなく、しっかりとメロディーを聴かせることによって、インパクトだけが残る、キャッチーなポップナンバーになることを回避しています。
歌詞にしても、東京に出てきた青年の心境を歌った「大都会」、子供の成長を歌った「桜道」など、誰でも経験するような素材を、しっかりと心に響く言葉で歌い上げています。
アレンジにしても、レゲエのリズムをメインに、「Happy Drive」「Movin'」では、打ち込みのリズムを前面に押し出したダンスチューンを楽しませてくれたり、「キミが居るなら…」ではスティール・パンでしっかり聴かせたり・・・ラストの「いないいないばあ」は、ストリングスを使って、スケール感たっぷりのナンバーになっています。
様々なバリエーションあふれるメロディーに、心にしっかりと届く歌詞がとても魅力的なアルバム。哀愁たっぷりのメロディ+レゲエというスタイルで、ちょっとケツメイシに似ている部分も感じてしまったのですが・・・前作同様、予想していた以上にいい作品だったと思います。これからの活躍も楽しみです。
評価:★★★★
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