壮大なゆずの世界
Title:FURUSATO
Musician:ゆず
ゆずの最新アルバムを聴いてまず感じたのは、とてもスケール感のあるアルバムだなぁ、ということでした。
冒頭の「虹」や「逢いたい」をはじめ、最後を締めくくる「みらい」まで、ストリングスやピアノを効果的に用いて、オーケストラテイストにアレンジした、壮大さを感じる楽曲が続きます。
他にもかわいらしいポップチューンの「いちご」や、伸びやかなメロディーが印象的な「Yesterday and Tomorrow」など、シングル曲が多かった影響もあるのでしょうが、とても垢抜けた印象のあるアルバムに仕上がっていました。
いまさら・・・と言われそうなのですが、ゆずのスタジアムバンドとしてのスケールの大きさを感じさせる、そんなアルバムだったと思います。
ただし、その一方でアコースティックギターをメインとした、まだストリートバンドとして活動をしていたころのゆずを思い出させるようなナンバーもしっかり収録されているのが彼ららしいところ。
その中でも印象的なのは「レストラン」という作品。田舎から出てきた東京に出てきた男の子と女の子をテーマにしたちょっと切ないナンバーで、そのアコースティックなサウンドとともに、とても印象に残るナンバーです。
また、今回のアルバム、インストをのぞいて実質11曲中、6曲が既にシングルとして発表されている曲。そういう意味では、シングルも欠かさず買っている、熱心なファンには不評な面もあるみたいです。
ただ、それだけシングルを収録されていながら、アルバムとして、しっかり流れをつくり、かつ、コンセプトを感じさせる作品になっているんですよね。全体的なサウンドメイキングも統一感がありますし、歌詞もシンプルで素直なラブソング・・・というよりも人と人のふれあいを描いたような歌詞で、「FURUSATO」というアルバムタイトルから想像できるように、どこか暖かさを感じさせるアルバムになっています。
スタジアムバンドとしてのゆずの魅力と、ストリートで活動していた時代のゆずの魅力を同時に味わえる傑作アルバムだと思います。彼らの実力をあらためて感じることの出来た1枚でした。
評価:★★★★★
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