20周年
Title:四重奏
Musician:THE BOOM
デビュー20周年となる節目に発売された、5年ぶりのニューアルバム。
久しぶりとなる作品なのですが、まずは聴いて、「地味」「おとなしい」という印象を受けました。
THE BOOMというと、「島唄」をはじめ、沖縄音楽の要素を入れてきたり、「手紙」ではポエトリーリーディングの要素を入れてきたり、スカやらブラジル音楽やら・・・要するに、いろんな音楽を楽曲に取り込み、いろいろなタイプの曲を奏でてきました。
歌詞でも「敬称略」みたいな、リスペクトするミュージシャンを並べたような、ユーモラスのあるナンバーもあったりしましたね。
そういうTHE BOOMのイメージからすると、今回の作品は、とてもシンプル。ちょっと目新しいところといえば、「What I Want」でMCUをフューチャーし、ラップの要素を入れたくらいで、ストレートなギターロックやポップのナンバーが多くなっています。
他にも、アコギのアルペジオが美しい「ふたりのもの」や、ピアノとアコギの音色でバラードナンバーを聴かせる「風をなぞるように」など、シンプルでアコースティックなアレンジの暖かいポップチューンを聴かせてくれます。
あまりにもシンプルな内容で逆にとまどったほどでした(笑)。
ただ、あくまでも推測なのですが・・・20周年という節目にあたって、逆にバンドとしての原点を見直すべく、彼らはあくまでもシンプルなメロディーとアレンジで勝負したのかなぁ、ということを思いました。
「四重奏」というタイトル自体、あくまでもTHE BOOMのメンバー4人によって音楽を奏でる、という意味がこめられているような感じがします。それだけに、4人だけで奏でられるような、いろいろな音楽の要素を入れないシンプルなポップアルバムを、あえてつくってきた、のかもしれません。
もっとも、それだけに、インパクトのある曲がとくになく、正直なところ、物足りなかったなぁ、というのが率直な感想なんですけどね(^^;;
とはいえ、シンプルながらも暖かく、聴かせるナンバーの数々に、メロディーと歌詞だけでももちろん十分勝負できるTHE BOOMの実力は感じることが出来ました。21年目に突入する彼ら。今後も多くの名曲を期待したいです!
評価:★★★★
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